アブソリュート・デュオ 覇道神に目を付けられた兄妹   作:ザトラツェニェ

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皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

優月「ちょっとザトラさん、本編始まる前にいいですか?」

いきなり優月さん?なんでしょうか?

優月「二つくらい聞きたいのですが……」

はいはい?

優月「今回の話、初め書いていた時、私視点でしたよね?なんで兄さん視点にしたんですか?」(初め優月視点で書こうとしてた)

ああ……話の内容的に影月の方が都合良くて……だから《焔牙(ブレイズ)》を具現化するのはやめてくれません?次回は貴女視点のつもりなので……

優月「……仕方ないですね。私の視点分かりづらいかもしれませんし……妥協しておきます。もう一つの聞きたい事は後で聞きます。読者の皆さんが待っているでしょうから」

はい……では、お待たせしました。どうぞ!



第三十二話

side 影月

 

パーティから数日が経った頃、昼食を摂り終え、寮から校舎へ戻る道すがら、俺は優月と談笑しながら歩いていた。

 

「あのパーティは楽しかったな?」

 

「はい!皆楽しそうにしていましたし、またやりたいですね!」

 

話の内容は以前の透流の誕生日パーティの話だ。

 

「ああ、今の内に楽しまないとな……」

 

「……そうですね。卒業したら皆でまた集まってやるって言うのは難しくなるでしょうし……」

 

この学園の生徒の将来はほとんど決まっていて、護陵衛士(エトナルク)というドーン機関の治安維持部隊で働く事となる。

そうなると、この間のように集まる事は難しくなるだろう。

 

「俺さ……この間のパーティを見ていて思った事があるんだ」

 

俺は優月にパーティの最中に感じた感覚を話始めた。

 

「あの楽しい時間が終わってほしくないって……ずっと、味わいたいって思ったんだ」

 

「兄さん……」

 

「なんて言うんだろうな……時間が止まればいいと思ったんだ」

 

「…………」

 

そう思っていると、唐突に視界にノイズが走った。

 

「ーーーーーー」

 

そのノイズに紛れてある映像が視界に映った。

 

(今のはーーー俺?)

 

その人物の顔はほんの一瞬だけ見えたがーーー俺にそっくりだった。

 

「……兄さん?どうかしましたか?」

 

「あ、いや、何でもない……」

 

今のは一体……?と考えているとーーー

 

 

 

 

突如、凄まじい風と騒音が頭上を通り過ぎる。

 

「ーーーっ!!」

 

「ーーー!あれは、《生存闘争(サバイヴ)》の時のーーー!」

 

「トール!!」

 

優月がそう叫ぶと同時に、背後からユリエの声が聞こえたーーーと思っていると、横を透流とユリエが駆け抜けて行った。

 

「っ!俺たちも行くぞ!」

 

「はい!」

 

俺と優月は少し遅れて、彼らの後を追いかける。

 

「兄さん、あれはやっぱりーーー」

 

「ああ、おそらく《神滅部隊(リベールス)》のヘリだ」

 

走っている最中に優月が確認をするように聞いてくる。俺はそれに肯定の返事を返す。

 

「兄さん、他の生徒はどうします……?」

 

「……避難させるのがいいんだが、説明する時間も無いし、混乱して怪我人が出る可能性もある……それに奴らの目的も分からない……どうする?」

 

そんな焦る思考をしながら、俺たちはヘリの着地場所ーーー校舎前の広場へと到着した。

広場には既に五人の警備隊員がいて、ヘリに警戒を向けている。

しかも昼休みという事もあり、寮から戻ってきたであろう生徒二十人ばかりがヘリを遠めに囲んでいる姿が見て取れた。

 

「くっ……」

 

どうするか必死で考える俺たちだったが、突如蒼穹(そうきゅう)に響き渡る声で思考は強制的に中断させられた。

 

「《K》ーーーっ!!」

 

響き渡った声の主ーーー透流の視線の先には射るような双眸を持つ少年がいた。

 

「お久しぶりですねーーーと言う程間は空いていませんか。早速お会い出来て光栄ですよ、九重透流」

 

「俺はお前の顔なんて見たくも無かったけどな……!」

 

透流は《星紋(アスター)》を浮かべた胸元に手を重ねつつ、吐き捨てるように言った。

 

「……おや?あなた方は……」

 

「お久しぶりですね。《K》さん」

 

「俺たちを覚えているようで何よりだ。それでーーーご用件は何だ?」

 

そこで透流から視線を外した《K》は透流たちに近付いていた俺たちの方を見た。

周りの生徒たちは俺たちと《K》の間に漂うただ事ではない雰囲気を感じ取っているのか、事態を掴めずひそひそと憶測を(ささや)き合いながら見守っている。

 

「そう殺気立たれても困るのですがね。本日は見ての通り、あなた方と争う為に訪れたわけでは無いのですから」

 

