ガールズ&パンツァー 運命改変できるらしいけどどうしようか。 作:シロヤユウ
この人でなし!
「…神様。そこに居るんでしょ?」
彼女が白い空間の1点を見つめ呟くと、そこから声がする。
「いやぁ…バレちゃってましたか…流石ですねぇ。」
幼い少女の姿をした神が姿を現し、バツの悪そうな顔をし笑う。
「いえ、カマをかけてみただけです。
相変わらず神様は単純ですね…」
美しいその顔に似合わない不敵な笑みと共に発せられたそのの言葉を聞いて色々言いたかったが堪え、こほんと軽く咳払いをし先程から気になっていることを尋ねる。
「そ、それよりです。
きほさんにあんなに言って平気なのですか?」
「平気ですよ、きっと目が覚めた時にはボクの事も、この夢の内容もほとんど忘れてます。
そういう世界だって事はボクが1番知ってますから」
「そ、そうなんですか?
なら何故きほさんを…?」
「『人生は過程がどうであれ、同じ結果になる』でしたっけ?
世界の修正力…とよく称される力がある限り結果は変わりません。
あの
神様は否定をしない。
「信じてみたいんです。
その
『西田 きほ』を。」
「でしたら…」
「だから、その為にも神様はボクが頼んだ事を守ってくださいね?」
「…わ、わかってますよ!
では、そろそろこの空間を閉じますね。」
自分の考えを読まれていたのが悔しいのか、そそくさと立ち去ろうとするも後ろから声をかけられる。
「…あ、神様。
最後に一つだけお願いを聞いてもらっても良いですか?」
「い、言っておきますがタイムリープとか出来ませんよ!?死に戻りとかはめちゃくちゃ高度な技術で私みたいな新神には…」
「いえ、そうじゃないです。
神様はそう言いますけど…なんだかんだ言ってボクは結構気に入ってるんですよ?」
「ーーー!!!
じゃああなたは…」
「………はい、最後まで見届けようと思います。それで、お願いですが…」
「おやすい御用ですよ!
もうあんな無茶な方法をしてまでココに来ようとしちゃダメですからね!!」
「はい、では…」
その言葉を最後に夢の中のその空間は、光となって消えていった。
さて、1度は考えるのをやめた身だけども、現実を見ようと思う。
家具の配置、匂いと雰囲気、男物の私服を見るにココは俺の部屋。
ここまではOK。
何故か俺がベッドでは無く机に突っ伏して寝ていた俺は声の主を探すために立ち上がろうとした、立ち上がろうとしたのだ。
「ん…んむぅ…」
そうしたら膝の上ですやすやとみほちゃんが寝ていました。
もう1度言おう。声の主の正体はみほちゃんでした。
いや、どういう事だってばよ!?
変な夢見たって事が頭の中に残りすぎて昨日の夜のことが全くといっていい程思い出せない。
起こさないようにそっと立ち上がってみほちゃんを抱きかかえる。
やべぇ、立ったは良いけど足が痺…と、とりあえず風邪ひくとアレだしみほちゃんをベッドに運ばな…あ゛あ゛あ゛脚がぁ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛!?
進もうとするも痺れて感覚が無く、派手にベッドにぶっ倒れる。
幸いみほちゃんにはケガはないみたい、俺?
痺れてる足に刺激を与えられたらどうなるかお察しってことですよ。
さて、今日は確か休みだしソファで2度寝…をっ!?
んん!?
み、みほちゃん起きてる?
なんで俺の腕をギュってやってるのかな?
「…………」
…って思ったけど熟睡してらっしゃる。
コレを天然でやるなんてみほちゃん…恐ろしい子…!
転生して早10年、男としての自分が死んでそうで不安だったけど今のみほちゃんを見てドキッとしたし俺はまだ正常だ!
………正常だよな?
みほちゃんが俺の手を一向に離す気配がないので、ベッドに腰掛けていたらいつの間にか眠っていたのはここだけの話。
この身体は燃費が悪いからね、仕方ないね。
翌朝、みほちゃんの行方を心配するまほ姉さんの大量のメールと電話でみほちゃんより早く目が覚めたのは幸運だったね…危ない危ない。
ちなみにまだ腕はガッチリガッシリ握られてて、それは今から数時間後のみほちゃん起床まで続くんだけど…
まぁ、そんな事を今の俺は知る由もなかったのであった。
神様の登場久々すぎてどんな感じか忘れてました。
教えてください一年前の僕。