翌朝
俺はいつもと同じ様に04時00分に起きてランニングに出掛けた。
走っていると結城先輩を見つけたので声を掛けた。
「おはようございます。結城先輩」
「永島か。おはよう。朝早いな。」
「いえ。これが日課なんです。」
「いい心掛けだ。それと今度は本気の一打席の勝負をしてみたい。いいか。」
「もちろんです!もし結城先輩から三振を奪えれば一軍に近づきますから。」
「言ってくれるな永島。それなら俺も負けられないな。キャプテンとして。」
「ならそのキャプテンを自分のフォークで仕留めて見せます!御幸先輩も今月中に取れるようになってくれると言っていたので。」
「確かにあのフォークを御幸が取れるようになって試合でいつでも使えれば最高だな。」
「当たり前です!」
「それは心強いな。今日から初練習だな。最初はキツイだろうが頑張れよ。」
「はい。それではまた練習の時にお願いします。」
こうして俺は結城先輩とランニングを終えてからグラウンドへ向かうのだった。
・・・
初練習の時の自己紹介の時
・・・まだ栄純が来ていなかった。
自分の番になったので
「北陸シニアから(あ〜こいつ遅刻したのに列に紛れ込もうとしてるぞ〜)」・・・
御幸先輩が栄純を売りやがった。
「初日から遅刻とはいい度胸だな・・・小僧」
「えっ」
「しかもバレないように忍び込もうとするその腐った根性
練習が終わるまで走っとれい!!」
「ひい〜すべてが裏目に!!」
と栄純が言っており先輩の方では
ガッチリした先輩が紙に「自業自得」と書いており
ヤンキーぽい先輩は何かを発していた。
だが監督の言葉には続きがあった。
「それからこの男の同室の上級生・・・どさくさに紛れそこに並んでる大馬鹿者お前らもだ。」
と監督が言った時に俺は思った。
栄純。馬鹿だな。
「さっきの奴自己紹介を最初から始めろ!」
と監督が言ったので
「はい!北陸シニア出身永島 匠!ポジションはメインは投手ですがどこでも出来ます!守備でもバッティングでもピッチングでも誰にも負けないようになります!」
そして少しして最後の自己紹介になると俺のライバルがいた。
「横浜シニア出身大澤優人!希望ポジションはショート!その他どこでも出来ます!バッティングには自信があります!誰にも負けません!」
と言っていた。
優人とは敵になって甲子園で戦いたかったけど同じチームも悪くないと思った。
自己紹介の後は先輩達はバッティング1年は守備練習だった。
二時間ほど練習して俺は優人と東条、金丸の所へ向かった。
「久しぶり!優人!信二!秀明!」
「びっくりしたぜ匠!なんせ優人と匠の2人がここに来るとは思わなかったからよ。」
「そうだね。僕も匠がいるなら投手は諦めた方がいいかな。」
「おいおい秀明、冗談はよせよ。高校野球は投手1人じゃあ勝てねえよ。」
「冗談だよ。あの日本代表に選ばれる為に必死に習得した変化球とコントロールがあるからね。」
「日本代表ではチェンジアップとはスライダーしか使わなかっただろ。」
「流石に二つは間に合わなかったけどスライダーだけが間に合ったからね。いまはこの二つに縦スライダーを身に付けたからね。流石にストレートのスピードはそんなに上がらなかったけど。」
「いやいや秀明の球は打ちづらいぜ。チェンジアップはとくに。」
「優人頑張って言っても冗談にしか聞こえねえよ。でもなんで2人までここに来たんだ?」
「俺は結城先輩には憧れて来たんだ。秋の大会を見に来たんだが結城先輩を超えたいから目の前に目標がある学校にした。匠はどうなんだ?」
「俺か?俺は幼馴染との約束があったからだよ。」
「約束?」
「そう。そいつはさ高校野球が昔から好きな奴でな。同じ高校に入って甲子園で優勝しようと約束したんだ。」
「へぇー。誰なんだ?」
「マネージャーだよ。」
「「「へっ・・・」」」
「何か?」
「いやいや」
「何でも」
「ないぜ。」
「それよりも早く食堂へ行こうぜ。」
「あっあーそうだな。」
こうして俺達4人は食堂へ向かうのだった。