榛名さんの苦労話   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじっぽい!

ローグタウンタウンへと上陸した麦わらの一味…。
グランドラインに入る前の下準備をするため各々が町の散策に出掛ける。
ハルナ達二人は変装して町の中を見て回るのだった。

それと、今回から少しの間、別作品『ハーメルン作品』からあるキャラ二人が出てくるっぽい気になったら見てみてっぽい




サンジVSカルメン!東の海一の料理人対決!

sideハルナ

 

こんにちは、ルナです。

 

今私とチユちゃんはサンジくんの付き添いのもと、服を買いに来てるんです。

 

 

『まいどあり!』

 

 

「あー…!いっぱい買っちゃったっぽーい」

 

満足そうにチユちゃんが話します。

 

 

「そうですね、たまにはこういうのも悪くありませんね」

 

そう言う私も結構な量の服を買ったりしちゃってます。

 

 

「サンジさん待ちくたびれてないといいっぽいけど…。」

 

 

「早めに行きましょうか」

 

 

「ぽい!」

 

私達は急ぎ足でサンジくんの待つ場所へと向かいました。

 

 

ーーーーーー

 

 

待ち合わせ場所に着いてみるとそこにサンジくん姿はありませんでした。

 

 

「あれ?サンジさんいないっぽい」

 

 

「何処に行ってしまったんでしょう…。」

 

辺りを見回して探していると、近くで聞き覚えのある声が…。

 

 

「おぉぉ!ここにいらっしゃいましたか!我が愛しのマドモアゼルよ!」

 

そんな声が聞こえ振り向くとサンジくんが女性をナンパしているのが目に入りました…。

 

 

「ねぇ、ルナさん…。あれってサンジさんじゃないっぽい?」

 

 

「えぇ、間違いなくサンジくんね…。」

 

 

「どうするっぽい?」

 

様子を見てみていると好みのタイプではなかったのか相手の女性から離れると気持ち悪くニヤついて鼻の下を伸ばしていました…。

 

 

「ねえ、ルナさん…。これ、ルナさんも同じ気持ちっぽいよね?」

 

 

「えぇ、チユちゃんきっと同じ気持ちだと思うわ…。」

 

 

『凄く話しかけたくない(っぽい)…。』

 

でも、話しかけないとどうしようもありませんから…。

 

なら、ここは敢えてこうしてましょう!

 

 

「チユちゃん、サンジくんを少し困らせてあげましょう」

 

私がいたずらっぽく言うと、チユちゃんは悪い顔で頷きます。

 

 

「いいかも!サンジさんに悪夢、見せてあげる!」

 

二人して頷き合うと私達はサンジくんの所に近寄って行きます。そして…。

 

 

「サンジくん、さっきのはいったいどう言うことかしら?」

 

まず、私がサンジくんに詰め寄り問いかけます。

 

 

「え?あ、いや…これはその…。」

 

言い澱んだサンジくんにすかさずチユちゃんが追い詰めます

 

 

「私達バッチリ見てたんだから!あなたがナンパしてたところ!」

 

 

「うぐっ……」

 

さらに追い討ちをかけるように私が話します。

 

 

「酷いです!私達という者がありながら他の女に手を出すなんて!」

 

 

「うぐぐっ……!!」

 

 

「これはナミにも報告っぽい」

 

 

「ちょっ…待っナミさんにもか!?」

 

 

「当然でしょ?こんなことしておいて許せると思う?」

 

 

「うぐぐぐぐっ……!」

 

もはやなにも言えなくなっているサンジくん。するとそこに…。

 

 

『ぁぁぁぁああ……!』

 

私達の目の前の通りをルフィ提督が通りすぎていったのです。

 

しかも空を…。

 

私達はその光景にしばらくなにも言えませんでした…。

 

 

「……何やってんだあいつら」

 

ようやく口を開いたと思ったらそれはサンジくんの声でした。

 

 

「って!今のルフィじゃなかったっぽい!?」

 

我に返ったのかチユちゃんが叫びます。

 

 

「え、えぇ…確かに提督でしたね」

 

 

「いったい何があったのよ!私ちょっと様子見てくるわ」

 

そう言うとチユちゃんはルフィ提督が消えた方向に走り去って行きました。

 

その場に残された私達…。しばらく無言が続いた後、私は言います。

 

 

「とりあえず行きましょうか」

 

 

「あ、あぁ」

 

こうして私達はこの場を後にしたのでした。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideサンジ

 

 

 

俺達は今市場にむかっている。航海用の食材を買っておくためだ…。

 

 

「……」

 

 

「……」

 

き、気まずい…!何か話しかけられるようなこと無かったか?

