次からは可能な限りネタが思いついた順番に書き上げるよう努力致します。
注:最近、地の文を書くのが嫌いではなくとも下手にはなっているらしく、説明文などで不分明な点が多くなっていると思われますので気になりましたらご指摘ください。
朝はや、く。私たちは三人一緒、にお寺を目指し、て坂道を上って、た。
「お兄様、少しペースを落としましょうか・・・?」
「いや、それではトレーニングにならない」
達也さん、は相変わらずのチートっぷり、でローラーブレードを履いてる深雪、と同じ速度のぴょんぴょんジャンプいど、う。
達也さんってもしかしなくて、も忍者さん? だからシショーさんに弟子入りしてる、のかな?
「この程度の速度がお兄様にとって苦ではないことくらい、深雪にもわかっております。
ですが・・・幾らお兄様でも、余計な重りを乗せて走るのはいささか辛いのではないかと・・・」
「大丈夫だ、深雪。こいつは普段から俺にとっての重りになってる。今更背中に背負ってジョキングコースを走るくらい、然したる労も感じはしないさ」
「二人と、もひどい・・・」
達也さんにおんぶされてる私は背中にしがみつきなが、ら背中で文句を言ったけど無視され、た。・・・やっぱりひど、い・・・。
今、私たちが走っているの、は達也さんの通って、る格闘技きょうし、つへ続くさかみ、ち。
達也さんは人間じゃないか、ら車もバイクも使わず、にBダッシュで移動できる、の。
・・・前から思ってたけ、ど達也さんの正体って、やっぱりいぎょush・・・
「・・・雫?」
「(ビクッ!)な、何も思ってない、よ深雪・・・?」
背後から吹き寄せてく、る吹雪のプレッシャーに怯えなが、ら私たちは寺小屋教室への道をひたはし、る。
でも、達也さ、ん。出来れば少しスピード落としてほしいか、も。
後ろから付いてきてる深雪の視線、が痛すぎる、よ・・・?
「でぇいっ! ・・・ぐおぁっ!?」
「てやぁぁぁっ!! ・・・うおわぁっ!?」
「こなくそ! ・・・なにぃっ!?」
お寺の境内で達也さん、とお坊さんたちが戦って、る。
たぶん、お坊さんたちはソウヘイさんたちなんだとおも、う。前世で見た大河ドラマによく出て、たから知って、る。
「あの人たちって、最後はやっぱりお寺、とファイヤーされちゃう、の・・・?」
「雫、あなたには後ほどお勉強の時間を義務づけます。今日は日本史を中心にね」
「ひうっ!? は、はい・・・・・・(がたがたがたがた)」
達也さんのシュギョーに来ているはずなの、になぜか毎回わたしがお勉強させられちゃうのはなんでだ、ろ・・・?
「いやー、相変わらず雫くんは小動物みたいで愛くるしいねぇ。そんなにビクビクしている姿を見せられたら、僕も思わず悪戯しちゃいそうになるよ? こんな風にね」
「ひゃっ!?」
だ、誰かにお尻触られ、た・・・!?
「先生・・・・・・っ!! 気配を消して雫の背後に忍び寄り、お尻を撫でないでくださいとあれほど申し上げたじゃありませんか・・・!」
「いや? 消してないし、忍び寄ってもいないよ?
僕は由緒正しい『忍び』だからねぇ。強者の背後に忍び寄るのは性みたいなものだけど、さすがに小ウサギを相手にして忍術を使うのは忍術使いの道に悖る行為だよ」
「・・・・・・雫?」
「ひぇっ!? な、なんで私の方をにらむ、の・・・!? 悪いのは私じゃないよ、ね・・・!?」
そしてなぜか毎回行われ、るシショーさんのイタズラ、と、その後のお説教タイ、ム。
・・・つら、い・・・。
「うーん、いつ見ても雫くんは愛らしいし、深雪くんは可憐で魅力的だね。どちらのお尻にしようか僕も毎回悩んでしまうよ。まったく、仏門に入って俗世と縁を切った僕に我慢を強制しなくてはならないほどに恵まれた環境。・・・ふむ、これはあれだね。所謂一つのリア充爆発しろっ!って、奴なのかな?」
「先生・・・? そんな世俗にまみれた言葉をいったいどこでお知りになられたのですか?
・・・・・・元凶を正したく思いますので、お教えいただきたいのですが・・・?」
「だからなん、で私をにらむ、の・・・!?」
ひど、い・・・! 幾らなんで、も扱いがヒドすぎ、るよ!
「いやまぁ、普通に雫くんから貸してもらったライトノベルからなんだけどね?」
「雫・・・・・・言い残すことは?」
「なんで遺言か、ら・・・!? 裁判、は・・・!?」
異端審問会より扱いがヒド、い・・・!
