榛名さんの苦労話   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじです!

ルフィを無事救出し、ローグタウンをでたハルナ達…。
途中、海軍大佐の白猟のスモーカーが襲ってくるもなんなく撃退、そして一味は足早にローグタウンを後にする。
グランドラインの入り口に近い『導きの灯』を見て気持ちを新たに進水式をやるのだった。

今回からしばらく夕立ちゃんメインで進めていきますよ


さまよえる謎の少女!向かうは軍艦島!

sideユウダチ

 

 

ヤッホー、ユウダチだよ。

 

ローグタウンを出てから二日が経ったっぽい。

 

 

「ナミー!グランドラインはまだかなぁ?」

 

ルフィ…それ二日前にも聞いたっぽい……。

 

 

「二日前にローグタウン出たばっかでしょう?後何日か掛かるわよ。もう少し待ってなさい」

 

 

「あーい、ニッヒッヒッヒッヒッ!」

 

これでまた明日になって聞いてくるのよね、ルフィのことだから……。

 

 

「良い日和だなぁ…あの嵐がウッソみてえだ」

 

 

「本当ね。なんだか夢でも見ていたみたい……」

 

ハルナさんの言う通り夢でも見てたみたいに海が静かっぽい。

 

あれはいったいなんだったの?

 

するとマストの上で見張りをしていたウソップが声をかけてきたの。

 

 

「おーい!右舷方向に鳥の大群が見えるぞ!」

 

鳥の大群っぽい?

 

言われて私も右舷の方向をみる。

 

確かに鳥の大群と…下に何かいるっぽい?

 

 

「あら、確かに見えますね。その下に…何でしょう?小さくてよく分からないですね」

 

 

「小舟か…?大きな魚にも見えるけど……」

 

そこでウソップの言葉を聞いたサンジさんが口を開いた。

 

 

「海鳥の群れ下には魚が良くいるって聞くがな」

 

「さかな!!」

 

その言葉に真っ先に反応したのはルフィだったっぽい……。

 

サンジさんがルフィに声をかけたの。

 

 

「ルフィ、飯にしようぜ」

 

 

「よし来たぁ!ゴムゴムのぉ……!」

 

そう言ってルフィは腕を目一杯伸ばすと……。

 

 

「網取りいィッ…!!」

 

思いっきり鳥の群れに向かって伸ばしたっぽい!

 

 

「おぉー!伸びる伸びる!!」

 

 

「便利な奴だ……」

 

 

「提督!ハルナ!感激です!」

 

 

「さすがはゴム人間っぽい」

 

ルフィの腕はあっさりと鳥の群れまで届き、散らせた。

 

 

「捕まえた!よっと!」

 

そう言うと、そのままこっちに引き戻し始めるルフィ。

 

え?ちょっと待って!これってこのままいくと……。

 

 

「ちょっと待てよ!この後どうするつもりだよ!うわぁっ!」

 

 

「ちょっ!ルフィどうするつもり!」

 

バゴーンッ!

 

勢い良く戻ってきた腕はゾロに命中して吹っ飛んでいっちゃった。

 

 

「ぬがあっ!?」

 

勢い良く海に放り出されるゾロ、それを見かねたハルナさんが能力を発動したっぽい。

 

「『アクア・ボール ウォータードラゴン!』」

 

するとゾロを受け止めるように水の龍が出来上がり、ゾロさんを船へと戻した。

 

 

「悪りいゾロ、それと姉ちゃん助かった!」

 

 

「ドアホ!!」

 

 

「お前!いつかぜってえ斬り倒す!!」

 

 

「ふふっ…いいんですよ提督」

 

半ギレのゾロとサンジさんに微笑むハルナさん。

 

何なの?このカオスっぽい空気……。ってそんなことより!

 

 

「見てよ、この子魚じゃないっぽいよ!」

 

 

「女の子じゃない!」

 

 

「ありぃ?魚人か?」

 

 

「おまえどこをどう見たらこれが魚人に見えるんだよ……」

 

 

「そうですよ提督。この子は人間の女の子です」

 

 

「なんでこんな女の子があんな小舟に…?」

 

疑問はつきないけど今は解放してあげなきゃ!

