アブソリュート・デュオ 覇道神に目を付けられた兄妹   作:ザトラツェニェ

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久しぶりの投稿!ちなみにまだ幻想郷へは行きません!(笑)
今回は少し短いです。



第五十四話

side 影月

 

橘の見舞いに行き、そこで偶然ながらも紫(呼び捨てでいいと言われた)という女性と会った日の夜ーーー俺たちは寮の自室で、テレビを見ながら持ち物の準備をしていた。

 

「さて、着替えも入れたし……大体こんなもんかな」

 

「そうですね〜。後は……兄さん、カロ○ーメイトいります?」

 

そう言ってカロリー○イトをこちらに見せてくる優月に俺は半眼で突っ込む。

 

「何で持って行くんだよ」

 

「何かあった時の非常食ですよ?向こうで迷ったりした時に食糧無かったら大変じゃないですか!」

 

「あ〜……まあ、そうだけど……」

 

幻想郷の住人である紫とか妹紅について行けば迷う事は無いんじゃないかとは思うが……それでも不測の事態は起こるかもしれない。

 

「じゃあ、少し貰うよ。後は水持って行くか」

 

俺はそう言って台所へミネラルウォーターを取りに行く最中に、今日の朝食の席で紫が言った事を思い返していた。

 

 

『それじゃあ、明日の朝ーーー九時頃にさっきの少女の病室に集合ね。そこから幻想郷に向かうわ。準備しておいてちょうだい』

 

 

「九時に橘の病室か……」

 

「……なんで橘さんの病室なんでしょうね?」

 

台所に置いてあるミネラルウォーターの入ったダンボールからいくつかのペットボトルを取り出しながら呟いた俺に、優月が疑問の声を上げた。

とはいえ、その疑問の答えは俺も持っていない為、「分からない」と言って首を振る事しか出来ない。

 

「まあ、そこは紫にしか分からないな……」

 

「そうですよねぇ……。よし、これで準備完了です」

 

俺から水を受け取った優月はリュックに水を入れてファスナーを閉めた。

 

「さて、それじゃあそろそろ風呂に入って、今日は早めに寝るとしようか」

 

「そうですね〜。じゃあ、兄さんは先に入ってきてください。私は後から入りますから」

 

「おう」

 

ニコニコと笑う優月に返事しながら、俺は寝間着などの着替えなどを持って浴室へと向かう。

ちなみに安心院はみやびの部屋へと行っている。理由は彼女曰く、『巴ちゃんがいなくて寂しがってるだろうから、今日からしばらく一緒に寝てあげるよ』との事だ。つまり橘が意識を取り戻して退院するまで一緒の部屋で寝てあげようという彼女なりの優しさである。

 

 

閑話休題

 

 

「ふ〜……」

 

シャワーで軽く体を流し、湯船にゆっくり浸かる。

今は冬真っ只中なので比較的冷えた体にお湯の暖かさが染み渡り、俺はリラックスして入っていたのだがーーー

 

「兄さ〜ん、お待たせしました♪」

 

「はっ!?」

 

ガチャっと浴室の扉が開き、素っ頓狂な声を上げた俺の視線の先には、タオルで体を覆い隠して若干顔を赤らめながらも微笑んでいる優月がいた。

 

「なんで入ってきたんだ!?」

 

「え?……()()()入りますって言ったじゃないですか?」

 

「後からってそういう意味か!?」

 

まさかそんな所で日本語の食い違いが起きるとは……いや、これはよく確認しなかった俺の方が悪いのかもしれないが……。

 

「それより、背中流してあげますから座ってください!」

 

すると優月がシャワーとスポンジを手にして、俺に湯船から上がってイスに座るように促す。

 

「あ、いや……俺は……」

 

「いいから座ってくださいよ〜」

 