両手を広げて無害のアピールをされても、俺たちは警戒を解かない。

確かに今日、《K》は《装鋼(ユニット)》では無く、ネクタイにスーツという姿なので、争い事では無いというのは本当みたいだがーーー油断は禁物だ。ヘリの中からこいつの部下の《神滅部隊(リベールス)》が攻撃してくるという可能性もある。

 

「……どうやら出向かせてしまったようですね」

 

《K》の視線が校舎の入り口へと向けられる。

視線の先にはこの学園の理事長である黒衣の少女が立っていた。

月見先生と三國先生という二人の供を連れ、注視を浴びながらゆっくりと歩み出てくる。

黒衣の少女は、俺の姿を確認すると薄っすらと笑みを浮かべ、すぐに表情を変えた。

 

「先日は大したお持てなしどころか、不在で失礼致しましたわ。あの時は私、夜まで島内を散歩していましたの」

 

「それはそれは……しかし、こちらも楽しませて頂きましたよ。……それはもう」

 

最後の一言と共に視線を透流に向けて、《K》は笑みを浮かべる。

 

「それならば安心しましたわ。ですが先の件、そして本日と事前に許可を得ていない場合、本来でしたら当学園は来訪をお断りしていますのよ」

 

「それはそれは……知らぬ事とはいえ大変なご迷惑をお掛けしました」

 

慇懃無礼(きんぎんぶれい)さを感じさせるようにか、大げさに頭を下げる《K》。

 

(ふざけた事を……まあ、わざとか……)

 

そう思っていると誰かに肩を叩かれた。背後を見るとーーー

 

「影月。あの男はもしや例の……」

 

橘だった。

どうやら彼女たちは少し前に着いたようで、俺に確認を取ってくる。橘の後ろにはみやびが顔を強張らせて俺の答えを待っている。

 

「ああ、《神滅部隊(リベールス)》の隊長《K》だ」

 

神滅部隊(リベールス)》の名が出た瞬間、びくりとみやびの体が震え、橘はそんなみやびの反応に顔を曇らせる。

 

「奴の目的は分からない……どちらにしても、離れてろ。ヘリからあいつの仲間に攻撃される可能性もある。出来れば生徒たちを混乱させずに離れさせてくれれば助かる」

 

そこでふと視線を感じ、チラッとその方向を見てみると、透流がチラチラとこちらを見ていた。どうやらこちらの会話は聞こえているらしい。

 

「影月……分かった。みやび、私たちはこの場から離れよう」

 

橘の言葉に、みやびはーーー首を横に振った。

 

「……わたし、闘う」

 

『ーーーっ!?』

 

「…………」

 

「大丈夫だよ。だってわたし、強くなったもん……。だから大丈夫。透流くんに……皆に強くなった所を見せてあげるんだから」

 

そう言ってみやびは笑う。

その笑みは背筋を震わせるような不気味な笑みでーーー

 

「ど、どうしたのだ、みやび……?」

 

明らかに様子がおかしいみやびへ、戸惑いを見せる橘。

俺はため息をついたが……こちらばかりに意識を向けるわけにもいかず、朔夜と《K》の会話にも耳を傾ける。

 

「今回は不問と致しますわ。……それでは本日のご用件はなんでしょう?」

 

「本日は《装鋼の技師(エクイプメント・スミス)》殿よりメッセージを承って参りました」

 

「と言っても前と内容は変わらないんだろう?同盟を組みたい……だったか?それならば、理事長はあの場で断った筈だ」

 

俺の発言に《K》は目を見開いて驚き、優月を除く透流たちにも動揺が走る。

 

「……あなたはなぜその事を?」

 

「なぜだろうなぁ……教えると思うか?」

 

俺は不敵に笑いながら、手をひらひらと振る。

 

「まあ、今日は改めて説明を……それも大方一歩踏み込んだ説明って所か?そうだなぁ……状況と最近の事を考えて説明としてありえそうな話なら……例えばーーー戦闘服を着た者は《超えし者(イクシード)》と渡り合える力を持てただろう?」

 

「……くはっ。影月!渡り合えるっつーても、たかだか《(レベル3)》のガキ相手がせいぜいじゃねーか」

 

うさぎ耳を揺らし、月見先生が鼻で笑う。この場において緊張感の無い声でそう言った月見先生は、俺に視線を向けながら面白そうじゃねぇかという表情をしていた。

 

「……ええ、仰る通りです。……現状では、ね」

 

少しだけ呆然としていた《K》が我に返って説明する。

 

「しかし、考えてみてください。我々はーーー」

 

「彼らは鍛えられた兵士ではありますが、ただの人間である事に違いありません。しかし、もし《超えし者(イクシード)》が《装鋼(ユニット)》を纏ったとなればどうなります?」

 

『ーーーーーー』

 

