技巧チーム中堅を辛くも倒したラーメンマン。
残る二人になった技巧チームはタッグ戦を提案し、キン肉マンはそれを承諾した。
一緒に出るタッグパートナーに悩むキン肉マン・チーム。
そんなキン肉マン・チームにマンモスマンはロビンマスクを推す。
まずは両チームの大将であるキン肉マンとゼブラが先発として出た。
序盤、控えの席からマリポーサが助言を送るが、キン肉マンは拳による重い一撃を喰らう。
これに気をよくしたゼブラが連打を放つも、キン肉マンが蹴り上げた足で拳を跳ね返され、自分で自分の顔面を殴る羽目になる。
そこから両者は両手をがっちり組み合った状態で力比べへ移行。
キン肉マンから押されてブリッジ体勢になったゼブラだが、自分から後ろ向きのまま倒れてブリッジを崩し、キン肉マンがもたれかかったところを、両足で胴を挟んでコーナーポストへ投げ、切り返した。
さらに立ち上げるキン肉マンの背後に回り込み
胴に腕を回して後ろに投げて頭を打ち付ける《ジャーマン・スープレックス》
上下逆さまに抱えて頭部を叩きつける《パイルドライバー》
――等々。次々と技を繰り出し、キン肉マンに少しずつダメージを与え、ケガを負わしていく。
尚もゼブラの独壇場が続いたが、この試合は2対2のタッグマッチ戦。
ロープ際に寄ったところをロビンマスクに《チョークスリーパー》で拘束され…
〝 日英クロス・ボンバ ―――― ッ ! ! 〟
ゼブラの頭を間に挟んで、両サイドからの《ラリアット》をマトモに喰らってしまう。
その後も攻め続けるキン肉マンだったが
途中でパルテノンの飛び蹴りがキン肉マンに炸裂――――蹴り飛ばされる。
「遥かアクロポリスの陽よ。キン肉マン・ゼブラ様に怨念と憎悪のパワーを与えたまえ…」
太陽を背にしてパルテノンが教会の聖句に似た…もっとも内容は邪悪な物だが――を口にすると
パルテノンの足下の影がゆらゆら揺らめき、倒れたゼブラの方に伸びていく…
やがてゼブラに到達すると、影に触れた部分から体の白い部分を灰色に変色させる。
全てが灰色に染まると起き上がり――復活した。
先程のクリーンファイトから一転、凶器を使ったプレイでキン肉マンを苦しめる。
鉄球を握ったままの強打や、覆面の裏に釘状の凶器を仕込んでの頭突きによりキン肉マンは流血してしまう。
これらの凶器を使った攻撃にキン肉マン・チーム陣営は抗議の声を上げるが…
「ギョギョギョ。
ロビンマスクを指差して、ギョギョギョ…と嘲笑う。
そのパルテノンを忌々しそうに見つめるキン肉マン達陣営。
周囲の視線がパルテノンに集中している隙にゼブラはコーナーポストに上り
キン肉マン目掛けて《フライング・ヘッドバッド》飛び込みながらの頭突きを仕掛けた。
しかし、事前に察知したロビンマスクがキン肉マンを体当たりして体ごと押し退け
二人が去った場所に、頭から落ちたゼブラがキャンバスに突き刺さる。
不意打ちが失敗に終わった。
…かに思われたが、ゼブラが突き刺さった場所を境に亀裂が生じ、リングが二つに割れた。
素早く次の行動に移す技巧チーム、二手に分かれてリングの外へ飛び下りた。
リングを挟んで対角線上に立つと、リングの下に手を差し込んで捲るように持ち上げ…
〝 残虐技キャンバス・プレッサ――――ッ ! ! 〟
両端からの《ドロップキック》で中にいるキン肉マン達ごとリングを二つ折りにして
押し潰した。
未来においてキン肉マンが《フェイス・フラッシュ》で難を逃れることを知っているが
これを知らない観客席にいる見物人たちは悲鳴に近い叫び声を上げている。
手応えを感じ、勝利を確信し、勝ち誇った顔でレフェリーを呼びつけるゼブラ。
ゼブラを含む観客の見ている目の前で
二つに折られ、隙間無く閉じていたリングが開かれていく…
「敵をまだ倒していないのに勝利を宣言するのは、些か気が早いのではないか?」
マスクの下半分が捲れたキン肉マンが、足下のロビンマスクを圧死から守るように両手を広げてリングを押さえていた。
ここまでは以前と大体同じ通り…
3分の1とはいえ『火事場のクソ力』を取り戻し、アタルの云う《マッスル・スパーク》の半分を修得したキン肉マン。
前と比べて心身にかかる負担は少なくなっていることだろう。
今もブリッジ体勢からの腹筋の力でパルテノンの巨体を何度も宙に跳ね上げさせている。
ゼブラは喚き散らしながら命令を下すが、パルテノンは困惑しながら成すがままにされている。