少しだけ渋ると、優月はぐいっと俺の腕を引っ張って早く座るように促してきて、俺はそれに仕方なく従うしかなかった。

まあ、よかった点と言ったら背中を洗ってもらって気持ちよくなった事や優月にこうして久しぶりに背中を流してもらって少しだけ嬉しくなった事くらいか。

こうして最後に優月と一緒に風呂に入って背中を流し合ったのは、いつだっただろうか?少なくともここ一、二年位は無かった気がする。

そんな事を考えている内に、優月が俺の背中をシャワーで流し始めた。

どうやらそろそろ終わるようだ。

 

「ありがとうな、優月」

 

「いえいえ〜。それじゃあ今度は私の背中を洗ってください!」

 

そう言った優月は掛け湯をして、俺にシャワーとスポンジを手渡してきた。

まあ、当然流してもらったんだから、こうなる事は予想していたが……。

 

「はぁ……分かったよ。じゃあ座ってくれ」

 

「はい♪」

 

すると優月は俺に背中を向けてイスに座り、体に巻きつけていたタオルを緩めて背中を晒した。

 

「…………」

 

「兄さん?どうしました?」

 

「い、いや……」

 

まさかその白くて綺麗な肌に見惚れてしまったなどとは言えず、俺は視線を逸らしながらも優月の背中を洗い出した。

 

「どうだ?強さは?」

 

「丁度いいですね〜♪こうして洗ってくれるのは久しぶりですけど……力加減を覚えててくれてよかったです♪」

 

そう言う優月は気持ちよさそうな顔で鼻歌を歌い出した。

そして背中を洗ってあげた後、前の方は自分でやってくれと言う俺の言葉に優月は何やら残念そうな顔をしながらも、了承した。

なぜ残念そうな顔をしたのかは知らないし、知らないままの方がいいだろう。

 

「じゃあ、俺は湯船に浸かるから……」

 

「はい。洗ってくれてありがとうございます!」

 

俺はそう言ってゆったりと湯船に浸かり、優月は戻ってきたスポンジで手早く体を洗って洗い流した後、湯船へと入ってきた。

優月は俺の足と足の間に座り込む形で湯船に入り、俺に背中を預けてきた。

 

「……なあ、なんで俺の方に背中を向けて入るんだ?」

 

「ふふふ〜♪それはですね〜♪」

 

そう言うと優月は俺の両腕を掴んで、自分の腰へと回していたずらっぽく笑いながら言った。

 

「久しぶりにこんな入り方をしたくなったからですよ。昔はこうやって一緒に入ってましたよね〜」

 

「……ああ、そうだな。「こうしてくっついて入ってると落ち着くんです!」とか昔の優月は言ってたよなぁ」

 

「今も言いますけどね」

 

俺は優月を後ろから抱きながら、顎を優月の頭に軽く乗っける。

それを優月は何も言わずに受け入れて苦笑いした。

 

「……ねぇ、兄さん」

 

「ん?」

 

「あの……その……あまり思い詰めないでくださいね?巴さんの事……」

 

振り返って苦笑いを浮かべる優月の顔を見て、なぜ優月が今日に限って一緒に風呂に入っているのかを悟った。

おそらくうちの妹は昨日から自責の念に駆られている俺を元気付ける為にこうして一緒に入っているのだろう。

……本当によく出来た妹だ。思いやりも優しさもあって、気遣いも出来る。俺の妹というには勿体無いと思える程に素晴らしい。

 

「私は巴さんに感謝しているんですよ。自分の身を顧みずに兄さんを守ってくれましたからね……」

 

「……でも、俺を守ったせいで橘はああなってしまった」

 

ーーー昨日の橘の顔が脳裏をよぎる。

 

「……本当は俺が彼女を守るべきだったんだ」

 

大切な人を守る為なら、この手を血に濡らしても構わない。俺自身が死にかけても構わない。そんな願いを持った俺が本当なら彼女の身代わりになるべきだったんだ。

そうじゃなければ……俺は何を願いながら今を生きているのか分からなくなってしまう。

 

「……なあ、優月。俺の渇望(願い)って……正しいものなのかな?」

 

