榛名さんの苦労話   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじよ!

アーロンに攻撃仕掛けてしまったことでアーロンの怒りを買ってしまったウソップ

必死に逃げ回るも最後はあっけなく魚人たちに捕らわれてしまった。

一方ハルナさんは自宅でこれまでの経緯を聞いていた。

一方のルフィは突如海中から現れた怪獣をぶちのめしていた...。


ウソップを守れ!ナミの奔走!&ルフィ、ココヤシ村到着!

sideナミ

 

私は一足早くアーロンパークに戻り、様子を見ていた。

 

お姉ちゃんはまだ家にいる。

 

中ではウソップが捕まっており特徴的な長鼻にナイフを突きつけられている。

 

そんな中幹部の一人、クロオビがこんなことを言い出した。

 

 

「前から思っていたんだが、ハルナは本当に信用できるのか?」

 

 

「どういうことだ?」

 

クロオビはおもむろに話し出す。

 

 

「アーロンさん、こうは考えられねえか?

アンタの首を獲るためにハルナがゾロを侵入させたと...」

 

何言ってんのかしら?お姉ちゃんなら態々ゾロを差し向けずとも一人でアーロンを殺れるってのに...。

 

 

「言われてみれば確かにハルナの態度は変だった」

 

 

「あぁ、捕まえたゾロを解放しろとか言い出したし」

 

 

「おまけに水人形まで作って長鼻も解放しろって言ってきやがったしな」

 

アンタたちも対外馬鹿ね...。お姉ちゃんは人に死んでほしくないからそうやっているだけなのに...。

 

クロオビはなおも続ける。

 

 

「裏切りはあの二人の十八番だ、十分に可能性はある。」

 

もう聞きづてならないわ!

 

私は様子見を止め、アーロンパークへと入っていく

 

 

「いい加減にして!」

 

そう大声で言うと魚人たちが一斉に私の方を向いた。

 

 

「勝手な推測で話を進めないで」

 

 

「......ナミ」

 

ウソップが何か言ってるけど無視、今はそれよりも重要なことがある。

 

 

「口を慎むのね、私達が裏切者ですって?」

 

歩きながら私は続ける。

 

 

「私達がこの一味であることは十年前...。」

 

私左腕についている刺青を叩いて言う。

 

 

「この刺青に誓っているはずよ?」

 

 

「だが、事実ハルナはゾロを逃がした。それにそこの長鼻も逃がせと言ってきているんだ、疑う余地は十分にある」

 

 

「そういうことは本人に直接言うのね、そんなこと言った日には海の藻屑でしょうけどね」

 

そういうとクロオビは押し黙る。

 

そんな度胸もないくせによくそんなことが言えるわよね...。

 

 

そこまで言うとアーロンは不敵に笑いながら言った。

 

 

「...フフ、ハハハ、スマンスマン、ナミ、お前が起こるのも当然だ。

だが安心しろ、俺はお前たち二人の事をこれっぽっちも疑っちゃいねえ。

オレとお前達は十年の付き合いだ...。疑うなんてことはしねえさ」

 

 

「...なら、いいけどね」

 

そう言いつつ私は心の中で安堵していた。

 

私の安堵を他所にアーロンたちはウソップをどうするかを話し始める。

 

 

「それじゃあこの長鼻はどうする?」

 

 

「解放してやれ、下手にハルナに逆らって怒りを買うのは避けたいからな...。

だが、無傷でというのは性に合わねえ、死なない程度に痛めつけてあの腹巻にでも帰してやれ、ナミ、あの腹巻の居場所は分かるか?」

 

 

「アイツならコイツが捕まってること聞きつければ血相変えてやってくるわよ」

 

 

「そうか、ならこちらから探す手間が省けるな...。」

 

そういうとまた話し始める。

 

私は小さくため息を吐くとチラリとウソップの方を見て目を見開いた。

 

ウソップはパチンコを構えてアーロンに狙いを定めていたのだ。

 

 

なんで邪魔をするの!もう直ぐ全てが上手くいくのに!

もうすぐ!

 

私は棍を手にウソップを殴りつける。

 

 

「ぐはぁ!...ぁ...てめえ!やろうってのか!」

 

折角解放してくれるって言ってるのに手を出そうとするやつが何言ってるの?

 

 

「邪魔なの、あんたが悪いのよ?アーロンに手を出したりするから」

 

 

「ナミ、お前にはがっかりしたぜ!ハルナもそうだ!ルフィはな!お前達が船を盗んで逃げた後も、これっぽっちもお前たちを疑わなかったんだぞ!今だって完全に信じてる!そんな奴をよくも平気な顔して騙せるもんだな!」

 

そうなんだ、まだ信じてるなんてバカみたい...。

 

 

「私が信じてるのはお姉ちゃんとお金だけよ、騙される方が馬鹿なのよ...。」

 

 

「んだとコラア!」

 

私は黒帯の手からナイフを奪い取りながら言う...。

 

 

「...何事もなく事は運ぶはずだった...。

アンタ達は私達二人の十年間のビジネスを無駄にしかねない...。

だからせめて、私の手で消してあげる」

 