舌打ち一つ鳴らしてゼブラが技のカットをすべく飛び出す。
それを防ぐためにロビンマスクもリング内に入り、ゼブラの前に立ちはだかる。
ゼブラは掴みかかってくるロビンマスクを上に高く蹴り上げると
その場で膝を曲げてから勢いよく跳び上がった。
猛スピードで追い付くと、波乗りをするサーファーの如くその背に二本足で立ち
今度はキン肉マン目指してロビンマスクの頭を先頭にして共に落ちていく。
「キン肉族三大奥義の一つ《マッスル・インフェルノ》!!」
狙い違わずロビンマスクをキン肉マンにぶつけさせて阻止に成功
ロビンマスクとキン肉マンの二人はリングを転がり倒れた。
試合中に仕掛けてくるだろう《マッスル・インフェルノ》
思っていたよりも早めに出されて驚く。
俺の知る世界ではキン肉マンはゼブラの《マッスル・インフェルノ》をその身に受けて、戦意を喪失し、ロビンマスクとの交代を拒んでいたが…
今は二人とも仲良く倒れている。
「奴らが動けない今がチャンスだ。お前の《人体化石封じ》で二人とも人柱に加えてしまえ!」
ゼブラの指示でパルテノンの足下が溶けだし、工事現場に使われている生コンクリートみたいなどろどろとした半液体が溢れ出す。
その液体の中にはアンモナイトや三葉虫などの古代の生き物が混ざっている。
徐々に広がり、倒れている二人に近づいていくパルテノンが生み出した液体。
それがキン肉マンに触れる寸前、必死の呼び掛けが功を成したのか、ロビンマスクがよろめきながらも起き上がり、キン肉マンをリングの外へと突き飛ばす。
だが身代わりになる形でロビンマスクがその液体に触れてしまい…
パルテノンの柱の中に閉じ込められてしまった。
「何故そこまでして… 赤の他人である私のために身代わりになってまで尽くす?」
一人になり弱気になるキン肉マン、思わずロビンマスクに問う。
「少なくとも今、王位継承者として信じているのは、キン肉マン、お前しかいない。
それに信じているのは私だけではないぞ。
お前と直に戦った者、救われた者も、お前が大王になると信じてお前の味方をしている」
柱の中からマリポーサ、ビッグボディ達に視線を向ける。
「それを私は誇らしく思う!」
パルテノンの柱が突然、内側から弾けて爆発。
中からロビンマスクが飛び出してきた。
「貴様、その杖で爆発を… だが、密閉空間での爆発はお前も只では済まなかったようだな…?
その半死人の状態でどうやって戦うつもりだ?」
パルテノンの指摘通り、ロビンマスクは柱の中でアノアロの杖で爆発を起こして脱出した。
そのために鎧兜は所々がイビツに歪み、自身も負傷を負った。
「何のこれしき、そのために『ロビン戦法』というものがある!」
見た目の負傷を感じさせないほどの軽いフットワークを観客に見せつける。
ロビン戦法No.3 円は直線を包む!
パルテノンの周囲をぐるぐると回り始めたかと思うと…
背後から《タワー・ブリッジ》に担ぎ上げる。
「ギョギョギョ。これが噂に聞く《タワー・ブリッジ》か、並の超人ならば真っ二つになって絶命するだろうが…」
〝 神殿瓦礫崩し!! 〟
胴体部分の柱が崩れて下にいるロビンマスクに落下、石の塊が直撃してしまう。
仮面の隙間から血を流し、足を小刻みに震わせるものの……屈することなく堪えてみせた。
「――礼を言おう。身軽になった分、
ロビン戦法No.7 ピンチの直後は最大のチャンス!
胴体を構成する柱を自ら崩して上半身だけになったパルテノン
その両腕を交差させながら捻った後、力任せに上空に放り投げる。
直後にキン肉マンの方へ振り向き、駆け寄る。
視線を交わすと一つ頷き…
「48の殺人技の一つ《宇宙旅行》!!」
両腕でロビンマスクを胴体を持って高く掲げ
空中にいるパルテノンに向かって投げた。
ロビン戦法No.8 相手のパワーは最大限に利用せよ!
尚も上昇するパルテノンに追い付き、すれ違いざまに首を両足で挟んで捕らえ…
上下逆さまに高速落下。
〝 ロビンスペシャル! 〟
首を4の字に極めた状態で、伸ばした両腕の掌から音を立てて着地する。
「そしてこれは私が過去のアトランティス戦及び、先のヘル・ミッショネルズ戦での敗戦を糧に生み出した新たなロビン戦法…」
着地した際の衝撃で首にダメージを喰らったのだろう、パルテノンは口から血を吐いた。
最後の詰めを誤るな、だ。
(´・ω・)にゃもし。
ロビン戦法ってカッコいい、と思ったので…
読んでくれて Thank You