そんな分からなくなった願いに疑問を感じ、俺は優月に問いかけた。

客観的に見たら、俺の願いは決して正しいとは言えないだろう。大切な人を守る為ーーーという部分なら賛同出来る人は多いだろうが、他の部分は許容出来ないーーーおそらくそんな人が大半だろう。

故にそれが正しいのか、不安になった俺は優月に問いかけたのだ。

そんな俺の気持ちを読み取ったのか、優月は俺の方へ振り向いて笑いながら答えた。

 

「それが正しいのかなんて私には分からないし、言えませんよ。でも私はその願い、いいと思いますよ?昔から色々と私を庇ってくれたりした兄さんらしくて」

 

「そうか……?」

 

「はい!私はそんな兄さんの願い、好きですよ?……あまり無理はしないでほしいですけど」

 

半眼で見る優月に俺は苦笑いした。

確かに俺の願いは自己犠牲の面もあるので、優月がそう言うのも無理は無いだろう。

だがーーー

 

「無理をするなって言うなら優月の願いだってそうだろう?」

 

大切な皆が笑顔で、それを守り照らしたいーーー優月のその渇望(願い)も自己犠牲の面がある。

 

「ふふっ、そうですね。でも……時には無理をしなければいけない時だってありますよ」

 

そう言って悲しげに笑う優月。その笑みは今にも儚く消えてしまいそうなーーー非常に美しい笑みだった。

 

「少しくらい無理をしないと助けられない人たちもいる……私はそんな人たちも守って、その先の道筋を照らしていきたいんですよ。それが私の願いですから……」

 

「優月……」

 

そんな儚く消え去ってしまいそうな笑みを浮かべる妹を、俺は後ろから抱きしめていた。

 

「あ……」

 

「そう……だったな。本当、優月らしい渇望(願い)だよ」

 

他者の渇望(意志)を尊重し、そして自らの渇望(意志)を信じる事ーーーそれが優月の願いの根本であり、この優しさの源なのだろう。

 

「……ごめんな、優月。そしてありがとう。おかげで迷いは無くなったよ」

 

この先、俺たちにどんなに残酷な結末が待ち受けていようとも……俺は自分の意志を信じて、その結末を変える。

たとえどんな手段を使おうとも変えてみせる。

 

「ふふっ、ならよかったです♪」

 

そして優月はそんな俺が変えた結末を明るく優しく照らしてくれる。

俺はーーー俺たちは……。優月がその先の未来を照らしてくれる限り、道を見失って迷う事は無い。一人寂しく泣き喚く事も無い。孤独を感じて生きる事も無い。

 

「ふふふ……兄さん、なんだかあったかいですね」

 

「ああ」

 

どこが?と聞くのは愚問だろう。それ以前に、俺は優月のその言葉の指す意味を理解しているのだからーーー

 

その後、俺たちは風呂から上がって明日に備えて早めに床に就いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日の朝八時五十分頃ーーー俺たちは未だ昏睡状態となっている橘の病室へと集まっていた。

他にいるのは優月、妹紅、香、美亜、紫、朔夜、そしてなぜかは分からないが安心院もこの場にいた。

 

「安心院、なんでお前がここにいるんだよ?授業は?」

 

「ん〜、朔夜ちゃんに頼まれ事をされてさぁ〜」

 

「ちょっ!?安心院!?」

 

「「優月がいるから大丈夫でしょうけれど、念には念を入れて安心院、貴女も一緒についていきなさい」って昨日言ってきたんだぜ?だから僕はそれを了承してここにいるわけだけど……本当に影月君って愛されてるよねぇ」

 

「あぅ……」

 

安心院に一切合切の理由を言われた朔夜は、顔を赤くして俯いた。その時に出た声が少し可愛かった事は黙っておく。

 

「ちょっと、これ以上は流石に無理よ」

 

「そこは心配いらないぜ?僕は影月君の心の中にいさせてもらうし、今ここにいるこの僕は本物じゃないしね」

 

「本物じゃない?」

 

「分かりやすく言えば、この僕は分身って事だよ。大体百個くらいのスキルしか持ってない劣化版安心院さん!って事だぜ」

 