「くすくす……言葉も出ませんか?あなた方が襲撃した後、そこの彼らと共に次のあなた方の動きを予想してましたの。様々な案を思考していて悩んでいたのですけれど、ある情報が決め手になってこの仮説が一番ありえる形となったのですわ。ーーーふふっ、彼らは本当に優秀な生徒ですわ。私一人だったら思いつかなかったでしょう」

 

《K》は絶句し、透流たちやさらには三國先生、月見先生も絶句している。それを見て笑う朔夜。

先ほど朔夜の言った通り、俺たちは臨海学校以来、《K》たちの次の案の先読みして、備えようとしていた。

しかし、当時ありえる選択肢は多すぎて、色々考えては見たもののどれも確信性は無く、手詰まり状態だった。

しかし数日前にある生徒の報告によって、一つの可能性が濃厚になった。それはーーー

 

「ある一人の生徒に接触して、《装鋼(ユニット)》を渡したんだろう?」

 

昼食以降から姿を見なかった安心院が音も無く背後から現れる。その顔は不敵な笑みを浮かべている。

 

「……ふふ、ふふふ、ふはははははははっ!!」

 

その瞬間、《K》が狂ったように笑い出す。その笑い声に透流なども我に返り、《K》に改めて警戒を向け始めた。

 

「素晴らしい!全く脱帽しますね。しかし……その《装鋼(ユニット)》誰に渡したのかは分かっているのでしょうか?」

 

『当然』

 

そこで安心院、朔夜、優月、俺が揃って一人の人物へ目を向ける。

その人物とはーーー

 

「ーーえっ?」

 

「……みやび……?」

 

みやびは視線を向けられ、瞳を丸くする。それに透流が絞り出すような声を出して、確認してきた。

 

「……本当に素晴らしいですね。その通り、貴女こそが栄えある《装鋼(ユニット)》と《操焔(ブレイズ)》の融合せしプロトタイプです」

 

冷たい笑みを浮かべつつ、《K》は懐から取り出したスイッチのようなものを見せる。

 

「ーーーっ!!影月!そこまで分かってたなら何か対策は無いのか!?」

 

「……すみません、透流さん。先ほど言った事も数日前に分かった事で対策は……みやびさんがずっとあのアクセサリーを肌身離さず持っていたので……無理矢理奪う事も出来ませんでした……」

 

「事情を話すにも色々手を出しづらくてな……恥ずかしい事にここまで予想出来たのに防ぐ手立ては立てられなかった……」

 

「なっーーー!!それを押すな!や、やめろ……!やめろぉおおおーーっっ!!」

 

透流は叫び、手を伸ばしたがーーー

 

「貴女に《力》を」

 

カチッと無機質な音が聞こえた瞬間ーーー

 

「……あっ、あぁああああああっっ!!」

 

突然耳をつんざくような悲鳴が辺りに響く。

振り返ると、みやびの胸元のアクセサリーらしき物から、黒い布のようにも見える何かが溢れ出し、全身へ絡みついていた。

段々とみやびの全身が隠れていき、放出が止まったその直後、黒布が弾けた。

 

「み、みや、び……?」

 

黒布の下から現れたみやびを見て、かすれた声を出したのは透流か橘か。

その反応も無理はない。目の前に立っているのは、学生服を身を包む者たちが大半を占めるこの場において、異様な出で立ちだったからだ。

黒を基調とした戦闘服は全身にフィットし、体のラインははっきりと女性らしさを強調している反面、手足は無骨な装甲に覆われている。そして頭にはヘッドギアを着用し、目元を隠すバイザーが下りていた。

そしてそのヘッドギアはまさしく《神滅部隊(リベールス)》が使用していたものと酷似していた。

その姿に衝撃を受けたのは他の生徒たちも同様だった。

 

「おい、あれって……」

「うそ、もしかして……!?」

「間違いないって……!」

 

多くの生徒が動揺と驚愕を浮かべながら立ち尽くす中、《K》が口を開く。

 

「さあ、望みを叶える刻がやってきましたよ。存分に彼らへ見せてあげなさい。ーーー貴女の手に入れた、神殺しの《力》を!!」

 

「ーーーっ!!」

 

半透明の暗色のバイザーの向こうで、どこか虚ろだったみやびの目が見開かれる。

 

「あ……ああ、ああああ……」

 

「一体どうしたのだ、みやび!なぜそのような忌むべきものを纏ってーーー」

 

「あああああーーーっ!!」

 

橘がみやびの両肩を掴んで揺さぶる中、みやびが絶叫した。

 

「みや……び……!?」

 

「どい、て……」

 

「え……?」

 

みやびが放った言葉に、橘が唖然として聞き返す。

 

「どいてって言ったんだよ、巴ちゃん……。だって、邪魔だもん……」

 

「何を……言っているのだ、みやび……?」

 

「……《焔牙(ブレイズ)》」

 

「ーーーっ!!」

 

