榛名さんの苦労話   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじです!

道中で出会ったヨサクさんとジョニーさんの一件でコックを探すことになった麦わらの一味。

コックを探すために二人の案内のもとバラティエへとやって来た私達

しかし絡んできた海軍の流れ弾でお店のオーナーに大けがを負わせてしまいました。

償うためにルフィくんと夕立ちゃんは雑用として働くことになります。

これからどうなってしまうのかしら?


さようなら、みんな…ナミとハルナまさかの離脱!

side夕立

 

ヤッホー!夕立だよ。

 

今私とルフィはレストランで働いてるんだけど、前回から少し時間が経っているっぽい。

 

だから、私が超がつくほど簡潔にまとめて説明するっぽい。

 

 

・大尉が捕えていたクリーク海賊団の一人が脱走してレストランにやって来た。

 

・パティさんがその海賊をぼこぼこにしてお店の外に放り投げたっぽい。

 

・副料理長さんが料理をその海賊に食べさせて逃がした。

 

・ルフィが副料理長さんに目をつけて、仲間にしようとスカウト中っぽい。

 

 

というのが今に至るまでに起きた出来事っぽい。

 

それで今は...

 

 

「新入り!料理上がったから持っていけ!」

 

 

「はーい!」

 

 

「あ、ウエイトレスさん、ちょっといい?」

 

 

「あ、は-い!今行きますー!」

 

もう、目が回るっぽい~...

 

とりあえず料理運ばなくちゃ。

 

 

「おまたせしました。お料理になります。」

 

 

「ありがとう」

 

 

「ごゆっくり~」

 

は、早く終わって~!!

 

その間ルフィは...。

 

【ガシャーン!ガシャーン!】

 

 

『お前は何枚皿を割ったら気が済むんだ!』

 

怒られてるっぽい...。

 

と思ったら厨房から摘み出されたみたい。

 

ルフィに注文なんかさせて大丈夫っぽい?

 

 

「ウエイトレスさーん!」

 

あ、呼ばれたっぽい。

 

 

「はーい!」

 

注文を聞いてキッチンにお願いしてから私はまたルフィの様子を見る。

 

あ、お客さんに絡まれてるっぽい...。

 

いったいなにしたっぽい?

 

物を運びながらそれとなく見てみる。

 

なんだ、榛名さん達だったっぽい。

 

 

「お待たせしましたー」

 

 

「あぁ、ありがとうねウエイトレスさん」

 

 

「いえいえ、ごゆっくりどうぞ~」

 

あ、ゾロに何かされてる...。何したの?いったい。

 

皆を観察してたら急にやってきた副料理長さんに、私はどこかに連れ込まれてしまったっぽい。

 

 

「なあ、新人ちゃん。あの席に座っているお姉さんたちはいったい誰なんだ!」

 

鬼気迫る顔で詰め寄って来て怖いっぽい...

 

 

「えっと...ハルナさんとナミの事っぽい?」

 

 

「そうそう、ナミさんにハル…ナ?おい!それは本当か!」

 

ガクガクと私の肩を揺らす副料理長さん。

 

 

「ゆ、揺らさないでっぽい~...」

 

 

「あ、悪い...」

 

そう言って手を離してくれる副料理長さん。

 

あー...頭がくらくらするっぽい...。

 

いつの間にか副料理長さん、榛名さんのとこに行っているし...。

 

もういいや、とにかく仕事するっぽい!

 

私はホールに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく時間が経って。

 

 

「はぁ~...ようやく終わったっぽい」

 

 

「おう、お疲れさん。よく頑張ってたな新人ちゃん」

 

副料理長さんが声をかけてくる。

 

 

「ありがとっぽい...疲れた~...」

 

 

「ははは、まあ新人にはかなりキツいだろうな。まあ俺も出来る限り助けてやるから頑張ってくれよ」

 

 

「はーい...」

 

早く慣れないと死んじゃうっぽいよぉ... 

 

 

「あぁ、そうだ。新人ちゃん、ちょっと頼まれてほしいことがあるんだけど」

 

 

「え?」

 

 

「お前のとこの船にハルナって人いるだろ?ほら、昼間に食いに来てた...」

 

 

「あぁ、うん、分かるっぽい」

 

 

「その人をちょっと連れてきてほしいんだ。オーナーと三人で話があるから」

 

榛名さん、なにかしたっぽい?

 

その言葉に私は頷いて船に戻っていった。

 

 

sideout

 

 

 

side榛名

 

 

私は甲板で空を見上げていました。

 

ルフィくんに夕立ちゃん...大丈夫でしょうか。

 

何か問題を起こしてないと良いんですけど...。

 

すると、背後から声がかけられました。

 

 

「榛名さん、ここにいたっぽい?」

 

その声に振り向くと、そこに夕立ちゃんがいました。

 

 

「夕立ちゃんじゃない、どうしかたの?」

 

 

「えっと、副料理長さんとオーナーさんが、榛名さんを呼んでるっぽい」

 

その言葉に私は疑問を覚えました。

 

ルフィくんでも夕立ちゃんでもなく私...?

