ニンジャはサタンクロスと引き分け、
続くブロッケンJr. vs プリズマンはプリズマンが優勢で試合が進み…
ブロッケンJr.は殺人技キャメル・クラッチの体勢に持ち込まれてしまう。
ブロッケンJr.に〝 キャメル・クラッチ 〟を仕掛けたプリズマン。
その胴体を二つに裂ける途中でその動きがピタリと止まった。
「何をしているプリズマン!? とっととそいつを真っ二つにしてしまえ!」
フェニックスから催促のヤジが飛ぶが
それでもプリズマンの両腕は動かず、小刻みに震えるのみに留まる。
ブロッケンJr.がプリズマンの両手首を掴んで阻止していたからだ。
「悪いが俺の握力は200kgを超えててな…
やわな野郎の頭蓋骨なら粉砕するほどの威力があるのさ!」
両手首を掴み、プリズマンを前方──リングの外、空中へと放り投げた。
リングの外へ落ちるプリズマンを見てバッファローマンたちは思わず席を立って小さくガッツポーズを取るが…
対して知性チームの面々はニヤニヤと不気味に笑うだけ…
件のプリズマンは落下の途中、立方体リングの側面に引き寄せられ、そのまま着地を決める。
「立方体全面にリングがあるから、そうなるんじゃないかと思ってたぜ」
「キョ────キョキョキョ、この俺さまがそんなショボイ勝ち方を許すわけねェだろ?
どうしても相手を外に落としてやりたい場合はもうちょっと遠くに飛ばさないとなァ」
説明をしながらロープをくぐって、ブロッケンJr.がいるリングに戻るプリズマン。
その両腕を起点に亀裂が入り、ヒビが全身を覆うと、表面が剥がれ落ちて、強力チーム戦で見たスリムボディが現れた。
尖った足先でマットの端を切り裂き、捲り上げて…
“ 超人押し花! ”
マットの間にブロッケンJr.を挟んで、潰した。
やがて捲り上げられて二枚に重なったマットを開いて元に戻すと…
そこには血塗れになったブロッケンJr.が倒れていた。
ダメージを負いながらも立ち上がるブロッケンJr.
そこへキャンバスをくり貫いて作った歯車のような手裏剣を手にしたプリズマンが駆け寄る。
「テメェの握力には驚かせたが、所詮それだけ!
こうやって潰しちまえばいいだけの話よ!」
両手を手裏剣のそのギザギザ部分で突き刺して怯ませ、
追撃のショルダータックルでリングの隅まで吹き飛ばす。
コーナーポストにもたれ掛かったところにドロップキックを放ち──
両足をブロッケンJr.の腹部に突き刺した。
「宇宙タッグトーナメントの時のことを覚えてるか?
〝 モースト・デンジャラス・コンビ 〟なんて仰々しい名前を付けて出場したにも関わらず、乱入してきた完璧超人の二人組にアッサリやられたよなァ~? こんな風にっ!」
“ 地獄のネジ回し!! ”
奇声を上げながら腹部に足を突き刺したまま回転、さらに深く食い込ませて貫通させる。
プリズマンが足を引っこ抜くと、そのまま力なく倒れた。
戦う力が残されているとは思えない満身創痍のブロッケンJr.を肩に担ぎ上げて、ロープ際へ移動する。
狙いは明白、外に放り込んで地面に落とすためだ。
「待ってくれプリズマン!
ブロッケンJr.はもう戦える体じゃない!」
キン肉マンが懇願するが、プリズマンは鼻で笑って返すだけ
そこへ当の本人が声をかけてきた。
「どうせ止めを刺すなら、お前が全力で放つ〝 レインボー・シャワー 〟にしてくれないか?
お前がどれ程危険な超人なのかをチームのメンバーに知らせておきたいんだ」
その場に居合わせた者たちはブロッケンJr.の発言に驚いた。
「キョキョキョ、なかなか潔いじゃねぇか…
いいだろう本人たっての希望だ」
ブロッケンJr.をリングの中央に投げて下ろし
砕けた破片を集めて、体を元の姿へと再生させる。
胸部から分厚いレインボー・シャワーをブロッケンJr.に向けて照射
正義超人たちの悲鳴に近い叫びが漏れた。
しかし、ブロッケンJr.はレインボー・シャワーを浴びる寸前
「お…親父……ブロッケンマンよ。
あなたにもらったこの超人の体を捨てることをお許しください!
