榛名さんの苦労話   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじです!

カヤさんのお屋敷で前世の話をしていた私達

そこにルフィくん達が乱入してきてその場はしっちゃかめっちゃか

そこに騒ぎを聞きつけた執事、

クラハドールさんが来てウソップさんと言い合いを始めてしいます。

クラハドールさんの言った一言でウソップさんは激昂し、クラハドールさんを殴るとどこかに行ってしまいました。

これからどうなってしまうんでしょう?



守れシロップ村!決意の嘘つきキャプテン・ウソップ

sideハルナ

 

 

こんにちは、ハルナです。

 

カヤさんのお屋敷を後にして、村までの道の途中の峠道にいます。

 

 

「それで、アイツはどこ行っちゃったのよ」

 

 

「さあな、あのキャプテンの所にでも行ってるんじゃねえのか?」

 

二人の会話にピーマンくん、にんじんくんが顔を見合わせて言います。

 

 

「じゃあ、あそこだな!」

 

 

「あぁ、絶対あそこだ!」

 

 

私は二人がどこの事を言っているのか分からず問いかけます。

 

 

「あそこってどこの事なの?」

 

その問いに二人は声をそろえて答えます。

 

 

『海岸にある浜辺さ、キャプテンは嫌な事があるといつもあの場所から海を眺めて心の傷を癒してるんだ』

 

 

「そう…」

 

 

「そう言えばアンタ達もう一人の子はどこに行ったのよ?一緒じゃないの?」

 

 

『ん?あぁ、たまねぎ』

 

 

「アイツすぐどっか行っちゃうんだよな…」

 

 

「そんで、すぐ大騒ぎしてあらわれるんだ」

 

その時でした。

 

 

「うわぁぁぁぁ...!大変だーー!!後ろ向き男だぁーー!!」

 

たまねぎくんが叫びながらこちらに走ってきました。

 

 

「ほらね…」

 

にんじんくんがやっぱりと言った風に呟きます。

 

 

「変な人が後ろ向きで歩いてくるんだよぉぉ!」

 

 

『嘘つけ』

 

 

「ホントだよ!!あれ見て!」

 

そう叫ぶと、たまねぎくんは後ろを指さします。

 

するとそこには確かに後ろに向きながらこちらに歩いてくる人の姿が...

 

なるほど、確かに変な人ですね。

 

その変な人は私達の所で立ち止まり声をかけてきます。

 

 

「おい、誰だ?俺を変な人呼ぶのは…俺は変じゃねえ」

 

・・・構えを取りながら言うその方はどう見ても変人です。

 

 

「変よ?どう見ても…ね、お姉ちゃん」

 

 

「え、えぇ…すごくおかしいと思います…」

 

 

「バカを言え、俺はただの通りすがりの催眠術師だ…」

 

催眠術師...どうみても頭のおかしな人にしか見えないのですが...

 

 

『催眠術!?すっげえ!やってみせてくれよ!』

 

 

「なに…?冗談いうな、なんで俺が初対面の奴に術を披露しなきゃならねえんだ!」

 

そう言いながらも輪っかのような物を取り出します。

 

何をするんでしょうか...?

 

 

「いいか?この輪っかをよ-く見るんだ…」

 

 

「結局やるのかよ…」

 

 

「まぁまぁ…見てみましょう?」

 

私達はその様子を見守ります。

 

 

「ワンツージャンゴでお前たちは眠くなる、いいか?いくぞ?

ワン、ツー、ジャンゴ!」

 

その直後、輪っかを見ていた三人と変人さんはいびきをかいて寝てしまいました。

 

 

「おい!コイツいったい何なんだ!」

 

それはわたしが聞きたいですよ...ゾロさん、あぁ、もうまた頭痛が...

 

この村に来てからこんなことばかりです...。

 

 

「大丈夫?お姉ちゃん、顔色悪いけど…」

 

 

「えぇ、大丈夫です…この状況に頭がついてきてなくてちょっと頭痛がしてただけだから…」

 

 

「それ、もう大丈夫じゃないわよね!?」

 

大丈夫よ、きっと大丈夫...

