榛名さんの苦労話   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすです!

軍艦島に向かう最中に出会った一人の少女。

それはかつて私達と共に深海棲艦と戦った艦娘の神通さんだったのです。

神通さんに抒情を説明し、私達は神通さんと共に軍艦島へと向かうのでした。


後、活動報告でアンケートを取っているのでそちらも是非見てくださいね


軍艦島の伝説とアピスの秘密!

sideハルナ

 

こんにちは、ハルナです。

 

神通さんの案内のもと、私達は軍艦島へと上陸しました。

 

すると、私達が来るのを見ていた島民の方々が警戒した面持ちで船の周りに集まってきます。

 

 

「警戒を解くために先に私とアピスちゃんが下りますね」

 

 

「ごめんなさい、お願いします」

 

 

「任せといて!ハルナさん」

 

自信満々にサムズアップして神通さんと共に下船するアピスちゃん。

 

 

「や!ただいまー!」

 

 

「皆さん、ただいま戻りました...。」

 

それを見た島民の方達は驚きの声を上げています。

 

 

「アピス!どうして海賊船から!?」

 

 

「神通ちゃんまで一緒だなんて...いったい何があったんだ?」

 

そんな言葉を聞きながら私達も上陸します。

 

それに気づいて更に警戒が高まる島民たち...。

 

 

「皆さん、落ち着いて聞いてください!この方たちはこの島を襲いに来たわけじゃありません」

 

 

「そう!ルフィたちはね?海賊だけど、良い海賊なの!」

 

 

「海賊に良い海賊なんているのかよ...」

 

 

「うん!」

 

 

「まぁ神通ちゃんがそう言うんなら間違いはないだろうけど...」

 

そう言って渋々納得する島民の方々。

 

するとルフィ提督が不意に口を開きます。

 

 

「......お前達...」

 

 

「...!な、なんだ!」

 

少しの威圧を混ぜながら話すルフィ提督に島民の方が咄嗟に警戒して聞きます。

 

また変なことを言い出したりしませんよね...?

 

私の警戒を他所に提督は私の予想の斜め上をいくことを口走ります...。

 

 

「この島に焼肉屋あるか!!」

 

 

『はい??』

 

 

「提督...上陸して一言めがそれはどうかと思います......」

 

久しぶりに頭痛がしてきました...。

 

夕立ちゃんも苦笑いしています...。

 

 

「なんというか...苦労してるんですね、榛名さん」

 

温かい目で私の方をポンと叩く神通さん。

 

神通さん、それを言わないでください...。

 

私が内心で一人頭を抱えていると、不意に声が聞こえてきました。

 

 

「アピス!」

 

声のした方を見やるとそこには杖をついたお爺さんが立っていました。

 

それに気が付いたアピスちゃんは声のした方へ駆け出していきます。

 

神通さんもあとからそれを追って歩いていきました。

 

 

「ッ!ボクデンじいちゃん!」

 

そのまま勢いよくボクデンと呼ばれたお爺さんに抱き着くアピスちゃん。

 

 

「おぉ、無事で何よりじゃ...ジンツウも見回りご苦労じゃったの」

 

 

「いえ...このくらいは当然ですから...。」

 

ボクデンさんの言葉に神通さんはそう短く答えます。

 

神通さんは相変わらずみたいですね...。

 

 

「神通さん変わらないっぽ~い...」

 

夕立ちゃんも同じことを考えていたのかそんなことを呟いています。

 

すると、ボクデンさんは私達の方を見て言います。

 

 

「アピスを助けていただいて礼を言いますじゃ、如何かな?ささやかながら歓迎の宴を開かせていただきたいのじゃが」

 

 

「お前んち焼肉屋か?」

 

 

「ルフィ、もうそれはいいっぽい...」

 

 

「そもそも失礼ですよ?提督......」

 

 

「え?そっかぁ?」

 

はぁ...提督にはもう少し礼儀と言う物を覚えてもらわないといけませんね...。

 

 