 

 

 

 

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あの後、気絶してた女の子を私達は船の船室へと連れてきて寝かせたっぽい。

 

起きるまで様子を見ようサンジさんがご飯を作り始めた時。

 

 

「痛あぁぁいっっ!」

 

突然の悲鳴に振り向くとさっきの女の子が頭を抱えて叫んでいたの。

 

その隣には気絶してるウソップの姿。

 

 

「気がついたっぽい?」

 

私は女の子に声をかける。

 

 

「思ったよりも元気そうね。どこか痛いとこない?」

 

 

「腹減ってるだろ?今スープ作ってるからな」

 

そう話すのはナミとサンジさん。

 

 

『……ラッキー!』

 

なにか小声でガッツポーズとってるけど、何があったっぽい?

 

すると、ハルナさんが女の子に近づいて話しかけ始めたっぽい。

 

 

「ナンパしたの?危ないところだったのよ?あなた名前は?」

 

 

「…人にものを聞くときは自分の方から名乗るものよ」

 

ハルナさんにそんなこと言うなんて!

 

でもハルナさんは気にした風もなく微笑んで話す。

 

 

「そうね、私の名前はハルナと言うの。それで向こうで料理を作っているのがサンジくん」

 

「よっ!」

 

 

「怖い顔して腹巻きをしてる人がゾロさん」

 

「うるせえ…」

 

 

「あそこで気絶してるのがウソップくん」

 

「…………」

 

 

「それと椅子に座ってる三人がナミとユウダチちゃん。それと……」

 

そこまで言ったところでルフィが割り込んだ。

 

 

「オレはルフィ、この海賊船の船長だ」

 

その言葉を聞いた女の子は顔を引き吊らせて叫ぶ。

 

 

「ひっ!海賊ゥゥゥゥゥ……!?!?」

 

そう叫んだっきり女の子はピクリとも動かなくなったっぽい。

 

 

そうとも知らずルフィは続ける。

 

 

「オレ達グランドラインを目指してるんだ」

 

しかし反応がないことに不振に思ったのか、ナミが声をかける。

 

 

「……どしたの?」

 

ハルナさんが様子を確かめる。

 

 

「えっと…気絶してますね……」

 

 

「どうすんだ?この子供」

 

ゾロの言葉にルフィが首をかしげる。

 

 

「あー…そうだな…どうしよっかなぁ………

明日考えよう」

 

 

「そこで放置っぽい!?」

 

 

「ユウダチちゃん、これが提督クオリティですよ」

 

あ、そうだったっぽい。ルフィはいつもこんな感じだったわね。

 

 

そうしてそのまま日は沈んでいった。

 

 

 

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夜、みんなが寝静まったころ……。

 

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁッッ!」

 

突如響き渡る悲鳴に私達は飛び起きたの。

 

慌てて船室に向かうと……。

 

ルフィと女の子がご飯を食べてたっぽい。

 

 

「こんな美味しいのはじめて!」

 

 

「やっと笑ったわね。」

 

 

「ルフィってばまた食べてるっぽーい」

 

 

「昼にあんまり食わなかった……」

 

 

「そんなこと言って、鍋を二つも空にしてたじゃないですか」

 

そう言ってハルナさんがクスクス笑う。

 

 

「あり?そうだっけ?」

 

ルフィの記憶力っていったいどこまで低いっぽい?

 

ナミがその間に女の子に近づいて話しかける。

 

 

「海賊って聞いてそれでビビったんでしょ?」

 

 

「それは……」

 

 

「そうなっても仕方ありません。この時代で海賊って聞いたら当然の反応だと思うわ」

 

 

「……売り飛ばしたりしない?」

 

 

「そんなことしないわよ!」

 

すかさず私はツッコむ。

 

 

「おまえら皆人相悪いからなぁ…」

 

 

「この顔で言うかねキミは」

 

そう言ってゾロの顔をつねるウソップに即座に反論するハルナさん。

 

 

 

「ゾロさんには言われたくありません」

 

 

「んだとぉっ!それとてめえなにすんだコラァッ!」

 

「おまえのその顔で言われたくねえんだよ!」

 

その場でジャレ合い始める二人にナミが呆れたように声をかけるっぽい………。

 

 

「あーもう、やめなさいって」

 

「アッハハッハッハッハハッ」

 

それとルフィは笑ってなくていいからアレ、止めてきてくれない?

