今回露骨なセクシャルハラスメントが発生します。嫌悪感を抱く方は四番目の場面を読み飛ばして下さい。(読み飛ばしても話に影響は有りません)
入学初日。A組の様にすぐ「個性把握テスト」…とはいかなかった。
始業のチャイムが鳴ると、教室に入ってきたのは『ブラドキング』ではなく、『海馬』という女教師だった。彼女は「1-Bの副担任」を勤める教員らしい。担任となる『ブラドキング』はヒーロー活動が運悪く重なったため、午後からの合流で、それまでの間は副担任である彼女が受け持つそうな。
…入学初日から担任不在とかフリーダム過ぎんぞ、雄英高校。
午前中、入学式は無し、簡単なガイダンスを済ませた後、早速授業は始まった。副担任の担当教科は「ヒーロー情報学」。“個性”発現期から今日までに起きた事件記録を題材に、どのようにヒーロー活動が行われてきたのかという歴史を学ぶ教科。まさか、昨年度話題となった「ヘドロ事件」が題材になっていると誰が思うだろうか…一人ニヤニヤしてしまったではないか。
その後は二つほど普通の教科を学ぶ。
4限目、『パワーローダー』先生による「技術工学」。初日と言うことで、楽しくヒーローが利用しているサポートアイテムの話をしてくれた。ヒーロー科の生徒で有るために、皆興味津々で話を聞いている。
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そして午後の授業。ようやくクラスに合流した担任『ブラドキング』先生。簡単な挨拶を交わすと、「体操着に着替えてグラウンドに集合するように」と指示された。
「個性把握テスト?」
生徒の一人が疑問形で返す。「そうだ」と短く答え、説明を続ける。
「「スポーツテスト」中学の時にやったことがあるだろう?あれは個性禁止でやっていた物だが…今回は個性の使用を許可する。…実際にやってみようか。大入、ちょっとこっちに来い」
「はい」
「ソフトボール投げやってみろ。個性は自由に使って良いぞ」
「分かりました」
ここに来てまさかのかっちゃんポジション。やベえ、少し緊張する。けど、もたもたしてる暇は無い、他の生徒が注目してるし、早いとこ投げないと。
円の中に入り、緊張を解すため二度程深呼吸。ボールの感触を確認するように何度か地面に投げつける。そして構えはいる。
とは言っても投げる構えでは無い。ボールを両手で握り込み、腕を真っ直ぐと前へと伸ばす。角度は上に向けて仰角45度。次に手の平の中に〈揺らぎ〉を作る。そこから風少し送り「ふかし」ていく。
「…いきます。
次の瞬間、風を最大風速で一気に吐き出す。ワインのコルク栓を抜いた音を何百倍にも増幅した様な音を立て、ボールは弾き出される。大量のエネルギーを得たボールはぐんぐんと距離を伸ばし飛んでいく。
先生の手に持つ測定器が結果を出す。
「…623.6m」
記録に生徒一同から、おおと言う歓声の声が上がる。…やっぱりかっちゃんすげえな、よく700も飛ばしたな。
「まずは、自分の能力の最大限を知るところからだ。しっかり考えろよ」
「「「「はい!」」」」
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※グタグタになったのでダイジェスト版でお送りします。
第一種目:50m走
基本的にはシンプルにいこう。スタートラインでクラウチングスタートの構えを取る。背中に〈揺らぎ〉を発生させ、最大風速を出せるように待機。合図と共に駆け出す、充分にスピードが乗ったところに、お馴染みとなった風を一気に解放し、颯爽と駆け抜ける。
「なぁ、大入。走るときに風で邪魔するのやめてくれないか?」
「あっ、ごめん」
泡瀬君は再計測になりました。
第二種目:握力測定
俺の“個性”では記録を伸ばせない。仕方ないので普通に計る。
「うおっ!」
隣を見ると、ちぎった手を次々と握力計にくっつけている少女の姿が!?
