逆行 マンモスマン   作:にゃもし。

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立方体リングを使った3対3による試合形式を提案され…

 


試合の中断

 

 

 

 

立方体リングを使った3対3の試合形式。

メンバーこそ違うものの正史と同じ流れだ。

 

 

しかし、何故だ?

 

 

少なくともプリズマンはここにいるソルジャーが偽者だということは勘づいているハズだ。

それを知らされたフェニックスも同様。

 

 

「そこにいるソルジャーは偽者だ」…と糾弾して、戦わずに勝つ。

いや、超人ニュースの画像と病院にある亡骸だけでは逆に論破される可能性があるのか?

 

 

奴らは待っているんだろうアタルのページが書かれている「超人預言書」を…

 

 

前回それを手にしたのは俺だ。

 

 

だが今回は誰が手に入れるんだ?

プリズマンはカピラリア光線を纏ったブロッケンJr.の攻撃を喰らい、全身がヒビだらけの状態でリングに横たわっている。

傍目から見ても、復活するのはだいぶ時間がかかりそうだ。

アタルの申し出を「敵からの施しはイラねぇ」と突っぱねたのは、奴のプライド故か、それとも何か考えがあってのことか?

ポーラマンは、奴の性格がいまいち分からんので判断がつきにくい。

残るオメガマンは完璧(パーフェクト)超人の一人ではあるが超人閻魔の命で参戦している。

可能性としては、あるか?

或いはフェニックス本人が手に入れることもありえる。

 

 

上空にある立方体リングでは

ポーラマンがバッファローマンを

オメガマンがアシュラマンを抱えて側面にあるリングに飛び移って分断

アタルを孤立化させることに成功していた。

 

 

ポーラマンがバッファローマンの突進を

素手で角を掴み、同時に顔面に膝蹴りを叩き込んで突進を止めると

 

 

手刀で左角をへし折った。

 

 

もう一つのリングでは

オメガマンは背中にある巨大な掌を展開、その指一本一本を超人の生首に変化させて襲わせ

アシュラマンが六つある拳の連打で防いでいく。

 

 

オメガマンがアシュラマンから視線を逸らし

リングの外に向けて両目から光を放つ

 

 

その隙をアシュラマンが逃すハズがなく…

無防備な胸部に三つある左拳を叩き込んだ。

 

 

オメガマンにめり込ませた拳を見て笑みを浮かべるアシュラマン。

瞬間、オメガマンの胸部が変化、上下に重なった二つのローラーが現れた。

 

 

すぐさま腕を引っ込めようとするも、オメガマンの背中の掌にある生首がそれを許さない。

 

 

五本の首がそれぞれの腕に喰らいつき、その腕をオメガマンの胸にあるローラーに押し込む。

 

 

ローラーがゆっくりと回転を始め、骨が砕く音が聞こえた。

 

 

かつて戦った相手がやられている姿を見て言葉を失っているキン肉マン陣営。

 

 

そこへフェニックスを羽交い締めにしたアタルが飛んできた。

 

 

ポーラマン、オメガマンと、次々に激突、味方を解放、さらにフェニックスをマットに叩きつける。

しかし、救出に成功したものの味方の負傷は免れなかった。

バッファローマンは左の角を、アシュラマンはローラーに巻き込まれて千切れたのか、腕を全て失っている。

 

 

だが両者が笑う悪鬼の如く表情を浮かべると

バッファローマンは身体中のキズを動かして頭の角へと移動、鋭さと長さが増し

アシュラマンはこの王位争奪戦で亡くなった者のモノだろう新たな腕を生やす。

両者は対戦相手と向かい合って睨み合う。

 

 

「オメガマンよ。私をコピーしろ。面白いモノが見られるぞ?」

 

 

声の出所に振り向くと先鋒戦でニンジャと引き分けたサタンクロスが会場に戻っていた。

サタンクロスに向かって照射するオメガマン。その姿が見に覚えのない褐色肌の男へと変化する。

おそらく知性の神と出会う前の姿……両足をケガする前の姿だろう。

 

 

「サ、サムソン・ティーチャーだと!?

