俺ガイルキャラ生誕祭!!   作:Maverick

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文章もひどければ投稿ミスも犯す変態作者でごめんなさい。


陽乃の告白させる作戦

7月初日の今日、早速陽乃は行動に出る。ちなみに精神面はちゃんと回復していた、あの一睡で変わったのは八幡への感情のみである。なんてご都合主義なんでしょう!

 

「ふう…さて、どうしよっかな」

 

これまたご都合主義的に今日のカレンダーは青い。次いで空も青い。なんなら作者は外に出てjumpingheartするまである。

つまるところ今日は快晴の土曜日なのだ、そんな日ほど帰宅部を遊びに誘うのにいい日はない。もっとも八幡は元奉仕部部員だけれど。まあ、流石に彼らとて引退済みだ。そも土曜日にまで活動する部活でもない。

 

「ねえ、比企谷くんの連絡先知らない?」

 

…なんでそれを俺に聞くのかな?雪乃に聞け、雪乃に。

 

「それもそっか!…知ってるかな?」

 

いや、流石に知ってるでしょう。もしかしたらさっきの夢、一部正夢かもよ?

その言葉の意味を瞬時に察した陽乃は雪乃に電話をかける。何コールかして一度応答無しとつっぱねられたが再度かけると次は案外早く繋がった。

 

『何かしら、姉さん』

 

「あ、雪乃ちゃ〜ん。朝早くにごめんねぇ?若干寝ぼけてる声も可愛いなぁ」

 

『早く要件を言ってくれないかしら、くぁ』

 

雪乃がイライラした様子で、しかしあくびを隠しきれずに告げる。

まあ、確かに今まだ短針は上半分に到達していない、十分早朝で通じる時刻だった。

先ほどの俺の挑発で若干動揺しているのか、いつもより余裕そうに振舞っている。

 

「雪乃ちゃん比企谷くんの連絡先知らない?」

 

『一応あるけれど、何故それを姉さんが欲しがるかしら』

 

「私が欲しいのは比企谷くん本人なんだけどね」

 

『…絶対に教えないわ』

 

言うや否や電話を切ってしまった雪乃、陽乃は余裕そうな笑みを浮かべている。何でわざわざ狙ってるって言っちゃったのこの人。

とっても怪しい笑みを浮かべながら次なる手を考えている陽乃、しかし何も思いつかなかったのか一度ため息、立ち上がって部屋を出ていった。

 

「ま、後でいっか」

 

これからの展開はどうなるんでしょうかね、ハハッサッパリダナァ。

 

 

 

 

 

陽乃は午前中に日課を終わらせ総武高校へ2時頃につくよう狙って家を出た。この時期になると総武高校では3年生を対象に土曜補習が始まる。午前と午後1限の計5限行われる。私立文系コースと私立理系コース、そしてセンター対策コースの3つだ。八幡は…多分私立文系かな。

陽乃がそこに到着する頃に終業のチャイムが鳴った。正門に寄りかかって八幡の待ち伏せをしている。

が、そこを通った知り合い一号は八幡ではなく隼人だった。足を止めギギギと首を回して陽乃を見据える。

 

「な、なんで陽乃さんがここに?」

 

「比企谷くんに会いに来たの、彼まだ教室かな?」

 

「…さあ、俺が出る時には教室に居たかな」

 

「そ、ありがと」

 

自分をあっさり解放した陽乃をみて、隼人は安堵するとともに嫌いな奴の不幸をおもった。

せめて彼が月曜日も五体満足で登校しますように、まだ少し早い織姫と彦星にそう願っていた。

そんな隼人を露知らずな陽乃はニコニコしながら八幡を待っている。十分くらい経っただろうか、八幡は学校から自転車を引いて出てきた。それだけならまだ良かった、しかしなぜ彼がわざわざ自転車を引いているのか、そんなもの分かりきっている。

 

「せんぱーい、聞いてますかー?」

 

一緒にいる人が自転車を持ってないからである。ましてや彼女は生徒会長、まさか校内で二人乗りはしない。

昨日までの陽乃ならからかいに行っただろうが、しかし今日からの陽乃はひと味もふた味も違うし、なんなら甘味と苦味くらい違う。

 

「ひっきがやくん♪」

 

別に彼女でもないのに嫉妬する陽乃、ああ怖い睨まないで八幡の前だよ。

八幡の顔もいろはの顔も強ばる。そりゃあ魔王が目の前に現れたのだ、アクセルの街出たらいきなりラスボスみたいな感じだろう。それなんてデュラハン?いやそもそも、八幡の場合学校は戦場か。

 

「どうも、雪ノ下さん」

 

「はるさん先輩お久しぶりです〜」

 

とりあえずという感じで2人は陽乃に挨拶をする。軽く挨拶を返した陽乃は早速八幡奪取作戦を実行する。

まずは探りを入れる。

 

「私、比企谷くんが学校にいるのは分かるんだけど、なんでいろはちゃんもいるかな?」

 

「夏休み明けの文化祭について軽い打ち合わせをしてたんです。生徒会はもう少しずつ話をしなきゃいかなかったらしくて」

 