その言葉にウソップは固まる。

 

 

「けす...?ハハハハ!お前がオレを?笑わせんな!」

 

 

「私を、甘く見ないことね...。」

 

 

「っ!?必殺!煙星!」

 

不意にウソップが煙幕を放った。

 

見え透いた手ね...。あんたの考えることは分かるわよ。

 

私は水門近くまで歩み寄るとそこでウソップを待ち受けた。

 

やがて足音が聞こえてくるとその人物に向かって声をかけた。

 

 

「アンタが考えそうなことね、フンッ!」

 

私はそう言いながらウソップの腹部に思いっきりナイフを突き刺した。

 

 

「っ!ナ...ミ...」

 

 

「私達のビジネスの為よ、こうするしかなかったの...。」

 

 

「ナ...ミ...てめえ...」

 

私はナイフを引き抜く。

 

 

「大人しく死んで...。」

 

 

「ァ...ァ...」

 

 

バシャーン!

 

水底に沈んでいくウソップ。

 

私はそれを無機質に見つめるのだった。

 

それを物陰から観察している者がいるとも知らずに...。

 

 

sideout

 

 

 

side夕立

 

 

やっほー夕立だよ。

 

今私達は襲ってきた怪獣に船を引かせてるの。

 

 

「おぉー!見えたぞ!アーロンパーク!」

 

 

『ンンン...』

 

怪獣の様子がおかしいのよね...。

 

 

「コォラ!暴れるなウシ!」

 

 

「やっぱりあれっすよ、サンジの兄貴の蹴りが聞いてるんすよ」

 

 

「この様子だと確実にそれが原因っぽい...」

 

すると、怪獣が突然進路を変えた。

 

 

「おい!違うぞもっと左だ!あの建物だぞ!」

 

 

『ンンンンン~......』

 

声が聞こえていないのか怪獣の進路は全く違う方向へと進んでいく。

 

そして迫りくる巨大な岩肌

 

 

『いいっ!?』

 

「ぶつかるっぽい!!」

 

ドゴォォォォンッ!!

 

怪獣は勢いよく岩肌に激突、引かれていた船はその勢いに乗せられ勢いよく宙を舞う

 

 

「おほぉー!」

 

 

「ひぃっ!」

 

 

「いいっ!!」

 

 

「きゃぁぁぁぁ!!」

 

私は悲鳴を上げるしかない

 

 

「おぉー!!まるで空飛んでるみたいだ!」

 

 

「みたいじゃないっす!!」

 

 

「ぶっ飛んでんだよ!このバカ!」

 

 

「そんなことよりこれどうするつもりっぽい!?」

 

徐々に高度が下がり始める船...。

 

 

ズズズズズズズズズッ.........!!

 

 

地面に着地した後も勢いよく滑り続ける船。

 

 

その向かう先には何故かゾロ...。

 

 

「よぉっ!ゾロ!」

 

 

「ゾロ!危ないから早く退いてぇ!!」

 

しかしゾロが避ける暇なく船はゾロを巻き込み滑り続ける。

 

 

そして本日二度目の岩肌が見えてくる。

 

 

「ちょっ!どうすんだよこれ!」

 

このままだとゾロが叩きつけられちゃうっぽい!

 

私は能力を発動するため技を唱える。

 

 

「操風『風玉』」

 

すると船と岩肌の前に風の大きなクッションが構築される。

 

船はそこに見事に激突...。

 

 

ブスゥゥゥゥゥ...!

 

空気が抜ける音と共に船の勢いは止まった。

 

 

「はぁー着いた着いた」

 

確かについたけど...。

 

 

「ゾロ、大丈夫っぽい?」

 

私は巻き込まれたゾロに声をかける。

 

 

「あぁ、なんとかな...助かったぜ夕立

ってかルフィ!お前なんて登場の仕方しやがる!

危うく殺されかけたじゃねえか!」

 

 

「なにってナミと姉ちゃんを連れ戻しに来たんだよ。まだ見つかんねえのか?

そうだ、そういやウソップとジョニーはどうした?」

 

そこでハッと思い出したようにゾロが顔を上げた。

 

 

「ウソップ!こんなとこで油売ってる場合じゃねえ!」

 

慌てて走り出そうとするゾロ

 

 

「え?どうしたのそんなに慌てて」

 

 

「あの野郎、今アーロンに捕まってやがんだ!早くいかねえと殺されちまう!」

 

 

え!?そんな切羽詰まった状況だったの!?

 

 

「殺されました...。」

 

不意に別の声が聞こえ私達はそちらを見る。そこには息を切らしたジョニーがいたの。

 

この後私達はジョニーの言葉に衝撃を受けた...。

 

 

 

 

 

 

 

「もう手遅れです...。ウソップの兄貴は死にました...。殺されたんです...!

ナミの...!姉貴に!!」

 

 

 




ジョニーからウソップが死んだことを聞かされる俺達、そんな中ある人物が俺達の所にやってくる。

次回!榛名さんの苦労話!

夕立激怒!現れる謎の影

海賊王にオレはなる!

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