「中々器用な事が出来るのね……この世界の人たちは」

 

「ん〜……まあな」

 

紫の言葉に俺は苦笑いしながら肯定した。安心院は別世界の人間(?)だとか色々突っ込む所はあるが無視する事にした。

 

「まあ、特に彼の質量が変わらなければこちらにも問題は無いわ。それじゃあそろそろ……」

 

「ああ、行こうか皆」

 

紫は手に持っていた扇を横にスッと移動させる動作をし、妹紅は俺たちに視線を向けてそう言った。

 

「ああ。それじゃあ朔夜、何かあったらーーー」

 

「分かってますわ。貴方の残した《焔牙(ブレイズ)》に連絡を……ですわね?」

 

「そうだ。ついでにそれは俺の五感にも繋がってるから、こっちの状況を知る事が出来る無線機代わりにもなるしな」

 

「……本当に器用ねぇ」

 

紫が呆れながら首を横に振るのを尻目に、俺は橘へと視線を向けた。

 

(待ってろよ橘……。俺が、俺たちがなんとかしてお前を目覚めさせる方法を見つけてくる)

 

そう心の内に決めた俺は、改めて紫を見る。

 

「覚悟は決まったみたいね。なら行くわよ」

 

「影月、お土産と彼女の魂ーーー頼みましたわ」

 

「お土産かぁ……まあ、なんか見つけてくるよ」

 

俺は苦笑いしながら朔夜にそう返した。

 

「それじゃあ、スキマオープン!」

 

すると俺たちのやり取りが終わったのを見計らった紫が、突然テンション高く声を上げた。

瞬間ーーー俺たちの足元にスキマが開き、そのまま俺たちは落下した。

 

『きゃあぁぁぁぁ!!』

 

「うおおぉぉぉっ!?」

 

「……そういえば、私も前に紫にこうやって落とされた事があったっけ……懐かしいな」

 

「妹紅は何しみじみとしてるんだよ!?おい、紫!なんでいきなり落とすんだ!?」

 

「え〜、だってその方が面白いでしょ?」

 

『面白くないわぁぁぁっ!!!』

 

共に自由落下していく紫に、俺たちはそう大声でツッコミながらスキマの底深くへと落ちていった。

 

side out…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

影月たちが落ちていったスキマが消え、先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返った病室で、朔夜は先ほどまでスキマがあった場所を呆然と見つめていた。

突然皆が揃って落下したのだ、その反応も無理は無い。

 

「…………」

 

そして朔夜は苦笑いを浮かべて、ため息のように息を吐き出す。

その行動の意味は彼らと共に幻想郷へ行けない事への不満か。それとも行ってしまった者たちへの無事を祈るが故の行為なのか。もしくは先ほどの紫の強行に対するものか。

それは彼女にしか分からない。

 

「……それにしてもメルクリウス様も随分と大胆な事をいたしますわね」

 

ふと、朔夜の脳裏に胡散臭い笑みを浮かべる道化の顔がよぎる。

 

「……メルクリウス様、貴方は幻想を生きる()()()()も、かの戦いに巻き込むつもりなのですね」

 

そう誰に言うでも無く呟いた朔夜は昨日、お茶をしながら話していた紫との会話が思い出していた。

 

 

 

 

『人間も妖怪も神も幽霊も妖精も、存在を忘れ去られた者たちが縋った最後の楽園……』

 

『それが幻想郷よ。幻想郷は全てを受け入れる。それはそれは残酷な話ですわ』

 

『過去も現在も未来も、光も闇も、生も死も、万象全てを受け入れる……と?』

 

『ええ』

 

『……では、妖怪の賢者であり、幻想郷の創造主である貴女に一つ、質問を投げても?』

 

『何かしら?』

 

『もしこの先、力のある者ーーーこの場合は強大な力を持つ神、とでも仮定しましょうか。その者が幻想郷に向けて、我が法に従えと傲慢にも言ってきたとしたら、貴女たちは抵抗するのでしょうか?』

 

