新・平成ライダー創世記   作:ニーソマン

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序:会議室

2016年ーーー

8月 1日

 

PM 13:00

警視庁の一室。

重々しい雰囲気を纏うこの部屋に数人の刑事が集まっていた。

 

ドアのプレートには

〔超常現象緊急対策本部〕

と達筆な行書で張り紙されている。

 

 

室内には6人の男女…と言っても女性は1人。

男性も皆、細身故か暑苦しさは無いものの、

ほとんどが無愛想な面持ちで、重苦しいという言葉が良く合う。

さらに全員が喋らず、無音なためより空気が淀んでいる。

 

 

苦笑いを浮かべている紅一点。

大門凛子はこの状況に耐え切れず、

隣に座る赤い革ジャンを着た男に疑問をぶつける。

「あの…」

「…なんだ?」

 

相当目つきが悪い。警官と言うより容疑者顔だ。

 

「私、突然ここに呼ばれたんですが…

一体何が始まるんです?」

 

少しの沈黙。気まずい。

 

「いいか。」

「は、はい…」

「俺に質問をするな」

「えっ…あ…すいませんでした…」

 

駄目だ。日本語が通じない。

凛子は心の中で悲鳴をあげる。

 

 

彼女は今朝、いつも通り少し遅刻気味に鳥井坂署に出勤。

着替え終わったところで署長に突然警視庁への異動を言い渡されたのだ。

それ故、何故自分がこんな状況に置かれているかがわからない。

 

踏んだり蹴ったりな1日である。

 

 

 

「多分みんな分かってないと思いますよ」

「えっそうなんですか?」

 

頭を抱えている凛子に話しかけてくるのは熱血そうな青年。

 

「俺は今朝突然ここに来る様に…って言われたんですけど、場所以外教えてくれなくて。」

「私もです…」

「あ、僕もです」

対面に座っている男性も頷く。

 

徐々に会話が生まれ、騒がしくなっていく室内。

それを制止するかの様に、コンコン、とドアが叩かれる。

会話をしていた者は唾を飲み、そうで無い者もドアに視線を向ける。

 

 

「失礼します」

「失礼しますよ〜」

「失礼します!」

 

紳士的な印象を与える凛とした男性。

調子の良さそうな初老の男性。

そして、テレビで見た事のある元気な青年の3人が入室する。

 

 

紳士的な男性が正面の席中央に座り、話し始める。

「皆さん、お忙しいところ急にお呼びたてして申し訳ない。

私は長野県警捜査一課の一条薫。本対策本部の部長を務める。よろしく。」

一条と名乗る男性。

所謂、所轄の人間が何故警視庁の対策本部部長を…?

そんな疑問が室内を染める。

「私は本願寺純。本庁の捜査一課所属です。よろしく♪」

初老の男性の挨拶は場の雰囲気と全く合っていない。

「俺…自分は、警視庁捜査一課の泊進ノ介です!」

元気な青年。どうもこういう場は苦手らしい。

 

 

「あぁ!」

凛子が感銘の声をあげる。

「仮面ライダーの!」

 

周囲もあぁ、と声をあげる。

 

「さっすが泊ちゃん、有名人ですねぇ〜」

「あはは…照れるな…」

正面の席でイチャつき始める2人組。

 

 

「さて、気づいている者も居ると思うが彼は昨年ニュース等でも話題になった仮面ライダードライブこと、泊進ノ介巡査だ。

今回君達に集まってもらった事とも深く関係する。」

 

そしてその場にいた全員は納得した。

ーーーーあぁ、またか。と。

 

 

「単刀直入に言おう。世界の危機が訪れた。仮面ライダーを招集してもらいたい。」

 

 

 

 

 

大門凛子の夏季休暇の消える音が鳴った。

 

 




ご覧いただきありがとうございます。



凛子ちゃんが主人公のような書き出しになってしまいましたが、
そんな事は無いです。

プロットとかナシで進めるので
ガバガバになりそうだなぁ…

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