「あはは...家は焼肉屋じゃないけど、ボクデンじいちゃんの豚まんはこの島で一番おいしいんだよ!」

 

 

「いやったぁ!いくぞ!!」

 

 

「じゃ、いくか」

 

 

「なんだか、ご迷惑をおかけします...」

 

私は申し訳なさから頭を下げます...。

 

 

「いやいや、構わんよ、アピスを助けてもらったお礼じゃからな」

 

 

「すみません...本当にありがとうございます」

 

 

「私達はそうしたいんですから榛名さんは気になさらないでください」

 

 

「えぇ、そうね」

 

 

「話し終わったか?んじゃ行くぞ!」

 

私の話が終わったのを見て提督が歩き出しました。

 

私は一つため息を吐いてからその後をついて歩き出すのでした。

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

 

あの後、私達はボクデンさんの家に着き、豚まんの準備を済ませて家にお邪魔させてもらっていました。

 

豚まんができるまで四、五時間ほどかかるそうなのです...。

 

 

「あぁ~...腹減ったなぁ...」

 

提督はいつもそう言ってますからこの際無視でいいですね。

 

 

「ボクデンさん、アピスは何故海軍に狙われてるの?心当たりは?」

 

不意にナミがボクデンさんに問いかけます。

 

 

「アピス、心当たりは?」

 

 

「全然」

 

 

「ッ!あなた理由はあるけど言えないって言ってたじゃない」

 

 

「あぁ、あれは嘘」

 

 

「ウソって...」

 

 

「下手したらその場で殺されていてもおかしくないっぽい...」

 

 

「相手が深海棲艦だったりしたら確実ですね...それよりアピスちゃん?」

 

神通さんが不意に声のトーンを落としてアピスちゃんに話しかけます。

 

ギクッ冷や汗を垂らしながら神通さんの方を見るアピスちゃん。

 

神通さんは笑って言います。

 

 

「私は散々嘘はつかないようにと教えたはずです。それを知らない方に...ましてや海賊相手に使うなんてもってのほかです!今回は優しい人達だったから良かったけれど、下手をしたらあなたは殺されていたかもしれないんですよ?」

 

 

「......ごめんなさい」

 

ションボリと項垂れるアピスちゃんに神通さんは止めの一言をお見舞いします。

 

 

「罰としてこれから一週間村の周りを十周です」

 

それを聞いたアピスちゃんはガタガタと震えだしてしまいました。

 

 

「あぁ~ぁ...始まったっぽい」

 

夕立ちゃんがまた始まったとでも言いたげに呟きます。

 

私もそれには同意でした。

 

神通さんは鎮守府にいた頃、鬼教官と呼ばれるほどの厳しい方だったのですから...。

 

私は内心でアピスちゃんに合唱しつつボクデンさんを見ます。

 

 

「そうさな...アピスの心当たりはワシにもわからんがこの島にある伝説なら知っとる」

 

 

「ッ!それ、お聞きしてもよろしいですか?」

 

もしかしたらその伝説に何か手掛かりがあるかも...

 

 

「ちょっ!ハルナお姉ちゃん!?」

 

 

「おぉ、いいともいいとも、ではお話ししよう...この島には...」

 

話の内容はこういったものでした。

 

 

軍艦島の住民は数万年前に栄華を築きながら海底に沈んだロストアイランドの末裔なんだそう、そのロストアイランドには千年龍と呼ばれる龍が住んでいてその骨は不老不死の妙薬になると言われていたそうです。

 

 

「で、ここからが本番でな...そもそも、ロストアイランドの初代の王はイスカンダンク...さて、ポケポーデス王には三人の子供がおっての...」

 

私はその話を聞き逃すまいと耳を傾けるのでした。

 

 

アピスちゃんと夕立ちゃんがいつの間にか居なくなっていることにも気がつかずに...。




家を抜け出したアピスの後を追うユウダチ

アピスの言葉に夕立はとんでもないものに遭遇する!

次回!榛名さんの苦労話!

伝説の生物、千年龍とユウダチ

海賊王にオレはなる!

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