榛名さんの苦労話   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじです!

伝説の千年龍である龍爺さんを故郷である龍の巣へと連れて行くため、ロストアイランドを目指す麦わら一味一行。

アピスを追ってきた海軍の艦隊の妨害を突破し、なんとか軍艦島を脱出する......。

そうして麦わら一味一行は伝説の島、ロストアイランドへと向かって船を進めるのでした。


ロストアイランドを探せ!向かうは軍艦島の東!

sideハルナ

 

 

こんにちは、ハルナです。

 

私達は今、龍の巣のある『ロストアイランド』に向かうため、龍爺さんとアピスちゃん、それに神通さんを連れて海を進んでいるところです。

 

龍爺さんは今、私が海水から変化させた木製の(イカダ)兼、荷車に乗ってもらっています。

 

ずっとユウダチちゃんに任せていたらあの子が疲れてしまいますからね......。

 

 

「ロストアイランドかぁ、海図だと軍艦島の周辺海域にはそれらしい島は無いんだけど...」

 

 

「私が見てきた方がいいっぽい?」

 

 

「私達なら艤装もあるから探すにはうってつけだと思うけれど」

 

私達のその言葉にナミは首を横に振ります。

 

 

「ううん、それだといざという時に龍じいを守れる人がいなくなっちゃうからやめておきましょう」

 

 

「分かったわ、ユウダチちゃんもそれでいい?」

 

 

「ハルナさんがそうするなら私もそうするっぽい!」

 

そうなると、見渡しながら探すしかありませんね......。

 

私が辺りを見回していると、遂に痺れを切らしたのか、ウソップくんが龍爺さんに問いかけていました。

 

 

「おーい龍のじいさん!どっちに行けばいいんだよ!」

 

 

「.........」

 

しかし龍爺さんは海を眺めるだけでなにも反応しません......。

 

提督がその目を覗き込むと龍爺さんは再び目を閉じてしまいました。

 

 

「うーん...なんかまた寝ちまったぞ」

 

困りましたね...これじゃあ何処をどう探したらいいのか分かりません......。

 

 

「みんなお待たせ!ご飯が出来たわよ!」

 

その声に振り返ると、アピスちゃんが鍋のようなもをミトンを付けた手で運んでいました。

 

それを見て青ざめるユウダチちゃん。

 

 

「あ、アピス...そ、それ...一人で作ったっぽい?」

 

 

「え?ううん、違うよ?サンジと一緒に作ったの」

 

 

「サンジさんと?それなら安心っぽい......」

 

そう言ってホゥと胸を撫で下ろすユウダチちゃん。

 

 

「むぅ...わたしそんなに信用ないの?ユウダチさん」

 

 

「そういう訳じゃないっぽいけど、アピスってちょっと目を離すと何するか分からいっぽいしねぇ...」

 

 

「わたしそんなやんちゃじゃないもん!!」

 

 

「クスッ...なんだか夕立ちゃんがアピスちゃんの姉みたいですね」

 

二人のそんなやりとりを見ながらクスクスと笑う神通さん。

 

それを尻目にやいのやいのと口喧嘩がヒートアップしている二人。

 

もうご飯の事が頭になさそうですね......。

 

私は船の周りの海水を引き寄せると腕のような形に変え、料理の入った鍋を持ち上げると龍爺さんのところにいる提督たちに声を掛けます。

 

 

「提督、龍爺さん、ご飯が出来ましたよ!たくさん召し上がってくださいね」

 

 

「姉ちゃん、そのテイトクって呼び方やめてくれって...前みたいに名前で呼んでくれりゃいいよ......」

 

そう言えばそうでしたね...すっかり忘れてました。

 

 

「ごめんなさいね、じゃあルフィくん、これお願いできるかしら?」

 

 

「おう!任せろ!」

 

そう言って腕を伸ばすと、私の持つ鍋を手に取るルフィくん。

 

 

「熱いから気を付けてくださいね?」

 

 

「分かってるって!って!うわちゃぁ!!」

 

 

「ちょ、ちょっとルフィくん!?」

 

