アブソリュート・デュオ 覇道神に目を付けられた兄妹   作:ザトラツェニェ

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早めの投稿!それに今回は少し短めです!
では、どうぞ!



第四十七話

side no

 

 

幻想郷ーーーそこは幻想に生きる者たちの理想郷。

人間のみならず、幽霊、妖精、妖怪、神など現実世界ではまさに存在しない者、つまり幻想の存在であると言える者たちが住む土地。

そんな土地には最も多くの人間が住む場所ーーー人間の里という場所がある。人間以外にも多くの妖怪や妖精、獣人などが訪れる広い街。

そんな街にあるとある一つの建物の前には、一人の女性と数人の子供たちが集まっていた。

 

『けいねせんせー、さようなら!』

 

「ああ、さようなら。また明日な」

 

そう言って帰っていく子供たちに微笑みながら手を振る女性ーーー上白沢慧音(かみしらさわけいね)はそんな子供たちの後ろ姿を見送ると、一つ深いため息をはいて伸びをする。

 

「ふぅ……今日も終わったか」

 

慧音がそう言って先ほど子供たちと共に出てきた建物、寺子屋へ戻ろうと足を向ける。

 

「ふふっ、今日もお疲れ様」

 

「っ!!」

 

すると慧音の背後から女性の声が聞こえた。

慧音はその声が聞こえた瞬間、素早く後ろを向く。そこにはーーー

 

八雲紫(やくもゆかり)……」

 

「あら、ご挨拶ね」

 

金髪ロングのドレスを纏った女性が、手に持った扇子で口元を隠しながら笑みを浮かべていた。

八雲紫ーーー幻想郷最古参の妖怪であり、幻想郷を創り出し、守護している実力者。

幻想郷を創り出した事や、彼女の境界を操る程度の能力もあって賢者の異名でも知られている。

慧音はそんな紫のどこか胡散臭い笑みに多少の気味の悪さを感じながらも話す。

 

「……何か用か?」

 

「ええ、藤原妹紅についてーーーってきゃ!?」

 

その名前が聞こえた瞬間ーーー慧音は一瞬で紫の目の前へと移動して肩を掴み、目眩がするのでは?と思う程に激しく揺さぶる。

 

「妹紅について!?どこだ!妹紅はどこに行ったんだ!?教えろ紫!!」

 

「うわわわっ!?慧音落ち着いて頂戴!!話すから!話すから揺するのやめて!!」

 

思いっきり肩を揺さぶられた紫はくるくると目を回しながらもそう言う。

そんな紫の様子を見た慧音も流石に我に返って「あっ!!」と言い、紫の肩から手を離した。

 

「す、すまない……我を忘れてしまって……。紫、大丈夫か?」

 

「あ〜……大丈夫だけど、思いっきり頭の中がシェイクされたわ……ちょっと気持ち悪い……」

 

ほんの少しだけ顔を青くする紫に、慧音は再び謝るのだったーーー

 

 

 

 

 

「……それで妹紅について、話とは?」

 

それから数分後、慧音と紫は寺子屋内にある卓袱(ちゃぶ)台と座布団が置かれた客間(けん)和室で向かい合って座っていた。

 

「ええ、一先ず貴女に現状報告を……と思ってね」

 

紫は慧音から出された緑茶を一口飲んで話始める。

 

「まず、藤原妹紅の捜索についてだけど……残念ながらまだどこに行ったのか、行方が分かっていないわ」

 

「そうか……」

 

慧音が暗く返事を返すのを聞いた紫はもう一口緑茶をすすって続ける。

 

霊夢(れいむ)魔理沙(まりさ)、それに一部の人妖たちにも協力してもらってこの幻想郷内を隅々まで探し回ったけど……今も見つかったという報告は無いわ」

 

幻想郷は広い。この人間の里もそれなりの大きさだし、この里から一歩外へ出れば、東の山奥には博麗(はくれい)の巫女が住む博麗神社、そこに向かうまでの道のりにあるのは広大な原生林がある魔法の森。

北東に目を向けると天狗や河童などの様々な妖怪や一部の神が住み着いている妖怪の山、その妖怪の山の地下には地底界が広がっている。

北には霧の湖とその畔に建つ紅魔館(こうまかん)という屋敷、さらにそこから北に向かった上空には死んだ者が向かう冥界。

南には広大な竹林が広がる迷いの竹林。

他にも無縁塚といった場所や太陽の畑といった場所。

果ては三途の河や彼岸、天界、さらに幻想郷ではないが月の都といった場所もある。

そんな様々な場所や建物を隅々まで探しても(月の都は除外)、藤原妹紅はいなかった。

 

「という事は……やっぱり妹紅は」

 

「ええ、おそらく私や霊夢が知らないうちに結界の外へ放り出されたーーーそれが一番高い可能性になってきたわね」

 