 

俺がそんなことを考えていると不意に声をかけられた。

 

 

「見つけたよサンジ…。」

 

その声に俺は振り返る…。

 

 

「え?」

 

姉さんも俺が呼ばれたのが気になったのか声のした方を向く。

 

振り向くとそこには派手な衣装を身に纏い薔薇…ではなくおたまを加えた女性が立っていた。

 

 

「十年間!」

 

なんだ?コイツ…。でも、美人だなぁ!

 

するとすかさず姉さんが…。

 

 

「サンジくん…。」

 

おっと、あぶないあぶない…。さっきの二の舞はごめんだ…。

 

 

「アンタ誰だ?俺を探してたって言ってたけど」

 

 

「彼女の名はカルメン!」

 

 

東の海(イースト・ブルー)一の料理人!」

 

すると今度は女性の後ろから変な顔の奴らが出てきやがった…。

 

なんだ?あいつら…。顔の面積がやたらデカイ奴に目が異様にデカイ奴までいやがる。

 

 

「情熱の女!人は炎のカルメンと呼ぶ…」

 

 

『オーレ!!』

 

終いには全員揃って決めポーズ取り出したぞ…。

 

俺が何も言えないでいると横から姉さんが耳打ちしてくる。

 

 

『サンジくんの知り合い?』

 

 

『いや、全く知らない奴らだ…。』

 

 

『でも、あの真ん中の人あなたを知ってるみたいだったけど…』

 

そこが謎なんだよなぁ…。顔を覚えられるようなことあったっけか?

 

俺が考え込んでいると目の前の三人は勝手に喋りだした。

 

 

「そして私はカルメン様の一番弟子レオ!」

 

 

「僕は二番弟子のホセ!」

 

って!あの目玉っぽいとこ全部鼻かよ!!

 

 

「それで?ボクに何の用です?あなたとはお会いした記憶g「ホセ!レオ!!」」

 

急に声を被せられ遮られた…。

 

 

「説明おし…。」

 

 

「ハッ!」

 

そう言うと顔面男がピールを差し出してきた。上には何かが乗っている…。

 

 

「見られよ!」

 

言われて乗っている物を手に取ってみてみる。これは…。

 

 

「ドイツもコイツもコックばかりじゃねえか」

 

 

「どんなものなんです?あら、本当だわ…。」

 

 

「イエース!」

 

いきなり顔面鼻でか男が唾を飛ばしながら割り込んできた。

 

きったねぇな…。

 

 

「そいつらはイースト・ブルーの中でも評判の腕利きばかり!揃いも揃ってカルメン様と勝負して散ってったのだ!」

 

 

「そう!あたしはイースト・ブルーのナンバーワンコック

勝負するコック達はドイツもコイツ物足りない腰抜けばかり…。もうこのイースト・ブルーにあたしの敵は居ないと思っていた…が!!」

 

 

「それは海上レストランバラティエにいた頃の特集記事だった。あのコックはそこの服料理長こそがイースト・ブルー一のコックだと言いおった!あたしらには及びもつかない程の名コックだと、抜かしおったのだ!

それ以来、あたしはお前を探し続けてきた。イースト・ブルーを隅から隅まで…。十年間も!!」

 

 

「ホントは十日間だけどね」

 

 

「カルメン様は物事を大袈裟に言うのがお好きなのだ」

 

 

「十年と十日間は流石に大袈裟すぎじゃないですか…?」

 

 

「余計なことを言わんでもいいわ!!」

 

フライパンで殴られてるな…。

 

 

「痛そう…。」

 

姉さんは相変わらず優しいね…。

 

 

「あたしと勝負おし!サンジ!

