北山雫は魔法科高校の劣等生   作:ひきがやもとまち

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年末故なのか予定していた電池の補充が出来ず、テンパりながら完成させたために書くはずだった部分とかが抜けちゃってるかもしれません。その時は本当に申し訳ございませんと、先に謝っておきます。

今回の話は雫と達也の関係性――正しくは「ルイ」と「トーラス・シルバー」との繋がりについて軽く触れる事を主目的としております。
ついでとして、ブランシュが手段を選ぶ余裕がなくなってることも僅かながら描写されており、それらをメインにする必要上の理由から超簡易魔法式を過剰なまでに持ち上げております。
その点を考慮しつつお読みください。後からのご指摘は出来れば無用に願えれば正直言って助かります。

注:「リーナのキャラ崩壊」タグを付け足しました。
詳しい改変内容は今話の後書きで。


8話「超簡易魔法式VSブルームの魔法」

「ほら、雫。ちゃんと立てる? 一人で歩ける? 辛くなったらワタシに言うのよ? 

 脳味噌が入ってない女の子一人くらい持ち歩いても、苦には感じない程度の強さはあるつもりだから」

「ん・・・。ありが、とリーナ・・・」

 

 フラフラしなが、ら私はマホーカ高校の校門に向かって歩いて、た。

 

 あれから時間が過ぎてい、て放課後。仲良くなったみんなと帰ってるんだけ、ど。

 

「・・・なんで私だ、け保健室で寝ていた、の・・・? 頭グワングワンして思い出せな、い・・・」

「だからさっき説明したじゃないの。いい? もう一度教えてあげるから、今度こそ忘れずに覚えておくのよ?

 あの後、逃げ去っていったモリモ・・・と? うん、そう。モリモト君が逃げていってから雫は転んでテーブルに頭をぶつけたの。それで気絶したあなたを私が。ワ・タ・シ・が! 保健室まで運んでいってあげたのよ。

 この私におんぶされて看護までしてもらえるなんて、本来だったら一生に一度もない幸運なんだから感謝なさい。わかった?」

「う、ん・・・。でもそ、れ本当な、の? なんだか嘘っぽーー」

「本当よ。保険の先生のーーえっと・・・そう! おっぱい先生もそう証言してくださっていたんだから間違いなんてあるわけないわ! ええ、絶対によ。

 現場に立つ公務員の判断と決断が、間違いであるはずがない!」

「そ、なんだ・・・。わかっ、た」

 

 私を支えてくれて、るリーナに説明してもらって納得し、た私は、なんとか一人で歩こうと頑張ってみ、る。

 

「ああ、ほら危ない! もう、本当に私がいないとダメダメなのね雫は」

「うん・・・ごめ、んリーナ」

「今度からはもっと早く私を頼りなさい? そして二度と私のいないところでパーティーを始めないよう気をつけること。いい? わかったかしら? 絶対だからね?」

「うん・・・は、い・・・」

「よろしい! 雫は本当に良い子ね~。良い子良い子~♪」

 

 痛い頭をナデナデしてくれるリーナ、は達也さんと違って優し、い。

 

「雫・・・なんて騙されやすい子・・・」

「あれはもう、魔法とは違うひとつの才能と言ってもいいのではないかと思えてきたな・・・」

 

 遠くで達也さん、と深雪がなにか言ってる気がす、る。

 

 何のお話ししてるのかなと思った、ら

 

 

「僕たちは司波さんに相談したいことがあるんだ! だからクラスメイトとして占有権を主張している! それのどこがいけない!? なにが悪い!?」

「占有権だなんて・・・横暴です! 深雪さんはあなたたちの所有物ではないんですよ! 人のことを何だと思っているんですか!?」

 

 あう・・・大きな声で頭グワングワン・・・。

 

「深雪、落ち着け。彼らにだって悪気があるわけじゃないんだ」

「・・・ええ、分かっておりますわお兄様。ですが彼らのあれは余りにも・・・!!」

「あれは完全に我を忘れている状態だな。おそらく誰かに煽動された結果だろう。

 最近ではブルームによる校則違反が後を絶たないと、風紀委員長の渡辺先輩がボヤいていたからな。彼らは彼らで守るべきものために必死なんだよ。たとえそれが間違ったものであったとしても、彼らにとっては守る価値のある物なんだ。それは無闇に否定してはいけないよ?」

「お兄様・・・! なんてお優しい心を・・・深雪は、深雪はもうそれだけでーー!!」

 

 

 

 

「それに、深雪さんはあなたたちの物なんかじゃありません! 深雪さんはお兄さんの物なんです!」

 

「ふん! あんなスペアが司波さんに釣り合うとでも思っているのか? ましてやウィード如きが僕たちブルームと比べられる対象になり得るとでも?

