とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

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7ページ目 平和な5年間~甥っ子が可愛くて生きるのが楽しい

◎月◇日

 

 最近占いのお仕事が順調。けど納得いかない。何故、恋愛相談占い師としてプチブレイクしてるんだ。雑誌やテレビにまで出ちゃったんだけど。あれか? 私、自分の恋愛運他人に分け与えちゃってるのかな。聖母か。我ながら聖母か。ジーザス。

 まあ、そのお陰で金銭的に余裕が出たからいいんだけど。バイトはまだ続けてるけど大分シフトを減らしたから時間に余裕が出来て嬉しい。

 

 占いババ様の所で宮殿の雑用は相変わらずやってるけど、以前よりもっと終わらせるのが早くなったから占いの修業に費やせる時間が多くなった。とはいえ占いの腕はババ様には未だ遥か及ばないが、もうだいぶ安定してきている。ので、予てより本命だったあの世とこの世の行き来の術を学ぼうとババ様にお願いした。しかし予想はしていたがこちらの方がはるかに難しいらしく、これからは主にこちらの修業が主体になりそうだ。思いついてから長かったような短かったようなで感慨深い。頑張ろう。

 

 餃子師範には超能力で教えられる事はもうないからと太鼓判をもらい、あとは自分で磨いてねと言われた。卒業させられてしまったが、餃子師範が偉大なる超能力の師であることに変わりない。いや、本当にお世話になった。ので、会いに行くとしても修業ではなくほぼ遊ぶために訪ねている。餃子師範とする念力枕投げとか超楽しい。パイ投げは天津飯に一度怒られて出来なくなった。何でだ、楽しいのに。投げたパイは落ちる前に念力で止めて全部私が美味しくいただいたじゃん。一度ぶつけたからって怒らなくてもいいのに。

 

 ちなみに悟空とチチの子供に関しては話していない。サプライズされてみんなでおったまげればいい。

 

 

 

 

 

Э月З日

 

 原作にかかわる時はフェードアウトする気でいるが少しでもサポート出来ないだろうか、と考え農家として確実にスキルアップしている自信をもってカリン様に仙豆を分けてもらうことにした。初対面だったけど、悟空と一緒にカリン塔まで行って紹介してもらったらなんとか分けてもらえた。

 

 

 

 

 

×日×日

 

 仙人様の植物を舐めていた。畑に植えると蔓ばかり急成長して、あわや他の作物を覆い隠す勢いで大いに焦った。正しくない育て方をするとこうなるのだろうか。悟空と二人で蔓除去作業におおわらわである。しかも蔓は成長したくせに、実は一つも成ってやしない。

 ぐぬぬ……農業を営むサイヤ人の意地として、いつかきっと栽培してみせる。

 

 ちなみに悟飯ちゃんはすこやかに成長中。蔓の除去が終わると、スヤスヤ眠る悟飯ちゃんを胸に抱いたチチさんが家の方から私たちを呼ぶ声が聞こえた。なみなみとつがれた冷たい麦茶のコップには結露した水滴がついており農作業の後には何とも美味しそうで、主食には巨大サイズのおにぎりがたっぷり用意されていた。

 悟空と競うようにして食べたら、「姉弟そろって気持ちいいくらいの食べっぷりだなぁ」と笑われた。つい思いっきり食べてしまい恥かしかったけど、胃袋以上にここで食べると気持ちまで満足する。

 ああ、こんな日が続くといいな。

 

 

 

 

 

 

△月◎日

 

 

 今日は何も予定を入れない日にしたので、日ごろのお礼に悟空とチチさんをデートに行かせた。たまには嫁さんに尽くしてこい。

 

 悟飯ちゃんの面倒は私が見ることにして、おねむの時は揺り籠をユラユラ揺らしながら子守唄を歌ったりしていた。普段から手伝っているので、離乳食もオムツのとりかえもお風呂に入れることだって完璧なのだ。