今日の午後一時市場の料理コンテスト海上に来るのだ!そこで必ず、あたしはお前を倒して見せる!よいな!

オーホッホッホッホホホホホホホ!オーホッホッホ!」

 

そう言いながらつむじ風のように消えていった…かに見えたが…。

 

 

「ホホアヒャヘハ…。」

 

回りすぎて目ぇ回してんじゃねえか…。

 

 

「おっと!それではまた、後程会おう!」

 

倒れるカルメンさんを顔面男と鼻でか男が抱き抱えその場を後にしていった。

 

 

「なんだったんだ?あいつら…。」

 

 

「サンジくん、あの人の言っていた料理コンテストに出場するの?」

 

姉さんがそう聞いてくる。

 

 

「いや、そんなもん興味ねえよ、それより早く市場に向かおうぜ」

 

 

「いいのかしら…。」

 

こうして俺達は市場へと向かった。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

市場にやって来た俺達…。

 

 

「おぉー!へぇ!流石ローグタウンだな。質も種類も他とは比べ物にならねえ」

 

 

「確かに凄く品揃えが豊富ね、これじゃ選べませんね」

 

姉さんも驚いてるみてえだ…。

 

手始めに近くの魚から見てみる。

 

 

「こりゃ最高だ!」

 

それを聞いていた市場の主人が話し掛けてきた。

 

 

「あんちゃん目が効くね!ソイツは今朝上がったばかりの近海ものよ!」

 

 

「近海もの?」

 

 

「なんです?それは確かに見たことない魚ですけど…。」

 

俺は一匹取り出して見てみる。

 

 

「確かにコイツは身も締まってて新鮮だがこんな魚俺も見たことねえぞ…。ホントにイースト・ブルーで捕れたのか?」

 

 

「ほぅ、アンちゃんホントに詳しいな。

お察しの通り、コイツは本来西の海(ウエスト・ブルー)でしか捕れねえ魚だイースト・ブルーの人間が知らねえのも無理はねえ」

 

 

「ウエスト・ブルー?なんでそれが近海ものなんだ?」

 

 

「……グランドラインの海流、ですね?」

 

 

「おぉ、姉ちゃん良く分かったな、そう!このローグタウンはグランドラインの海流に乗って他の海の魚が紛れ込んでくるのさここじゃ良くあることなんだぜ?」

 

へぇ、そんなことがあるのか…。

 

 

『おぉー!』

 

なんだ?人だかりが出来てんじゃねえか…。

 

 

「お?なんか上がったみてえだな行ってみっかあんちゃんに姉ちゃん」

 

 

「あ、あぁ」

 

 

「行きましょう、サンジくん」

 

姉さんに連れられて俺は人混みに呑まれるのであった。

 

 

sideout

 

 

 

sideハルナ

 

 

「ごめんなさい、ちょっと失礼しますね…。」

 

人混みを掻き分けその原因を突き止めようと中央に来てみると、そこには象のような牙に鼻、それに耳のようなヒレを持った大きな魚が上がっていました。

 

 

「すっげぇ!そりゃエレファントホンマグロじゃねえか!」

 

エレファントホンマグロ?象鮪ってことですか?

 

 

「おうよ!南海の方から紛れ込んで来たんだろうが、そこを俺が一本釣りよ!」

 

一本釣りってよく釣り上げられましたね。あの魚、結構な大きさですよ?

 

 

「エレファントホンマグロ…。あ……」

 

そんな呟きが聞こえたので見てみると

 

サンジくんが惚けたようにエレファントホンマグロを見ていたんです…。

 

 

「サンジくん…?」

 

 

「……オール・ブルー」

 

 

「サンジくん?大丈夫?」

 

私の声が聞こえてないのでしょうか…。

 

私がサンジくんを気にしているとエレファントホンマグロは何処かに運ばれようとしていました。

 

そこで我に返ったサンジくんが漁師の一人に声をかけました。

 

 

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!コイツは幾らだ?俺に売ってくれ!」

 

 

「なにぃ?」

 

 

「金ならあるぞ!コイツを俺に譲ってくれ!頼む!」

 

 

「サンジくん…?いったいどうしちゃったの?」

 

私はサンジくんの豹変ぶりについていけません…。

 

