日刊ランキング確認→ この小説が日刊十三位!?
…ビックリしました。誰かのハロウィンのイタズラですか? お菓子ないですよ?
遊戯王の方でも日刊ランキングに載ったことありますけど、あれは32位ですぐ消えちゃいましたけど、これは殆ど丸一日載ってる、ヤバイ!! アイエェェ!! 作者は失禁!!
自分が好きな物を皆さんが好きだってことは、とても素敵なことだと思います。
花騎士を好きな人がもっと好きになれるように、知らない人の為にこのハーメルンでの知名度を上げる為に、これからもしゃかりきで頑張りますよぉー!!
騎士団と言うのは、地域の振興も担う重要な立ち位置である。
各都市の祭事などのイベントの準備や運営なども行い、より花騎士たちが身近な存在であることをアピールしたいという上層部の思惑もあった。
なにより単純に、人件費も浮くし。
何だかんだで上も結構緩い所があり、花騎士たちもそんな彼らの思惑とは別に、お祭りやイベントなどを楽しんでいた。
何気にこうして人々に触れ合うことで、守るべきものを再確認させ、士気の向上に一役買っていたのも事実である。
こういうあんまりお硬くないところが、スプリングガーデン全体の気風なのかもしれない、と考える男が一人。
「ハッピーハロウィン!! トリックオアトリート!!」
全身黒タイツに仰々しいマントを羽織り、頭に角を生やして三又の槍を掲げたチューリップ団長だった。
本日、リゾート都市プラタノで行われるハロウィンの運営として準備を行い、当日を迎えていた。
運営が彼という人選になったのは、実に単純なことだった。
「ハッピーハロウィーン!!」
「ふふ、お菓子ですか、イタズラですか?」
「ねぇねぇ、イタズラされない? イタズラよね?」
「そこのお兄さん、ちょっとそちらで大人のイタズラしなーい?」
この、普段から魔女魔女言われている四姉妹が居たからである。
今日ばかりはこの四人も本物の魔女だった。
仮装をして普段とイメージが違うからか、近づかれて漸くあの四姉妹だと気付き、お菓子を奪い取られていく。
哀れな犠牲者たちからお菓子を略奪していく様は魔女の釜の底といった様相だった。
「姉さん達、ほどほどにね。
あくまでお祭りを盛り上げる為だってことを忘れずに!!
あと赤姉さん、誘惑しないで!!」
一人だけ小悪魔の仮装をして色気をむんむんさせている彼女に、チューリップ団長は止めに入る。
そんな感じでお祭りを恐怖と混沌の
「トリックオアトリート、さあ、イタズラですか、お菓子ですか?」
「ひ、ひぃ、これで勘弁してください!!」
笑顔で近づくホワイトチューリップにお菓子を差出し、脱兎のごとく逃げ出す祭りの客。
「白姉さん、楽しそうだね」
「……普段から魔女呼ばわりされている鬱憤を晴らしているのね」
「自ら泥沼に足を踏み入れる、哀れなホワイトチューリップ……」
「ま、楽しんだもの勝ちよね!!」
そんな魔女の行進を阻める者はおらず……。
「へっへっへ、姉ちゃん俺と遊ぼうぜ」
「や、やめてください……」
マナーの悪い客が居れば、すっと四人は取り囲み。
「な、なんだお前ら、ッて、ひぃ!?」
「イタズラですか? イタズラですか?」
「魔女の釜で釜茹で、悪魔を呼び出す生贄、どちらがよろしいでしょうか?」
「勿論、実験体でも構わないわよ」
「無理やり誘うのはよくないわねぇ」
取り囲まれた相手は、自分が何に取り囲まれたのか気付き、恐怖に
それにしても、ノリノリである。
「姉さん達、さまになってるなぁ」
団長は逃げ出す男の背を見て、助けられた方も足早に去っていくのを見てホワイトチューリップが肩を落としているのを見やる。
影で護衛している部下たちに手の動きで排除を命じると、満足げに頷いた。
当初の予定では下二人だけの予定だったのだが、反発したイエローチューリップが診療所をお化け屋敷に改造しようとしたり、あらかじめレッドチューリップを縄で拘束したが逃げ出したり、とこのイベントまでに苦労が絶えなかった、と彼は