結界とは幻想郷と外の世界を分ける壁であり、現在二種類の結界が張られている。

一つは紫が張った「幻と実体の境界」であり、もう一つは博麗の巫女によって管理されている「博麗大結界」である。

 

「でも外の世界をいくら探しても、藤原妹紅の魔力を感知出来ないのよ」

 

「何?」

 

紫が困ったような顔でそう言うと、慧音の顔が険しくなる。

 

「とはいえ、妹紅は蓬莱人。どんな状況であっても死ぬ事はないでしょう」

 

蓬莱人ーーーそれは「蓬莱の薬」を服用して不老不死になった存在の事だ。ちなみになぜ藤原妹紅が蓬莱人になったのかは、話すと長くなるので今は割愛する。

 

「となると、残るは……」

 

紫は残った緑茶を飲み干して告げる。

 

「この世界とは全く別の世界ーーー異世界に行ったとしか考えられないわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃ーーー

 

 

「くしゅん……あ〜、風邪かな?」

 

藤原妹紅は一人鼻をすすりながら、山奥の山道を歩いていた。

 

「蓬莱人でも風邪は引くからなぁ……それとも誰かが私の事を噂してんのかね?」

 

確かに幻想郷で自分の事を話されているという点では当たっているが、そんな事とはつゆ知らず妹紅は考える。

 

「慧音か……それとも最近殺りに来なくて暇だって輝夜が騒ぎまくっているか……どっちかだろうな」

 

そう言って歩く妹紅の目の前にーーー

 

「……お?」

 

一頭の野生の熊が現れた。熊は妹紅と目が合った瞬間、四足歩行から立ち上がって、獲物を見つけたと言わんばかりの咆哮を上げた。

 

「こりゃまた……なかなか美味そうな熊だ」

 

その熊を見た妹紅の口元には笑みが浮かぶ。

実際、妹紅はここ数日間は木の実などの食べ物しか食べていない。つまり妹紅の目の前に映っているのは久しぶりの肉の塊という事になる。

そしてその熊がこちらへと突進してきた。それを妹紅は軽くかわす。

 

「久しぶりの肉だ。絶対に逃がさないからな」

 

獰猛な獣のような目を熊へと向けた妹紅は、今夜の夕食を得る為に素手で熊を襲いかかったーーー

 

 

そこからその熊がどうなったのかはまた別の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 安心院

 

 

透流君が退院してから一週間程が過ぎたある日、巴ちゃんが昼食を外で食べないかと提案してきた。

僕は以前いなかったから知らないけれど、今までは気温が高く日差しが強くなった頃から外での昼食は避けていたようで、外で食べるのは随分と久しぶりの事らしい。

 

「久しぶりだな。こうやって皆で外に集まって食べるなんて」

 

「ふふっ、確かにな。これからは気温も少しずつ下がっていく事だし、しばらくはこうして外で食べる回数が多くなりそうだ」

 

バスケットを手にした巴ちゃんが透流君へ反応し、そのまま会話へと移行した。

 

「外でのメシって美味いもんな。さすがに夏場は暑くて勘弁だったけど」

 

透流君の言っている事は、僕にもよく分かる。学校の屋上で友人と仲良く話しながら食べるお弁当とか最高だし。

……あれ?僕そんな事、前の世界でしたことあったっけ?

 

「……ただ暑いだけならいいけど、日本の夏は蒸すのよね」

 

「イギリスはカラッとしてるんだっけか」

 

手で(あお)ぎつつ話に加わってきたリーリスちゃんは、透流君の質問に頷く。

そのままそれぞれの出身地の暑さについて話しつつ、歩を進めるとーーー

 

「はい、せんせー。あーん♡」

 

「……あ、あーん」

 

木陰で吉備津ちゃんにシューマイを食べさせてもらっている月見先生を発見した。

 

「おっ、結構ラブラブな空気を発している人物が二人程、僕の視界に映ってるぜ」

 

「偶然だな。俺の視界にも映ってるぞ」

 

『同じく』

 

「!な、なんだコラ!?見せ物じゃねーぞ!!」

 

足を止めて二人を見る僕たちに気づくと、月見は顔を赤くして怒鳴る。

 

「いやー、随分と仲良くなったもんだと思っただけで……」

 

「別にんなこたねえっつーの!これはあれだ、どうしてもっつーからーーー」

 

「そーなの、せんせー?もしかしてごはんに誘ったのって、迷惑になってた?」

 

しゅんとした様子の吉備津ちゃんに真意を問われ、月見先生は「うっ……」と言葉に詰まった。

 

「影月君影月君、月見先生のさっきの発言聞いたかい?どうしてもって言うからーーーだってさ!」

 

「聞いたぞ聞いたぞ!どうしてもって言うからって事はつまり月見先生の本音はーーー?」

 