さらば! 超人ボディよ!!」
帽子についてあるドクロの徽章を投げ捨て、
直後にレインボー・シャワーを浴びる。
「な、なぜだ?
レインボー・シャワーを浴びても平気でいられるんだ!?」
真っ向からレインボー・シャワーを受けても、ブロッケンJr.に変化は見られない。
驚きを隠せないプリズマンに光を帯びた体でフライング・クロス・チョップを喰らわせ──
「今の俺は超人ボディを捨てた、ただの人間ブロッケンJr.
俺の体にたっぷり染み付いているカピラリア光線、今度はお前が味わいな!」
両腕を腋に抱え込んで、持ち上げようとする。
「俺さまの体重は200kg、超人なら兎も角、生身の人間が持ち上がるわけがねェ!」
「俺は知っている…」
プリズマンの腕を挟んだまま後方へ跳び、ロープを飛び越え…
頭を下にして落下、その先にある金の鯱にプリズマンの脳天を激突させた。
「超人になる前の人間ボディで、悪魔超人に勝っちまった男の存在をな!」
“ ブレーメン・サンセット───ッ!! ”
そして、天守閣に空いた穴から先鋒戦が行われたリングへと落ち、両者揃って動かなくなる。
ブロッケンJr.の下へと駆けつける超人血盟軍
すかさずプリズマンが待ったをかける。
「キョキョキョ、そいつに触れない方が身のためだぜェ~?
何しろ超人にとって有害なカピラリア光線をたっぷりと浴びているからなァ~?」
ブロッケンJr.の体を光でできた膜が覆っていた。
カピラリア光線に覆われている限り超人──アタルたちは近づくことができない。
たとえ近づいたとしても二の舞になる。
「──かといって、人間ボディのままだと病院に着く前に死ぬ可能性は否めないなァ~?
人間として死ぬか、それとも超人として死ぬか、好きな方を選びな!」
プリズマンから受けたダメージは深い。
特に腹を貫通させた攻撃は…
「人間のままで死んじまったら、親父に合わす顔がねぇ!
俺の答えは既に決まっている。俺を一人の超人として死なせてくれ!」
腹部から流れる血を片手で押さえ
涙を流しながら、アタルたちにお願いをした。
「よく言ったブロッケンJr.!
だが、お前のような超人をこのまま死なすのは惜しい!」
アゴに手をかけてマスクを捲るアタル。
僅かに捲った隙間から漏れた光がブロッケンJr.の体を覆っていたカピラリア光線を打ち払った。
「げ~~~っ!? この光は、間違いねぇ! あの時の光じゃねぇか!?」
プリズマンはアタルの「フェイス・フラッシュ」を飛翔チーム戦で一度見ている。
レインボー・シャワーに絶対の自信を持っていた奴が見間違うハズがない。
今のでここにいるキン肉マン・ソルジャーが偽者であり、かつアタルだということがバレてしまったことだろう。
「今朝の「テレビ超人ニュース」に出ていた身元不明の5人の重傷超人、そのうちの一人は自分のことを本物のソルジャーだとほざいていたが…
一回戦以降、姿を見せない「キン肉 アタル」と、ソルジャーを名乗る同じコスチュームの超人が二人…」
ぶつぶつと独り言のように呟き、何やら考え込む。
そこへフェニックスが近づく。
「プリズマン、あれだけ豪語しておいて、ブロッケンJr.相手になんたる醜態を!」
「まぁ落ち着けよ、フェニックスさんよ~。
ちょっと面白い話を聞かしてやるから、耳を貸してくれないか?」
怪訝とした表情になりながらも耳を傾けるフェニックス。
その顔が段々と愉悦に歪んでいく。
「ところで超人血盟軍の諸君、せっかく立方体リングという舞台装置があるんだ。
あれをこの試合のみで終わらせるのは勿体ないとは思わないか?」
上空にある立方体リングを指差しながらフェニックスは…
「両チームの三人で3対3の試合形式をしてみる気はないか?」
アタルたちにそう提案をした。
(´・ω・)にゃもし。
いろいろ書き方が変わってる部分もあるが許しておくれ。