結局目の届くところで四人一緒に、こうしてイベントの演出として町を練り歩くこととなったのである。
すると、さささっと部下の一人が団長に耳打ちして去って行った。
「……どうかしましたか?」
手にしたカボチャのランタンを揺らし、振り向いたパープルチューリップに、団長は微妙な顔を浮かべざるを得なかった。
「うぇっへっへ、お菓子が欲しくばイタズラしろぉ。
イタズラしないとお菓子はあげないぞぉ」
「なにやってるの」
不審人物の通報がなされたということで、やってきてみれば狼男の仮装をしたロリコンが子供たち相手に襲い掛かろうと追い回していた。
きゃーきゃー、と笑いながら楽しそうに逃げ回る子供たち。
事案寸前だった。
迫力ある笑顔で追いかけ回しているが、彼を知る者からすれば今にも幼子に毒牙を向けようとしているようにしか見えない。
「うん? よお、そっちはどうだ?」
リンゴ団長は子供たちにお菓子を与えて追い散らすと、彼女らの方へとやってきた。
「どうだ、じゃないですよ。
不審者が出没したって通報が来てましたよ」
「はぁ? 一体どこに不審者がいるっていうんだ」
彼は憤慨してそう言ったが、チューリップ四姉妹は一斉に彼を指さした。
「ちょ、そりゃあないぜ。
俺だって分別くらいあるし。俺は子供と子供っぽい容姿をした子が大好きなだけだ!!」
「……確保」
チューリップ団長の号令に、魔女狩り隊の面々がやってきてリンゴ団長を取り囲んだ。
「トリックオアトリート」
「トリックオアトリート」
「トリックオアトリート」
無表情でお菓子を要求する集団が登場し、迷惑な相手からお菓子を略奪し尽くしてイベントから排除する変な任務の最中だった。
「分かった分かった!! ほらほら!!」
リンゴ団長は彼女らにお菓子を配ると、魔女狩り隊はさっさと退散した。
手持ちのお菓子を失ったリンゴ団長は疲れたように溜息を吐いた。
「ちぇ、子供たちと遊んでただけなのに」
「自分がもういい大人だって自覚してくださいよ」
「俺はいつまでも心は子供のままなんだよ」
と、リンゴ団長は
「とりあえずこっちの警備は異常なしだ。
でもちょっと立ち往生してたところで助かったわ。
誰かリンゴちゃんを見てやってくれないか?」
そう言って彼はベンチで横になってびくんびくんしている、赤ずきんの被ったリンゴを指示した。
「どうしましたか?」
様子を見にホワイトチューリップがリンゴに声を掛けた。
「うへッ、うへッ、うへへ、ここは天国ですぅ」
「助けてやってくれ、萌え死にそうなんだ」
「猫耳尻尾の可愛い女の子、ふりふり魔女っ娘風女の子、いたずら、ふひ、ふひ、いたずら、ふひひ……」
「……処置不可能です」
医者も匙を投げた。
「…リンゴ団長さん。
……この間のお誘いにも来てくれませんでしたね」
「え、リンゴ団長、紫姉ちゃんにも粉掛けてたの? 死刑」
再び魔女狩り隊が現れる。今度は武器を持ってだ。
「誤解を招くような言い方しないでくれ!!
パープルチューリップちゃんには定期的にカウンセリングを受けろって言われているんだよ!!」
「紫姉ちゃんに定期的に診察を受けろって言われてるのに来なかったの? 死刑」
忠実な部下たちはリンゴ団長に遊戯用の球形弾を掃射した。
「あぎゃー!!!」
「こうしてオオカミは狩人に退治されましたとさ、めでたしめでたし」
貧乳派団長とリンゴちゃん、完。
「……あなたは少し、自分が病んでいるという自覚を持ってください」
「……はい」
「次のカウンセリングには必ず診療所にお越しくださいね」
「了解です」
憔悴しきった様子のリンゴ団長はこくこくと頷いた。
「まったく、紫姉ちゃんのカウンセリングとか何しても優先する事じゃないですか」
「うるせえシスコン。
こっちは害虫討伐の予定次第でカツカツなんだ」
「先輩、次すっぽかしたら予算の方、考えさせてもらいますね」
「私めは麗しきパープルチューリップさんの虜でございます」
あっさりと跪いて彼女の手を取るリンゴ団長。
「そうだ、赤姉さん、先輩なんてどう?
