アーロンを倒し、無事に平和が戻ったココヤシ村。
私とナミは村の皆に別れを告げルフィ提督達と海へと旅立つのでした。
sideハルナ
こんにちは、ハルナです。
今、私は少し混乱しています…。
今まで忘れていた記憶が不意に甦ってきたのです…。
そう、確か私はアーロンに胸を貫かれて轟沈しました…。
でも、こうして私は生きています。いったいどうして…?
私が考え込んでいると船室の扉が開き中に誰かが入ってきました。
「あ、お姉ちゃん、起きたのね。どう?何か思い出せた?」
入ってきたのはナミでした。私は微笑んでナミに答えます。
「えぇ、全部思い出したわ。心配かけちゃってごめんなさい…。」
すると、ナミは安心したようにホウと息を吐いて言います。
「本当よ、もう心配かけさせないでよね?それじゃああいつらに教えてくるからお姉ちゃんも早く来てよね」
私はその言葉に小さく頷きます。
それを見てナミは部屋を出ていきました。
本当に、迷惑をかけてしまいましたね…。
私は寝間着を着替えると船室から出るのでした。
ーーー
あれから、私達は甲板にて話し合っていました。
「いやー、でも本当に良かったよ、姉さんの記憶が戻ってくれて」
「本当っぽい~」
「だな!ニシシシシッ!!」
「あはは…。その節はご迷惑をお掛けしました…。」
私は申し訳ない気持ちで謝ります…。
「まあ、なんだかんだ言って無事にハルナの記憶戻ったんだ、それでいいじゃねえか」
ゾロさん。ありがとうございます…。
「にしても、あん時のハルナ凄かったよなぁ~姿が豹変したと思ったらアーロンの奴を瞬殺だもんなぁ!」
え?私がアーロンを瞬殺した…?
「ウソップくん、その話、詳しく聞かせてくれる?」
「え?あぁ、別にいいけどよ、自分のことなのに覚えてねえのか?」
私は首を縦に降ります。
「そっか、じゃあ説明してやるよ。あれは…。」
ウソップくんが話してくれたのは私が沈んだ後の事でした…。
あの後、私は深海棲艦へと変貌していたらしいのです…。
しかも、アーロンを執拗に狙って攻撃していたとか…。
アーロンを倒した私は何をするでもなく海を見つめていたそうです…。
そこに会えない筈の姉妹、金剛お姉様達が現れたのだそうです。
お姉様達はルフィ提督に私の戻し方を伝えると消えてしまったといいます…。
お姉様…。榛名もお逢いしたかったです…。
そうして、今に至ると言うことだったそうでした…。
「そうですか、そんなことが…。」
「あぁ!ありゃ凄かったぞ!姉ちゃんのあの黒い奴スッゲエカッコ良かったしよ!」
提督、あれはそんないいものじゃないんですよ?
と、それからあれこれ皆で話し合っていると、不意にナミが思い出したように口を開きました。
「いっけない!忘れるところだったわ、みんな、これ見て!」
そう言ってナミが数枚の紙を出します。
「ん?なんだこりゃ?手配書?」
ゾロさんがそれを持ち上げて言います。
すると、紙に目を通していくゾロさんの顔が青くなっていきます…。
どうしたんでしょう…?
「なあなあ?何が書いてあんだ?」
「なんだ?おい、ゾロそれ貸せ」
「あ、あぁ…。」
ゾロさんから紙を受けとり目を通していくサンジくん。
「ま、マジかよこりゃ…。」
見る間にサンジくんの顔も青くなっていきます。
「なになに?何が書いてあるの?私達にも見せてっぽい!」
「あ、あぁ、ほら、見てみな…。」
サンジくんが皆に見えるように紙を掲げます。
私はそれを見ます。
そこには、提督の笑顔が写った手配書が…。
「えっと、なになに?モンキー・D・ルフィ、懸賞金、生死に関わらず、三千万ベリー!?」
ウソップくんが驚きの声をあげます。
「驚くのはまだ早いわ…。その後ろを見て」
そうナミが言うとサンジくんが一枚紙を捲って奥の紙を見せてくれます。
「えっと…。ソロモン・ナイトメア・夕立、懸賞金、生死に関わらず三千五百万、生け捕りで八千万ベリーだと!?」
「わ、私、賞金首になっちゃったぽい!?」
驚くのも無理はありませんよね…。私だって驚いていますから…。
「い、いや待て、まだあるぞ?えっと、これは?