 

 

「あ、あはは……」

 

ほら。女の子が苦笑いしてるじゃない。

 

 

「おかわりありますが?お嬢さん」

 

 

「少なくともこの船はあなたが思っているような海賊船とは違うと思うっぽい。だから安心して」

 

私がそう言うと女の子はようやく安心したように笑って言った。

 

 

「おかわり!」

 

「畏まりました……」

 

 

「オレも!」

 

「てめえは自分でやれ!」

 

サンジさん…相変わらず男には手厳しいわよね……。

 

 

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そして翌朝……。

 

 

出港の準備をするために私達は船の上を走り回っていたの。

 

主に走り回ってるのはルフィ達なんだけど……。

 

私はといえば……。

 

 

「何してるっぽい?」

 

 

「え?ちょっと料理でもしようかなって……」

 

女の子の面倒を見ていたっぽい。

 

 

「料理ならサンジさんがやってくれるからいいのよ?」

 

 

「でも、なにかお手伝いしたくって……」

 

あぁ、そういうことっぽいのね。

 

 

「分かったわ、なら私も手伝ってあげる」

 

 

「え?いいの?」

 

 

「っぽい♪」

 

 

「っ!ありがとう!」

 

そうして私達は料理を始めるのだった。

 

 

 

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「よし、これで完成っぽい!皆を呼んできてくれる?」

 

 

「分かった!」

 

 

料理を粗方作り終えた私は女の子に皆を呼んできてくれるように頼んだっぽい。

 

それにしても、私がついていて本当によかったっぽい……。

 

あの子一人にやらせてたらどんな物が出来上がってたか……想像出来ないわ……。

 

そんなことを考えていると続々とみんなが入ってきた。

 

 

「おぉ、今日はユウダチちゃんが作ってくれたのか」

 

 

「うん、その子にも手伝ってもらったっぽい」

 

 

「へぇ、偉いなお嬢さん」

 

 

「えへへ…さ、早く食べよ!」

 

 

「おーし!メシにするぞ!」

 

こうして私達は朝食を取り始めるのだった。

 

 

 

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「うんめえなコレ!」

 

 

「ユウダチも料理出来たんだな。知らなかったぜ」

 

 

「ハルナさんやサンジさん程じゃないけど私もこのくらいは出来るのよ!」

 

 

「本当に美味しいわ、これガイモンさんにも作ってたの?」

 

 

「まあね、でも今日はこの子が手伝ってくれ……そういえばあなた名前は?」

 

そこまで言って私は名前をまだ聞いていなかった事を思い出したっぽい。

 

 

「アピス!アピスっていうの!」

 

 

「アピスちゃんが手伝ってくれたお陰で何時もより早く終わったっぽい!」

 

 

「そうなのね、手伝ってくれてありがとうアピス」

 

 

「うん!」

 

 

「でも、今度からは誰かに聞いてから行動してくださいね?」

 

 

「うっ…分かりました……」

 

そうして朝食の時間は進んでいったの。

 

 

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ご飯を食べ終えるとナミがアピスちゃんに話しかけてたっぽい。

 

 

「そういえば、アピスはなんで海の上を漂流してたの?」

 

 

「海軍の船から逃げ出してきたの……」

 

 

「海軍の船から?」

 

 

「うん、三日前の嵐の夜に」

 

 

「あの嵐のなかをあんな小舟で……」

 

 

「良く無事でしたね」

 

 

「本当っぽい。無茶するにもほどがあるわ」

 

 

「そもそも何やらかしたんだお前?」

 

 

「え?」

 

そういえばそうよね、こんな小さな子が海軍から逃げ出さなきゃいけないなんてよっぽどの理由があるっぽい?

