ガールズ&パンツァー 運命改変できるらしいけどどうしようか。   作:シロヤユウ

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投稿ペース遅くて申し訳ないです!
大洗までどれぐらいかかるのだろうか(´・ω・`;)


一騎打ち 決着です!

本来 2両のⅤ号は向き合って近接戦闘を行うはずだった。

エリカは先の先まで予想し、何度も頭の中でシミュレーションを行い

どんな行動をとろうとも距離さえ取られなければ勝率は100%だった。

だがそんな予想に反しきほ達のⅤ号は向き合うこと無く今もなお全速力で自車両から離れていく。

 

この時、いつものエリカなら追うことなく射撃する様に指示し撃破できていただろう。

 

だが、何より距離を取られることを恐れていたエリカは追うように指示した…いや、してしまったのだ。

 

 

 

 

 

「…みほちゃん、エリカちゃん達は釣れた?」

 

「うん!ばっちり!このままA1地点までお願い」

 

「了解、よっと!」

 

あぁ^~ 操縦楽しいんじゃぁ^~

 

…冗談抜きにしても実際楽しいんだよね

大きな鉄の塊を自分で動かすって言うのは男の浪漫を感じる。

生物学上は女だけどさ。

 

……ん?今発砲音がしたような?

 

発砲音から数秒遅れて戦車に振動が伝わってきた。

行進間射撃なんてそうそう当たらないことぐらい常識だろうに…

焦りすぎだろ…まぁこの反応は予想通りだけどさ

 

「に、西住さん!敵撃ってきます!」

 

「きほちゃん!なるべく左右に揺れながら逃げて!」

 

 

 

 

「しっかり狙いなさい!!今まで何のために訓練してきたと思ってるにの!?」

 

「(む…無茶言うよこの人…)」「(いや、長距離の行進間射撃を命中させる訓練なんてしてないし…)」

 

「(なんで白髪(アイツ)撃ち返してこないのよ!? あんなに皆に警戒する様に言ったのにこのままだと大恥じゃない!!)」

 

 

 

 

 

 

「へっ…へっくし!!」

 

「西田さん、風邪?」

 

「久々に操縦席座ったから埃に反応したかも…へっくし!

…ぞれより…それよりやっぱり何度計算しても残弾数が…」

 

「うぅ…決め手となる徹甲弾が5発、榴弾が3発、空砲が1発分…」

 

「…まぁオレらは元々支援用だったからなぁ…」

 

自分達の戦車は全乗務員と先輩や先生の許可を得れば多少のカスタムが自由ってことで、この戦車は支援特化になっている。

 

例えば弾薬庫のスペースを削り無線機を増設とか

他の車両分の予備履帯を積んでたりとか

囮になる為に空砲を積んでたりとか

(歩く修理キット)が乗ってたりとかね?

 

無線機の増設のせいで弾薬は必要最低限のモノしか持ってけない。さらに榴弾を多めに配分してるから深刻な徹甲弾不足。

 

まぁ、榴弾を多めに持ってきたおかげで模擬戦の撤退は成功したんだけどね? 建物ぶっ壊して道塞いだりとかしてさ

 

コ〇ンドー並にハデにぶっ壊したけどこの街は壊される前提で出来てるんだよな、やろうと思えば普通に人が住める建物ばかりなのに黒森峰は市街地をリアルに再現するためのオブジェ程度にしか捉えてないっていう…

 

黒森峰おかしい(褒め言葉

 

「き、きほちゃん…私の作戦だと失敗したらもう弾が…やっぱり確実に勝つためにもマニュアル通りに…」

 

む?さっきあれだけいっても自信をもててなかったのか

 

「…失敗を恐れてたら成功するものも成功しないよ、それに負けたって学べる事だって沢山あるさ」

 

「でもなんか西住さんの作戦なら何となく成功する気がしますよ!」

 

「そうそう!最初は無茶な作戦だなぁなんて思ったけど何とかなりそうなカンジがする〜!」

 

「…ほら、みんなもやる気だけどオレ達は車長の指示通りに動くからさ別にマニュアル通りでも良いんだよ?」

 

「…ううん、そっか…負けても良いんだ…!」

 

みほちゃんは目をつぶってしばらく何かを考えたあとおもむろに立ち上がりキューポラから上半身を出す。

 

そしてスロートマイクに手を当て…

 

「A1地点に着きました!これより『くるくる作戦』を開始します!」

 

「「「はいっ!」」」「…おう!」

 

 

 

 

 

「いつまで逃げるつもりよ!もうすぐ公園(マップ)端よ!?」

 

西住流に関心を持ち、西住流を学ぶ彼女、逸見エリカは尊敬する師範の実の娘であり憧れの隊長の妹である『西住みほ』の行動に翻弄されていた。

 

「(西住なのに戦わずして逃げるなんて…隊長の妹と言い白髪(アイツ)と言い本当に西住の血を引いているの!?)」

 

だが西住とあろう者がただ逃げるだけとは考えにくい。

 

「(いったい…いったい何をするつもりなの?)」

 

「…しゃ、車長!?砲塔が旋回開始しましたっ!!」

 

「やっと闘う気になったようね、白髪(アイツ)は確実に当ててくるわ!衝撃に備えて!!」

 

車長の言葉を聞き中には目をつぶり、中には耳を塞ぎ、中にはうずくまる者も

 

だがエリカは数百メートル先の敵から視線は外さない。

弾が当たろうが外れようが発射後は最大のチャンスだからだ。

 

「…?隊長の妹…?」

 

砲塔が向き終わるより前に隊長の妹…西住みほがキューポラから顔をだした。

そしてマイクに手を当て何かを指示している。

 

 

「…っ!?て、停止しなさい!」

 

「えっ!?」

 

「いいから早く!」

 

「や、ja!」

 

エリカが指示を出し停車すると目の前に榴弾が着弾する。

もし停車していなかったら命中していただろう。

 

「ーーーー?」「ーーー!?」「ーーー!!」

「(今の爆音で耳が…!)」

 

聴力に頼れないならとキューポラの中から周りを見回す

しかし地面を撃った事による砂煙でキューポラからでは周りを確認出来ない。

 

「(ありえない…まさか…初めからコレが狙いで!?)」

 

ココで距離を取られては追いかけた意味がなくなる。

 

「(全速前進!距離を取らすな!)」

操縦手を蹴りすぐに指示を送る、どうやら意図が伝わったようで戦車が急発進する。

耳鳴りも収まり周りの音がようやく聞こえ始めた。

 

「ちょ、ちょっと!飛ばしすぎよ!」

 

「えっ!?なんで停車したのに戦車が動いてるんですか!?」

 

「はぁ!?あなた今何て…」

 

エリカは気づいてしまった

 

操縦手がレバーを一切握ってなかったということに。

 

「まっ…まさか…」

 

慌ててキューポラから顔を出し確認して呆れたようにため息をつく。

 

「…まったく、無茶な事するわね…」

 

『ーー繰り返す、E車の戦闘放棄を確認。そしてD車は走行不能

判定の結果 D車の勝利!』

 




くるくる作戦の全貌は次回明らかに!

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