俺ガイル×ニセコイ   作:従属人間

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どうも初めまして
従属人間です。
こちらでは初投稿になります。
今作品はpixivに投稿している作品を特に編集せず転載している作品になります
それではよろしくお願い致します。



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青春とは嘘であり、悪である。

 

青春を謳歌せし者達は常に自己と周囲を欺き自らを取り巻く環境の全てを肯定的に捉える。

 

彼らは青春の2文字の前ならばどんな一般的な解釈も社会通念さえ捻じ曲げてみせる。

 

彼らにかかれば嘘も秘密も罪科も失敗さえも青春のスパイスでしかないのだ。

 

仮に失敗することが青春の証であるなら友達作りに失敗した人間も

 

また青春のど真ん中でなければおかしいではないか。

 

しかし彼らはそれを認めないだろう。全ては彼らのご都合主義でしかない。

 

結論を言おう。

 

青春を楽しむ愚か者ども、砕け散れ。

 

 

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俺の担任教師である日原教子は、朝の職員室で俺の作文を大声で読み上げる。

 

「ねぇ、比企谷。私が入院中の君に救済措置として出した課題はなんだったかな?」

 

「…はぁ、『中学生活を振り返って』というテーマの作文でしたが」

 

「そうだね。それなのになんで比企谷は犯行声明を書き上げたのかな?

 

事故で怪我したのは足だけじゃなくて頭も怪我しちゃったのかな?」

 

まるで可哀想なモノを見る目でこちらを見てくる日原先生。

 

 

 

そう、俺は入学式の前日事故にあっているのだ。

 

そして、3週間程入院することとなりその間授業に出れなかった分を

 

今回の分でチャラにしてくれるというのだった。

 

そして今日が高校初登校なんだが救済措置として出された作文の内容がお気に召さなかったのか、

 

今こうして呼び出されている。

 

 

 

これまでの経緯を振り返っていると頭を叩かれる。

 

「真面目に聞きなさい」

 

「はぁ」

 

「まぁ、人助けをした結果の入院だし、今回はこれくらいにしてあげる。それにそろそろ…」

 

それにそろそろ…」

 

まぁ、人助けした結果というよりも気が付いたら助けてたってだけなんだが…

 

それより、そろそろなんだというのだろうか?

 

なんて思っていると、後ろでドアの開く音が聞こえる。

 

 

「すいません。今日から転校してきた桐崎という者なんですけど…」

 

 

今日から転校してきたってまた変な時期に転校してくる奴もいるんだな。

 

なんて考えてると日原先生が声を上げる。

 

「あぁいらっしゃい。あなたが桐崎さんね。待ってたわよ」

 

ふむ、そろそろと言ってたのはこういう事か。

 

桐崎と呼ばれた転校生がこちらへ向かって来る気配を感じる。

 

じゃ俺はそろそろ教室へ向かうとするか。

 

と、俺が教室に向かおうとドアの方へ振り返ると

 

 

やたら可愛らしい金髪の女子と目が合った。

 

 

ふむ、こいつが転校生か。

 

けっリア充の匂いがぷんぷんしやがる。

 

なんて目を腐らせていると…

 

てか、目を腐らせるって何だよ。

 

「ひっ…ゾンビ?」

 

目の前の転校生が可愛らしくおびえながら酷い事を言っている。

 

俺じゃなかったら傷ついて2度と顔見れなくなるレベル。

 

あ、そもそも俺のこと見ようする奴いなかったわ。…やめよう、泣けてきた。

 

「こら、怯えるのは分かるが声に出すのはやめないか。

 

とりあえずこれから1年間、同じ教室で学んでいく友達なんだから」

 

先生がかなり酷いことを言ってる。

 

なに?俺と目が合うとみんな怯えるの?なにそれ悲しい。

 

でも、否定できないから余計悲しい。

 

俺が心の中で泣いていると、転校生が

 

「あ、いきなりごめんね」

 

と、素直に謝罪をしてくる。

 

「まぁ、気にすんな。そんくらい慣れてる。」

 

むしろ謝られる事に慣れてないまである。

 

少々恥ずかしく、顔をそっぽに向けながら頬を掻いてると

 

「ふふっ、慣れてるって変な奴」

 

転校生が笑っていた。

 

 

「そろそろ時間もないし朝のSHRで紹介するから、2人とも何か自己紹介考えておいてね」

 

ん?今聞き捨てならない言葉が聞こえたゾ?

 

「せ、先生『2人とも』って、俺もですか?」

 

「当たり前でしょ。今日が初登校なんだからみんなにちゃんと挨拶しなきゃ」

 

 

Oh…

 

 

 

 


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