 

「駄目駄目、コイツは売りもんじゃねえ、たった今商品になることが決まったんだ。悪いがな」

 

 

「商品、ということは…。」

 

 

「そう、姉ちゃんのお察しの通り。今日、これから年に一度の料理コンテストが始まるのさ。そのコンテストにはイースト・ブルー中のコックが集まる。コイツはコンテストの優勝者に与えられるのさ」

 

 

「なんたってエレファントホンマグロだからな。

これこそチャンピオンにふさわしいってんで今そう決まったんだ!」

 

確かにあの大きさの魚なら商品になってもおかしくは無いですね…。

 

良く分かりませんがとても珍しい魚のようですし…。

 

 

「どうしても欲しいなら出場すればいいさ。あんちゃんもコックなんだろ?」

 

 

「え?あぁ…。」

 

 

「向こうで受付してっからよ、もし用事があるんだったら手続きしてきな。急がねえともうすぐ締め切りだぞあんちゃん、そこの姉ちゃんにいいとこ見せるためにも頑張れよ!じゃあな!」

 

優しい人でしたね。何から何まで教えてくれて…。

 

それにしてもさっきのサンジくんの慌て様…。

 

そんなにあの魚が欲しかったんですね。

 

よし!ここは私も可愛い弟くんの為に一肌脱いであげましょう!

 

榛名!全力で参加します!

 

サンジくんに気取られぬよう私は受付をしにいくのでした。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

時は少し進みコンテスト開始直前…。

 

実況の声が聞こえてきます。

 

 

『さあ!やってきやました!年に一度の祭典!

料理コンテスト!イースト・ブルーに名高いコック達が結集でい!今年の商品はエレファントホンマグロ!

海の宝奇跡の食材!エレファントホンマグロを手に入れイースト・ブルー1の栄冠を手にいれるのかいってぇ!誰だ!』

 

まさかあの人が実況者だったなんて驚きました…。

 

でもそれよりも驚いているのは恐らくこの人でしょうね。

 

 

「なんで姉さんがこのコンテストに出場してんだよ!」

 

 

「なんでって出てみたかったからに決まってるでしょ?」

 

 

「出てみたいって姉さんコックじゃねえだろ!」

 

 

「あら、知らなかった?私、少しだけどコックの経験あるのよ?だから料理の腕には自信があるの」

 

轟沈する前限定ですけどね…。

 

 

「へ?そうなのか?」

 

 

「えぇ、だから、お互い頑張りましょうねサンジくん」

 

するとサンジくんの顔つきがキッと引き締まります。

 

 

「あぁ、例え姉さんが相手でも負けねえからな」

 

その答えに私は満足して頷き、サンジくんの頭を撫でるのでした。

 

その後にサンジくんがカルメンさんに絡まれていましたけどスルーしていました。

 

さて、何を作りましょうか…。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

コンテストが始まる直前の事です。

 

 

「おーい!サンジにハルナァァ!!」

 

 

「お姉ちゃーん!!」

 

あれは、ナミとウソップくんね?

 

私は二人のところに歩み寄ります。

 

サンジくんも二人に気づいてこっちに来ました。

 

 

「あら、どうしたの?ナミ」

 

 

「どうしたのじゃないわよ!どうしてもお姉ちゃんがそこにいるの?」

 

 

「しっかしなんでまたこんな大会になんか出てんだよ」

 

 

「どうしてと言われても出たいから出場したってだけよ?」

 

 

「ナミさーん!応援に来てくれたの!!」

 

サンジくん…。すごいタイミングで来ましたね。

 

 

「別に?通りかかっただけ。それにしたってお姉ちゃんの料理の腕は知ってるけどよく出場出来たわね」

 

 

「えぇ、なんだか簡単にいれてもらえたわ」

 

 

「俺も驚きましたよ、まさか控え室に入ったら姉さんが待ち構えてるんですから…。」

 

 

「オレを無視すんな!!」

 

 

「おぉ、ウソップ、居たのか」

 

 

「オレが最初に声かけたんじゃねえか!!」

 

 

「まあまあ、もう始まるわ行くわよサンジくん」

 

 

「おうよ、姉さん」

 

 

「頑張ってー!!二人ともー!」

 

 

「優勝しろよー!!」

 

二人の激励を背に私達は戻っていくのでした。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

『さぁ!いよいよ開幕だい!!