 

 

「分かったわ。行ってみるわね」

 

私は夕立ちゃんと別れ、オーナーさんの部屋に向かいました。

 

 

 

 

 

 

言われた通りオーナーさんの部屋に来て、私が呼ばれた理由がわかりました。

 

 

「久しぶりだな、娘」

 

 

「えぇ、十年ぶりですね。ゼフさん」

 

 

「ほう、よく一発で分かったな...」

 

シルエットが特徴的ですからね。

 

 

「貴方のそのお髭を見れば直ぐに分かります。そられてしまっていたら分からなかったかもしれませんけど」

 

 

「へっ!きっぱり言いやがって。でも、おめえ、随分成長したな」

 

 

「十年ですからね、私だって成長しますから...」

 

 

「時が経つのは早えもんだ...」

 

 

「えぇ、本当に...」

 

と、そこで私はサンジくんを見て言う。

 

 

「それにしてもサンジくん、大きくなったわね。前に見た時はこぉんな小さかったのに...」

 

 

「それは姉さんも同じだろ?あの頃から綺麗だったのにまた一段と美しくなりやがって...」

 

あら、殺し文句言われちゃいました。

 

 

「そんなことが言えるようになるなんて嬉しいわ...。お礼に御褒美あげますね。」

 

私はそっとサンジくんに近づいてぎゅっと抱きしめます。

 

 

「なっ!?い、いきなり何すんだ!」

 

慌てふためいてるサンジくんを他所に私は別の事を考えていました。

 

もうこれが、最後の再会になるのでしょう...。と

 

その後はゼフさんやサンジくんと雑談をしてその日は終わりました。

 

 

 

 

 

船に戻ると甲板にナミがいました。

 

 

「あ、お姉ちゃん、帰って来たんだ...」

 

 

「えぇ。どうかしたの?暗い顔して...」

 

いつもと様子がおかしいです。これは何かありましたね...。

 

 

「アーロンがね、また暴れ出したらしいの...。ここ最近は大人しかったのに」

 

 

「え?!アーロンが?」

 

予想だにしていなかったもので、驚いてしまいました。

 

 

「そう...もうそろそろ潮時かもしれないわね」

 

こくりと頷くナミ。

 

 

「ナミ。辛いかもしれないけど、出ていく準備だけはしておいてね」

 

 

「うん...わかってる」

 

もう楽しい時間は終わりなんですね...。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

翌晩のこと。

 

 

私はまた、甲板から空を眺めていました。すると...。

 

 

「お嬢さん、そんなとこにいないでこっちで一杯どうだい?」

 

見ると、サンジくんが向こうの船から声をかけてくれていました。

 

私は船を移り、サンジくんの元へと行きました。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・何か悩み事か?」

 

 

「え?」

 

急にサンジくんがそんなことを聞いてきて私は驚きます。

 

 

「どうしてそう思うの?」

 

 

「悩みでもなきゃそんな泣きそうな顔はしねえだろ?」

 

 

「え!嘘っ!?」

 

私は急いで顔を隠します。

 

サンジくんは特に気にすることなく話し続けます。

 

 

「一人で抱え込むのはご立派だけどよ、辛いんなら誰かを頼ってもいいんじゃねえか?」

 

 

「い、いったい何を言っているの?」

 

 

「強がんなくても良い。今だけは泣いてもいいと思うぜ?」

 

それを聞いて私はもはや自身の感情が抑えきれなくなってしまいました。

 

 

「うぅ...グスッ...」

 

 

「俺に話してみろよ...。何か協力できることもあるかもしれねえ」

 

私は聞く姿勢をとったサンジ君の腕の中で、泣きながらポツリポツリと話しました。

 

その間サンジくんは黙って聞いてくれていました。

 

その顔が憤怒に歪んでいたことを知らずに...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると、そこは知らない部屋でした。

 

 

「ここは...」

 

私は確か、サンジくんと飲んでいて...

 

そこまで思い出して、私は顔が熱くなるのを感じました。

 

どうしてあんなことを...

 

悶々と悔やんでいると、机の上に書置きがあるのを見つけました。

 

 

「書置き?」

 

私はそれを手に取って読みます。

 

 

『俺は先に仕事に行ってるから、起きたら店に降りてきてくれ。

何か飯作るから...』

 

その後に書いてあることを読んで、私は驚愕しました。

 

 

『寝顔、とても可愛かったぜ』

 

年下の胸を借りて泣いて、泣き疲れて眠っちゃったなんて...

 

凄く恥ずかしいですね...。

 

私は顔の熱が引くのを待ってから部屋を出てお店に降りていきました。

 

お店に降りると、中では騒ぎのようなものが起こっていました。

 

騒ぎの中心を見てみると、そこにはあの男が居たのです。

 

どうしてあの男がこの船に...?

