可愛いよぉおお、ぅおおおおおお!! 開花きたよぉおおおおお!!!
散々ネタにした甲斐がありました、良かったね、ペポよ(ぐすん
キャラクエも良かったですし、キャラ絵も可愛い!! もう一生運営についてきます!!
なお、ガチャは全部サンデリアーナちゃんしか出なかったという……(爆死
花嫁修業と言えば、料理や掃除以外にも洗濯や家計管理、果てには着物の着付けのやり方の習得などとその種類は各々の認識に様々だろう。
なのでいかに頑固な汚れを多く洗える洗濯コンテストや家計をテーマにした計算問題などを解く家計簿コンテスト、礼儀や着物の着付けなどの作法をテーマにした知識を実演を交えて問う作法コンテストなど、教養を試されるコンテストも勿論存在した。
そして後者のうち二つを、キンギョソウ団長は担当していた。
教養を試すとあってか、彼は知り合いの貴族に審査員を頼んでいた。
有識者として呼んだだけあって、誰もが元老院に連なる貴族……の端っこの方に名を連ねる貧乏貴族たちである。
プロテアのような例外が無ければまず日の目を見ないのは確実の、しかし捨て置くには勿体ない識者たちだった。
「あ、あの子、配膳の仕方間違えてるお。箸の持ち方も怪しいおね」
「あっちの子も減点だろ。だが正直利きワインは一般の子には難しすぎるんじゃないのか、常識的に考えて」
「ほっほっほ、麻呂はもう少しレベルが高いと思ってたでおじゃる。
全問題をこなして恥じることなく貴族に嫁げるという基準でおじゃる」
識者たち、のはずである。
こんな無駄にキャラの濃いモブ貴族たちと並んで審査員をしているキンギョソウ団長もなかなかだった。
「季節が輪廻するのなれば、試練も止む無しだろう」
とりあえず来年もやるのならば、高めの基準で様子見は仕方ない、とキンギョソウ団長は言った。
それに審査員たちも頷く。
とは言えコンテストは問題なく進行していたのだが。
「団長さん団長さん!!」
「神託か、我が眷属よ」
審査員席の背後から姿勢を低くして近寄ってきて団長を呼ぶキンギョソウは、振り返ることもしない彼に頷いてみせた。
「何だか嫌な予感がしたんだ、びりって。この感覚は多分、害虫だよ」
「ハナモモ団長に伝えたか?」
「うん。一応皆にも連絡して貰った。今警備を警戒段階に移行しているよ」
「ならば、いつでも避難誘導できるように道を確保しておくのだ」
「そちらもハナモモ団長がやるみたい。今、プロテア様にも確認を取りに行ってもらってる」
「あちらも同様の未来を見れば、確定か」
片仮面に隠れていない顔が険しい表情となり、団長は呟く。
予知能力者の予知はあやふやで不確定要素が多い場合がある為、そうであると分かっていても対策を取るのは難しい。
個人の技能に頼りきりになるのも組織としては脆弱だという理由もある。
だから何も無かったら、何も無くてよかったね、と後から言える程度の対策しかできないのが歯がゆいのだ。
そして害虫の出現はプロテアに連絡が行く前に現実のものとなった。
とは言え参加者の方はともかく、運営側はある程度心構えが出来ていたので混乱は少なかった。
負傷者が数名で、死者はゼロという幸運にも恵まれた。
これで民間人に死人が出ていればプロテアの責任度合は跳ね上がる。
「お手柄だぞ、我が眷属、我が比翼よ。
とりあえず初動の段階で犠牲者はゼロ、最悪は防がれた」
この祭りの為に集まった花騎士たちを即席に部隊編成しているのを眺めながら、団長は己の部下を称えた。
「まあね、それほどでもあるよ」
と、キンギョソウはちょっと照れくさそうに胸を張った。
「……思ったのだけれど、団長さんは本当に結婚するつもり無いの?