ちなみにここで朔夜が言っている神とは、言わずもがな覇道神の事である。

最も、今の治世は黄昏の女神なので彼女はそんな事を言わない。抱きしめさせてとは言うかもしれないが。

 

『愚問ね。いくら全てを受け入れると言ってもそれはごめん(こうむ)るわ。私の愛した幻想郷は他の誰の法にも縛られない。縛られる事などありえない』

 

『…………』

 

『……でも、そうね……。ある法を提唱している神だったら、ちょっと考えちゃうわね』

 

紫はどこかいたずらを思い付いたような笑みを浮かべながら言う。

 

『……そのある法とは?』

 

 

 

『「私が皆を、全てを抱きしめたい」』

 

 

 

『っ!』

 

紫の言った言葉に朔夜は大きく反応を示す。なぜなら紫の言ったその言葉はーーー

 

『どんな人間でも、どんな妖怪でも、どんな生物でも……。残酷な運命や辛い事は一度は経験する。それら全てを抱きしめて、幸せな明日が来る事を願う理ーーーそんな法を提唱している神なら、私やおそらく龍神様も喜んでその法下に下るわ。最も、もう下ってる可能性もあるかもしれないけど……』

 

『…………』

 

『ふふふ……どうしたの?黙り込んじゃって?』

 

目を見開いて固まっている朔夜を見て、いたずらが成功した時のようにくすくすと笑う紫。

 

『……貴女は……彼女の事を……?』

 

『さて、何の事かしらねぇ〜』

 

 

 

 

その後、朔夜はさらに先ほどの言葉を追求したものの、紫はのらりくらりとかわして結局最後まで真実は聞けなかった。

 

「……ただ一つ、分かる事と言えば……紫は……幻想郷は、私たちの敵にも味方にもなり得る。という事ですわね……」

 

どのみち、幻想郷とはこれからも関わっていくのは明白であった。ならば取るべき行動は一つ。

 

「……また今度、紫をお茶に誘ってみましょうか」

 

友好的な関係を作り、維持する事。それが現在出来る最良の行動だった。

 

「メルクリウス様も困った御仁ですわね。まあ、こうして退屈のしない楽しい毎日をもらえたのは感謝してますけれど」

 

朔夜は眠っている橘の頭を撫でながら一人呟く。

そのような行為は影月や優月などと親しくなる前の朔夜ならしなかったのだが……朔夜も変わったのだ。

 

「さて、私もあの兵器の最終調整を行うとしましょうか」

 

そう言った朔夜は、近くのテーブルに置いてあった資料を手に取って視線を落とした。

そこに書かれていたのはある兵器の設計図。

その設計図に書かれている兵器は、影月の《焔牙(ブレイズ)》の中にあるメタルギアREXのような頭部を模した二足歩行兵器。

しかしその兵器はREXのような状態の絵の他に、直立して二本の足で立ち上がっているような絵も書かれていた。

そしてその設計図の端には、その兵器コードなのか《ST-84》と記載されていた。

 

「……さて、それじゃあーーー」

 

その資料を手に、病室を後にしようとした朔夜はふと、近くの宙に浮かんでいた影月が残した《焔牙(ブレイズ)》に視線を向けた。

 

「……最終調整の前に、少しだけ素敵な楽園とやらを見せてもらいましょうか」

 

少し笑みを浮かべながら朔夜は《焔牙(ブレイズ)》を掴み、目を閉じた。

 

そして朔夜の脳裏に浮かんできたのは、影月や優月たちが見ている景色ーーー白銀の世界となっている幻想郷の景色だった。

 




という事で、次の話から幻想郷編になります!どの東方キャラと絡めようか……結構悩んでいたり(苦笑)その辺り、どうなるのかも楽しみにしていてください!(どれ位の人たちが楽しんでいるのかは分かりませんが……)
そして最後にさらっと出てきた謎の兵器……分かる人は分かりますよね?そう、作者もREXの次に気に入っている兵器が後々登場します!そこも楽しみにしていてください!

誤字脱字・感想意見等、よろしくお願いします!

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