榛名さんの苦労話   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじです!

戦艦棲姫になってしまったハルナ…。

絶望的な実力の差でアーロンを圧倒した戦艦棲姫…。

その直後現れた金剛型お姉様や霧島の助力でハルナは元の姿に戻ることに成功するが…。



新たなる船出、さらばココヤシ村

side夕立

 

ハルナさんが戻ってすぐ…。

 

私はアーロンパークを見上げていた…。

 

 

こんな所があるからハルナさんやナミちゃんがあんなことになっちゃったっぽい…。

 

そんな場所は私が吹き飛ばしてあげる!

 

 

「みんな!今すぐここから離れるっぽい!巻き込まれても知らないわよ!」

 

そう言いながら私は付近の風を操り収束させていく。

 

 

『な、何をする気だ?』

 

 

「おいユウダチ、いきなり逃げろって何するつもりだ?」

 

ゾロが訝しげに聞いてくるのを私はニヤリとしながら返す。

 

 

「今からここを吹き飛ばすっぽい、だから巻き込まれたくなかったら急いで遠くまで離れる事をおすすめするわ」

 

その言葉を聞いた瞬間みんなの顔色が変わった。

 

 

「バカヤロ!それを早く言え!!おい、早く逃げろ!巻き込まれるぞ!!」

 

ゾロが大声で周りに呼び掛けながら走り出す。

 

 

「なんだ?ユウダチ何かすんのか?」

 

 

「今はそんなこと言ってねえで早く逃げるぞ!姉さんも早くこっちへ!」

 

 

「はい、榛名は大丈夫です!」

 

 

「キャーッいったい何するつもりなのよぉ!!」

 

大慌てで離れていく一同、それを確認すると私は技を発動させた。

 

 

「『大風乱!螺旋龍!!』」

 

すると、収束させていた風が渦巻き始め、まるで龍が動いているかのように回転を始める…。

 

やがて風の龍は自らの身体を回転させながら超巨大な竜巻を作り出した。

 

巨大竜巻は真っ直ぐにアーロンパークへと向かっていき崩壊しかけていた建物をまるごと呑み込んだ…。

 

辺りは暴風が吹き荒れ、中の様子は伺えない。

 

 

 

「イッケェー!ぶっ飛ばすっぽーい!!」

 

巨大竜巻は暫くアーロンパークの中を暴れまわりやがて勢いを集約させていき、ポンッと消えた…。

 

後には何もない更地が広がっている…。

 

 

「お掃除完了っぽい!」

 

ブイサインをする私に声がかけられる。

 

 

「おーおー、派手に暴れたなユウダチちゃん」

 

 

「な、何よこれ…。アーロンパークは?」

 

 

「ユウダチ!今のスゴかったな!龍がいたぞ!龍が!」

 

 

「あの建造物をこんな更地に変えるなんて…どうやったらそんな火力が…。」

 

 

「おい!ユウダチ!あぶねえじゃねえか!殺す気か!!」

 

上から、サンジさん、ナミちゃん、ルフィ、榛名さん、ゾロが話す。

 

 

「だから最初に教えておいたでしょ?逃げ切れたんならいいじゃない」

 

 

「よくねえよ!危うく殺されかけたわ!!」

 

ウソップがマジギレしてる、こんなの本気の序の口なのに…。でも、そろそろヤバイっぽいかも…。

 

途端に身体に力が入らなくなり、私はその場に倒れる…。

 

 

「ユウダチ!?どうしたいきなり!?」

 

 

「な、なんだ?どうしたんだよ…?」

 

 

「ユウダチ!?大丈夫!?」

 

 

「ユウダチちゃん!?何処か具合でも悪いのか?」

 

心配そうに駆け寄ってくるルフィ達…。

 

 

「大技使った反動で疲れちゃったっぽい…もう身体動かないぃ…」

 

その言葉に途端に拍子抜けしたような顔をするナミ、ゾロ、ウソップ。

 

 

「大丈夫かい?そういうことなら運んでいってやるよ」

 

 

「疲れて動けねえのか?大丈夫かよそれ…」

 

 

「無理はいけませんよ?」

 

心配そうに声をかけてくれるサンジさん、ルフィ、榛名さん…。

 

私はサンジさんに担ぎ上げられるとグデ~…っと垂れてしまう。

 

それを見かねたのか帽子に風車を刺したおじさんが声をかけてきた。

 

 

「そういうことなら、一度村に来るといい。そこでしっかりと休むことだ…。」

 

 

「お、そいつはありがてえ、良かったなユウダチちゃん。休めるみたいだぞ?」

 

 

「うぅ…助かるっぽい~…。」

 

そうして、私達はココヤシ村へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村に戻るとそこは大宴会場となっていた。

 

あちこちに料理が並び島の人達が楽しそうに笑いあっている。

 

 

「お前さんも混ざりたいだろうが今はドクターの所へ行くぞ、そこの剣士のお前さんもだ」

 

 

「は~い…」

 

 

「あ?何で俺が…」

 

 

「ほらほら、早く行くよ~それ!」

 

私はゾロを風で浮かび上がらせる。

 

 

「うおっ!?クソッ!離せ!ユウダチ!!」

 

必死に抵抗するゾロ、だけど損なんじゃ逃げられないっぽい

 

 

「はいはい、それじゃサンジさん。お願いっぽい」

 

 

「任せとけ!ざまあねえなゾロ」

 

 

「クソッ!覚えてろよクソコック!」

 