キンギョソウといい感じなのに」
「……なぜそれを今聞く」
「あら、良いじゃない。正直二人の馴れ初めとかも気になるわ」
そう言ったバラとしては緊急事態を言い訳に突っぱねられること前提の質問だった。
平時に聞くには踏み込みにくい質問だったからだ。
「最初はこやつの能力が欲しかった、と言うのが本音だった。我が家は潜在的な敵が多かった故にな」
「まあ、貴族なら誰でも考えそうなことよね。予知能力者を傍に置くのって」
バラは返事が来たのを意外に思いつつも、そう返した。
実際、占いや予言の力は古来より権力に密接に関係してきた歴史がある。
「その結果、取り返しの付かないことをしてしまった。
その責任として婚約を検討している故に、我はこの先他の誰とも結婚の予定は無い」
その答えに、バラは意表を突かれた。
二人が既に婚約をしていたなんて初耳だった。
それ以前に、上流階級の当主が花騎士とは言え庶民と婚約するなど、特にリリィウッドでは有り得ないことだった。
「この人のこういう所嫌なんだよねー。
責任の取り方が結婚ぐらいしかない、って。根っからの貴族って言うか、重く受け止めすぎって言うか」
当のキンギョソウはそう何でもなさそうに軽く言ったが、彼女は言外にその婚約を受け入れている様子だった。
答えは来たが、謎はより一層深まっていた。
「ふん、我はこういう生き方しか出来ぬだけだ」
とは言え妙に団長が彼女に気安いのは、こう言った理由なのかと納得したバラだった。
§§§
「ふぅー、偶には一人も良いもんだ」
皆を解散させたリンゴ団長は、ベンチの背もたれに体を預けて解放感に浸っていた。
周囲に人は多いが、男は一人になる時間が必要だというのを彼は実感していた。
そう思いながら、彼は色に狂った己を省みていた。
その整理の一環として、さっさとあの指輪を処分したいと思っていた。
「うぎぎぎ……」
「ランタナちゃん、もう諦めたら?
団長さん、ランタナちゃんにはあげる気無いよ、きっと」
少し離れたところで、彼を見ているお馴染みの二人組の片割れが歯噛みしていた。
かれこれ三度は欲しいと言っているのに、軽くあしらわれているのである。
「じゃあペポが取ってきて!!
その後に私が貰うから!!」
「ええぇ!? 私が!?」
「その新しいお洋服は飾りかー!!
ゆーわくしてちょろっとウインクでもしてあげれば、あのロリコンだんちょなんてイチコロよ!!」
「……あれ、ランタナちゃんは新しいお洋服は無いの?
正直、時期がずれて能力だけ開花に対応されなくて微妙に使いづらいよね、新しいランタナちゃん」
「うぎゃあああぁぁぁ!! ペポめ、言ってはならないことをぉ!!」
親友を色仕掛けに使おうとした欲
「団長さん、ランタナちゃんが欲しいらしいので、その指輪くれませんか?」
「おう、いいぞ。ほれ」
「え?」
いとも容易くあっさりと、団長はペポに花嫁の原石を投げ渡した。
タイミングを見計らっていたリンゴなどはその光景にあからさまに落胆していた。
「ええと、良いんですか?」
「在庫処分だ。あのボケナスというかボケタマネギが余計な事言わなければすぐにくれてやったのによ。
まあ、せっかくお前にあげたのに、ランタナにくれてやる為ってのはあれだ」
そう言って団長は、近くの露店を指差す。
こういう催しだからか、おもちゃの指輪なども売っていた。
「あの中の好きなの買ってやるよ。
お前には、そんな石ころよりそっちの方が価値があるだろう?」
「……はい!!」
ペポは500ゴールド程度の安物のおもちゃの指輪を団長に買って貰い、嬉しそうにしながらランタナの元へと戻っていった。
「でかしたじょペポ!!