呆然とする橘の前で紡がれた《力ある言葉》を聞いた俺は駆け出す。

(ほのお)》が舞った後、二メートルを超える巨大な《騎兵槍(ランス)》がみやびの手に現れーーー横に薙ぎ払われる。

その《騎兵槍(ランス)》を受け、橘の体から鈍く気持ち悪い音が響いたかと思うと、橘が吹き飛ばされた。

 

「橘っ!」

 

俺は飛ばされた橘を抱き止めるも、勢いを殺しきれずに校舎の壁に叩きつけられる。

 

「影、月……すまな……う、ぐ……あ、ぁああ……」

 

「う……ぐ……俺は、大丈夫だ……た、橘は……?」

 

俺は橘の様子を見ると、あまり大きい怪我は負っていないように見えるが……。片腕を抑えていた。

 

「腕か……?大丈夫か?」

 

「うっ、これくらい……なんとも……」

 

そう言って橘は俺から離れ、起き上がろうとするも……ふらりと倒れてしまいそうになった。それを俺は受け止めて、橘の顔を覗き込む。どうやら気を失ったらしい。

 

「……橘……」

 

「ぐぁああああ!!」

 

橘に目を向けていた俺は突如聞こえてきた叫びに顔を上げる。

そこには警備隊員や何人かの生徒が、地に倒れ伏していた。

先ほどの悲鳴は彼らのだろう。そして倒れ伏し、呻いている彼らの体からは()()()()が流れ出していた。

 

「血……?」

 

それを理解した瞬間、俺はとてつもない不安感に駆られて、即座に立ち上がり、広間の中央へと駆け出す。

そこにはーーー

 

「ごめんね、透流くん。ちょっと待たせちゃったかな……?」

 

「何、を……何をしているんだよ……。橘を、皆を、自分が何をしたのか分かっているのか、みやびーーーっ!!」

 

「……だって、邪魔をするんだもん」

 

叫声飛び交う広場で、透流とみやびが話していた。

 

「兄さん、無事でしたか?」

 

「なんとかな……ただ、橘はダウンだ」

 

「……わたし、ね。透流くんに《力》を見せるの。この前言ったでしょ、わたしがどれくらい強くなったか見せてあげるって……。それなのに、巴ちゃんや皆が邪魔するんだもん。……だから、仕方無いよね」

 

「……言っている事がおかしいぜ。皆に強くなったのを見てもらうのに……今度は皆、邪魔だって言うとはなぁ……」

 

安心院が苦笑いをしながら言う。

 

「それじゃあ邪魔者もいなくなったしーーー約束通り、わたしの《力》を見せてあげるね、透流くん!!」

 

言葉そのままに、両手で構える事がやっとだった筈の《騎兵槍(ランス)》を片手で頭上へ掲げ、一気に振り下ろした。

 

「ーーーっ、しまっ……!」

 

反応が遅れた透流へと攻撃が迫りーーー

 

 

 

 

「まあ、待てよ。そうはさせないぜ?」

 

金属同士がぶつかり合う音が聞こえ、土埃が舞う。みやびの攻撃を受け止めたのは、どこから出したのか分からないが……《(ブレード)》を持った安心院だった。

 

「透流くん、無事かい?」

 

「あ、ああ。悪い」

 

「……邪魔しないで、なじみちゃん。巴ちゃんみたくなりたくないでしょ」

 

「うん?君は何を言っているのかな?僕が君の攻撃とタメ張れてる以上ーーーああはならないし、なる気もないぜ!」

 

そう言って安心院はみやびの《騎兵槍(ランス)》を押し返した。

 

「っ!?」

 

押し返された事に驚き、バランスも崩したみやびにーーー

 

「はぁぁぁ!!」

 

優月が《(ブレード)》を構えて飛び込んでいく。安心院も共に斬りかかるがーーー

 

「ーーー邪魔、しないで!!」

 

『っ!?』

 

しかしみやびは無理矢理体勢を立て直し、優月と安心院へ《騎兵槍(ランス)》を横一閃に振るう。

それを横合いから入った透流が《盾》で受け止める。

 

「ぐっ、うっ……」

 

「くすっ、来てくれた。やっと透流くんに、見せてあげられる。いっぱいいっぱい《力》を見せて強くなった事を信じて貰えたら……これからは、わたしが護ってあげるんだから」

 

護る筈の相手を攻撃するーーー支離滅裂な発言だ。彼女自身にそんな自覚は無いんだろうが……俺はそんな彼女を見ていて、ある感情が湧き上がってきた。

 

(……愚かだよ、みやび。君は……そんな《力》がほしかったのか?)