 

その男はサンジさんが作ったであろうご飯を素手で食べていました。

 

ですが、ご飯を食べ終えて態度が一変したのです。

 

食べ終えた右手が振りかぶられるのを見た私は、即座に能力を発動させました。

 

 

「させません!アクア・ボール!ウォータースネーク!」

 

すると水の蛇がその男に絡みつき動きを拘束しました。

 

 

「やはりそう来ましたか。海賊艦隊提督、首領・クリーク」

 

クリークが私の方を睨みつけます。

 

 

「くっ!こんな物!すぐに破壊して...!なっ!外れん!!」

 

クリークは水蛇の拘束を取ろうともがきますが、それは無駄なあがきです。

 

 

「無駄です。貴方程度の力ではその拘束は解けませんよ」

 

さて、どうしましょうか...。

 

 

「首領・クリーク。あなたは東の海最強の海賊と言われていますが、私は全くそうは思いません」

 

 

「なんだとぉっ!!」

 

 

「さらに言えばあなたが提督などと呼ばれること自体がおこがましいです。

貴方は海賊を寄せ集めただけで戦い方は奇襲やだまし討ちと、やることは卑怯そのもの。そんな男を誰が提督だと認めますか?」

 

 

「このっ!小娘風情がぁ!!オレを舐めてんじゃねえ!」

 

 

「自分の無能さを認めないこの性格の悪さ。あなたはここで始末しておいた方がいいかもしれませんね...。アクア・ボール」

 

私はそう言って海水の水球を作り出します。

 

 

「ま、待て!何するつもりだ!」

 

 

私の行動を見て慌て始める首領・クリーク。

 

 

「なにってあなたに言う必要がありますか?これから死ぬのに...」

 

それを聞いて、首領・クリークの顔は青ざめていく。

 

 

「や、止めてくれ!俺が悪かった!もう何もしない!だから!」

 

 

「もう遅いですよ?貴方はそれだけの事をしたんですから報いを受けるべきなんです。それ...」

 

そう言って私は先程作った水球をクリークの顔に被せました。

 

 

 

「ガバババガボボボボッッ!!」

 

拘束されて身動きの取れないクリークは必死にもがきます。

 

でも全身を拘束されていては抵抗など出来るはずもなく。

 

 

「ガバババガボボボボッ...!!」

 

 

「も、もう止めてくれ!ドンが死んじまう!」

 

部下の男がそう言いますが私は止めません。

 

 

「いやですよ、この男はここで息の根を止めておかなければ、きっとこの船を奪うとか言い出すでしょうから」

 

 

「で、でも!」

 

 

「止めろ!姉ちゃん」

 

いきなりルフィくんが口を挟んできました。

 

 

「ルフィくんは少し黙っていてください...あなたも同じ目にあいたいの?」

 

私は、ハイライトが消えているだろう目をルフィくんに向けます。

 

 

「ひっ!...でも、いやだ!今すぐやめろ!」

 

 

「あなたの話は聞いていませんから黙っていなさい...。」

 

私はルフィくんに冷徹な口調で言いきります。

 

 

「いやだ!オレは姉ちゃんが止めるまで止めねえ!」

 

 

「そんなことを言っても私は止めませんよ?あら?」

 

見ると、クリークはもう殆ど死にかけの状態でした。

 

これはもう気絶していますね。

 

 

「死にましたね。これでようやく東の海も恐怖におびえなくても済みますね」

 

 

「首領・クリークゥゥゥゥゥ!!!」

 

泣き叫ぶ、クリークの部下。

 

 

「ハルナァァァァァ!なんで殺した!殺す必要はなかっただろ!」

 

 

「何を言ってるの?殺す方がいいに決まっているわ。どうせ海軍に捕まれば処刑される運命なのだから。今殺すか捕まって死ぬかのどちらかなのよ?」

 

 

「!...お前は!海賊をなんだと思ってるんだぁぁ!」

 

 

「度の過ぎた悪党...かしらね」

 

 

「!...そうかよ、お前はもう姉ちゃんなんかじゃねえ!さっさとどっかに行っちまえ!」

 

その言葉にサンジくんが反応しました。

 

 

「なんだ「言われなくてもそのつもりよ」え?」

 

私はサンジくんの言葉を遮り立ち上がります。

 

 

「それじゃあね、皆さん。さようなら...」

 

そう言うと私は外に出ました。すると...

 

 

「榛名さん...」

 

夕立ちゃんが心配そうに私の方を見ていたんです。

 

私は夕立ちゃんに近づくと耳元でこそっと呟きました。

 

 

『夕立ちゃん、後の事は宜しくね。もし私に何かあったら、その時はナミをお願い』

 

それだけ言って私は艤装を着けると海上を走り出しました。

 

 

しばらく走ると、先に出航していたメリー号が見えてきました。

 

私はメリーに追いつき船に乗り込みます。

 

 

「どう?上手くいった?」

 

 

「えぇ、なんとかうまくやったつもりよ...」

 

 

「そっか...」

 

 

「さあ、戻りましょう。ココヤシ村に」

 

 

「うん...」

 

こうして私達はココヤシ村へ向けて船を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 




こんばんは、加賀です。

次回予告ですか?鎧袖一触です。

ココヤシ村へと向かい、船を走らせる榛名達

その道中、ナミは今までの航海のことを話だす。

最初は楽し気の話していた二人だったが...

次回は一味との思い出...語られるナミの想い

だそうです。良ければ見てください。では...

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