 

 

「客として軍艦に乗ってたって訳じゃあねえんだろ?かといって、小物の悪人を海軍がいちいち相手にするわけもねえ」

 

 

「それは……」

 

 

「なんだ?おまえ極悪人か?」

 

ルフィ…その考えはおかしいっぽい……。

 

 

「違うわよ!悪い事なんかするわけないじゃない!

…してないけど、理由は…ちょっと言えない」

 

 

「なんだよそりゃあ……」

 

「良いじゃないですか、きっとこの子にも事情があるんです言いたくないなら聞かなくても良いじゃないですか」

 

 

「お姉ちゃんの言う通りね。でも、何処から来たかだけは教えてもらえない?」

 

 

「え?あ、うん。あたしね、軍艦島の人間なの」

 

 

「軍艦島?聞いたことないっぽい」

 

 

「私もないわ、ルフィは?」

 

そう言って海図を調べ出すナミ。

 

 

「いや、知らねえ。姉ちゃん何か知らないのか?」

 

 

「軍艦島…前に風の噂で聞いたことがあります。なんでも遠くからみると軍艦の形にしか見えない島があると…」

 

軍艦の形をした島?そんな島があるっぽい?

 

 

「うん、ハルナお姉さんの言う通り島の形が軍艦そっくりなの」

 

 

「へぇ、おもしれえ」

 

 

「あぁ!ここね!」

 

ナミの言葉に私達は海図を除き混む。

 

ナミが指差した場所を見てウソップが言う。

 

 

「へえーグランドラインの近くじゃんか」

 

確かにグランドラインの近くに小さな島があるわね。ここが軍艦島っぽいのね。

 

 

「今いるのはここら辺だから…そう遠くはないわね」

 

そうナミが指すのはその子島からそこまで離れていない海。

 

私はアピスちゃんに問いかける

 

 

「アピスちゃん、あなたはどうしたいっぽい?」

 

 

「え?」

 

 

「軍艦島へ帰りたい?私達はこのままだとグランドラインに入っちゃうから」

 

その言葉に少し俯くと申し訳なさそうにアピスちゃんは話す。

 

 

「……あたしね、折角助けてもらって迷惑かけちゃうけど…あたしは島に帰りたい!ごめんなさい…我が儘よね…出来れば途中で西の方へ向かう船にでも渡してくれれば自分で何とかするわ……」

 

 

「迷惑ね~ほーんと、海賊船がそう簡単に他の船に近づけるわけないじゃない」

 

 

「ナミ……」

 

ハルナさんが嗜めるようにナミの名前を呼ぶ

 

 

「デスヨネ…」

 

あーぁ…ちぢこまっちゃったわ……。

 

『でも』と、ナミは続ける。

 

 

「ま、進路から大きく外れる訳でもないし。、急いでる旅な訳でもないし、しょうがないか」

 

 

「え!?」

 

 

「あたしはどっちでもいいけどどうする?船長」

 

ナミがそう聞くとルフィは笑顔で言った。

 

 

「あぁ、いいんじゃないの?」

 

 

「グランドラインもすぐっぽいしね!」

 

 

「そっかぁ、軍艦みたいな島か」

 

 

「良かったですね、連れていってもらえるそうですよ」

 

 

「ホントに!ホントに軍艦島に寄ってくれるの?」

 

 

「あぁ!」

 

 

「やったぁ!ありがとう!ルフィ!」

 

ルフィの言葉に飛んで喜ぶアピスちゃん。

 

こうして私達の次の行き先は軍艦島へと決まったのだったっぽい!

 




やっべえ!海軍の船に見つかっちまった!

姉ちゃんにユウダチ?なにすんだ?

そっか!船を引っ張って逃げんのか!
いいぞ!いけぇっ!!

次回!榛名さんの苦労話!

艦隊から逃げ切れ!カームベルト突入!?

海賊王に!オレはなる!

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