 

彼女に対して湧き上がったのはそんな感情と哀しみだった。

護る為?そう言って攻撃してるのは彼女だ。しかも敵の《力》を借りてーーー

と、そこで再び激しい金属音が鳴り響く。思考を中断し見てみると、ユリエが《双剣(ダブル)》を振るって、透流が受け止めていた《騎兵槍(ランス)》を弾いていた。

 

「もう……。邪魔しないでって言ったでしょ、ユリエちゃん……!」

 

ユリエの手出しに怒りを見せたみやび。その時俺はーーー

 

「理事長」

 

彼女の事を呼んでいた。

 

「穂高みやびは、俺たちに任せてくださいーーー何があっても止めます」

 

「……分かりましたわ。私たちは一切手出しをしません。……三國、倒れている人たちの救出を」

 

「承知しました」

 

理事長は了承し、三國先生に指示を出した。そして俺は透流より前に立ち、見据える。すると俺と影月を(かば)うかのようにして、ユリエが立った。

 

「トール、影月、下がってください」

 

「心配は無用だーーー透流、最後はお前が止めろよ?みやびは俺たちよりお前に執着があるみたいだからな」

 

「その通りだね。彼女は君が止めなきゃ、話的にもおかしくなるし」

 

「ちょっと、安心院さん!メタ話は……」

 

「……そう怒るなよ。分かってるぜ」

 

「影月……分かった!」

 

「よし、俺たちはサポートする。行くぞ!」

 

「おう!!」

「ヤー!!」

「はい!!」

「ああ!!」

 

四人の返事を聞き、俺は駆け出す。背後からも同時に走り出した四人の気配を感じながら、みやびに肉薄し、瞬時に形成した槍を横に振るう。

対するみやびは《騎兵槍(ランス)》で俺の攻撃を受け止めた。ぶつかり合う金属音が響き渡る中、俺に追いついたユリエがみやびの懐へ飛び込み《双剣(ダブル)》を振るう。しかしみやびは身を捻ってかわすと同時にユリエにカウンターを仕掛けた。

それを宙に翔んで避けるユリエ。

 

「邪魔だよ、ユリエちゃん、影月くん!なんでわたしの邪魔するの!?」

 

「みやび……」

 

「…………」

 

ユリエは悲痛な顔を浮かべ、俺は無言で槍を振るい始める。

突きや、縦や横の薙ぎ払いを繰り出して、みやびを追い詰めて行く。

 

「くっ……うっ……あっ……影月くん……!」

 

「どうした?邪魔なんだろ?なら俺を倒して透流の所へ行ってみろよ!」

 

「……ああぁああああ!!!」

 

すると突然みやびが叫びーーー一撃一撃の威力が上がった。

 

「ーーーっ!」

 

俺はみやびの薙ぎ払いを受け止めるも、軽く飛ばされて距離が空いてしまった。

そこへ場違いな拍手が広場に響く。

 

「ふふっ、素晴らしい。見事なまでの能力向上(パワーアップ)ですね」

 

「《K》!みやびに何をしやがった!?」

 

「《神滅士(エル・リベール)》の《力》を分け与えたーーーただそれだけの事ですよ。最も、与えたのは私ではありませんがね」

 

「……あら、彼女の様子を見る限り、洗脳ーーーもしくはそれに近い何かをしているのではなくて?」

 

理事長の言葉に反応した透流が、反射的に《K》に視線を向けた。しかし戦闘中に相手から目を離すのは多大な隙を与えてしまう。

みやびは一気に透流に向かって距離を詰め、《騎兵槍(ランス)を突く。

不意をつかれた透流はかわしそこね、肩を掠める。そこから赤い飛沫が舞った。

 

「ーーーっ!?」

 

透流が動揺した所をみやびは見逃さず、《騎兵槍(ランス)》を引き戻しながら回転させ、今度は柄で側頭部を殴りつけた。そのまま吹き飛ばされた透流は周囲で見守っていた男子を巻き込み、倒れた。

そこに刺突進(チャージ)しようとするみやび。

そこに突如銃声が響き、刺突進(チャージ)の態勢に入っていたみやびの動きが止まり、何か衝撃を受けたように体を仰け反った。

 

「なっ!?……安心院?」

 

いきなりの銃声に驚き、銃声が聞こえた方を向いて見ると、安心院が拳銃をみやびへと構えていた。

 

「……それが前に言っていた銃火器の事ですか」

 

「ああ、銃火器製造のスキル『失敗ばかりの銃作り(ガンスミステイク)』。……心配はいらないよ。ゴム弾のスキル『柔らかい殺意(ソフトクリーチャー)』を使ってるから」

 

「ほう?貴女は中々興味深い《焔牙(ブレイズ)》を持っているようですね」

 

「僕のは《焔牙(ブレイズ)》とは違うんだよなぁ……それはともかく、もう一人役者が来たみたいだぜ?」

 

《K》にそう返して、安心院は笑う。

瞬間ーーー先ほどの安心院の銃とは違う銃声が二発聞こえてきた。みやびは頭と胸元に衝撃を受けて、後方へ軽く吹っ飛ぶ。

 