「そ、そんなこたーねーぞ、モモ!今のは言葉のあやっつーか、メシ食わせてもらうっつー姿を見られたから思わずだな!だから迷惑なんかじゃーーー」

 

僕たちのほんの申し訳程度の煽りを遮りながら、慌てて必死にフォローをする月見先生。

透流君たちは物珍しくような顔をしている。

 

「それじゃあ、わたし先生と一緒にいてもいいの?」

 

じーっと月見先生を見つめたまま、選択肢が無い質問をする吉備津ちゃん。

僕はそんな吉備津ちゃんが質問を言い終えた瞬間、即座にストップウォッチを取り出して計測を始めた。計るのは「月見先生が何秒で落ちるか?」だ。

 

「う…………お、おう……好きにしろ……」

 

「わ〜い♪」

 

吉備津ちゃんが月見先生に抱きつくのを横目に、僕は月見先生が好きにしろと言った瞬間に止めたストップウォッチの秒数を見ていた。

 

「九秒ちょっとか〜……惜しいなぁ、僕は十秒は耐えると思ってたのに……そして月見先生は押しに弱いと、メモメモ……」

 

「メモしてどうするんですの?ちなみに私は七秒くらい耐えると思っていましたわ」

 

そんな実際にメモを取り出して書く僕に対して、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「珍しいねぇ、朔夜ちゃん。あれ?美亜ちゃんも一緒なのかい?」

 

「あ、はい。朔夜さんが休憩がてら散歩しようって言ったのでーーー」

 

「ぶわぁっ、お、おい!そこの《異能(イレギュラー)》と愉快なハーレム共!アタシを助けろ!」

 

「……僕と影月と筋肉バカもハーレムの一員扱いとでも言うのか、このバカ兎は……」

 

「何それすっげぇ嫌だ……」

 

喜んで抱きつく吉備津ちゃんから助けてくれと叫ぶ月見先生を見て、トラ君と影月君が心底嫌そうに呟く。

……見ると透流君もタツ君も嫌そうな顔してるぜ。

尚、ハーレム発言は全員心の中でスルーする方向に傾いたみたいだ。

 

「「ラブラブ(ねぇ)(ですねぇ)……」」

 

二人(というか吉備津ちゃん)の様子を見て、優月ちゃんとリーリスちゃんが呆れたように呟く。

 

「うん。せんせーのことだーいすき♡」

 

吉備津ちゃんはにぱーっと笑みを浮かべてーーー

 

「あと、九重くんのことも好きかなー」

 

「「「っっっ!?」」」

 

その場の数人が目を見開くような事を言った。

 

「モ、モモちゃん。それって、その……お、男の子として……?」

 

思わぬ方向からの砲撃に動揺しつつも発言の意味を確認するみやびちゃん。というか分かり易すぎる動揺だぜ。

 

「うん、そうだよー。わたしとせんせーを助けに来てくれた九重くん、すごくかっこよかったからー」

 

「「「っっっ!?」」」

 

いや〜……本当に分かりやすい反応をするね……そこの三人(リーリスちゃん、みやびちゃん、巴ちゃん)。

 

「へえ、意外な所からライバルが登場ってわけね」

 

「ま、まさかモモちゃんもライバルだなんて……」

 

透流君を巡るライバルとして互いに認め合っているリーリスちゃんとみやびちゃんがそれぞれ心情を口にするとーーー吉備津ちゃんは少し考え込んだ後に次のように述べた。

 

「あー……わたしはせんせーが一番好きだから、九重くんは二番目かなー。だから九重くんも、わたしのことは二号さんって感じで好きになってくれればそれでいいやー。ちなみに三番目は影月くんと優月ちゃんねー」

 

「ははっ、それはどうも」

 

「私も吉備津さんの事、好きですよ〜」

 

そう言った吉備津ちゃんの言葉に影月君と優月ちゃんは笑いながら答えた。

ちなみに影月君の名前が出た際、こっちは特に反応した人はいなかったぜ。……朔夜ちゃんもね。

 

「くはっ、そりゃいいや。それならアタシとモモと一緒に可愛がってもらうとすっか。体力が自慢なんだから、毎晩ハードでも余裕だろ?影月もよろしく頼むぜ、ハーレム野郎共♪」

 

そう月見先生が言った瞬間ーーー影月君と月見先生の姿が一緒で消えーーー

 

「まま、毎晩、体力自慢、ハーレム……ここ、九重と影月の不埒者ーーーっ!!」

 

「誤解だーーーっ!!」

 

巴ちゃんと透流君はそんな事を言って走り去って行った。

 

「…………そういえば朔夜ちゃんも優月ちゃんも、さっきの月見先生の発言に噛み付かなかったね。いいのかい?」

 

