ベルメールからハルナの過去を聞いたウソップくん。
その内容は暗く悲しい物だった...。
その頃ハルナはアーロンパークに向けて足を進めているのでした。
side榛名
こんにちは、ハルナです。
今私はアーロンパークに向かっています。
目的地はも目と鼻の先...。またあの憎たらしい顔を見なくてはならないんですね...。
目的地に近づくにつれてどんどん憂鬱になります...。もうこのまま沈んでしまえたらたら楽ですのに...
そうこうしている間に目的地に到着しました。私は中に入っていきます。
「今戻りました...。」
「おぉ、ハルナようやく帰ったか、遅かったから心配したぞ?」
帰投早々の第一声がアーロンだなんて...不幸ですね。
「少しやることがあったものですから...それで?あの方は?」
私は縛り上げられなぜかずぶ濡れのゾロさんの方を見ます。
「あぁ、なんでもお前とナミを連れ戻しに来たらしい...。馬鹿な奴だ。自分たちが騙されているとも知らずにな」
さっきなんか自分から海に飛び込んでやがったんだぜ?と、話すアーロンを無視して私はゾロさんに近づきます。
「ハルナ...まさかお前まで海賊だったとはな...」
ギロリと凄い形相で睨みつけてくるゾロさんを私は笑い飛ばします。
「私が海賊だったらどうだというんですか?あなた方はそれを見抜けなかった...
自分たちの落ち度じゃないですか?」
その言葉にゾロさんの表情が更に険しな物になっていきます。
私は顔を逸らしアーロンに問いかけます。
「この人はどうするつもりですか?」
「あぁ、ソイツならナミが後で始末するから牢屋にぶち込んでおくつもりだ...。」
なるほど、ナミ。それならこうしたほうが早いですよ?
「そうですか、じゃあこの人を解放しなさい」
その言葉に一味全員が唖然として静まり返ります。
「おい、副船長。何を言い出すつもりだ?せっかく捕まえたのにミスミス逃すつもりか?」
「そうですがなにか?」
真顔で私が帰すと一味の幹部の一人、クロオビが私につかみかかってきました。
「ふざけるなよ?人間の分際で魚人の俺達に指図する気か?」
「・・・そういう台詞は私に一撃で見入れてから言いなさい」
私がそう言った直後、クロオビの身体がふわりと浮き上がりました。
私が捕まれた腕ごとこの人を持ち上げたからです。
私は持ち上げたクロオビが逃げられないように腕をがっしりと掴むと何度も何度も地面に叩きつけます。
「ガッ!アガッ!グハァッ!」
白目をむいて倒れているクロオビですが、私は無視して叩きつけ続けます。
「もうそのあたりにしてやれ...クロオビが死んでしまう」
アーロンの制止が入り、ようやく私は叩きつけるのを止めました。
気絶したクロオビを下っ端に渡し、私は再びアーロンに問いかけます。
「それじゃあ、この人は開放しますがよろしいですね?」
その言葉にアーロンは渋々ながら頷きました。
「分かった...。解放してやる...」
その言葉に私は頷いてゾロさんの方に近寄り縄をほどきます。
「どういう風の吹き回しだ?」
ゾロさんが不審そうに聞いてきます。
「そうですね、どういうことかと言われたら...こういう事です!」
気合と共にゾロさんの腹にパンチを叩き込みます
「なっ⁉ガハッ!」
さらに勢いをつけて私はゾロさんを殴り飛ばします。
勢いよく空中に打ち上げられるゾロさん。
そのまま空高く飛んで行き空の彼方へと消えていきました。
「ッ!?」
後ろでナミが息をのむ声が聞こえます。
私はチラリと後ろを向くと口パクでナミにだけ伝えました。
『大丈夫よ...』と...。
それを確認したのかナミは不安そうな顔はなくなっていました。
「・・・さて、俺は少しココヤシ村の方に顔でも出してくるか」
そういうとアーロンは部下を引き連れてアーロンパークを出ていくのでした。