「ちょっと!誰だか知らないけど、あたしの旦那様に何してくれてるわけ?」

 

校舎の中から、手元で《(ライフル)》を回しながらリーリスが現れる。

 

「みやび!!」

 

だが、透流はリーリスに声を掛ける事無く、石畳に背中から落ちた少女の名を叫んだ。

 

「あっ、透流!ピンチの所を助けたんだから一言くらい……って、みやび!?ど、どういう事よ!?」

 

透流の呼びかけと、起き上がったみやびの姿を見てリーリスは驚きを露わにする。

銃弾の衝撃によりヘッドギアのバイザーが壊れ、素顔が露出していたからだ。

 

「嘘……!?本当にみやびじゃない……!!」

 

「あいつがーーー《K》がみやびを洗脳しやがったんだ!!」

 

「ど、どういう事なのよ、一体……!?」

 

状況が状況だけに、リーリスも動揺が隠せない。

 

「……透流、おそらくみやびは洗脳された、というわけではないと思うぞ。最終的には自分であの選択をしたと思う」

 

「何!?」

 

俺の言葉に驚く透流を尻目に俺は続ける。

 

「よく考えてみろ。あっちがした事はなんだ?ただ《力》がいるかどうか、選択肢を与えただけだ。正直、洗脳したかと聞かれると少し違うだろうな。ーーーそしてその選択肢を選び、力を求めたのは紛れもないみやび本人の意志だ」

 

「そんな……」

 

「その通りーーー最も、彼女に渡した《装鋼(ユニット)》には、願望を強め、正常な判断を曇らせる機能が備えられているという事もありますが」

 

「ふざけるなぁ!!」

 

透流が怒りに任せて、《K》へ向かって駆け出すもーーー

 

「ふっ。私の相手などしているから、彼女がご立腹ですよ」

 

みやびが間に立ちはだかる。

 

「くっ!どいてくれ、みやび!どうして俺たちが闘わなくちゃならないんだ……!?」

 

「どうして……?透流くんこそ、どうしてわたしを見てくれないのかな?こんなに強くなったのにどうして?どうしてどうしてどうしてどうしてぇええええっっ!!」

 

「透流さん!!リーリスさん、みやびさんの足止めを!」

 

「分かってるわよ!」

 

突進してきたみやびに対し、優月は透流を抱きかかえながら飛び、リーリスは三発銃撃を浴びせるーーーが、《装鋼(ユニット)》を纏い、身体能力が上昇しているみやびは全ての弾道を見切って《騎兵槍(ランス)》で防御する。突進するみやびの速さはユリエに匹敵するスピードを持つ、優月との距離を徐々に詰めていく程だった。

そんな透流と優月を追うみやびの側面から、銀色の髪(シルバーブロンド)をなびかせた少女が剣を振るう。

 

「みやび、もうやめてください……!!」

 

止める為とはいえ、友人に攻撃する事に悲痛な表情を浮かべているユリエ。

一方のみやびはーーー

 

「……邪魔だよ」

 

ユリエの斬撃をみやびは、《騎兵槍(ランス)》の先端を地面に突き刺し、棒高跳びの如く宙に身を躍らせてかわす。

そして鋭くも冷たい視線をユリエへと送りーーー蹴りを放った。

蹴りを避ける事が出来ず、まともにくらったユリエは石畳の上を二度、三度と跳ねて叩きつけられ、四度目になる寸前、気絶から復帰した橘ががっしりと抱き止める。片腕をだらんと力無く下げた橘は抱き止めた衝撃で表情を歪めつつも叫ぶ。

 

「もうやめてくれ、みやび!!なぜだ!なぜ友にこのような事をする!キミはこのような事をする者ではなかった筈だ!」

 

「なぜって……おかしな事を聞くんだね、巴ちゃん。さっきから言ってるでしょ。透流くんにーーーわたしの《力》を見せるんだって」

 

「《装鋼(そんなもの)》のどこがキミの《力》だ!!ただの借り物でしかないものを、自分の《力》だなんて言わないでくれ、みやび!!」

 

橘の怒りと哀しみが混ざった叫びを、嘲笑う者がいた。

 

「ふふ、はははっ!借り物とは随分と面白い事を言うものです。貴方は勿論、この場にいる者は《操焔の魔女(ブレイズ・デアボリカ)》殿を除き、皆《黎明の星紋(ルキフル)》という借り物の《力》で人という存在を超越してるのではありませんか?それをまるで、《装鋼(ユニット)》のみがメッキとでも言うかのようにーーー」

 

「黙れ、《K》!!」

 

「……ほう、まさか違うとでも言いたいのですか?」

 

スッと彼の双眸が細くなる。

 

「……ああ、確かに借り物さ。どんな《力》だって最初は借り物だ」

 

そこで俺の発言を遮り、透流が叫ぶ。

 