「え?……あ〜……特に否定する気はありませんね。もうすでに私や朔夜さんは兄さんに……その、あれしてもらいましたし……」

 

「ええ……それに影月はかなりハードですし。それと影月は顔もいいですし、優しくかっこいいですから……そんな彼に惚れて近寄ってくる人は多いですわ。ですからハーレムと言われても否定は……」

 

少し頬を赤面させて言う二人に、周囲は顔を赤らめたり、呆れたように首を振った。そして僕はそんな二人に苦笑いした。

 

 

 

 

 

しばし後、木陰にシートを広げて待っていると、巴ちゃんと巴ちゃんの誤解を解いた透流君が戻ってきて、その少し後に影月君となぜか少しぐったりしている月見先生も戻ってきた。

 

「あ〜……ガチで疲れたぜ……あれ効くなぁ……」

 

「…………兄さん、月見先生に一体どんな事をしたんですか?」

 

「ああ……仔月光三体くらい呼び出してーーー」

 

「予想出来ましたわ……その仔月光を月見の体につけて電撃を流したのでしょう?」

 

「ご名答。月見先生、初めは「やめろ、話せば分かる!私が悪かったから!」とか言ってたけど……最終的にはみさくら語になったぞ」

 

『ええ……』

 

影月君の説明に僕と優月ちゃんと朔夜ちゃんが引く。というか朔夜ちゃんもみさくら語知ってるんだ……。

 

「ちょ、テメーら……!というか理事長のお嬢ちゃんも引くな!!」

 

「影月、みさくら語とはなんですか?」

 

「……ネットで検索すれば出てくるぞ。ただ色々とあれだから、自己責任でな?」

 

「……?はい……」

 

ユリエちゃんは首を傾げながら返事をしたけど……まあ、調べるかどうかは彼女次第だから放っておこう。

 

「そのような話の続きは食べながらしたまえ……」

 

そこへ巴ちゃんが呆れながらも、持ってきたバスケットから弁当を取り出す。

ビュッフェから各人の好みのメニューを詰め込んだものらしい。

 

「先に行っておくが、肉だけではなく野菜も必ず摂るのだぞ、九重」

 

「分かってるって……」

 

苦笑いしながら答える透流君だけど、「本当だろうな?」と巴ちゃんに眉をひそめられた。

本当、透流君はそこの所だけ巴ちゃんに信用無いよね。

 

「まずはこちらから食べるといい。キミの為にメニューを厳選して取り分けたものだ」

 

と言って巴ちゃんは九重君に弁当箱を突き出す。

 

「くはっ、尻に敷かれてんな、《異能(イレギュラー)》」

 

「っっ!?なな、何を言い出すのですか、先生!?」

 

にやにやと笑う月見先生に、巴ちゃんが声を上げる。

 

「あら、巴も透流のことを好きってわけ?」

「とと、巴ちゃんまでライバルだなんて……」

 

「そのようなことがあるかっ!!私と九重は良き友であり、腕を競い高め合う仲間だ!!」

 

「知ってるわよ、そんなこと」

「そ、そっか、よかった……」

 

叫ぶ巴ちゃんに、リーリスとみやびちゃんはそれぞれの反応をする。

 

「って、みやび。あんた本気で信じてたわけ?」

 

「だ、だって透流君と巴ちゃんって仲がいいから、もしかしてって……あはは……」

 

「何度でも言うが、私は九重とは良き友人であり、腕を高め合う仲間だ。それ以上でも以下でもないのだから、妙な誤解をしないでくれないか、みやび……」

 

「…………巴ちゃんってたまに残念だよね」

 

「そうですね……ああいうのを朴念仁(ぼくねんじん)って言うんでしたっけ?」

 

「いや、ただものすごく鈍感なだけだと思うぞ……」

 

「どっちかっていうとそうだね。巴ちゃんって気配りはよく出来るのに、気付かない時は本当に気付かねーからな」

 

僕の言葉に影月君と優月ちゃんが頷き、巴ちゃんが微妙な顔でこちらを見てくる。

 

「…………如月たちとなじみも、なんか妙な誤解をしてないか?」

 

「「「別に…………」」」

 

僕たちはそれぞれ視線を逸らしながらも、弁当に手を付け始めた。

それを皮切りに、皆も弁当を食べ始めた。

ちなみに透流君はさっき巴ちゃんに手渡された弁当箱の中身を見て、「に、肉が……ある!?」と驚愕していた。巴ちゃんは肉を入れないと思っていたのが丸分かりだぜ。

巴ちゃん曰く、「バランス良くというのは、何も野菜ばかりを食べろと言っているわけではないのだぞ」との事だ。いやはや、全くもってその通りだぜ。

 

 

その後は朔夜ちゃんが影月君にあーんを要求してきたり、月見先生の煽りにまた巴ちゃんが叫ぶなど楽しく食べていたけど、ふと僕の視界の端に、俯いている人物が入ってきた。

 