審査員はご覧の方々!

尚、審査の公平を期すため!

一般の方から仕事で来ているというヨシノサブロウさんとシグレちゃんにも来ていただいてやす!!

サブさん!シグレちゃん!準備はいいっすか!!』

 

 

「はーい、頑張って審査させてもらうよ…。ね、おとっつぁん」

 

 

「いや時雨クン?どうしてそんなにやる気なのか聞かせてもらえる?自分達今それどころじゃないんだけど…?」

 

あの子…。時雨ちゃん…?どうしてこっちの世界に…。

 

それにあの人…もしかして…。

 

 

『ルールは簡単まず一人ずつ対決して

それぞれの審査員の合計点が多い方の勝ち!

これで最後まで勝ち残った者こそが!

栄えあるイースト・ブルーナンバーワンコックってぇ訳だ!じゃあ早速1回戦!

まずははるか東の果てより参加の!

トカゲのシュウタイ!

対するは!このローグタウン代表!エッコイデ!

じゃあ用意!スタート!!』

 

【カーンッ!!】

 

始まりましたね。料理対決が…。

 

 

それからしばらく時は進み…。

 

 

『さあ!準決勝だ!』

 

 

『ウォォォォッ!!』

 

すごい大歓声ですね…。

 

 

『ずば抜けたセンスと技で危なげなく勝ち上ってきたサンジ!

 

華麗な舞と技で他を圧倒し続けてきたカルメン!

決勝に進むのは果たしてどちらだ!!

 

注目の準決勝スタート!!』

 

 

始まりましたね、カルメンさんとサンジくんの対決が…。

 

それよりも気になるのは…。

 

 

「ねぇ、提督。この勝負どっちが勝つと思う…?」

 

 

「そうだねぇ…。二人の料理は多分あのサンジって人なんじゃないかな?」

 

 

「じゃあ賭けしない?負けた方はギャラクシー一気飲みって言うのはどうかな?」

 

 

「いやそれじゃただの罰ゲームだとテイトク思うんだけど…。」

 

 

「それじゃあひやしあめにしておく?」

 

 

「種類変えただけだよね!?趣旨はまったく変わってないよね!?」

 

……審査中に何をしてるんでしょう…。

 

って、そんなことしてる間に終わったみたいですね。

 

 

『さあ!いよいよサンジが

最後の仕上げにかかったようだ!

カルメンの方もおおずめ!

あとは盛り付けるだけのようだ!

いよいよクライマックス!

いったい決勝に進むのはどっちだ!!

決着の時はまもなく……だっ!!』

 

 

『ウォォォォッ!!!!』

 

 

『サンジ選手完成だ!

さあ!そしてカルメン選手!

こっちも出来上がったようだ!

……出揃った!!果たして!栄冠はどっちの手に!!』

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

「それでは発表します…。今回の勝負、勝者は…。

 

サンジ選手!」

 

 

『おおー!!サンジ選手、

カルメン選手を打ち破り決勝進出だ!

待ち構えているのはことごとく審査員を泣かせてきた女将!ルナ!果たしてエレファントホンマグロを手にするのはどっちだ!!』

 

ついに勝ち上がって来ましたね、サンジくん…。

 

やるからには全力で相手してあげます!

 

さて、あっちの方は…。

 

 

「あーぁ…。負けちゃったボクが飲むのか…ま、負けちゃったし仕方ないよね」

 

 

「いや、それはそうだけどね時雨クン…。その前にどうにかこの現状をどうにかする方法を考えないとならないのを忘れてない…?」

 

あの二人には後で個別で接触してみましょうか…。一応夕立ちゃんも誘って…。

 

 

ーーーーーー

 

 

『さあ!いよいよ決勝だ!!

 

ずば抜けたセンスと技でカルメンすら倒したサンジ!

 

対するは!包み込むような愛情と優しい味で幾人もの審査員を泣き落としてきたルナ!

栄光のエレファントホンマグロを手にするのはどっちなのか!!