他愛もない言い争いをしながら私達は風車の人の案内でドクターの所へと向かった。

 

 

 

sideout

 

 

 

 

sideナミ

 

 

アーロンをルフィが倒してから3日過ぎた…。

 

私は一人、家にいた。

 

 

「なんだ、ここにいたの?ナミ」

 

その声に振り向くと、そこにいたのはベルメールさんだった。

 

 

「うん、ちょっと考え事したくて…」

 

 

「考え事?どうしたの?話してみな?」

 

ベルメールさんの言葉に私は三日前の経緯を話し始めた。

 

 

「前にね、ユウダチがアーロンパークで大暴れしたことがあったでしょ?」

 

その言葉にベルメールさんはあぁ…と苦い顔をする。

 

 

「確かにあったね…。おかげで酷い目に遭ったわ…。」

 

 

「あはは…。その時にね、ユウダチが言ってくれたの

 

『これならナミちゃんも榛名さんも思い残すことないっぽい、だから私達と一緒にいこう?私はナミちゃんの戦友なんだから!』

 

って…」

 

 

「…そっか、良い仲間を持ったね、ナミ」

 

 

「うん、だからね、私、海へ出ようと思う…。海賊になって私の夢を叶えようと思うの…。止めないよね?」

 

ベルメールさんは目を閉じると静かに口を開いた。

 

 

「アンタが決めたことなら私は何も止めやしないよ、ハルナも行くつもりなんだろ?」

 

私はコクリと頷く…。

 

現状、お姉ちゃんは今までの記憶が変化のショックで飛んでいて私達のことは覚えてない状態にある…。

 

ただ少し時間をおいてゆっくりと休ませれば自然と記憶は戻るだろうとあのコンゴウとかいう人が言っていた…。

 

 

「なら、安心だね、ハルナがいれば私は何も心配要らないよ…。頑張ってきな、ナミ…。自分の思う通りに進んでおいで」

 

 

「っっ!!うん!……もう、行くね」

 

 

「あぁ、行ってらっしゃい…ナミ、ハルナにもよろしく伝えておいてね」

 

 

「うん!分かってる!」

 

そうして、その夜は更けていくのだった…。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

sideルフィ

 

 

「よーし!出港だ!っと、その前に荷物、全部積んだか?」

 

オレの問いにウソップが答える。

 

 

「あぁ、全部積み終わったぜ!何日もいなかったけどよ、思い出深い島だったよな」

 

 

「あぁ、ニヒヒヒヒヒッ!」

 

 

「ん?そういや、ナミさんはどうした?」

 

サンジがキョロキョロ見回してナミを探す。

 

 

「あれ?そういえばいないっぽい…。」

 

 

「来ねえんじゃねえのか?」

 

 

「この村に残る…ということなんでしょうか…。」

 

 

「いや、姉さんが来るのにわざわざ残るような人か?」

 

まあ、ナミのやつ、姉ちゃんにベッタリだったしな…。

 

 

すると、遠くの方に人影見えた。

 

 

「ん?」

 

 

「おぉぉぉぉ!!ナミさーーん!!」

 

 

「ようやく来たっぽい!」

 

するとナミは大声で叫んだ。

 

 

 

「船を出して!」

 

ん?もう出すのか?

 

 

「なんだなんだ?走りだしたぞ?」

 

 

「船を出せってよ」

 

 

「え…でも!」

 

 

「とにかくやるっぽい!」

 

船の下では村人達が何かいっているが無視だ…。

 

 

「帆を張れ!」

 

オレはゾロ達に指示を飛ばし、出港の準備をする。

 

その間にもナミは村人達の間を走り抜けてくる。

 

 

「おい、いいのか?あんな別れ方させちまって」

 

 

「いいじゃん別に、アイツが決めることだ」

 

そう、アイツが決めることに口を出すつもりはねえんだ。

 

その間にナミは跳びあがり船へと飛び乗ろうとしている…。

 

だが、飛距離が足りず。後、数歩届かない…。

 

 

「折角の機会に海に落ちるなんてしてほしくないっぽい『操風、風力操作!』」

 

すると、ナミの身体が浮き上がり、無事に船の上へと降り立った。

 

 

「サンキュー、助かったわユウダチ」

 

 

「ぽい!」

 

互いにサムズアップする二人…。

 

ナミはその後すぐ自身の服に手をかけると…上に上げた…。

 

すると、その中から財布がボトボト落ちてくる。

 

それを見た村人達は慌てて自身の懐を探る

 

 

『しまったー!あの野郎俺達の財布を盗みやがった!』

 

なんだアイツやることかわらねえじゃん。

 

 

「みんなー!行ってくるー!!」

 

こうして、オレ達の旅に改めて姉ちゃんとナミが加わり、

 

オレ達はまた冒険にでかけるのだった。

 

 

「いくぞ!野郎ども!出港だーー!!!」

 

 

目指すはグランドラインだ!!




おまけ♪

あの後、盗んだ財布は無事、村人達へと返されたそうです。


「盗むのは駄目っぽい…。返却よ」


「えぇー…ユウダチのケチ」

こうしてユウダチの計らいで村人達はお金を取り戻したのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



改めて海にでた私達、そこにいつかの海上レストランで醜態を晒した海軍の大尉が襲ってきた

大尉が襲ってきた理由はとんでもないもので…。

次回!榛名さんの苦労話!

世に知れ渡る名前!賞金首になった三人!

海賊王にオレはなる!

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