初練習は入学式の前日だった為入学式二日前に東京駅にやって来た。
そこで
「あれ?沢村じゃん。お前結局青道にしたのか?」
「そうだよ!わりーか!俺!絶対に永島には負けないからな!」
「へぇーいいね。・・・高島さん来た。行くぞ!」
「おう!それと永島。俺の事は栄純って呼んでくれ。」
「了解栄純。俺の事も匠でいいぜ!」
「なら匠!変化球教えてくれ。」
「やだ。」
「なんでだ!」
「お前馬鹿そうだから!(笑)」
「てめぇー」
「うるさいわ。沢村君。久しぶりね。二人共。車は用意できてるから行きますよ。」
そう言って俺と栄純は高島さんが運転する車で青道高校へ向かうのであった。
「グラウンドの場所はわかるわね。これから寮除き場所を案内するわ。」
「了解です。」
「はい!」
東京言われ少し歩いていると
「ここが寮よ。永島君。貴方の部屋はこの109号室よ。沢村君は101号室ね。それと明日の練習は06時30分からよ。遅刻しないでね。」
そう言われ俺は部屋へ向かう事にした。
表札の所に
御幸一也
と書いてあった。
「失礼しまーす」
そう言って俺はドアを開けた。
「同室者ってお前だったのか。永島!久しぶりだな!」
「お久しぶりです。御幸さん。」
「やっぱりお前デカイな。背伸びた?」
「伸びましたよ。2cm。191cmになりました。」
「すげ。そうだ。この部屋は他の部屋と違って3年生がいねえからな。2人だけだ。だから俺の使ってない方の二段ベッドを使ってくれ。」
「了解です。それと今から少し受けて貰えないですか?新しく試合で使えるか試したい変化球があるんで。」
「おいおい。どうせなら試合で使う使わない関係無く全部投げてくれよ。」
「わかりました。全部投げましょう。」
「そうこなくっちゃな。」
そう言って俺と御幸先輩はジャージに着替えて室内練習場へ行った。
室内練習場へ行くと中には丹波さんや他の先輩質がいた。
「こんにちは!今年からこちらの野球部に入部する永島匠です。ポジションはメインはピッチャーですがどこでも出来ます。よろしくお願いします!」
そう言うと奥からなんかオーラが飛び出てる先輩がやってきた。
「俺は野球部キャプテンの結城哲也だ。よろしく。」
「俺は伊佐敷純だ。よろしく!」
「あいつはスピッツ先輩って読んであげてよ。それと俺は小湊亮介。よろしく。」
「おい!誰がスピッツだ!こら!」
「うるさいぞ。純。それと永島と御幸は何をしに来た?」
「御幸先輩に球を受けてもらおうと思って部屋で聞いたらOKが出たので来ました。」
「そうか。・・・俺が打席に立ってもいいか?永島の球を見てみた。と言うよりU-15のエースの球を見たい。 」
「俺は構いません。ただ練習中の変化球も投げるように言われたので危なかったら避けて下さい。」
「わかっている。」
そう言って俺は御幸の所へ行きキャッチボールを始めた。
肩が温まったのでブルペンへ行くと御幸先輩の後ろに丹波がスピードガンを持って行き。
「スピードを見たい。」と言ったので
「初球!ストレート行きマース」と言って全力のストレートを投げた。
この感じはいいストレートがいった。と思っていると。
後ろにいる丹波さんが変な顔をしていた。
それに気づいた御幸が聞いてみるとなんと148㌔出ていたらしい。
それに驚きつつも御幸先輩が座ったので御幸先輩にひとつひとつ投げる球種を言いながら投げていった。
今、試合で使えると思っている8種類の変化球と使えるか試している変化球1つ、練習中の変化球3つを投げた。
結果
フォークは御幸が取れなかった。
スライダー・SFF・チェンジアップ・シンカー・高速スライダー・パーム・ドロップカーブはなんとか御幸は捕球した。俺の中では完璧なボールだった。
試し投げしたシンキングファストはキレが少し甘い気がした。
練習中のナックル・ナックルカーブ・ワンシームはこれまでの変化球に比べて物足りない気がした。
1通り投げ終えると御幸先輩がフォークの捕球の練習に付き合ってくれと言ってきた。
その後フォークを20球投げて先輩に終わりましょうと言ってダウンをして終わった。
「先輩!フォークは負担が大きいので練習とは言えあまり沢山投げたくないです。」
「いやー悪い悪い。なんか取れないのが悔しくてな。」
「それは知りませんよ。それとフォークを試合で使うのはしばらく封印します。」
「なんでだよ。」
「先輩が取れないからです。確実に取れるようになるまでは封印します。」
「そうか。中学の時のチームメイトは取れるまでに何年くらいかかった?」
「2年です。」
「2年かよ。どんだけフォーク!やばいんだよ。でも俺は今月中には取れるようになってやる。楽しみにしてろよ。」
「期待せずに待ってます。それより早く部屋に戻りましょう。」
「わかってるって。」
「質問ですがいいランニングコースありますか?」
「どうしてだ?」
「毎朝の日課なんで。」
「ちなみに何キロ?」
「10キロ位です。」
「10キロ位走れるランニングコースか。・・・すぐそこの河川敷にランニング出来る所があって確か10キロ位走れるはずだけど?」
「ホントですか?ありがとうございます。明日から早速走りに行きます。」
「はいよ!頑張って〜」
「はい。それと長旅で疲れたので今日はもう寝てもいいですか?」
「おう。いいぞ。俺もそろそろ寝るしな。」
「そうですか。おやすみなさい。」
こうして俺の初練習前日は終わるのであった。