さっそくその指輪を私におくれ!!」
「ぅうん、こほん、ランタナちゃん。
この指輪をあげてもいいけど、その代わりこれからは私のことお姉ちゃんって――」
「じゃあイラネ」
「なんでよー!!」
あっさりと指輪から興味を無くしたランタナ。
とぼとぼとペポは花嫁の原石を団長に返却した。
「よう、戻ってきちまったな」
小さなそのリングを指で
二人はまた何か別のモノに興味が移った片方がもう片方を引っ張って行ってしまった。
振り回されつつも何だかんだでペポは楽しそうだった。
その姿を見ているだけで団長は満足だった。手元にあるそれより、彼にとってその光景の方がよほど至極の宝物だった。
それ以降は指輪を欲しがる勢いも小康状態となった。
サクラは口でああ言っても他の皆と祭りを見て回っているし、リンゴは周りの女の子に目移りしてそれどころではなさそうだ。
他の連中も、最初にランタナを痛烈に突っぱねたからか、来る様子は無い。
「隣、よろしいですか?」
「どうぞ」
団長が暇そうにしていると、一人の花騎士が一応の断りを入れて同じベンチに座った。
どうやらお祭りの雰囲気に
「一人かい? なんなら一緒に回ろうか?」
そしてさっそくナンパする団長。
「いえ、連れが居ます。
とは言え他の女の子を気に掛けてて放置プレイ状態ですが」
「あー、マジか。まあ、目移りするのは男の性だ。許してあげな」
「私もそれくらいで怒るほど小さな女じゃありません。
ですが少しくらい意趣返ししてもバチは当たらないでしょう?」
そう言って、その花騎士は団長との間の距離を詰める。
「そろそろ禁欲生活も疲れて来ましたし」
「なるほど、良い手だ。男も女も、嫉妬心を煽るのは上手いやり方だ。やり過ぎには注意だが。
男は女の気を引く努力をすべきだし、女は自分を美しく魅せ続ける工夫をしなければ上手く関係は続かない。
男は女の好意に甘えると怠けるし、女は己に傲慢になると男の心を掴み続けられない。
――女を本当に自分のモノにしたければ、人生を捧げるしかない。
強いるだけを愛する事と勘違いするとどんなに仲良くても破綻する」
「その為の手段が、結婚だと?」
「あれはお互いに首輪を掛けあうだけの契約だろう?
俺はもう二度と結婚を考えるつもりはない。内縁で終わるだろうな」
指輪を弄びながら、そんな
「綺麗な指輪ですね」
「欲しいか?」
「ええ、欲しかった。欲しかったです」
「じゃあやるよ」
「いえ、もう要りませんから」
彼女はそう言うと、ほろ苦く笑った。
すると、その視線がこっちを見て驚いている様子のある男性に向けられた。
それに気づいた団長は、彼女のむき出しの肩を抱いて抱き寄せる。
彼はぱくぱくと口を開閉させて困惑している様子だ。
彼女はその様子を見るとフッと笑った。
「気安く触らないでください」
そして少し手荒く団長の腕を振り払うと、彼女は彼の元へと歩いて行った。
二人は軽く言い合ったが、彼女が素っ気なく振る舞うと男は彼女の機嫌を取ろうとあれこれし始めた。
「……また逃がしちまったなぁ」
指輪で遊びながら、団長は嘆息する。
無難にリンゴちゃんに後でやるか、と彼が思っていると、顔見知りを見つけた。
彼女はこちらを見ていた。
「おや、ハナモモちゃんじゃないか。一人かい? 今日は警備の仕事中だろう?」
「ええ、今は休憩中ですの。
その間にお祭りを見て回ってますわ。それで、その、リンゴ団長さま」
ハナモモは少し言いにくそうにしながらも、意を決したのか団長に尋ねた。
「先ほどのお話、失礼ですけど聞かせて貰いましたわ。
結婚はお互いに首輪を掛けあうだけだ、と」
「疑問かい? まあそうだろう。でも考えてみなよ。
お互いに首輪を掛けて、鎖で繋がるのが結婚だ。恋は人を盲目にし、愛は人を狂わし、そして結婚はお互いの嫌なところに目が行く。
忘却や慣れは神が人に与えた最も優れた機能だが、同時に残酷な贈り物でもある」
「仰りたいことは分かりますわ。
ですが、必ずしもそうなるとは限りませんわよね」
ハナモモは団長の理論に納得したくないのだろう。
だが分からないでもないので、そのような論理的ではない反論をしたのだ。
「ハナモモちゃんは害虫が憎いかい?」
「ええ? はい、まあ。仲間やお友達を何人も失いましたし」
「でも四六時中憎み続けるのは難しいだろう?