 

あぁ、金剛お姉様...お姉様だったらどう過ごのでしょうか...

 

しばらくすると、変人さんは起きてどこかに行ってしまいました。

 

私達はそれを見送るとため息を吐きました。

 

それからまた更にしばらくして、遠くからウソップさんがものすごい勢いで走ってくるのが見えました。

 

 

『あ―!キャプテン!』

 

 

「ちょうどよかったわ、ねえ、ルフィは?」

 

しかし三人や、ナミの問いにも答えず、ウソップさんは走り去ってしまったのです。

 

 

「どうしたのかしら?あんなに慌てちゃって…」

 

 

「なんだかすごく真剣な焦った顔をしてたわね…」

 

そう言いながらも私は艤装を装着し、一気の偵察機をセットします。

 

 

『おぉ!すっげえ!姉ちゃん!それいったいなんだ?』

 

 

「うおっ!?おまっ!なんなんだそのバカでかい大砲もみたいな奴は!」

 

 

「お姉ちゃん…いいの?こんな所で艤装なんか出して…」

 

各々がそれぞれの反応をしてくれます。私はニッコリと笑むと

 

 

「これは偵察機といって飛ばすと辺りの様子を調べてきてくれるの。

それじゃあ、妖精さん、赤い服の麦わら帽子の男の子を探してきてください」

 

私が偵察機の中に乗っている小さな妖精さんに話しかけると、

 

妖精さんは親指をグッ!とサムズアップして答えてくれます。

 

それを見た私は、空に向けて偵察機を放ちました。

 

 

「...お願いしますね」

 

私は偵察機の飛んで行った方向を見守ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると飛ばしていた偵察機から入電が入ってきました。

 

ーーーートゥーツツー、トートーツツー、トトートトトツーーーーーーー

 

 

「偵察機からの打電だわ、『ワレ、カイガンニテ、ムギワラノショウネンハッケンセリ、ソノカラダ、ウゴカズ、セイシフメイ...』

なんですって!?」

 

私は急いで海岸の方に駆けだします。

 

 

「あん?なにがあったんだ?」

 

 

「ルフィくんが海岸で倒れているみたいなんです!急いで向かわないと!」

 

 

『えぇぇ!?』

 

 

「なにぃ!」

 

 

「え?いったい何があったっていうのよ?」

 

 

「とにかく行きましょう!二人とも!案内をお願いできる?」

 

 

『うん!こっちだよ!』

 

私達は三人の案内の下、急いで海岸に向かったのでした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

私達は三人の案内でウソップさんがよく来るという海岸に来ていました。

 

 

「ここだよ、ここでキャプテンは心の傷を癒してるんだ、ここ風が気持ちいいしさ…」

 

確かに心地いい風...

 

っと、その前にルフィくんを探さないとですね!

 

私は電探で周囲を索敵します。

 

すると崖の下の方に反応がありました。

 

私が急いで駆け寄るとそこにはおかしな格好のまま動かないルフィくんの姿が...

 

 

「ルフィくん!起きて、起きてください!」

 

私はルフィくんを揺さぶります。すると...

 

 

「ん?ふわぁ~ぁ...よく寝た...ん?なんで姉ちゃんがここにいるんだ?」

 

 

「それはね...」

 

私は簡単に訳を話しました。

 

 

「と、いう訳なの」

 

 

「そうだったのか、ん?あぁっ!!」

 

いきなり大声を上げるルフィくん

 

 

「崖の下で寝ていた次はなんだ?」

 

 

「あぁ、それがよ...」

 

ルフィくんは自分が寝るまでのことを話してくれました。

 

シロップ村に海賊の軍勢が攻めてくること、カヤさんが事故に見せかけて殺されること…

 

執事、クラハドールさんのこと…

 

 

『えぇ!!村が攻められる!それにカヤさんが殺されるだって⁉』

 

 

「あぁ、そう言ってた、間違いない」

 

その言葉を聞いて三人は慌てて走って行ってしまいました。騒がしい子たちですね。

 

それを見送りつつ私は思考します。

 

明日の早朝に海賊たちが攻めてくる...