アクアマリン・D・ハルナ、懸賞金、生死に関わらず四千万ベリー、生け捕りで一億ベリー!?!?なんだこれ!桁違いじゃねえか!どういうことだよこれ!」
「それだけ貴重な能力って事だろ?にしても、八千万に一億か…。こりゃヤベえんじゃねえか?」
確かに危ないですね…。このままゆっくりしてたら海軍の袋叩きにあってしまう
「そうね、もうのんびり
確かにそうですね…。あまり長居は出来ないかもしれません…。
と、そんなことを考えていると前方にボロボロの船が見えました。
私達はそれを避け、横を通りすぎます。
私達の元の世界で言うところの反航ですね。
すると、ボロ船はいきなり向きを変え私達の船に追い付いて来ました。
それを見て提督が言います。
「どっかの海賊にやられたのかな?軍艦のスクラップだ。」
「いかんな、海軍は。海にスクラップを棄てるとは…。」
「いや、あれどう見ても動いてるように見えるのは私だけっぽい?」
「いえ、夕立ちゃん、私にも動いているように見えるから安心して…。」
すると、向こうの船から人が現れると叫び出しました。
「スクラップじゃねえ!おめえらの目は節穴か!この鉄拳のフルボディを見忘れたかぁ!」
それはいつかの海上レストランでいきなり私達に砲撃してきたあの大尉だったのです。
提督も思い出したのかその人影に話します。
「あぁ!いつかの海軍のおっさん!遭難してんのか?助けてやろうか?」
それを聞いて向こうは拳を震わせています。
「ンググッ!!ふざけるな!ここで出会ったのが貴様らの運のツキだ!モンキー・D・ルフィ、ソロモン・ナイトメア・ユウダチ、アクアマリン・D・ハルナ!お前達を逮捕する!」
もう、この人鬱陶しいですね…。
「提督、この船、沈めても構いませんか?」
「ん?あぁ、いいぞ。やっちまえ!」
提督の許可はいただきました…。さて、それじゃあ…。
一暴レシマショウカ…!
「夕立ちゃん、協力してちょうだい」
「ぽい!榛名さんの頼みならなんだってやるわ!」
いい返事ね、じゃあ行きます!
「アクア・クリエイション、マリンゴーレム!」
「風造『
すると、海面から巨大な水のゴーレムが…。
そして虚空からはこちらも巨大な風の巨人が…。
私達は互いに頷き合い、叫びます。
『融合せよ!
すると、水のゴーレムと風の巨人が互いに渦を巻きながら重なり合い始めます。
やがて、二体は一人の巨大な女性へと姿を変えました。
『顕現せよ!私達の守護神!BIGセブン!ハイパーナガモン!』
そう、そこには、前世で艦隊の旗艦を勤めていた長門が立っていたのです。
『うっひょー!!スッゲェ!!カッケェなぁーー!!』
「おいおい、なんだありゃ…。なんて凛々しくてお美しい♡」
提督とウソップくんが目を輝かせて興奮している横で目をハートに代えてメロメロになっているサンジくんがいます。
『いっけぇ!!ハイパーナガモン!そのボロ船を沈めちゃって!(てください!)BIGセブンストームバズーカ!!』
ハイパーナガモンは両手を構えある構えをとると、水と風の力が合わさった攻撃をボロ船に向けて放ちました。
スドドドドォォォ!!
「ひ、ひぃ!逃げるぞ!」
『あ!待ってください船長!!』
慌てて船から飛び降りる船員と船長…。
直後、船は粉微塵に吹き飛びました。
『これにて、一件落着!!』
私達が決めポーズをとっている後ろでナミが一人頭を抱えていました。
「なんなのよ、いったい…。」
ようやく着いたぞ次の島!
あり?ここってあの海賊王が産まれて死んだ場所なのか?
うっひょー!そうと決まれば処刑台へいくぞ!!
次回!榛名さんの苦労話!
次なる島へ!ローグタウン上陸
海賊王にオレはなる!