「だけど今は違う!自分自身を高めなければ、《黎明の星紋(ルキフル)》もまた昇華し得ない事を俺たちは知っている!努力して、苦しんで、悔しさにまみれて手に入れた《力》は借り物なんかじゃない!本当の《力》だ!!」

 

「……私も同感です。それだけに、私はみやびさんに対してこんな言い方は好きじゃないですけど、愚かしいと感じましたよ。……まさに自分を高みへと上げないで、そんな《装鋼(鉄屑)》の《力》を纏うなんて……」

 

「優月に賛成だ。あまつさえその偽の《力》を透流へ見せる?……本当にそれでいいのかよ?」

 

「…………」

 

みやびは表情を曇らせるも、今度は透流が言う。

 

「みやびは毎日毎日走ったよな。今日よりも明日、少しでも速くなる為に……。最初は走りきれなかった距離も毎日毎日努力したから走れるようになった。だから《(レベル2)》になれた。この前は《(レベル3)》には届かなかったけどな……」

 

さらに曇る表情。しかし構わずに透流は続ける。

 

「俺たちにとって、《黎明の星紋(ルキフル)》の昇華ってのは日々の積み重ねが結晶になったものだ。だからそれは本当の《力》だと俺は思ってるーーー影月の言葉を借りるけど、そんな借り物の《力》を俺に見せたかったのかよ!?」

 

「う……あ、ああ……わた、しは……」

 

「みやびさん、元に戻ってください!努力で得た《力》を信じてください!そうしたら貴方はまた強くなります。もしその借り物に打ち勝てたのならーーー私が抱きしめてあげます」

 

優月がそう言った刹那ーーー空虚だった瞳に、光が戻る。

 

「みやび!」

 

だがーーー

 

「う、ううっ……!あぁあああーーーっっ!!」

 

それも一瞬で、胸元で何かが明滅したかと思うと同時、みやびは苦しそうに叫んだ。

 

「ーーー透流君!あの胸元のアクセサリー(ディバイス)を破壊するんだ!」

 

安心院がそう言った直後、透流が走り出した。

 

「ああ……と、おるくん……私を見て……行くよ……!」

 

「ああ!偽物の《力》なんかに負けるな、みやびーーーーっ!!」

 

みやびが刺突進(チャージ)で迫り、透流はそれを受け止めようと叫びながら向かっていく。

そしてーーー

 

「うぁあああああーーーっ!!」

 

みやびの咆哮が響いた直後ーーー何かが突き刺さる生々しい音が聞こえた。

 

 

 

「ぐ、かはっ……!!」

 

「透流さん!!」

 

優月が悲鳴じみた声を上げる。胸には槍の半ばまで突き刺さっており、透流は膝が折れーーー

 

「あ……」

 

自らの手で行った事に対し、みやびの顔に戸惑いが浮かびーーー

 

「ああ、あ……と、透流、くん……いやぁあああああああっっ!!」

 

悲鳴が響き渡る。俺はみやびへと歩いていき、自らの《焔牙(ブレイズ)》をみやびへと向ける。

 

「目が覚めたか?君は透流に《力》を見せてあげる、と言っていたがーーーその結末はこれだ。透流を、大切な人を殺して自分の《力》を証明した。これが君の望んでいた事だ。これで満足か?」

 

「え、影月くん……わた、し……なんてことを……や、やだ、死なないで、透流くん、透流くん!!」

 

涙と共に公開と悲痛の叫びをみやびが上げる。

チラッと《騎兵槍(ランス)》に貫かれた透流を見てみるとーーー顔を上げ、笑みを浮かべた。

 

「やった、な、みやび……そ、れと影月……勝手に殺すな……」

 

「え……?とお、る、くん……生き、て……?」

 

「ああ、生きて、る……みやびが、偽物に……勝ったから、な……」

 

みやびは勝った。透流の胸を貫く《騎兵槍(ランス)》の穂先には血の汚れは一滴たりとも無かった。自分の意志を取り戻したみやびは殺意を封じる事が出来たのだ。

 

「うう、ん……わたしだけじゃ、ダメだった……。透流くんが、皆が……信じてくれたから、だから、わたしーーー」

 

みやびの言葉の途中、彼女の胸元で、何かが明滅した。

それが点滅すると同時にみやびの体が突如動きだし、《騎兵槍(ランス)》を引き抜いた。

 

「ーーーあっ……!?」

 

「ーーー透流、休んでいろ。後は俺がやる」

 

そう言っている間に《騎兵槍(ランス)》が近くにいた俺を貫こうと突きが放たれる。

それを槍で弾き返し、僅かに軌道を逸らしてみやびの懐へ潜り込み、胸元のディバイスへと狙いを定める。

 

「しばらく眠ってもらうーーー目が覚めたら、また皆で楽しく話そうぜ」

 

「うんっ……!うんっ……!」

 