そうなんだよなあ、大変だよ。夏休み最後にするからって五月からそんな話して欲しくないよ、と作者の友達の友達が愚痴ってました。

しかし理にかなっているのは確か。一応納得の態度を見せ八幡を盗み出すために行動する。

次に強引に連れ出す。

 

「ところで比企谷くん、今から暇?」

 

「は?いや、俺も流石に勉強したいんですが」

 

「どうせ君は夏休みに引きこもってやるでしょ?なら今少しくらい遊んでも大丈夫だよ〜」

 

それは陽乃さんだから言えるのであって、俺結構危ないんですよ、スカラシップ錬金のこともあるし。

そう八幡が思っているのなんて知ったこっちゃないというようにニコニコ顔で脅迫している陽乃。一分弱して八幡が折れる。

 

「分かりました、付き合いましょう。どこに行くんですか」

 

「ええー、先輩行くんですか?」

 

「もしかして予約済みだったの?」

 

「あっ、いいえ。予約しようとしたら突っぱねられましたけど」

 

そういったいろはが睨んだ先の彼は居心地悪そうに目線をそらす。

いろはが文化祭の話をするために学校に来たのは真だ。で、その時いろはは八幡たち3年生が今日補修があることを知った。

ならば恋する乙女、陽乃のライバルの1人としてはやはり攻め時と思って自転車置き場で待機していたのだ。

いろはの夏服は脳内補完でお願いします…ああ、可愛い。

 

「はっ、今何か悪寒が」

 

「だれかいろはちゃんの噂をしてるかな?とにかく行こっか、比企谷くん」

 

「むう、仕方ないです。先輩、月曜日の放課後生徒会室に来てください!」

 

「むうとかあざとい。ていうか俺受験生なんだけど」

 

女子大生のお姉さんに誘われてホイホイ付いて行く受験生なんざ受験生じゃない。

と言いたいところだが八幡は嫌々そうだったので許すとして、いろは1人校門で未だに頬が膨れたまま陽乃と八幡を見送った。

 

 

 

 

 

そう言って連れ去られた日からはや5日、今までほぼ毎日彼と彼女は出会っていた、というより彼女の方が一方的にアプローチしていたという方が確かだ。

ある日はいつしかのドーナツ屋で向かい合ってただ本を読んだり、またある日は以前彼とその後輩が行ったような施設で卓球をしたり、またまたある日はただ下校しつつ買い食いしたりと、傍目から見ればラブラブな毎日を過ごしていた。

次第に彼の心も、中身はなんであれ美人な彼女に惹かれるのも仕方ないと思うんですよね。

 

「ふふっ、もうすぐかな。早く私の彼氏になってよ、比企谷くん。明日はついに私の誕生日なんだから、彼から彼を貰いたいな」

 

そんな少し猟奇的に感じる小言を漏らした口はいつの間にか閉まっていて、そして彼女の意識もシャットダウンされた。

その頃の八幡はというと、これはまた綺麗すぎるほどにご都合主義に嵌っていた。

 

「…はあ、なんで俺が陽乃さんなんて高嶺の花を」

 

好きになっちまったんだ。

なんて考えてる彼だが、好きになってしまったのは仕方ないと思います。とりあえず明日の重要性を伝えなきゃなぁ。彼はまだ明日が彼女の誕生日であることを知らない。

何気なしにいじっていたスマホで連絡帳を開く。先週の少なかった項目に些細な一行が追加されただけの、見た目は大差ないそれは今の八幡にとってはとても大切なものとなっていた。

して、ふと八幡は陽乃のメアドに数字がふたつ、77と入っているのが目に入る。

 

「いや、流石にこんなに簡単じゃ」

 

イヤでも彼女にとってリア充とは下僕とか奴隷とかお邪魔虫で、それを利用や駆除するのに怠慢することは無い。であるからしてこういうことしてても案外普通ではないだろうか。

一先ず目処はたった。明日ということで少し焦りつつ彼の意識もシャットダウンされていった。

翌日の昼、八幡は奉仕部の部室へ訪れた。ドアを開き中に雪乃がいるのを確認して声を発した。

 

「雪ノ下、もしかして今日は雪ノ下さんの誕生日か?」

 

「ええ、そうよ。それが?」

 

「…いや、ふと気になっただけだ」

 

ドアを力強く閉め向かいの壁に寄りかかり、スマホを取り出して操作する。

向かいの壁から漏れでるすすり泣く声は自分への戒めだと噛みしめながら、そんな自己満足が気持ち悪くて、自分が嫌った欺瞞に縋っているようで、吐き気がしながら八幡はメールの言葉を紡いでいった。

 

『今日の放課後は高校じゃなくて千葉に行ってください。待ち合わせです』

 

送られてきたメールを見た陽乃はほくそ笑む。

これで勝った、あとは告白を待つだけ。

期待に胸を膨らます彼女、敢えてここで幕を降ろさせていただきましょう。この後彼らの物語がどうなったか、きっと想像するまでもないでしょう。よもや私目が特筆する必要など皆無であるのです。

では、皆さん。またいつか、お会いしましょう。


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