「ユリエちゃん、食欲が湧かないのかい?少しは食べた方がいいぜ?」

 

「なじみ……そうですね」

 

ユリエちゃんはここ最近、さっきみたいに俯いている事が多くなった。

一応、そんな事になっている理由に心当たりはある。

透流君があの日、深手を負った際にユリエちゃんは酷く狼狽して応急処置も何も出来なかったらしい。ユリエちゃんはその事で自分を責め続けて、ああなっているのではないかと思う。

まあ、仮にそうであってもそうでなくても、僕や影月君たちには何が出来るってわけでもないけれど……。

 

(やっぱりその問題は、透流君に任せるのが一番だな)

 

僕はそう内心で思いつつ、トマトとバジルとモッツァレラチーズの組み合わせのカプレーゼをユリエちゃんに差し出す。

 

「……ふん。だとしたら、今安心院が差し出したカプレーゼでも食べるといい。特にそれに入っているトマトは酸味もあって食欲を増進してくれるし、疲労回復効果も高い」

 

「トラさん、よく知ってますね……」

 

そんなトラ君の発言に美亜ちゃんが感心したように言う。まあ、僕もそれを知ってて差し出したんだけどね。

 

「それなら頂きます」

 

「じゃあ俺もーーー」

 

「……九重、キミはまず自分の手元を空にしてからだ」

 

箸を伸ばして取ろうとした透流君は、巴ちゃんの制止の声でピシッと止まった。

その間にユリエちゃんはカプレーゼを一口食べてーーー

 

「美味しいです」

 

と言って、注意しなければ分からないレベル(気付くのは九重君だけだと思っていたかい?僕にも分かるんだよ)で僅かに口角を上げた。

 

「ふふっ。よかったね、巴ちゃん」

 

「ああ、それでこそ私が作った甲斐があるってものだよ」

 

「……そういえば、橘巴は菜園をしていましたわね」

 

そこで朔夜ちゃんが思い出したかのように呟いた。

聞けば学校側から許可を取って、しばらく前から趣味の菜園を行っているらしい。

 

「以前、バケツを持って外に出て行ったのもそれが理由だったか?」

 

「ご名答だよ、如月」

 

「!ああ、あのジャージで買い物に行こうとした時の事か!」

 

「私は買い物ではないと言っただろうっ!!」

 

しばらく前の事を思い出した透流君に対して、巴ちゃんは即座にツッコミを入れる。

 

「しかし、橘にそういう趣味があったとはなぁ……」

 

「ふむ、意外だと?」

 

「いや、あまりにも似合い過ぎてて、すげーしっくりくる気が」

 

確かに巴ちゃんみたいに家庭菜園や将棋が趣味って人は、透流君たちの年代とかけ離れているように思うだろう。どっちかっていうとおばあちゃん世代とかがよくやってそうなイメージだぜ。

……僕?僕は巴ちゃんの趣味に共感出来る。そりゃ、3兆年位生きているからね。将棋とかたまに巴ちゃんと一緒に指すし。ーーー今、僕の事を年寄りとか思った奴は出て来い。飛○文化アタック食らわせてやるから。

 

「……なんだか失礼な事を考えてないか、安心院と九重?」

 

「「まだ考えてない(ぞ)(ぜ)」」

 

「まだなのか」

 

そんなやりとりに皆が笑う。

そんな明るい雰囲気に包まれた昼食の時間は過ぎて行ったーーー

 

side out…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは魔城ヴェヴェルスブルグ城ーーーラインハルトが創造した死者で出来た修羅の殿堂であり、死後の英雄が集う歓喜の天(グラズヘイム)

そんな城の廊下ではとある一人の女性が咥えている葉巻から紫煙をくゆらせながら、とある場所へと向かって歩いていた。

 

「………………」

 

彼女の名はエレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグ=ザミエル・ツェンタウァ。

聖槍十三騎士団黒円卓第九位で、大隊長。赤騎士(ルベド)の別名でも知られている。

そんな彼女は今、この髑髏の城の主で忠誠を誓っている上官に呼ばれて、玉座の間へと向かっているのだ。

 

「………………」

 

それから程なくして、ザミエルはその主がいるであろう玉座の間の扉前へと辿り着いた。

ザミエルは咥えていた葉巻を携帯灰皿(吸い終えた葉巻を何本でも入れる事が可能。髑髏製)に入れて、服装や身なりを整える。

そして一分程しっかりと身なりを整えた後ーーーゆっくりと玉座の間に通ずる扉を開いた。

 

「失礼致します。お呼びでしょうか、ハイドリヒ卿」

 

ザミエルは荘重かつ絢爛な、大伽藍(だいがらん)を思わせる王座の間へと入り、玉座に座る人物の元へと向かい敬礼をする。

それに対しーーー

 