俺は槍を突き出し、ディバイスのみを打ち砕く。当然みやびの体には傷一つつけずにだ。傷をつけたら、後から透流とかにうるさく言われそうだし。

 

「ありがと、う……透流くん……影月くん……皆……」

 

ぐらりと体が崩れ落ちるみやびを受け止めようとしたがーーー透流が起き上がり、彼女を抱き止めた。彼女の顔を透流と覗き込むが、意識は失っているものの、呼吸を正しく繰り返している事を確認し、俺たちはほっと息をついた。

 

「素晴らしい。まさか彼女を全く傷付けずに倒すとはね……」

 

「これが護るって事だーーーただ、お前は直接殴り飛ばしてやるぜ……!!」

 

気絶したみやびをリーリスに任せた透流はふらつきながらも、《K》へ近づいていく。

 

「ふふっ、残念ながら本日は既に目的を果たしていますのでね。これにて失礼させて頂きますよ」

 

「ふざけるな!!これだけの事をして、はいそうですかと帰らせるわけが無いだろ!!」

 

透流はそう威勢を張るがーーー足元がぐらつき始めた。先ほどの《騎兵槍(ランス)》は命までは奪わなかったものの、《魂》を深く傷つけていたようだ。

それでも透流は《K》へ近づいていきーーー弱々しい拳が胸を叩いた。

 

「ちく……しょ、う……」

 

怒りと悔しさを込めて吐き捨てた透流。

 

「ふふっ、見る影も無いとは正にこの事ですがーーー一撃は一撃ですからねっ……!」

 

瞬間、透流が投げ飛ばされ地面に叩きつけられた。透流はそのまま意識を失ったようだ。

 

 

 

 

「……影月、優月、安心院、《焔牙(ブレイズ)》を納めなさい」

 

透流が意識を失ってから数十秒、睨み合っていた俺たちだが、朔夜がそんな事を言う。

 

「……今は見逃せ。……と僕たちに言ってるのかい?」

 

「ええ、納得は出来ないでしょうけど……近いうちにまた会えますわ。その時にーーー」

 

その言葉を聞き、一瞬考えた後《焔牙(ブレイズ)》を消散させる。

 

「……分かった。今ここでこいつらを殺りたいが、この場では自粛しろ……そういう事だろ?」

 

「ええ、殺るなら然るべき場所でーーーという事ですわ」

 

「ふふっ、私たち相手に殺り合うとは言いますね」

 

《K》は嘲笑うかのように言うが、俺は殺気を込めた視線で見る。

 

「ああ、殺ってやるさ。それこそが今の俺の勝利(目的)であり、それが皆の為になるならば、それをもたらすのは俺だ」

 

大切な人々の為ならば、俺は血に濡れた勝利すらも厭わない。それこそが俺の道だ。ーーーそしてその道はきっと、俺の妹が照らしてくれるだろう。

横目でチラッと優月を見ると、彼女はその可愛らしい顔で明るく笑った。

 

「……中々興味深い生徒をお持ちのようですね」

 

「くすっ、お褒めの言葉として受け取っておきますわ。では、いずれまた……《装鋼の技師(エクイプメント・スミス)》によろしくお伝えください」

 

「ええ、では私はこれで……《操焔の魔女(ブレイズ・デアボリカ)》殿と次にお会い出来る時を楽しみにしていますよ」

 

そう言い残し、《K》は離陸準備の整ったヘリへと乗り込み、去って行ったーーー

 




ちょっと分かりづらい所があるかもしれませんが……誤字脱字・感想意見等よろしくお願いします!

優月「それでもう一つ聞きたい事ですが……」

ああ、前書きの続きですね。なんでしょう?

優月「なぜ今日、この時間(午後九時)なんですか?それより少し前に小説完成していたでしょう?」

それは……そうですけど……

優月「……確かクリスマスイブの午後九時から三時間でしたっけ?世界で最も愛が囁かれているって言うのは……もしかして、それに色々と思う事があってこの時間帯にしたんですか?」

そうです。まあ、作者は一人で過ごしますから愛を囁き合うなんて関係無いのですが……なんかそんな人たちに思う所がありまして……

優月「嫉妬ですか?俗に言うリア充○○○!みたいな感じですか?」

いや、そうじゃないです!ただ、何の変哲もない思いと、怒りのクリスマスってあったなぁって何気無く思ってこの時間帯にしただけです!別に深い意味はありませんからね!?……と、とりあえず皆さん!良いクリスマスを!

優月「なんか勝手に締めましたね……まあ、なんか暴走する感じの思惑じゃなくてよかったです。……じゃあ次は私視点でお願いしますね?」

は、はい!それでは皆さんまた次でお会いしましょう!







黄金「最後に私からも卿らを祝福してやろう。卿らに良き夜が訪れる事を祈ろうか。メリー・クリスマス(Frohe Weihnachten)怒りの日(ディエス・イレ)!」

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