 

「あぁーッ!!テメエェッ!!」

 

持っていた鍋を思い切り宙に放り投げるルフィくんと怒鳴るサンジくん。

 

今さっき注意したばかりじゃないですか......。

 

そうして宙を舞った鍋は龍爺さんの頭にクリティカルヒット......。

 

瞬く間に真っ赤に染まっていく龍爺さんの頭。

 

 

「.........ッッ!?!?」

 

あまりの熱さに龍爺さんも驚いたように目を見開いています。

 

大丈夫...じゃないですよね...あれは......。

 

 

「はっ!?龍じい!!」

 

先程までユウダチちゃんと口喧嘩をしていたアピスちゃんがそれに気が付き、すぐさま龍爺さんの所へと駆け寄ります。

 

慌てて頭の上にひっくり返った料理を払うアピスちゃん。

 

龍爺さんはその間も目を見開いて空を見つめていました。

 

 

 

「龍じい、大丈夫?」

 

目を見開いたまま空を見つめる龍爺さんを心配して、アピスちゃんが声を掛けます。

 

 

「.........」

 

しばらくすると、龍爺さんはいつものように半開き戻してアピスを見ました。

 

また何かを伝えているみたいですね......。

 

 

「...え?」

 

その様子を見守っているとサンジくんが起こったように口を開きます。

 

 

「まったく...せっかく作ったメシが台無しじゃねえか」

 

 

「また作ればいいだろ?」

 

 

「そういう問題じゃねえ、食いモン粗末にするなって言ってんだよ」

 

 

「これ、もし間宮さんや鳳翔さんは見たら激怒するっぽい...」

 

 

「そうですね、今この場にいなくて本当に正解でした......」

 

 

「もしいたらきっとルフィくんは今頃あんなに呑気にしていられないでしょうね......」

 

 

「??さっきから何話してんだ?おまえら」

 

ゾロさんが私たちの会話に口を挟んできます。

 

 

「ううん、大したことじゃないから気にしないでっぽい」

 

 

「...そうか」

 

そう言うと、ゾロさんは再びルフィくん達の方を見ます。

 

きっと先程の内容を説明してもゾロさん達には理解できないと思いますからね......。

 

私も再びの提督の方に視線を向けます。

 

すると、アピスと提督が不思議そうに海を眺めていました。

 

何かあったんでしょうか?

 

 

「......ロストアイランド...龍の巣は、軍艦島の東......」

 

アピスちゃんが不意にそう呟きます。

 

その言葉に提督が嬉しそうに話します。

 

 

「ウヒッ!そこにロストアイランドがあんのか!」

 

 

「龍じいが思い出したって!」

 

龍爺さん、思い出せたみたいですね...良かったわ......。

 

 

「おーい!みんな分かったぞ!ロストアイランドは軍艦島の東だ!」

 

 

「龍じいがそう言ったの!」

 

提督たちが私達に伝えてきます。

 

それを聞いたナミが慌ただしく皆に指示を飛ばし始めます。

 

 

「ウソップ!舵とって!お姉ちゃんは曳舟お願い!」

 

 

「おーう!」

 

 

「えぇ、分かったわナミ」

 

私は指示通り艤装を展開して海へと降ります。

 

 

「よーし!ロストアイランドに向かって突っ走るぞー!!」

 

 

「はい!提督!」

 

 

「ッ!!......姉ちゃん...それは止めてくれって......」

 

あっ...つい癖で忘れてました......。

 

気を付けないといけませんね......。

 

 

「ハルナさん相変わらずっぽーい......」

 

 

「ふふっ懐かしいですね」

 

うぅ...恥ずかしいです......。

 

そんなことがありつつも私達は軍艦島の東へと船を進めるのでした。




ロストアイランドに着いたぞ!

でもアレェ?龍の巣は何処にあんだ?

よし!とりあえずあの山の上から見渡してみよう!!

野郎ども!出発だぁー!!


次回!榛名さんの苦労話

辿り着いた孤島、龍の巣の手掛かりを探せ!

海賊王に...オレはなる!!

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