お店を壊したこととオーナーさんにケガをさせたことでレストランで雑用をすることになったルフィくんと夕立ちゃん。
そんな中、副料理長であるサンジは這うr名を見つけ夕立に問いただします。
榛名が店に来たことを知ったサンジはオーナーであるゼフと共に再開のあいさつを交わしたのでした。
一方榛名は、ナミから聞かされた情報で一味から抜けることを決意します。
ちょうどうまく現れた首領・クリークを利用して悪を装い、ルフィたちから離れココヤシ村へと向かいました。
side榛名
ルフィ君たちと別れてから私達は二人きりで海の上を走っています。
「.........」
「.........」
特に会話がされるわけでもなく、聞こえてくるのは波の音のみ...。
気まずい...という訳ではありませんが、ナミは大丈夫か心配になります...。
「そう言えばさ...」
不意にナミが話しかけてきました。
「初めてルフィに会った時もこんな天気だったわよね」
「え?そうだったかしら...」
ナミに言われて私は空を見上げます。
「確かに、言われてみればそうね...」
「あの時、お姉ちゃんとはぐれちゃって一人でバギー一味のアジトに乗り込んで海図を盗んだら見つかっちゃって追いかけまわされていた時にルフィが空から降って来てね」
「空から?またどうして...」
「さあ?大方、鳥でも獲ろうとして逆に捕獲されちゃったんでしょ」
「あぁ、あり得そうね...」
ルフィ君て、頭悪いから...。
「それでその後ルフィを囮に使って逃げたのよね、確か...」
道理で私が駆け付けた時に顔を出すのが早かったわけですね。
「あの時は本当に驚いたわ。ルフィがお姉ちゃんを『オレのだ』なんて言い出すんだから...」
「それで私の取り合いになったんですから...」
取り合われる方の身にもなってほしいです...。
「あれはルフィが悪いのよ!まあいいわ、あの後のバギーとの戦いの時は...」
ナミがチラリと私を見てきて私は苦笑します。
「あはは...あの時の事ね、反省してるわ...やり過ぎでした...。」
「まあ、私は楽にお宝が盗めたからいいんだけどね?」
それならいいじゃないですか。
「ルフィもそうだけど、ゾロもゾロよね。まさかあの海賊狩りが海賊になっちゃってるんだから驚きよ。」
そういえば、とナミは此方を見て聞いてきます。
「お姉ちゃんってゾロとあまり話してないわよね?」
「えぇ、そうね...」
「なんで?仲悪くはなかったはずよね?」
コクリと頷いて私は答えると、
「ゾロさんはいつも寝てしまっているからなかなか話す機会が無くって...」
あー...とナミが納得したように頷きます。
「確かにアイツ船の上では寝てることの方が多いわね」
「そうなの、だからあまり話せてないの。仲が悪いとか嫌いという訳じゃないのよ」
「そっか...。それじゃあウソップは?」
「ウソップくん?」
「そ、よくルフィと三人で話してる時にフラッとしてるじゃない?お姉ちゃん」
あぁ、確かにありますね...。
「別に嫌いじゃないですけど、頭の悪さに頭痛を覚えるわね...」
あの二人との会話は私の身がもちません...。
「アイツも面白い奴だったけどあのビビりっぷりがあまりいただけないわね。
射撃の腕は確かなのに...。」
「そうね...」
「良い奴らだったな...。今度会ったら、また、仲間に入れてくれるかな?」
「ナミ...」
そう話すナミの顔は涙であふれていました。
「また会えるかな...」
私はそっとナミに近づき抱きしめます。
「!...早く自由になりたいよ...!お姉ちゃん」
私の腕の中で、涙で顔を濡らすナミは悲痛な声を上げます。
私は優しく、ただ優しくナミを抱きしめ撫でながら言います。
「大丈夫、あなたは絶対に大丈夫。きっと自由になれるわ...」
どんなことをしてでも、あなたとココヤシ村...両方を自由にしてあげる。
私自身がどうなろうとも...必ず...。
「さあ、行きましょう...ココヤシ村へ」
「...うん」
私達は再び舵を取り、ココヤシ村へ向けて出発するのでした。
sideout
side夕立
ヤッホー、夕立だよ。
今私の前には変な格好の盾男がいるの。
「はははははっ!鉄壁、よって無敵。クリーク海賊団、鉄壁の盾男!