 バカバカしい! 戯言なんか口にしてないで早く司波さんを僕たちの元へーー」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「おい待て深雪、落ち着け落ち着こう相手も人だ、話せば分かる。きっと分かってくれるから・・・!」

「いいえ、お兄様。あれは人ではありません。ゴミです。ゴミは塵一つ残さず綺麗に掃除するのが司波家の炊事洗濯その他を担うわたくしの役目。見事お役目を果たしてご覧に入れましょう・・・」

「深雪! 待て! いくら頭にきたからってそれは拙い! せめて! せめて光学系の魔法で気絶させる程度の威力に抑えてくれ! 魔法科高校の校舎内で「ニブルヘイム」を使用するのは前代未聞にも程があるぞ!?」

 

 ううぅ・・・近くで大きな声を出さない、で・・・頭グワングワングワ~ン・・・。

 

「ふっ。安心しなさいミユキ。ここはワタシが綺麗にまとめて解決してあげるわ!」

「「リーナ!?」」

 

 ・・・隣で私を支えてたリーナが大声で、グワングワン・・・。

 

 

 

 

「同じ新入生じゃないですか。あなたたちブルームが、今の時点で一体どれだけ優れているというんですか?」

「どれだけ優れているか、知りたいなら教えてやるぞ」

「ハッ、おもしれぇ! 是非とも教えてもらおうじゃねぇか」

「面白そうね。バカ一人に任せるのは可愛そうだし、あたしも参戦してあげるから恩に着なさい」

「恩着せがましいぞテメェ!」

「だから恩に着せてるって言ってるじゃない」

「僕たちのこと無視して、バカにしてるだろお前らーーーーー!」

 

 

 

「待ちなさい!」

 

 

 

 

 シーーーーーーーーーーーーッン・・・って、リーナの大声で静かになって、私の頭はグワグワグワーーーン・・・。

 

 

 

「自衛目的以外の魔法による対人攻撃は、校則で禁止されている以前に犯罪行為よ!

 どうしても使いたいというなら相手になってやろうじゃない!

 このーー超簡易型魔法式による防犯装置がね!」

 

 

 

 

『お前が(アンタが)相手をするんじゃないのかよっ!?』

 

 

 

 

 その場にいるぜんい、ん(達也さんと深雪いが、い)みんなで大声だしてグワングワーン・・・。

 

 

「あら、そんなの当たり前じゃない。ワタシ、魔法科高校に所属する一生徒に過ぎないのよ?

 仮に魔法を使わないで倒したとしても喧嘩両成敗で処罰の対象になっちゃうじゃないの。

 ワタシ、他人のために悪を倒して罰せられるなんて絶対にイヤよ?

 お給料でないし、家追い出されかねないし」

 

『素直で正直! でも、なんか凄くムカつく!!』

 

「さぁ、貴方たち! 魔法だろうと何だろうと、使えるものなら使ってみなさい!

 どんな魔法を使おうとも、魔法科高校が必要経費で設置した最新鋭の超簡易魔法式による防犯トラップには通用しないと言うことを教えてあげるわ!」

 

 

 

 

 

「なぁ、なんでアイツが偉そうに語ってんだ? 別にアイツが開発者って訳じゃないんだよな?」

「むしろ、完全に部外者なんじゃないかしら? 彼女ってアルバイトでマウンテンの売り子やった事があるだけみたいなこと、会ったときに言ってた気がするんだけど」

「・・・本気でなんで偉そうに語ってるんだ、あの女は・・・」

 

「お兄様・・・。わたくし、ほんの少しだけですが怒りが収まりました。ご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありませんでした」

「いいんだよ深雪。分かってくれて、ニブルヘイムを撃たないで済みさえすればそれで良いんだ・・・」

 

 頭グワングワーン・・・。

 

 

 

 

 

「くそ! こうなりゃ自棄だ! 俺の使える最高難度の対人攻撃魔法で・・・!!」

 

 ーーあ。今いっしゅんだけ意識が戻ってきたときに、リーナが「ふっ」って笑った気がす、る。

 

「食らぇぇぇぇっ!」

 

 

 ボヘェェェェェェェ~・・・♪

 

 

 キューーーーーーーーッン。

 

 

 シュボッ!

 

 

 ドガシャンッ!

 

 

 グワングワングワ~ン・・・・・・ぱたり。

 

 

 ・・・え? 私と同じになって、る人に降ってきた、の・・・タライ?