俺が言うのもなんだが、何かを憎むのは存外に大変でな。
憎み続けるには理由だけでは無理なんだ。憎しみの炎と言うように、火にはくべる薪が無ければいずれ鎮火する。
俺はずっと、ずっと、憎み続ける努力をし続けた。愛憎なんて言葉が有るくらい、愛と憎しみは似ている。
なら愛し続けるのも同じように努力がいるんだよ、きっと」
それが君の言う必ずしもそうなるとは限らない、ってことなんだろう、と団長は締めくくった。
「……難しいですわ」
「ハナモモちゃんはあまり考えなくても良いのさ。
俺は人生経験からただ悲観的なだけだよ。愛やら恋やらの醍醐味は、理屈じゃないところだろう?
理屈で語れないことはあんまり好きじゃないが、そう言うのは俺も好きだぜ」
「…………」
そのように明るく言った団長だが、ハナモモは何やら難しい表情であった。
「まあなんだ、話してみろよ。あいつと何かあったのか?」
「別に団長さまとは何もありませんわよ」
「俺は相手がハナモモ団長だなんて一言も言ってないが?」
「…………」
ハナモモはへの字に口を結んで黙り込んでしまった。
「まあまあ、話してみろって。酸いも苦いも経験した人生の先輩によ」
「酸味と苦みしかないんですのね……」
「男はそれだけ女の子に対してハンデがあるってことさ」
「……しかたありませんわ、ここしばらくモモお姉さまは不在ですし。リンゴ団長さまでよろしいですわ」
そうして、ハナモモは恋愛相談を始めたのだった。
……
………
…………
「まあ、そう言うわけだから、頑張りな」
「……」
ハナモモは納得しかねる様子だったが、とりあえず返す言葉も無いように黙っている。
二人の恋愛経験の差はそれだけ隔絶していたのである。
「さて、そろそろ動くか」
先ほどから一般の騎士が増え、お祭りに参加した客たちを誘導している。
状況を見極めている団長だったが、自分が動くほどでも無いかと静観していた。
だが、すぐに現場の混乱は目に見えるようになった。
「リンゴちゃん、信号を」
「はい!!」
団長が振り返ると、待機していたリンゴが魔法で招集を伝える信号を空に向けて撃った。
「あたしは、団長さまの元に行きます」
「ああ、そうした方がいいな」
団長とハナモモがそう言葉を交わした時だった。
「なんだアイツ!! 止まらなッ!?」
「民間人に手を出させるな!!」
花騎士たちを蹴散らす勢いで、大型害虫が二人のいる広場に躍り出たのである。
「ここはあたしが!!」
「いや、無理だ!!」
団長はハナモモを抱えて猛進してくる害虫の進路から横に逸れた!!
「リンゴちゃん、大丈夫か!!」
起き上がった団長は、ギョッとした。
凄まじい勢いで動いていた害虫が足を止め、地面を凝視していた。
そこには、たった今団長がハナモモを
その害虫はひょいと地面に落ちていた指輪を拾うと、そのまま周りの人間を意に介さずにまた猛進を始めた。
「なんだ、あいつ」
「よく分かりませんが、助かりました……」
「それにしてもあれ、団長さんの指輪を持って行っちゃいましたよね、取り戻しませんと!!」
「別に欲しいなら害虫にくれてやっても構わないんだが」
「私は嫌ですよ!!」
「わかったわかった」
興奮しているリンゴを
「団長さん、ご無事でしたか?」
「ああ、役得もあった」
団長はどさくさに紛れて未だ抱き寄せているハナモモを傍に放した。
「ハナモモちゃんはどうする?」
「あたしをあんな目に遭わせるなんて屈辱ですわ!!