 

それならその前にその根源をつぶしてしまえばいいという事ですものね!

 

そうと決まれば早速!...という訳にもいかないですね、これはナミ達にも知られないようにしないと...

 

私は、心中でこっそりと計画を立てるのでした。

 

その私をナミが見抜いているかのような視線で見ていたことに気がつかずに...

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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私達は先ほどの峠道まで戻ってきていました。

 

するとそこにフラフラと歩いてくるウソップさんの姿がありました。

 

 

『キャプテン!!』

 

三人がウソップさんを見つけて声をかけます。

 

ウソップさんは三人の姿を見ると目元をぬぐったようなしぐさをしてから、

 

いつも通りにやってきました。

 

今、ウソップさん泣いてましたね...何かあったんでしょう...

 

ウソップさんはルフィくんを見ると幽霊でも見たような顔をします。

 

三人が状況を説明するとなんとか納得したようでした。

 

 

『それよりキャプテン!早く海賊が攻めてくることを皆に話に行かないと!』

 

その言葉を聞いたウソップさんは一瞬だけ固まりました。

 

でも、すぐに笑って

 

 

「フハハハハ!アハハハハ!いつものウソに決まってんだろ!あの執事がムカつくんで海賊にしてやろうとおもったんだよ!」

 

 

『なんだ、そうだったのか、ははははは!』

 

すぐに笑いだす三人でしたがすぐに笑うのをやめて言います。

 

 

「オレ、ちょっとキャプテン軽蔑するよ…」

 

 

「キャプテンは人を傷つける嘘は言わないものだと思ってた…」

 

 

「オレも、キャプテン、見損なっちゃった…」

 

 

『帰ろう』

 

そう言うと三人は帰ってしまいました。

 

 

「・・・良かったんですか?あんな言い方して」

 

 

「海賊、ホントに来ちゃうんでしょ?」

 

 

「あぁ、間違いなくやってくる…でもウソだと思ってる…明日もまたいつも通り平和な一日が来ると思ってるんだ…!」

 

そう言って俯くウソップさん。

 

でも!と、不意に立ち上がり、ウソップさんは続けます。

 

 

「だからオレは海岸で海賊共を迎え撃ちこの件をウソにする!それが嘘つきとしてオレが通すべき筋ってもんだ!」

 

立派ですね、この度胸、勇気…提督を思い出しますね...。

 

 

「よく言いましたね、ウソップさん、いいえ、提督…榛名も助太刀します!」

 

 

「...え?」

 

 

「そおだな!アイツに好き勝手されるわけにはいかねえ!オレも協力する!」

 

 

「とんだお人好しだぜ、子分まで突き放して一人出陣とはな…」

 

 

「言っとくけど、お姉ちゃんと海賊のお宝は私の物なんだからね」

 

ナミ、一言余計なものが入ってますからね?

 

 

「お、お前ら…一緒に戦ってくれんのか?」

 

コクリと頷く私達

 

 

「あぁ、だって敵は大勢いるんだろ?」

 

 

「怖いって顔に書いてあるぜ」

 

 

「はい、よく分かるほどに…」

 

 

「うるせえ!怖いもんは怖いんだ!相手はクラハドールの海賊団なんだぞ!

これは見セモンじゃねえぞてめえら、帰れ!帰れ!!」

 

そんなに足を震わせて言われても説得力のかけらもありませんよ?