実際に会うの初めてでしょう?」
「えッ」
チューリップ団長の悪ふざけに、彼もギョッとした。
「うーん、そうねぇ」
跪いた姿勢のままのリンゴ団長の体のあちこちを触っていくレッドチューリップ。
当人は氷のように固まっていた。
「……ご・う・か・く♪」
彼女が彼にしだれかかって耳元でそう甘く囁くと、リンゴ団長は目を向いたまま痙攣し始めた。
反応は顕著だった。
顔のあちこちに
息は荒く、かちかちと歯を打ち鳴らし、視線は定まらない。
「ああもう、姉さん離れて!!」
余りの変化にギョッとするレットチューリップをどかし、ホワイトチューリップは近くの水場からタオルを絞って顔に当てた。
「……こんな原因のハッキリしている蕁麻疹は初めて見ました」
ストレスの対象が離れた為か、彼女の適切な処置ですぐに彼の症状は治まり、落ち着きを取り戻した。
この男、筋金入りどころか、体質的にロリコンらしかった。
「興味深い体質ね……」
「姉さん、あとでこれを処方しておいて」
「はいはーい」
彼女はすらすらとメモを書いてイエローチューリップに渡した。
「ちょっと、うちの姉さんのどこが嫌なのさ!! 男癖以外で!!」
「品の無い所、大人なところ、巨乳なところ」
「あ、うん、ごめんなさいね」
即答されて、思わずレッドチューリップも謝ってしまうくらい重症だった。
チューリップ団長は憤慨した様子だったが。
「女の子好きなのに女嫌いとは、難儀なことですね」
その本質を突いたパープルチューリップの言葉に、リンゴ団長も顔を顰めた。
「そっちはどうなんだよ。
お前も理想高すぎるくせによ。だから女の一人もモノに出来ないんだ」
「え、あんたの理想ってどんな感じなの?」
イエローチューリップは興味津々な様子で自分の所の団長に目を向けた。
だが、彼は口籠る。
「確か前にこう言ってたな。『白姉さんみたいに清楚で、紫姉ちゃんみたく理知的で、黄姉さんみたく奔放で、赤姉さんみたいに肉感的な女性が良い』って」
仕返しとばかりにリンゴ団長はそう言った。
瞬時に一番上の姉みたいに真っ赤になったチューリップ団長。
「うーん、そういう女の子っているのかしら」
「確かに理想が高いわねぇ」
黄色いのと赤いのはニヤニヤ笑いながらそう言った。
「んな女性そうそう居るわきゃねーだろ!!
そんなんだからいつまで経っても童貞なんだよ!!」
「わ、わーッ! わーッ!!」
チューリップ団長は混乱して、奇声を上げ始めた。
実の所、彼の好みの大部分が当てはまる花騎士をリンゴ団長は知っていたが、あえて口にしなかった。
なぜなら作者は持っていないから……。※ヒント:レアリティは虹。
わーわー、騒ぐチューリップ団長に、魔女狩り隊の者がやってきて耳打ちする。
すると、彼は大人しくなって、本当か、と尋ねた。
こくりと彼女は頷くと、影のように去っていった。
「主役にトラブルがあったらしい、あと、お菓子を奪って回っている花騎士も居るとか」
「ハロウィンに馬鹿騒ぎが起こるのはいつものことだが、主役ってペポに何かあったのか?」
普段害虫退治ばかりしているリンゴ団長がこうしてイベントの警備に参加しているのは、このイベントのイメージガールとしてペポが選ばれたからである。
彼女は町中でお菓子をあげたりイタズラしたりされたりしているはずであった。
「行ってみるぞ、毎年この時期は、普段はそんな度胸も無いのに羽目を外しやがるバカが出る。
皆と一緒にふざければ怖くないってか?」
リンゴ団長はそう吐き捨てて、赤ずきんリンゴを背負った。
そして、後輩に目を向けた。
「行くぞ」
「はい、先輩」
一行はこうして現場へと急行した。
「わぁーっはっはっは!!」
広場にあるイベント用に建てた櫓の上に立ち、高笑いをする怪人がいた。