「うんうん、良いね良いね初々しいね。真新しい制服を着て仲睦まじく戯れ合う、小ウサギとシャム猫。実に目の保養になる光景だ。生きてて良かった・・・ムッ?」
パシッ!
「師匠? 中年男性による女子学生へのセクハラ行為は犯罪です。訴えられたくなければ少し落ちついてもらえませんか」
「・・・やるね、達也くん。僕の弱みに付け込むと、はっ」
私が怒られてる近くで、は達也さんとシショーさんの格ゲーみたいなバトルが行われて、る。
なんだかよく分からな、い・・・・・・。
私が中学二年生の時に転校してきたときに、ははじめていたらしい達也さんちの朝の日課。お寺でのシュギョー。
最初はドラゴンボールの亀仙流みたいなのを期待していた私、はすぐに厳しい現実に打ちのめされ、る。・・・坂道が辛かった、のだ・・・。
「・・・ここまで体力のない魔法師も、今時珍しいかもしれないねぇ・・・」
あのとき見せたシショーさんの哀れみの視線、は痛かった・・・。
「先生、どうぞ。お兄様もいかがですか」
「達也さん、へい、き? 怪我してたとこな、い? あったら手当がんばる、よ?」
「おお、深雪くんに雫くんもありがとう。それから達也くんは少しだけ死んでなさい」
「・・・少しだけ待っててくれないか深雪。直ぐにでも回復して、お前たちの側に行くから」
汗みずくで立ち上がろうとしてる達也さん、をニヤニヤ笑いを浮かべて見てるシショーさ、ん。二人はとっても仲良、し。
その後、いつも通りに深雪が達也さんに寄り添って、汚れたスカートに魔法かけてからお食事か、い。
「お兄様、朝ご飯にしませんか? 今日は雫も一緒になって作ったんですよ? 先生もよろしければご一緒に」
「がんばりまし、た・・・!(ふんす)」
「ああ、ありがとう。いただくよ」
「そうだね。こんなハーレム状態を男一人に味あわせるなんて、仏様が許しても独身の僕が許さない。ご相伴させていただこう」
縁側でサンドイッチを頬張る達也さんとシショーさん。
深雪は一切れ食べてから、は達也さんのお世話で付きっきり。
私も小食だか、ら二つ食べ終えてからはシショーさんのお世話に回って、る。
笑顔で差し出したお茶を飲んでるシショーさん、は時々悪そうな笑顔で私たちを眺めたりもす、る。
・・・・・・??? なにか、な?
「もう体術だけならともかく、男としては達也くんに敵わないのかもしれないねぇ・・・」
「師匠・・・ですから俺たちはそういう関係ではないと、あれほど何度も口を酸っぱくして申し上げてるじゃないですか・・・。いい加減、モテない中年男の被害妄想はやめて頂きたいのですが?」
「ハーレムは幾つになっても男にとってのロマンだ。それが解らないほど今の君は枯れてはいないと僕は見てるんだけどね、達也くん?」
「・・・・・・」
「君も、もう少し素直になりたまえ。惚れてくれた可愛い女の子に報いるのは男の甲斐性であり、義務だ。想いを知っていて気づかないフリをするのも、想いに対して応えられない身体なんだと偽り続けるのも、男らしくないし最低な屑野郎の行為だと僕は信仰してるんだよ」
「「・・・・・・???」」
男の子二人によ、るよく分からないかい、わ。
私たち女の子二人、は大人しく首を傾げてお茶くみちゅ、う。
・・・あ、れ? 私ってたしか・・・元男の子だったはずだよ・・・ね?
ぷおおおおおおおおっーーーーー
駅のホームに小型の電車が入ってきて、私たちはそれに乗、る。
ほのかとは次の駅で合流するよて、い。
家が微妙な距離にあ、る私た、ち。途中から私も無理矢理つき合わされ出し、た朝のシュギョー。それが終わってから私たちの登校風景が訪れるみた、い。
「お兄様、実は昨日の晩。あの人たちから電話がありまして」
「あの人たち? ああ・・・それで、親父たちがまたお前に仲介を頼んででもきたのか?」
端末でニュースを見ていた達也さん、に深雪がどうでも良いことを言うような口調で話しかけ、た。
こういう興味のないことについて話す口調は、いくらドSの深雪でも珍し、い。
「はい、その通りです。
まったく、あの人たちは・・・一度は捨てた息子に縋る以外、会社を維持していくのは不可能なご時世になったというのに、未だ実利のない見栄やプライドにこだわってお兄様にはメール一本おくれず、出来るのはせいぜい娘に泣きつくのが関の山。
本当に、よくあの体たらくで会社重役を続けていられるものですね。親の顔が見てみたいとはこのことです」
深雪・・・私以外にもけっこうヒドい、ね・・・?
