上にもある通りバッドエンド(?)となってます。というか奉仕部が崩壊しただけです(笑)。
卒業式に出席した小町のモノローグを中心としてます。ぶっちゃけ面白くないと思います。
では、比企谷小町の生誕を祝って!!
比企谷小町のひとりがたり
小町は今小町の最愛(?)の兄である比企谷八幡の卒業式に出ている。1年生は基本的に卒業式を見れないんだけど、クラスに3人くらい希望を出せば見れるらしかったから、お兄ちゃんのために希望した。およよ、小町ってば超兄思い。
お兄ちゃんは高二の春から変わり始めた。奉仕部という2人の元お義姉さん候補と一緒に人の手助けをする部活動に所属していた。決して助けるわけではなく助かる手助けをしていた。忍野さんも言ってるもんね、人は勝手に一人で助かるって。
その関係も長くは続かず、3年生の夏休みの日、すべては崩れた。まあ、小町としてはあの2人がお義姉さん候補としてまだまだだったって程度の認識で、お兄ちゃんは小町に簡単に事の顛末を喋っただけだったし、それで2人に絶望した小町の携帯から2人の連絡先は消されてる。
今までの全部を合わせても、お兄ちゃんの高校生活は青春とは呼び難いものだったと思う。そりゃね、お兄ちゃんの話だって所詮お兄ちゃんの主観でしかない訳だし、でもそれはお兄ちゃんの本心で確実に本人が感じていることで。やっぱりそれに気付けない2人はお義姉さん候補から除名です。
小町にとっての一番は…小町だけど二番は…かーくんで、三番か四番くらいにお兄ちゃんはいるから、小町にとって大切なのは二人の弁明よりお兄ちゃんの意見だから。
あ、お兄ちゃんが卒業証書受け取ってる!いつの間に登壇したんだろ…平塚先生がお兄ちゃんに目を向けている。
平塚先生のこと、最初はただのアラサーだと思ってた。ううっ、寒気が…。でも、お兄ちゃんの事情をしっかり把握してくれ、一応奉仕部の二人の話とお兄ちゃんの話を合わせて小町に伝えてくれた。ま、それを聞いても悪いのは元お義姉さん候補の2人だと思う。そのことは感謝してるし、二人とは違う。あ、寒気が収まった。
「八幡、なんか入学した頃より背低くなってない?」
そんなことを小町の横で呟くのは小町たちのお母さん。なんだかんだでお兄ちゃんの卒業式にも顔を出してくれてる。けどまあ、お母さんは来たか聞かれた時に行ってないとか言うんだろうな。小学校でも中学校でもそうだったし。
「あ、それ私の妹のせいです。ほんと、すみません」
小町を挟んでお母さんの反対にいた人がそう言う。雪ノ下陽乃、奉仕部の女子組の一人である雪ノ下雪乃さんの姉で、雪ノ下建設の次期社長として安定している。と言ってもまだ大学三年生だけど。この人ほんとに大学生なのかなって思うふくよかなボディしてて、小町、お兄ちゃんの貞操が少し心配…。
「いいのよ、それのおかげで貴女と八幡が恋仲になったんだから」
二転三転してお兄ちゃんはいつの間にか陽乃さんと付き合っていた。多分決定だろうけど、今は陽乃さんが最有力候補だ。小町としても陽乃さんほど経済力ある知り合いはいないから、お兄ちゃんがヒモになるにはベストな選択だと思うけど…ほんとにヒモになるのは小町的にポイント低いよ!
今更だがお兄ちゃんはほんとに背が縮んだわけではなく、猫背が悪化しただけである。当たり前だけど、これでほんとに縮んでたら小町もうお兄ちゃんの老後を考えなきゃだったよ。
「…さて、八幡の出番はこれだけね。私は少し寝るわ」
そう言ってお母さんは座ったまま仮眠を取り始める。今日ほぼ徹夜だったって言ってたもんね。お父さんもお母さんの分まで仕事頑張ってくれてるし、ほんと感謝感謝。でもほかの卒業生の保護者だっているんだからそういうこと声に出しちゃダメだよ…。ひぃっ、に、睨まれてる…。
流石に陽乃さんは周りからの評価とかあるのかしゃんとしている。でも陽乃さん我が家にお家デートしに来るとお兄ちゃんにデレデレしてるんだよね。で、小町も可愛がってもらって万乳引力の恩恵を授かってます。そのおかげか全く変わらなかったカップ数がここ数ヶ月で2カップ分アップしている。こ、これがカリスマ性…!!
あ、いつの間にか卒業式終わってた。小町もお母さんのこと言えないな…。
卒業生を待つために保護者達は学校の玄関で世間話をしている。お母さんは帰って少し晩御飯を豪華にする準備をしている。多分お兄ちゃんの捻デレはお母さんからの遺伝じゃないかなと思ってます。ワンにゃんショーに行く時はいつもお兄ちゃんの心配してるけど建前言ってるからね。あれがさらに悪化するとお兄ちゃんみたいになる。そんな二人は小町的にポイント高い!
「あ、出てきたわ!」
誰かの親がそう言う。確かに校舎から卒業生が出てきている。涙ぐむ者、肩を組む者、無理して笑顔を作る者、三者三葉十人十色の表情をしていた。その中でも一際無表情を通す人が目立った。というか、兄だ。
このお兄ちゃんに流石の陽乃さんもため息をつく。でもそのため息はとても優しく、仕方が無いなと可愛がろうとしているのがわかった。
「八幡。卒業式お疲れ」
「…ああ、陽乃さんですか。どうも」
「お兄ちゃんなにそれ、なんか失礼な態度とってない?」
周りのみんなはお兄ちゃんがシスコンなだけとよく言うけど、小町的には実は小町もブラコンなんだと思っている。
だからこうして二人の邪魔をしたくなる。そう、これは自分勝手で自己満足で、そして自己犠牲なのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。
二人の空間を作りたくなく、せめて三人の空間にしたい。そう思う。そう願う。でも…小町はそろそろ兄離れしなきゃいけないかな…。
「じゃ、じゃあ…お兄ちゃん。小町は一足先におうちに帰ってお兄ちゃんをお・も・て・な・しする準備してくるね!」
「古い。ネタが古い」
流石のお兄ちゃんでも東京誘致のネタは知っていたようです。
お兄ちゃんのツッコミに笑顔を返して走り去ろうとする。が、ここで遂にお兄ちゃんから離れる気がして、惜しく思い最後に振り返って大声で叫ぶ。
「お兄ちゃん!家で待ってるから、ちゃんと帰ってきてね!!」
普段は決して大声を出さないお兄ちゃんも、卒業式の熱にあてられたのか、小町の大声に大声で返してくれた。
「おう!ちゃんと帰るから、飯の準備頼んだぞ!」
右手でグーサインを作って前に向き直り、走り出す。お兄ちゃんのことは少し心配だけど、心配をお兄ちゃんに見せる役割は、お兄ちゃんに心配してるのを気づいてもらう役割は小町から陽乃さんに変わる。
…あぁ、なんだかんだで小町寂しいな。もうひと月もすればきっとお兄ちゃんは物理的にも心理的にも手の届かないところに行ってしまいそうだったけど、兄離れしないといけないからそっちの方が都合がいい。
「さて、お兄ちゃんに何作ろっかな」
お母さんが既に8割がた済ませてるとは知らずに、小町はスキップしながら家に向かう。
バイバイ、お兄ちゃん。
どうしてこうなった。
そして今回学年末テストのせいで一話しかかけませんでした。ごめんね、小町。