その一際異様な姿に、広場の人々は何かのイベントかと集まっている。
「何の騒ぎだ?」
「あ あ、だ ん ちょー」
駆けつけてきた団長たちは、手短なところにいた花騎士に話を聞こうとした。
その花騎士というのは、フランケンシュタインの仮装をしたジャーマンアイリスだった。
「あ れ、あ れ を 見 て く だ さ い」
彼女の平坦で感情を抜き取ったような声音はフランケンシュタインの装束にぴったりだったが、今はそれどころではなかった。
彼女の指さす方を見ると、異様な怪人の姿があった。
ジャックオーランタンの被り物、同様の物を左手に装着し、見覚えのあるカボチャの意匠の服やスカートを纏った、まさしく怪人と呼ぶべき何かだった。
「それは~まぎれもなく~ペ~ポ~さ~♪」
「ランタナじゃねぇか!!」
「ヒューッ!!」
と、芝居がかった様子でランタナは櫓から飛び降りてきた。
「ハロウィンの主役はペポじゃない、このランタナだぁ!!」
左手のカボチャ型サイキックガンを空へ向けて乱射しながら広場を駆け回る。
「危ねぇぞバカ!! いい加減にしやがれ!!」
「だ、団長さ~ん!!」
ランタナのお蔭で広場は大騒ぎとなり、その場に居合わせた花騎士たちは民間人が怪我をしないように騒ぎを収めていると、人混みをかき分けて肌着姿のペポが涙目になりながら駆け寄ってきた。
「どうしたペポ!?
追い剥ぎにでもあったのか!?」
「違います、ランタナちゃんですぅ、ランタナちゃんに服を取られて……」
「よくやった、ランタナ!!(なんだと、許せないぞ!!)」
「……本音と建前が逆ですよ」
しくしくと涙ぐむペポ。
「寒いし、服は無くなるし、散々ですよぉ」
「でもぶっちゃけ大して普段と変わらなくないか?
スカートから下は丸見えだし」
「そういう問題じゃないんです!!
見せパンでも丸出しだったら痴女じゃないですか!!」
その痴女の状態で往来を歩いてこれる彼女は、やはりバナナオーシャン出身だからだろうか、と傍から見ていたチューリップ団長は思った。
「とにかく、これをどうぞ」
「すみません……」
チューリップ団長が自分の羽織っていたマントを差し出した。
それを羽織ってより痴女感が増したと思ったのは彼の心のうちだけである。
そんなことより、ランタナは今も大暴れ中である。
「仕方がない」
と言って、リンゴ団長は小さな銀色の棒を口に咥えた。
それは犬笛だった。
騒ぎで周りに指示も出せない中で、その音を聞いた一人の犬は行動に移った。
「がるるるるぅ、ワンッ!!!」
人混みの中を風を切るように駆け抜け、一人の猟犬はランタナの背後から強襲を仕掛けた。
「うおッ!! な、なんじゃこりゃぁぁああ!!」
あっという間にランタナは組み敷かれ、カポンとカボチャの被り物がすっぽ抜けた。
「よくやったイヌタデ!!」
「えへへ、褒めて褒めて!!」
飼い主の登場に、喜色を浮かべるイヌタデだが、ランタナの拘束は解かない。
「ぐぬぬ、最早これまで……だが、私は今宵、伝説となったのだ!!」
「親友の晴れ舞台に水を差しておいて何言ってんだボケ」
リンゴ団長に首根っこを掴まれたランタナは、借りてきた猫のように大人しくなった。
「あうぅ、だってぇ、私もペポと一緒に遊びたかったんだもん。
なのに私だけ警備の仕事だなんて……」
「アホたれ、ペポも仕事なんだよ。
チューリップ団長、こいつの処遇はどうする?」
彼は顔を顰めたままもう一人の団長に問う。
「あ、あの!! ランタナちゃんに悪気は無かったと思うので、ここは穏便に!!」
「ペポ、お前の友情は問題を起こした相手を無条件に許すことなのか?
バカが問題を起こしても、起こされた方が黙って飲み込めば丸く収まるとでも?