 

 

「そんなことありません、私達は提督が立派だ思ったから加勢するんです。」

 

 

「そうだ、同情なんかで命賭けるか!」

 

 

「っっ...!!お前ら…ありがとう!!」

 

こうして私達のクラハドール海賊団を迎え撃つメンバーは揃ったのでした。

 

 

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その夜、私は一人海に出ていました。

 

目の前には巨大な海賊船が停泊しています。

 

 

 

「これね、元キャプテンクロの海賊船は…」

 

私は船を見上げます。

 

 

「明日の朝には襲撃が始まってしまう、なら、先のその根源をつぶしてしまえば大本は解決できますよね」

 

私は艤装の高角砲を構えて船に狙いを定めます。

 

 

「あなた達のような野蛮な海賊の勝手は…榛名が、許しません!!」

 

【ズドオォォォン!!】

 

私は思いっきり高角砲を放ちます。

 

砲撃は船にいくつもの損傷を与えていきます。

 

数発撃ったところで私は撃つのを止め、船内に潜り込みます。

 

 

「何も奪わずに行ったらナミに怒られそうですものね」

 

向かってくる船員達をアクア・ボールで溺死させながら、私は音を立てずに船内を歩き回ります。

 

しばらく歩き回り宝物庫を見つけると私は水を風呂敷へと変異させ、

 

さらに作り出した水の腕を使って宝を持つと船から抜け出しました。

 

 

「これで終わりにしてあげます!アクア・トルネード!」

 

すると、海水が盛り上がり乱回転を起こしながら船を呑み込みました。

 

船は海水の轟流にその姿を海の藻屑へと変えていきました。

 

トルネードが収まったころにはそこには赤黒く染まった水が漂うばかりでした。

 

私はそれを見届けると海岸へと戻りました。

 

海岸に戻ると、私が戻ってきたのとは反対側の海岸でウソップさん達が何やら油のようなものを巻いていました。

 

 

「あの…何をしてらっしゃるのですか?」

 

 

「ん?おぉ、長髪の姉ちゃんお帰り!これで海賊たちが登れなくなるんだ‼凄いだろ?」

 

この人は...前言撤回です。提督はこんな考えなしではありませんでした。

 

 

「あのですね…それでしたら、今私が全て片付けてきました。なので、これは無意味です」

 

それを聞いてナミを除く他三名がぴしりと固まった。

 

 

「お、おいおいおい、片づけてきたって…まさか海賊共をか?」

 

 

「はい、そうですよ?」

 

 

「んな、バカな話があるかよ…」

 

 

「いや、姉ちゃんならありうるぞ…」

 

 

『え...?』

 

 

「お前らも見たことあるだろ?姉ちゃんの武器…あれは一発で海王類ですら仕留めちまうスゲエモンなんだ!そんなのを船なんかにぶっ放したら…もう分かるだろ?」

 

ルフィくん、なんだかキャラが崩壊してませんか?

 

 

「あ、あぁ…よく分かった…想像したくねえが…」

 

 

「オレも…わかったよ…容易に想像出来ちまった…怖えぇ…」

 

二人とも酷いと思いませんか?本人がいる前でその態度は...

 

 

「そんなことよりお姉ちゃん、船、沈めてきたんでしょ?お宝は?」

 

私はにこりとして水の手から宝の入った風呂敷をナミに手渡します。

 

 

「これがあの船に会った全部だったわ、ちゃんと取っておくのよ?」

 

 

「さっすがお姉ちゃん!話が分かるわ!」

 

その様子にウソップさんはドン引きしていました。

 

 

「ま、まあともかく長髪の姉ちゃんが部下共をやってくれたんなら後はクラハドールだけだ!気を抜かずに行こうぜ!」

 

 

『おぉ!』

 

そうして夜は更けていき、朝になりました。

 

 

完全に火が登ったというのに海賊たちは姿を現しません。

 

それもそのはずです。だって私が皆殺しちゃったんですから

 

すると、私達の背後から声が聞こえてきました。

 

 

「これは…いったいどういうことだ!ジャンゴ!!」




こんばんは比叡です!

今回は榛名が大暴れしてる回でしたね!

ひえ~!!榛名、ちょっと性格変わって来てませんか?金剛お姉さまが見たら泣きますよ?

暴れるのはいいですけどやりすぎには注意してくださいね?

それでは!

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