「来たか。ザミエル」

 

その玉座に座るこの城の主ーーーラインハルトはザミエルを見ながら、薄っすらと笑みを浮かべる。

ラインハルトはザミエルに敬礼を解くように指示し、ザミエルはそれを確認すると敬礼をやめて、主の言葉を聞く姿勢になる。

そしてラインハルトが話始める。

 

「さて……。卿をこの場に呼んだのは他でも無い、卿にしか成し得ぬ任務を頼みたくてな」

 

「はっ……して、その内容は?」

 

ザミエルがその任務の内容を尋ねると、ラインハルトは問い掛ける。

 

「それを話す前に、卿は《666(ザ・ビースト)》という組織を知っているかね?」

 

その言葉にザミエルは頷く。

666(ザ・ビースト)》ーーーそれは世界中に支部を持つ巨大な非合法裏組織の名前だ。

今まで《聖庁(ホーリー)》、ゴグマゴグ、ドーン機関の他に五つ程の超常的な戦力を持つ組織と、幾度と無く事を構えた事のある組織でもある。

さらに言うと、以前から音羽やシュライバーが積極的に襲撃を仕掛けている建物、そのほぼ全てが《666(ザ・ビースト)》の息がかかっている。そんな黒円卓とも関係のある組織の事をザミエルが知らないわけが無い。

 

「それは結構。ならば一部説明などは省いて本題を話すとしようーーーザミエル、卿は数日後に開催される《666(ザ・ビースト)》主催の催し物、《狂売会(オークション)》の内偵調査、及び他の協力者の支援を命じる」

 

「……一つよろしいでしょうか、ハイドリヒ卿?」

 

「何かな?」

 

ラインハルトはザミエルの目を見て、続けるように促す。

 

「私が此度(こたび)の任務に選ばれたのは、至極光栄であります。しかしながら内偵調査や他の協力者の支援という内容であるならば、私よりも適任者はいる筈ーーーなぜ私なのでしょうか?」

 

ザミエルの指摘も最もな事だ。確かにザミエルは様々な事が出来る。戦闘はもちろんの事、諜報や内偵なども、ほぼ完璧に出来る彼女は百年程前にいたバンダナを巻いた伝説の傭兵並の万能軍人である。

しかし黒円卓には他にもそのような諜報活動が得意な者はいる。例えばシュピーネなどだ。

なぜその者たちに任せないのか?と聞くザミエルに、ラインハルトはーーー

 

「まず、この手の任務に適任のシュピーネは数ヶ月前からカールの頼みで《聖庁(ホーリー)》を偵察中でな。それ故にシュピーネは使えないのが一つ」

 

そう言ってラインハルトは続ける。

 

「そしてシュピーネが動けないとなると次に思い浮かぶのはクリストフ、トバルカイン、レオンハルト、ヴァルキュリア、マレウス、バビロン辺りだがーーー彼らは現在、刹那と共に《禍稟檎(リンゴ)》を摘み取っていて手が離せないとの事だ。ちなみにマキナも刹那の元にいるので同様に動けない」

 

「…………」

 

黙って聞くザミエルにラインハルトはさらに続ける。

 

「となれば、残るはこの城にいる者たちだが……ベイとシュライバーの両名は戦闘面では期待出来るが、諜報面ではあまり期待出来ん。イザークは元よりこの城から出る事は叶わぬし、私やカールが動くと要らん注目を集める。故に様々な状況を臨機応変にこなせる卿にしか頼めないのだ」

 

「……なるほど」

 

「理解したかな?」

 

確認を問うラインハルトにザミエルは頷いた。

 

「ならば他に聞く事はあるかね?」

 

更なる質問は無いかと問うラインハルトにザミエルは少し考え込んで、再び言った。

 

「その協力者とやらの事を教えていただけないでしょうか?」

 

「ふむ……確かに素性の分からぬ相手とは協力出来ないかね?協力者というのは以前《殺破遊戯(キリング・ゲーム)》で卿が戦った昊陵学園の生徒たち数名だと聞いている」

 

その言葉にザミエルは多少なりとも驚く。

自分が協力すべき者たちが自分よりも、百年以上も若い子供だと知ったのだから無理は無い。

 

「一先ず任務に関して、詳しい事はまた後ほど追って連絡しよう。してーーーこの任務、引き受けてくれるかね?」

 

「jawohl!」

 

ザミエルは一瞬考えたものの、黄金の命令を断るなど不忠以外の何物でも無いと結論づけたザミエルは了承の返事を返す。

そんな部下の返答を聞いたラインハルトはさらにその口元を歪ませるのだったーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 影月

 

 

透流が退院してから早三週間が経とうとしているある日の朝ーーー俺、優月、安心院、さらに透流とユリエの五人は朔夜と美亜がいる理事長室へと足を運んでいた。

 

