魔法少女リリカルなのはvivid~守りし者~《完結》   作:オウガ・Ω

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第三話 聖王(改)

「…ねえキリク、此所って何処?」

 

 

『……どうやら魔戒道から出るタイミングを間違えた見たいでぃ』

 

 

アレ?から回復した僕は、ひたすら謝るシャッハと頭に大きなタンコブをつけたシャンテに見送られ魔戒道を使いの寮の自室に戻ったはず…

 

 

なのに目の前に広がっていたのは、クラナガン中央市街地だった…

 

魔戒道は、時間、月の満ち欠け等の影響を受けやすい、どうやらタイミングを間違えたみたいだ

 

 

『……まあ、歩いて帰れない距離じゃない…今日は学院を休みにしたんだ…あそこで休憩してから戻ろうぜ』

 

そう言われ僕は喫茶店に歩を進める…見ると女性客が意外に多い、

 

正直言ってこんなに人がいる場所に来たのは初めてだった

 

 

近くに空いてたテーブルに座りメニューを見ていた……

 

 

(誰かに見られている…)

 

 

見られている、自然に気配を感じた方に目を向けると…少し離れた場所に複数の女性が座っててそのうちの一人を見て驚いた

 

 

(昨日、ホラーに襲われてた女性だよね…)

 

 

視線に気づいた女性は席を立ち近付き、そのまま無言で隣に座った

 

 

「あ、あの」

 

 

「…タカヤ・アキツキ…St・ヒルデ魔法学院、中等科一年生…でいいんだな」

 

 

「え?なんで僕の名前を!?」

 

「…昨日、アタシといた子がお前をアキツキって言ってた…少し話をしないか?」

 

「……僕に何を聞きたいんですか…あな」

 

 

言おうとしたら女性の言葉に遮られた

 

 

「……ノーヴェ、アタシはノーヴェ・ナカジマだ…聞きてぇ事は昨日のアレ?と…魔戒騎士に関してだ」

 

まっすぐ僕を見るノーヴェ・ナカジマさんの金色に輝く瞳からは真剣さを感じ迷う。魔戒騎士、ホラーに関する事を関係ないノーヴェナカジマさんに話していいのだろうか

 

 

…駄目に決まっている、だけど魔戒騎士を捨てた僕には……考えていた時だった

 

 

「ノーヴェ!ここにいたんだ…その人は?」

 

ノーヴェさんに声をかけ近付いてきた少女、僕と同じ学院通う子みたいだ…

 

「えっと…はじめまして!高町ヴィヴィオです!」

 

「…あ、タカヤ・アキツキです……」

 

笑顔で挨拶と自己紹介され無意識に挨拶してしまった…

 

その子の顔と、目を……紅と翠の瞳をみて綺麗だなと思った時

 

何かが僕の頬を伝う…

 

 

「あ、あれ…何で」

 

 

僕は知らないうちに泣いていた…

 

悲しみから来る涙ではなく、まるで久しぶりにあった友達に会った……そういう感じの涙だった

 

第三話 聖王

 

 

「お、おい?どうしたアキツキ!?」

 

 

突然、涙を流したコイツ…『タカヤ・アキツキ』が、とても昨夜の怪物を圧倒的な力で倒した奴と同一だとは思えねぇ

 

 

アインハルトが話した通りならば、古代ベルカの王様がいた時代に昨夜のアレ?を倒すために次元の壁を超えやって来た騎士、魔戒騎士っていう奴の子孫のはずだ……

 

 

「あ、あの私なにか気にさわる事をしましたか?」

 

「い、いえ…僕にもわからないんです…だけど、ぐす…」

 

……本当に同一人物なのか!? 今の格好をみる限り本人に間違いねぇ……はずだ

 

 

「ぐす……」

 

 

「…一つだけ聞かせてくれないか、お前は…」

 

 

「失礼します………!ノーヴェさん?それにアキツキさんどうしてあなたがここに?」

 

アタシがアキツキに聞こうとした時、声が聞こえ振り返る

 

 

今日ヴィヴィオに会わせようとした人物、アインハルト・ストラトスがアキツキを見て驚いてる

 

 

「ノーヴェさん、これはいったい…」

 

 

「アタシにも解らねぇ…ヴィヴィオに会ってからあんな感じなんだ……」

 

 

頭を少しかきながら話すノーヴェさんの視線の先には、涙を流すアキツキさんと女の子、ノーヴェさんが会わせてくれると約束してれたヴィヴィオさんだということ気づいたときでした

 

 

―逃げろ……お前たちじゃホラーには勝てない…―

 

 

―逃げません!民達を守るのは私の務めです!!―

 

 

―僕もだ、王として…いや人として守りたいんだ!なんと言おうと僕は……、共に戦う!―

 

 

―……好きにしろ…―

 

僕と……ィエがホラーと戦い喰われようとした民を守ろうとした時だ、

 

黒鉄色の外套を纏い彼は颯爽と現れた…僕と二人の王、黒のエレミアを結びつけ、ホラーから人々を守る『魔戒騎士』との二度目の出会いだった

 

 

「…い、今のは」

 

 

再び覇王の記憶を垣間見た私は二人に近づいていき、アキツキさんを見る…涙を拭おうとしたとき眼鏡が私の足元に落ちてしまう

 

 

『痛!…すまないが俺を拾ってくれ(…年には似合わない水縞ヒモパンはいてるお嬢ちゃんだな)お嬢ちゃん…』

 

 

なにかすごく失礼な事を言われた気がします…

 

 

取り敢えず彼?…待って眼鏡が今喋りませんでしたか?

 

 

拾ってよく見ると細かな彫刻が施され耳にかける部分には龍を模しています…

それにかなりの年季が入っていると思いました

 

『ありがとうな、嬢ちゃん』

 

 

声と同時に龍の彫刻の口?が軋みながら動きました

 

…これはデバイスなのでしょうか?…

 

 

「ぐす、キリクを拾ってくれてありがとう…えとストラトスさん」

 

 

涙を拭き終わった彼を、その顔をみて驚きました

 

「あ、あのなにかついてるかな?」

 

何故なら彼の目、瞳の色が虹彩異色だったからです

私は少し迷いましたが意を決しその瞳について聞こうとした時…

 

 

「あ~時間があまりねェから、取り敢えずだアインハルト、ヴィヴィオ行こうぜ…アキツキも来いいいな!」

 

ノーヴェさんは逃げ出そうとするアキツキさんの腕を掴み歩き出しました

 

 

「あ、ええ?ちょっと僕はまだ…」

 

 

その言葉を無視し引きずるノーヴェさんを呆然と見ていた私たちでしたが、時間が無いことを思いだしヴィヴィオさんに自己紹介をしてもらいながら他の皆さんと区民センターへ歩き出しました

 

この時私は気づきませんでした

 

まさか向かった先で彼『タカヤ・アキツキ』と手合わせすることになるとは夢にも思いませんでした

 

 

第三話 聖王 了

 

 




キリク
『赤髪の女、ノーヴェに引きずられ向かったのは中央第四区にあるストライクアーツ練習場、どうやら紐パン嬢ちゃんとオリヴィエ似の嬢ちゃんが手合わせするみたいだ…ん、タカヤと手合わせしたい?…次回、演武!騎士と覇王の演武!!』

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