リンゴ団長さま!! あたしも討伐に参加させてください!!」
「オッケーだ。ついでに指輪も奪われちまった。
俺としてはどうでもいいが、ここでルール変更だ。
あの指輪はあれにトドメを刺した奴のモノな」
それを聞いた彼の部下たちは、露骨に嫌そうな表情になった。
「なんだよお前ら、今なら俺の熱いベーゼも付けるぜ?」
勿論団長のその寒い冗談は受けなかった。
……
………
…………
「害虫のつがいねぇ」
団長たちは同じ害虫を追っているスイレン達と合流し、見事撃破した。
その前に何とも言えない光景が有ったわけだが。
「しかし、種類が違う害虫同士でつがいになれるのかお?」
「普通は無理だろ、常識的に考えて」
「麻呂が思うに、あれは一種の群れの形態を人間の夫婦に形に適応させた結果だと推測しているでおじゃる。
そもそも害虫たちに人間の愛が理解できるとは思えぬでおじゃるよ」
と、好奇心旺盛な学者肌の貴族たちが害虫たちの死体を検分していた。
なかなか新鮮な害虫の死体に有りつけないのだろう。
「なるほどねぇ、本当に愛しあってたのなら、これをくれてやるのもやぶさかじゃなかったんだが」
団長は取り返した二つの花嫁の原石を手に嘆息する。
昔の団長だったら夫婦の害虫と聞けばハッスルするだろうのは目に見えていたが、それが無いようで皆ホッとしていた。
「クロユリ、いるか?」
「要らん」
害虫に止めを刺したクロユリはにべもなくそう言った。
「そうか、じゃあハナモモちゃんにあげよう」
「え? これって大切な物じゃありませんの?」
「良いの良いの、もう一匹の方にトドメ刺したろ? 景品だよ」
「うわぁ、キレイですわ!!」
団長が
ハナモモは太陽の光にかざしてその輝きに目を輝かせる。
なお、向こうでサンゴバナが羨ましそうにその光景を見ていた。
「体よく押し付けましたね」
団長がリンゴを連れて会場に戻ろうとすると、彼女はぼそりとそう言った。
ちょっと不機嫌そうである。
「そう言えば副賞のベーゼが余ってたな」
「えッ」
「それ、ぶちゅー」
団長はリンゴを抱きかかえると、ちっとも色気の感じない所作で彼女の唇に吸い付いた。
リンゴはしばらく手足を動かしていたが、次第にピクリとも動かなくなった。
「っぷはぁ、リンゴちゃんを保険金目的で殺すのは容易そうだな」
キリッ、とした擬音が付きそうな表情で団長はそう言った。リンゴちゃんはどこか幸せそうにぴくぴくと痙攣している。
ちなみに二人の鼻と口回りは真っ赤でどこかアホっぽかった。
全く情熱的じゃないキスシーンに、皆は可笑しそうに笑い始めたのだった。
§§§
「やれやれ、何とか優勝賞品は取り戻せたね」
「混乱による怪我人も出なくて良かったです」
何とか落ち着いて、お祭りも再開された。
被害も多少の怪我人と物的損失で済んで、主催者二人も安堵していた。
「でもこの後プロテアさんは元老院で責任追及されるんだろうなぁ。
なんで害虫の侵入を許したとか、運営としての能力があるのか、とか」
「嫌なこと言わないでくださいよ!!」
「だがそれを言うなら城下町周辺の警備担当も同じだ。
害虫の出所は未だ不明。連中は本当に神出鬼没過ぎる」
キンギョソウ団長の言葉に、同意するように険しい表情になる二人。
「ハナモモ団長も気にする必要ないよ、害虫には空間を歪めるなんて反則技使う固有種とかも居るし。
人的被害が無かっただけ良しとしよう」
チューリップ団長は落ち込んでいる様子のハナモモ団長にそう声を掛けたが、彼は聞こえてないようだった。
「薬指……薬指に、指輪……」
ズーン、と暗い雰囲気を背負っている彼に、チューリップ団長は不思議そうな表情になる。
「まあ、あれだ、青春と言うやつだろう」
キンギョソウ団長は苦笑気味に笑ってそう言ったのだった。
次回はいよいよ団長がああなった原因の話を書く予定です。
内容が長ったらしくなる可能性もあるので、こちらであげるかもですが。