 

 

『も、森崎ーーーーーーーーーーっ!?』

 

「おーーーーーほっほっほっほ! これよ! これこそが最新の超簡易魔法式の性悪防犯装置の威力なのよ!

 魔法発動の際に流すサイオンの独特な音を関知する事のみに特化した超簡易魔法式が編み込まれた装置が学内各所に設置されていて、これをコンピューターが学校内の防犯用マザーコンピューターへとデータを送信、撃ち出されたタライの落下地点は送られてきたデータを元にしてコンピューターが割り出したものを使用。

 後は近くまで飛んできたのを最初の奴の隣に設置されてる別の簡易魔法式で再調整しつつ、落下の衝撃そのものを低減させる装置にも連結されていて痛み自体は大したことない。

 でも、見た目タライで中身空っぽの中に波で酔わせる悪質な魔法が封入されてるから魔法使おうとして意識を集中していた魔法師にとっては堪ったもんじゃないわよね!

 まさに外道! コストはかかるけど防犯装置としては破格の高性能ぶりで安全面的にも完璧! 強い魔法師には弱くなってるときに不意打ちで倒せと言う性悪根性が透けて見えるようだわ! 

 やはり、最近ルイとトーラス・シルバーが懇意にしだしていて、アイデアを提供しあってるって噂は本当だったみたいね! そのお陰でお飾り社長の司波なんとかは慰留されてるらしいけど、そんな小物はどうでもいいわ! それよりトーラスとルイよ!

 まさに史上最悪の性悪コンビ! 魔法と魔法師の歴史を変えた狂気の天才二人ども!

 最低だわ! 死ねばいいのに! ファックファックファーーーック!!」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「深雪。落ち着いてくれ、頼むから・・・。身体は癒せるし体力も戻るんだが、さすがに精神的疲労まではどうにもならない・・・。

 今日はもう、これ以上の事が起きたときに対処できる自信は・・・今の俺にはない」

 

 

 

「だから、なんでアイツが偉そうにしてるんだよ・・・。しかも罵ってるし・・・」

「目立ちたがり屋なんじゃないの? あの子意外とお祭り騒ぎとか好きそうな気がするし。今度一緒にカラオケ行かないか誘ってみよっかな~?」

 

 

 

 頭、グワングワングワ~~~~~~~~ン・・・・・・ぱたり。

 

 

 

 

 

「あなたたち! そこで何をしているの!? 自衛目的以外の魔法による対人攻撃は校則違反だから、怪我しない程度に攻撃されてしまう可能性があるって入学案内に書いてあったでしょう!?」

「真由美・・・確かに書いてあったが、ほんの小さな枠内だけだったんだが・・・?」

「うっ・・・。し、仕方ないのよ摩利。発売時期が早まって、入学時期に間に合いそうだったから購入を急いだらパンフレットに割くための時間が取れなくなっちゃったんだから!

 大体、これもそれも全部ぜーんぶ貴女たち風紀委員の負担を少しでも減らしてあげようと頑張った結果じゃないの! 新入部員歓迎の時期にやらかすバカが増えて困るって貴女この前も言ってたでしょう!?」

「これはこれで出動回数が増える事案が多くなりそうな対応なんだがなー・・・」

 

 誰か・・・頭・・・グワングワンぐ、わ・・・ん・・・・・・。

 

つづく




リーナの人格改変に関する理由説明:

国の命令で仲間殺しまでさせられながら国に捨てられ、貧乏な逃亡生活も味わったために保身を覚えたリーナですが、根っ子の部分は変わっておらず「良いものは良い、悪いものは悪いと思う」とする暗殺どころか軍人にさえ向いてない性格は昔のままです。

ただし、以前と違って「無条件に信じ込んで多くの物を失った事」「道を選びはしたけど、選択肢自体は与えられた物だけだったこと」等が理由となって「自分の出し方」を考える様になったと言うオリ設定です。

感情に走り易くはあっても我慢の限界に行きつくまでの距離が延びてます。総距離が伸びた分だけ、怒りや憎しみを制御できるようになってもいます。

でも距離が長くなっただけなので、キレる時にはキレますし感情に走る時には走ります。
アンジー・シリウスの役割は二度とご免だとも感じてます。結果的に守れたものが少なすぎましたから。

最後に、今まで素直になり辛かった分だけ「好き」は前面に出せるようになりました。
とはいえ簡易魔法式にはコテンパンにやられた記憶は生々しく残っているので、罵倒とともに褒め称えたり感謝したりしか出来なくなってるツンデレさん設定となってます。

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