パールさんとは俺の事よ」
なんでこうなってるのかはまたまた超がつくほど簡単に説明するっぽい。
・榛名さんが出ていってすぐにクリークは息を吹き返したの。
・クリークは榛名さんに大激怒!だけど榛名さんがいないことに気が付くと、この船を奪い取るって言いだしたっぽい。
・ご機嫌斜めなクリークは百人分の食料を渡せと命令してくる。オーナーさんが食料を渡しちゃったの。
・受け取った食料を手下に食べさせたクリークが手下たちと共に船に襲い掛かろうとした時、クリークの乗っていたガレオン船が真っ二つに斬られて沈没したっぽい。
・船を斬ったのはゾロの探している人物、鷹の眼の男だった。ゾロは鷹の眼に勝負を挑むが軽くあしらわれ大けがを負ってしまう。
・ゾロに激励をとばすと、鷹の眼は満足したといって帰っていった。
・ゾロ、ウソップ、ジョニー&ヨサクはナミとハルナを連れ戻すべくメリー号を追いかけるのだった。
・遂に始まったコックVS海賊たちの大乱闘の最中、突如現れた盾男がコックの二人を倒してしまったっぽい。
それで、最初に戻るっぽい。
「変なカッコ...カッコ悪いっぽーい」
私はパールと呼ばれた盾男に言う。
「キミには分からないと思うよ~ぉ。なんたって、すぐに僕に倒されるんだからさ」
・・・ちょっとイラッと来たっぽい。
「そうなんだ、じゃあ試してあげる。」
そう言うと、私の周りを風が取り巻きはじめる。
これが私の初の能力戦って訳ね!
「さあ!クリーク海賊団に悪夢、見せてあげる!」
「何をするつもりか知らないけど終わりだよ~ぉ!」
盾男が何かを投げてくる。が、それは取り巻く風によって私にまで届かない。
「そんなちゃちな物じゃ今の私には通じないわ!喰らえ!『風魔螺旋弾』!」
すると、私の周りの風が渦を巻いて小さく圧縮されていき、やがて幾つかの手のひらサイズの小さな玉になった。
その複数の球は乱回転しながら私の手元で渦を形作っている。
スッと手を振った直後の事だった。
剛速球で盾男に向かって飛んで行った風球はいとも簡単に盾男の盾にひびを入れた。
「ごっふぅ...!?」
予想だにしていなかった衝撃に盾男は体をくの字に曲げて吹っ飛んだ。
「はぁ...はぁ...ヤバいぞ...こいつは危険だぜ...」
カーン!カーン!カーン!カーン!
両手に持つ盾を叩き合わせ始める盾男。
いったい何を始めるつもりっぽい?
「身のキケーン!身のキケーン!身のキケーン!!」
すると、盾男の身体が燃え始めた。
「!?!?何あれ...」
全身を炎で包んだ盾男は何かを叫び出した。
「ファイヤーパール!大特典!!!」
瞬間、炎が辺りに飛び散り始めた。
「うぁちちちちちちっ!!」
ルフィに火が燃え移って走り回ってるっぽい。
「燃えろ!この炎と炎の盾で、俺はもう鉄壁だ――!!」
うーん、このままじゃお店が燃えちゃうっぽい。
「熱いしうっとうしいから終わりにしてあげる!『風乱 竜巻鎌』!!」
すると辺りの空気が渦を作りだし、炎を消し去りながら巨大な竜巻に姿を変える。
「みんなまとめて切り刻んじゃって!いっけーっぽーい!!!」
巨大な竜巻はまっすぐパールたちの方へと向かっていく。
「や、やめろ!来るんじゃねえ!」
炎に包まれた弾丸を竜巻に打ち込むが、竜巻は勢いを衰えることなく進んでいき、パールを呑み込む。
竜巻に呑まれたパールは風の勢いに押されて炎を消され、自慢の盾は紙を切るかの如く無残に切り裂かれていく。
パールを呑み込んだ竜巻は、その後も続々とクリークの手下たちを呑み込み切り裂いていった。
「ふう、このくらいでいいかな?」
私がスッと竜巻に手を向けると、竜巻は何事もなかったかのように消え去った。
「さあ、あなたの手下はもうほとんど居ないけどどうする?」
私は挑発的な笑みを浮かべて首領・クリークを見るのだった。
武蔵だ...。
今回は、榛名達視点と夕立視点の二視点からの展開だったな。
ナミ達の抱える問題...。
ルフィたちが迎え撃つ敵...。
どちらも難題だ。だが、貴様らなら乗り越えられるだろうと信じているぞ!
夕立よ、ハルナの思い...無駄にはするなよ?
次回は、そうだな
ココヤシ村に到着した二人は真っ先にある場所に向かう。
そこである人物と再会を果たす。
一方、ルフィたちは夕立に味方のほとんどをやられ、激怒するクリーク。
そこにクリーク海賊団の切り込み隊長、ギンが勝負を挑んでくる。
次回、サンジVSギン!ハルナ、ココヤシ村到着!
だ、そうだ。良ければ見てやってくれ...
ではな...