それがお前の親友に対する態度なら、お前に親友なんて居ない。
それはただの保護者だ。対等な関係じゃない」
「そ、それは……」
ペポは言いよどみ、何も言えなくなって肩を落とした。
「あ、あの、だんちょ……処分なら受けますから、ペポをいじめないで」
その言葉は相手方にも効いたらしく、しゅんとしたランタナがか細い声でそう言った。
「まあまあ、別にけが人が出たわけじゃないんだし、そのくらいにしておこうよ。
盛り上がったし、オールオーケーってことで。というか、上層部の俺への信用問題にかかわるから問題にしたくないし」
部下から耳打ちを受けて、チューリップ団長は笑顔で言った。
寛容な物言いだが、怪我人が出ていれば彼は容赦なく処分を下しただろう。
リンゴ団長は彼のそう言うところを信頼していた。
逆にチューリップ団長は、こういう時に問題を起こした当人を責めないないのがエグいなぁ、と思っていた。
「え? 御咎めなし? やったー!!」
「もう、ランタナちゃんったら、調子に乗らないで!!
と言うか早く私の服を返してよ!!」
いつもの二人の様子に、内心言い過ぎたと思ってたリンゴ団長はホッとしていた。
「よし、次はお菓子の強奪犯を追いかけるぞ!!」
彼は皆を鼓舞するようにそう言った。
「……それが、今日の彼の最後の元気な姿だった」
ランタナはボソッと不吉な呟いを漏らした。
「なあ、これって不謹慎じゃないのか?」
「どうしたの、クロユリ。結構乗り気だったじゃない」
「だが、流石に私がこの格好は……」
クロユリはぼろを纏った典型的な死神の格好に張りぼての大鎌を手にして、その姿をゼラニウムに披露していた。
彼女は彼女で魔女の格好をしていた。胸部がけしからん事になっていた。
「さて、それじゃあ団長さんを探さないと」
「……なあ、やっぱり止めよう」
「何を今更」
意気込んでみたはいいが冷静になると気恥ずかしいのだろう。
クロユリは顔を赤らめて動きたがらない。
そうして路地から着替えて出てきた二人だが、二人は奇妙な物を目にした。
「あびゃああああああああああああああぁぁ!!!!!!」
明らかに正気を失った様子のリンゴ団長が、街道を暴走していたのだ。
「………」
「………」
二人は目の前を過ぎていったモノの正体に理解が及ばなかった。
いや、理解したくなかったのかもしれない。
「ああ、団長さーん!!」
後からリンゴが走ってアレを追いかけようとしていた。
「おい、なんなんだあれは」
「ああ!! クロユリさん、団長さんが、団長さんが!!」
「……あれはやっぱり団長か」
クロユリは天を仰いだ。
「何が起きたの?」
ゼラニウムが彼女の代わりにリンゴに問うた。
「そ、それが、イベリスさんと、ウサギノオさんと、シャクヤクちゃんに遭遇してしまって、ロリ巨乳&貧乳詐欺リアリティショックを引き起こして、一時的狂気を発症してしまい……」
「早く、早くリンゴ団長を捕まえるんだ!!
そして紫姉ちゃんの精神分析を!!」
「うおおおぉぉ、私も負けないぞ、だんちょーー!!」
リンゴが説明している後ろを、チューリップ団長率いる魔女狩り隊やランタナ達が駆け抜けていく。
その後には、吸血鬼の格好をしたキンギョソウ団長と包帯ぐるぐる巻きのミイラ男ならぬミイラ女の仮装したキンギョソウが追う。
その更に後には、小人の格好をしたハナモモ団長と、妖精の格好をしたハナモモも追従する。
皆、発狂したリンゴ団長を追いかけて、楽しそうに笑っていた。
今夜はハロウィン、自らの生家へと戻る霊たちもこの賑やかさに楽しそうにしているのを霊感のある花騎士たちは感じていた。
「相変わらず、個性的だね……」
「知るか、あんな男」
愛想笑いを浮かべるゼラニウムに、クロユリはそっぽを向くのだった。
チューリップ団長のストライクな人物、誰だかわかりますかねぇ。
実はその人とネリネちゃんとで、SPチケ迷ってます。
いや、うん、今回はネリネちゃんにしますね。
今回のイベントのガチャで欲しかったニゲラちゃんでなかったので。
嫁マンリョウさん、違う、あなたじゃないんだ……。