 

 

目に見えて分かるアシュラマンの狼狽ぶりを見て、リングにいるサムソンと会場にいるサタンクロスは冷笑を浮かべる。

 

 

アシュラマンが繰り出す打撃と技を涼しげな表情でことごとく切り返して無効化、さらに反撃を加えるサムソンの姿を借りたオメガマン。

 

 

味方の──アシュラマンの不利を見て、バッファローマンとアタルが救援に駆けつけようとするも、知性チームの二人がこれを妨害、自分たちが戦っているリングに引き留めさせる。

先ずはアシュラマンを潰して人数を減らす作戦なのは明白…

 

 

だが、そのアシュラマンの攻撃がオメガマンの体を掠め、徐々に当たり始める。

それでも優勢とは言い難く、体に刻み付けられる傷が増えていく。

 

 

 

 

『そこまでだ。この試合は無効とする』

 

 

 

 

名古屋城の上空に現れた三本の角を持った赤い肌の男。

王位継承の儀以降、姿を見せてなかった邪悪の神の一人であり、本物のソルジャーに憑依していた「残虐の神」

その手には超人預言書のページが握られていた。

 

 

突然の試合中断の勧告に当然周囲は反論、反対する。

 

 

『この王位争奪戦は病院で入れ違った可能性のある者たちを戦わせて大王を決める戦いだ。

 今この中にそれが当てはまらない部外者が混じっている』

 

 

ざわざわ…と、騒がしくなる会場

残虐の神が持っているページには『キン肉 アタル』の名が記されている。

その名前を見たキン肉マンたちと、画面の奥にいるキン肉大王と王妃が驚愕する。

 

 

『キン肉マン・ソルジャーの正体は傭兵の間で超人凶器と呼ばれ恐れられている「ソルジャーマン」という超人…

 そしてその名を語る超人が病院で搬送されて、今日の朝に息を引き取ったそうだ』

 

 

残虐の神がリングにいるアタルを指差すと──

 

 

『そこにいるキン肉マン・ソルジャーは別人の可能性がある

 

 

声を高らかに上げてそう告げた途端、会場が喧騒に包まれる。

 

 

「ふむ。それが本当ならば出場する資格はないな…

 だがどうやってそれを証明するつもりなのかね?

 被っているマスクを剥いだところで別人かどうかなどワシらには分からん」

 

『なぁに、それを証明する方法がある』

 

 

委員長が指摘にすると残虐の神は預言書のページ、その下の部分に火をつけて灰と化す。

何をするつもりなのかと、周囲が固唾を飲んで見守る中…

観客席の一人がアタルを指差して、騒ぎ始める。

 

 

──ソルジャーの両足が消えかかっている!? …と、

 

 

『説明が面倒なので省かせてもらうが、この預言書を燃やすと、その名が記されている者も同じ目に遭うのさ』

 

 

下の部分が焼失した預言書を掲げる残虐の神。

 

 

ここいらが潮時か? 今なら両足を失うだけで済む。

それに預言書を持っている以上、こちらは迂闊に動くことはできない。

 

 

だがキン肉マンはそんな現状よりも…

 

 

「委員長よ…『キン肉 アタル』とはいったい何者なんだ?」

 

 

問われた委員長はもとより、キン肉大王と王妃も口を閉ざしていて、話す気配がない。

 

 

『キン肉王家の長男、すなわちキン肉真弓と小百合との間に儲けた子よ

 あまりのスパルタ教育に嫌気が差して、家を飛び出した軟弱者だがな、ふはははは』

 

 

代わりに答えたのは残虐の神。

イニシアチブを取っており、優位に立っているせいか上機嫌に説明する。

 

 

『それにこれは現大王と王妃を守るためでもある』

 

 

残虐の神が語る言葉に訝しげる。

邪悪な神が「守る」なんて言葉を使ったせいだろう。

 

 

『スパルタ教育をされた過去、存在をなかったことにされた過去…

 そこのアタルが復讐を果たすために、舞い戻った可能性がある。

 そんな危なっかしい存在を放っておくわけにはいかんだろ?』

 

 

…と、会場内にいる観客全てに言い聞かせるように話す。

やがて、委員長が鷹揚に頷き…

 

 

「判断を下す前に聞いておきたいことがある。

 その預言書が全て燃えるとどうなるんじゃ?」

 

 

『肉体が消えてなくなり、文字通り存在すらも無かったことになる』

 

 

信じられないという顔がそこかしこから見れた。

だがアタルの両足が消えているのは事実。

 

 

「うむ、わかった。そういうことなら試合を中断せざる得ないな…」

 

 

『さすが委員長、話が早くて助かる。

 あともう一人、この試合会場から追い出したい超人がいるんだが…』

 

 

残虐の神がこちらに視線を向けてきて…

 

 

 

 

『キン肉 アタルに協力している超人が一人いる。そいつもまた危険人物と言えるのではないかな?』

 

 

 

 

そいつは口の端を上げて見せた。

 

 

 

 




(´・ω・)にゃもし。

3対3… この戦闘の描写をどう表現すればいいんだよー!? …と挫折しかけた。
戦闘を楽しみにしている人いたら、スマン。

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