達也さんは「まぁまぁ」といった感じでいなしなが、ら「落ち着けって、深雪。向こうも中々に必死な状況なんだから」と、手を握ってあやして上げてる光景は、まるで美少女の妹を言葉でだまして利用する、悪のお兄さんのようでーー
「「・・・雫?」」
「なんでもな・・・です・・・・・・(がたがたぶるぶるがたぶるぶる)」
いつも通り私が冷凍ビームで撃墜され、る。
兄弟二人で合計四本撃ちは卑怯だと思いま、す・・・。
「・・・会社の経営を手伝えという親父を無視して進学を決めたんだ。そりゃあ、社内での立場は相当悪くなっていることだろう。祝いを寄越せるはずがないし、余裕すらもないんじゃないかな?
親父の性格も能力も、社内での地位がお飾りでしかないことも、お前は知っているだろう?」
「自分の親がその程度の人間でしかなかった事実に、腹が立っているのです。だいたい、お兄様に学校を辞めさせてCAD開発に尽力していただきたいなら自分の方から頭を下げて「お願いします」と言うのが筋というものですのに、その程度のことさえプライドが邪魔をして実行できないなんてチャンチャラ可笑しいではありませんか」
話してる最中に怒りがぶり返してきたの、か深雪の口調が段々怖くなってい、く。
て言うか、こわ、こわ、怖いぃぃ・・・!!!
「そもそもあの人たちは、どれだけお兄様の臑を齧り続ければ気が済むのでしょうか?
十五歳の高校に進学したばかりの少年に地位の保身を無心するなど、非常識だとはお思いになりませんか?」
「親父も小百合さんも、自分が所詮、俺を繋ぎ止めておくために飼い殺されてる飼い犬に過ぎないのだと認めたくはないのさ。
これまでは通じていた自分たちの都合が無価値と断じられるなんて、つい数年前までは夢にも思っていなかっただろうからな・・・」
ぽふ。
「・・・? 達也さ、ん? ・・・な、に?」
理由は分からないけ、ど達也さんはたまに私の頭に手を置いてワシャワシャしたが、る。でも、今回のはただ手をおいただ、け。
・・・??? なんだか今日は不思議な達也さ、ん・・・。
「生来の才能だけでは魔法は使えない。魔法を使うには長期間の修学と訓練が必要となる。それらの事実に目をつむり見ても見えないフリをして、魔法師は生まれつき才能があって特別だから、自分たちより高い給料をもらえる地位についてられるのだ。・・・それが旧来の魔法社会で当たり前のように通じた価値基準だったが、今はもうそうじゃない。
世界長者番付にはじまって、世界中のあらゆる場所で才能よりも『工夫』がものを言う社会となった。そうでもしなければ先進国に置いて行かれて寂れ果てる未来しか待っていないのだから魔法師を戦力として優遇していた国でも、この波には逆らいきれない。
逆らってもいずれは飲み込まれるならばと、強いだけで工夫のない魔法師を『才能に溺れず自分でも考えろ』とばかりに様々なカリキュラムに強制参加させて落ちれば免職、断るならば左遷。
超実力主義経済が確立された今の時代に、才能がないことを言い訳にしたままの人たちは生き残れない。そういう現実が目の前に壁となって立ちはだかっている以上、弱さを理由に逃げ出す人は誰も相手にしなくなってしまう。
付いてこれないならば、付いて来たくないなら勝手にしろと、その人たちだけを置いてけぼりにして社会全体がすさまじい早さで加速度的に進歩していってしまってる。
この時代に・・・彼らのような人間が生き辛いのは理解できないわけじゃない。俺の中にもそういう気持ちは、確かにあった」
ふと、遠い目をしていた達也さんの目が微妙に腐って・・・え? なん、で!? 私なにかした、の・・・!?
「ーーただまぁ、立ち止まっていたら馬鹿に置いて行かれてしまうのが癪に思えて、仕方なしに努力してきた俺に親父たちを罵倒する資格があるかどうかは微妙なのでね。
現在のところは今までの事に対する慰謝料として口利きしてやろうかと・・・」
「なるほど、真綿で首を徐々に絞めつけながら殺すと言うわけですね。さすがは、お兄様です」
「??????」
なんだか今日は、みんなが不思議な会話をする不思議な日だ、なぁ。
『まもなく、魔法科第一高校前に到着いたします』
あ。着い、た。今日から第二の高校生活初の授業で、す。
がんばろ、う。(ふんす)
つづく