「眠いな……まったく、こんな朝早くから何の用なんだ……」

 

「そうですね……こんな朝早い時間から呼び出してくるなんて珍しいですよね」

 

「影月、なんか朝からロクでもない事を言われそうな気がするんだが……」

 

「俺もそんな気がするが……もう呼び出されたんだから諦めろ……」

 

そんな会話をしているうちに、俺たちは理事長室へと辿り着いた。

理事長室の分厚い扉をノックすると、三國先生が中から開けてくれる。

室内にいたのは朔夜と三國先生の二人だけで、美亜と月見先生の姿は無かった。

 

「おはよう、朔夜。月見先生と美亜は?」

 

「おはようございます、影月。美亜はまだ隣の部屋で眠っていますわ。璃兎もおそらく眠っているでしょう」

 

大きな机を間に挟んで、皆と挨拶をした朔夜は眠気覚ましと称して雑談を始めた。

 

「そういえば影月、ここのところ随分と九重透流をしごいているらしいですわね」

 

開口一番朔夜が出した話題に、眠たそうにあくびをしていた透流がビクッと反応し、見事に眠気を覚ます。

 

「ん?ああ……VR訓練の事か。まあ、護陵衛士(エトナルク)の任務は多岐に渡るって言ってたからな……戦闘以外の事も色々と仕込んでいるんだよ。諜報活動とかな?いや〜、本当VRってすごいよな」

 

以前朔夜が開発していた「VRシート」ーーー実はそれがつい一週間くらい前に完成したのだ。俺はそれを朔夜から聞くと、速攻で透流を誘い、遊びと称して様々な訓練を行った。

初めは軽いものばかりをやっていたのだが……そのうち教える俺の熱が上がり、最近は様々な事を透流に教え込んでいる(たまに教科書片手に)。

そんな事を思いながらチラッと透流を見ると、何やら遠い目をしていた。

 

「……透流君、そんなに辛いの?」

 

「……結構きついぞ。制限時間内に敵に見つからずに目的地に向かえとか……」

 

「ならば貴方にとって今回の依頼は、そう難しいものではなさそうですわね」

 

そう言ってくすくすと笑う朔夜に、俺は尋ねた。

 

「とりあえず雑談はこれくらいにして……こんな朝早くに俺たちを呼んだ理由を説明してくれ」

 

「そうですわね。今回貴方たちを呼んだのは特殊任務に赴いてもらおうと思いましたの」

 

「……前にやった、護陵衛士(エトナルク)の研修みたいな事か?」

 

「確かにあれも一種の特殊任務でしたけれど……今回はあるホテルの内定を行って頂こうと思っていますのよ。……とはいえ、この話は()()()()()()からとしましょう」

 

その言葉に俺たちは揃って首を傾げたが、その言葉の意味は突然扉がノックされ、二人の女子が入って来た事で理解する。

 

「はぁ……。日曜だっていうのに呼び出さないでよね、朔夜……」

 

早朝の為か、酷くだるそうなリーリス。

彼女は朝に弱いみたいだ。そしてーーー

 

「失礼します。……おや、キミたちも呼ばれていたのか」

 

橘が僅かに驚きを見せながら入って来た。

 

「橘も呼ばれたのか……」

 

「うむ。特殊任務があると聞かされたからな」

 

橘はそう言うと朔夜に向き直る。

それを確認した朔夜は改めて言葉を紡ぐ。

 

「では……役者も全員揃いましたから、改めて最初からお話させていただきますわ」

 

そう言って、朔夜は改めて任務について話始める。

 

「如月影月、以下六名に命じます。貴方たちには近いうちに、特殊任務に赴いて貰いますわ。任務の内容はーーー内偵調査と陽動になります」

 

「内偵調査に陽動ね。どういった任務なのかしら?ついでに、プロである護陵衛士を差し置いてこのメンバーが選ばれた理由も、教えて貰えると嬉しいんだけど」

 

リーリスはそう言って理事長に問う。

 

「内偵先は山梨県のとあるホテルとなりますわ。そちらはある非合法組織が背景にあり、近いうちに催し物を行うとの情報が入って来ましたの。その名はーーー《狂売会(オークション)》」

 

「その非合法組織の名前は?」

 

「《666(ザ・ビースト)》ーーーといえばお分かりでしょう?」

 

「「「っ!!」」」

 

その組織名に俺と優月、安心院が反応する。

それは皐月市で出回っている《禍稟檎(アップル)》というドラッグを流出させている組織の名前でもあった。

狂売会(オークション)》とはそんな組織が開催する競売会との事だった。

背景が背景だけに売りに出される品は特殊な物で、闇社会に流れた品々が集まるらしい。国側としては、そういった犯罪行為が自国で行われる事に何かしら対策を取りたいのだが、多くの国の大物が競売会に参加する為に政治的な事情で手出しをし辛いとの事。