「ん?あぁ、驚かしちゃった?ゴメンね!」
取蔭さんはニコッと笑った。…正直ホラーです。
第三種目:立ち幅跳び
第一種目と同じ。足元に〈揺らぎ〉を作り、一気に跳躍。…まだ、出力が足りないな、思いの外記録は伸びなかった。
小森さんは足下に巨大な茸を作った。それをトランポリンにして、ポーンと軽やかに跳んでいく。
…立ち…幅…跳び?
第四種目:反復横跳び
風の力を借りたかったが…実は小回りが利かない。仕方ないので普通に計る。
「…ふっ…ふっ!」
庄田君のサイドステップがとても早い。
第五種目:ソフトボール投げ
投げ方を変えてみたが、やっぱり最初のが一番目跳ぶようだ。
「オラァっ!」
カッキーン!と音を立てボールは飛んでいく。鉄哲さんはホームランバットでした。
第六種目:上体起こし
ここでも“個性”は使えない。“個性”の瞬発的な運用は苦手だ。
小森さんはここでも茸を使う。それは上体起こしなのか?
第七種目:持久走(20mシャトルラン)
ドレミファソラシド、ドシラソファミレド、ポーン。電子音が運動場に鳴り響く。
「うおおおおっ!!」
「がおおおおっ!!」
宍田君と激しいデッドヒートの末に負けた。奴の体力は底無しか。
第八種目:長座体前屈
ここも“個性”は使えないので普通に計る。
ドンガラガッシャーン!
突如鳴り響く破壊音。
角取さん、その角は反則です。
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※ワーニング!この先セクハラ行為が発生します。
皆が思い思いに“個性”を発揮し、規格外の記録を打ち出していく中、一際注目を集める生徒が居た!
彼女の名前は『
彼女は自ら記録を塗り替えるべく、“個性”を発動した!
すると、どうだろか!彼女の体が見る見る巨大化するではないか!
確かに、巨大化すれば現在の記録を易々と超える事が可能だろう!
しかし!重要なのはそこではない!体のサイズに伴い、巨大化したのである!あの柔らかな双丘がっ!!
元々は標準サイズであった彼女の其れ!しかし、今は!今だけは!生徒一同の視線を釘付けにしていたっ!!
第一種目!50m走!
走る小大!踊る縦揺れ!一同に緊張が走る!
「小大さん!胸!胸っ!?」
慌てる塩崎!
「ん?」
小首を傾げ、全く意に介さない小大!
「ぎゃはっはっはー!!小大っちメッチャ揺れてる-!」
何故か爆笑する取蔭!
頬を赤らめる男子生徒!
「ふむ…なるほど」
何かに感心する大入福朗!
拳藤一佳の無言の鉄拳!
第三種目!立ち幅跳び!
再び襲う脅威の縦揺れ!重力の加護を受け波打つ双丘!
「Wow! It’s wonderful!」
感激する角取!
「ん!」
何故かサムズアップする小大!
「ふむ…なるほど」
何かに感心する大入福朗!
拳藤一佳の無言の鉄拳!
第四種目!反復横跳び!
これを小大!通常サイズで行う!
一同に流れる安堵の息!
「ふむ…なるほど」
何かに感心する大入福朗!
拳藤一佳の無言のビンタ!
第八種目!長座体前屈!
再び巨大化する小大!下を向き!形を変える、柔らかな双丘!油断した一同に再び戦慄が走る!
これを柳・小森が華麗にガード!
一同に安堵の息!
「ふむ…なるほど」
何かに感心する大入福朗!
「いい加減にしろおおぉぉっ!!」
拳藤一佳の怒りの鉄拳が大入福朗を襲う!
「…俺が何をしたって言うんだ」
「女性の体をジロジロと見るんじゃ無いよ!」
「確かに…」
よい子の皆は真似しないように!
くそう…「妄想」が…「妄想力」が足りない。バタッ(作者は死ぬ。慈悲は無い)