大注目の決勝戦!スタート!!』

 

さあ、いきます!

 

鳳翔さんや間宮さん直伝の料理の腕、見せてあげます!

 

 

『出たぁー!!目にも止まらぬ早業で調理していくルナの料理法!あまりの早業に対戦相手は多いにペースを崩されるんだが!サンジの場合はどうでい!!』

 

 

「……」

 

 

『乱れない!!まったく自分のペースで黙々と調理をしていくサンジ選手!』

 

やっぱりサンジくんは一筋縄ではいかなさそうね…。

 

でも、負けません!金剛型四姉妹の三番艦として負けるわけにはいきません!

 

 

 

一方のヨシノ、シグレペア…。

 

 

「ねぇ、提督、あのルナって人…。見覚えない?」

 

 

「時雨クンもそう思うかい?実は自分も思ってたんだよねぇ…。何か引っ掛かるんだけど…」

 

 

「こう、喉のところまで出かかっててってなかなか出てこない感じだよね…。」

 

 

「そう、まさにそんな感じなんだよ…。いったいどうしてなのか分からないんだけど…。」

 

 

「もしかしたら艦娘だったりして…。」

 

 

「いや、それはないと思うよ時雨クン。ここはあの深海棲艦の姿が一つもない…。おまけに海賊が闊歩しているような世界だ、艦娘はあり得ないと思うよ…。」

 

 

「そうかな?なんなくそんな気がしてるんだけど…。」

 

 

「まあ、今は料理が出てくるのを待つしかないからねぇ…。

それにしてもお腹が…。」

 

 

「美味しいけれど沢山は食べられないよね…。」

 

などと話し合っていた。

 

 

 

 

『さあ、いよいよサンジが

最後の仕上げにかかったようだ!!!

ルナの方は……おおっと!もう完成間近のようだぞ!!

早い!早すぎるぞ謎の料理人ルナ!!

いよいよクライマックス!!

果たしてエレファントホンマグロはどっちの手に!!

 

決着の時はまもなく……だ!!』

 

 

『決まったぁぁぁ!!

サンジ選手完成だ!

さあ、そしてルナ選手はおぉっと先程より豪華になって完成している!!』

 

 

『出揃ったぁぁ!果たして勝利の女神はとっちに微笑むのか!』

 

 

 

 

『ウォォォォッ!!』

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

審査員の食べ比べが終わり結果発表…。

 

 

「それでは発表します…。

今年の料理コンテスト、優勝者は……ルナ選手!」

 

 

『優勝!ルナーーーせんーしゅー!!』

 

 

『ウォォォォォォォォッ!!』

 

 

 

こうして料理コンテストは私の優勝で幕を下ろしたのでした。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「サンジくん」

 

コンテストが終わり私はサンジくんに声をかけます。

 

 

「おぉ、姉さん優勝おめでとう」

 

 

「えぇ、ありがとう。それでね、はい、受け取って」

 

私は先程受け取ったエレファントホンマグロをサンジくんに渡します。

 

 

「……なんで俺に渡すんだ?姉さんが欲しかったんじゃ…。」

 

 

「そんなわけないじゃないあなたにあげようと思って頑張ったのよ?結果的に競い会う結果になっちゃったけれどね」

 

 

「…!それじゃあこれは全部俺のためだったってのか…?」

 

サンジくんの問いに私は首を縦に降ります。

 

 

「あなたと料理対決を出来てよかった。とても楽しかったわ…。またやりましょうね」

 

 

「っ!あぁ!次はぜってえ負けねえぞ!」

 

泣き顔を必死に堪えながら言うサンジくんを私は抱き締めます。

 

大丈夫、あなたはまだまだ伸びますよ…。

 

頑張って、応援しています…。

 

私はしばらくサンジくんを抱き締めるのでした…。




あれー?ハルナにユウダチの奴どーこ行ったんだ?

ゾロ達も見てないって言うしどこだ?

次回!榛名さんの苦労話!

接触!別世界からの訪問者!

海賊王にオレはなる!

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今回出てきたお二人はこちらの作品に出ております。よければ暇潰しにどうぞ。

https://novel.syosetu.org/80139/
大本営特務課の日常

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