その為内偵を送り込みーーー状況次第では摘発まで持って行ければと思っているそうだ。

俺たちの任務は違法取引の証拠を発見する事。そして発見したら、近隣に配した護陵衛士(エトナルク)が突入、及び制圧を行う為に騒ぎを起こすというものだった。

 

 

「ドーン機関に話が回ってきた理由は何なんだ?」

 

「……それは《666(ザ・ビースト)》がただの犯罪組織ではない事に理由がありますの。彼らの中には、()()()()()が存在するからですのよ」

 

「人……(あら)ざる者!?」

 

「《(ゾア)》ーーー彼らは自らをそう称しているそうです。獣の力に身を秘めた人に非ざる者であると、彼らと対峙した護陵衛士が報告を上げてきています」

 

三國先生の補足に、リーリスが肩を竦める。

 

「つまり、化け物と()り合う可能性があるって事ね」

 

「今更化け物って言われてもなぁ……もうそんな奴は結構見てるぞ」

 

ヴィルヘルムとかザミエルとかラインハルトとか榊とか……。

 

「で、俺たち学生が赴く理由は(おおむ)ね、顔が知られていないからか?」

 

「その通りですわ。今までドーン機関、及び護陵衛士(エトナルク)はこれまでに幾度か相対してきましたわ。その為、ある程度向こうが衛士の情報を持っている可能性も考えられるというわけです」

 

「故に非正規の私たちに白羽の矢が立ったというわけですね」

 

優月がそう言うと朔夜は頷いた。

 

「経験不足の学生とはいえ、《(レベル4)》であり、最も信頼のおける貴方たちならばと思っての選出ですの」

 

「……橘は、それにリーリスもまだ《(レベル3)》ですよ。そんな化け物と闘う事になるかもしれない任務に参加させるのはーーー」

 

「護陵衛士の資格は、この学園の卒業ーーーつまり、《Ⅲ》以上の者という事ですわよ」

 

「…………」

 

透流の心配するような言葉に朔夜はそう返して、透流は無言となる。

 

「ですがーーー」

 

朔夜は軽く苦笑いを浮かべながら、言葉を続けた。

 

「先ほど私自身が言ったように、貴方たちは学生です。故に無理をする必要はありませんし、強要するつもりもありませんわ。任務は主に透流、影月、優月、安心院の四人が行い、他三名にはサポートに入って頂くつもりですのよ。さらに念の為にある人物にも協力を要請してもらっていますから……」

 

「ある人物……?」

 

俺が朔夜の言葉を繰り返すと、朔夜は「それは会ってからのお楽しみですわ」と返してきた。

ある人物とは誰なのかと考えていると、今まで黙っていたユリエが口を開いた。

 

「……《Ⅳ》という事でしたら私もですが」

 

「残念ながら貴女はその容姿からして、内偵には向いていませんの。ですから此度の任務では、貴女はリーリス=ブリストルと行動を共にして頂きますわ」

 

「あたしとこの子が……?」

 

「貴女はドーン機関の《三頭首(ケルベロス)》が一つ、ブリストル家の娘。それ程の人物であれば、《666(ザ・ビースト)》が知らない筈がありませんわ。その点を最大限に利用し、貴女にはユリエ=シグトゥーナと共に群衆を引きつける役をお願いしたく思いますの」

 

「確かにユリエちゃんとリーリスちゃんが揃って行動すれば、人目は引くね……じゃあ僕は今回、サポートに回るぜ」

 

「……私はどのような形でサポートに入ればいいのでしょうか?」

 

「朔夜さん、私たちはどういう役なんですか?」

 

唯一、現時点で役どころが不明となっている橘と優月が問う。

 

「橘は透流と、優月は影月と行動を共にして頂きますわ。そうですわね……」

 

そう言って俺、優月、透流、橘の顔を一通り見た朔夜はニヤッと笑みを浮かべた。

その笑みを見た俺たちは背筋がゾワッとする。なにか嫌な予感が……。

そしてーーー

 

()()()()()という事にでもしておきましょうか」

 

「ふ……」

「ふう……」

「ふ……」

「「…………」」

 

その嫌な予感は的中し、まず透流、次いで橘、最後にリーリスが呟いて、俺と優月は無言となりーーー

 

「「「「「えぇえええええっっ!?」」」」」

 

直後、五つの驚きの声が重なった。

 

 




以上、幻想郷での状況。そして妹紅は何をしているのか?安心院視点の閑話回。そして次から始まる話のブリーフィング(城と学園)でした。
場面の変わり方に違和感を感じるのは気にしないでください(汗)
次回は《666(ザ・ビースト)》関係の話になっていきます。

誤字脱字・感想意見等よろしくお願いします!

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