 私の甥っ子が可愛くて生きるのがつらい。嘘、嘘。生きるのが楽しい。なんでだろう……年をとったせいなのか、生まれた時産婆代わりをしたからか、悟空も赤ん坊のころを知っているはずなのに悟飯ちゃんのが可愛く見える。

 

 この幸せな空間に浸かっていると、もう結婚とか別にいいかなと思えて……いやいやいや。それは別だから。気をしっかり持つんだ私。今度婚活パーティー出席するんだから諦めるな。

 

 悟空にエスコートが出来るか心配だったが、悟空にしこたま荷物を持たせてニコニコ笑顔で帰ってきたチチさんを見て安心した。普段は修業ばかりしている悟空にチチさんが不憫になる時もあるけど、こういうのを見るとなんだかんだバランスの取れたお似合いの夫婦なんだろう。

 

 

 

 

 

П月◆日

 

 あの世に生身で行くことはまだ出来ないが、幽体離脱が出来るようになった。違う、これじゃない。

 

 婚活パーティー? そんなもの初めから無かったんだよ。無かったんだよ。

 

 

 

 

 

〇月Ж日

 

 超能力の練習をしていたら新技開発。自身および半径1mまで重力操作が出来るようになった。

 重力というか、正確には単純に念力で圧力をかけるというのが正解。けど重力操作のがなんとなく格好いいので「グラビティープレッシャー」と技名までつけた。浮かれすぎである。後になって、アルバイト先の子供がしてたゲームに同じ技名があって少し凹んだ。けどこれ強力なんだぞ! 惑星ベジータ生活時の地球の10倍の重力をイメージして基準にしたら、50倍までなら圧力が上げられることが分かったんだから! まあそこまで上げることはないけども。動けないどころかうっかり死にかけた。

 自分ごと圧力がかかるし範囲が狭いから攻撃用には使えない。しかしこれでベジータが未来でよくやってた重力修業が出来る。訓練の際の重りの問題が思わぬところで解決した。天才か私。

 相変わらず戦闘関係の修業は嫌いだが、せめて母星の重力にくらい耐えられるようにならないとさすがに駄目だよねと最近反省している。

 

 そういえばラディッツ来るのっていつ頃だっけ? うろ覚えの箇所は多いが、特に時系列が思い出せない。天下一武道会は開催期が決まっていて覚えやすかったのに。悟飯ちゃんの年齢が肝だった気がするんだけど思い出せない。しっかり喋れるようになっていたから、3~6歳の間のはずだけど……。

 

 まだあの世とこの世の行き来は出来ないため、次点で安全な場所を避難用に探しておいた方がいいかもしれない。

 一応、最強の候補は思い浮かんでいるのだ。

 

 そう、ペンギン村である!!

 

 

 

∴月〇日

 

 何故だ。悟空が小さいころ行けたんだから同じ世界線にあるはずなのに、ドクタースランプアラレちゃんの舞台であるペンギン村が見つからない。

 あそこならギャグ補正という問答無用の安全性が手に入るというのに。両方ゴッド鳥山が創造したもうた世界だからこそ、偶然つながった異世界だったとかそういう落ちなのだろうか。それとも田舎過ぎて見つからないんだろうか。冷静に考えてみるとアラレちゃんの世界と同じだったらせんべいさんが直してくれるとはいえ地球は何回も真っ二つになってるか。あああ~、やっぱり別世界なのか。ああー……あー……マジか。

 

 

 

▲月Д日

 

 避難場所はともかく、気をスカウターで発見されないくらいに抑えて生活すればいいじゃないと気づいた。そうだよ、戦闘力5くらいに抑えておけば「なんだゴミか」ですむじゃん!

 気苦労が一つ減って嬉しい。よし、普段抑えている気をもっと抑えるぞ!

 

 そういえば、また仙豆の栽培に挑戦して失敗した。ああ、二十日大根エリアが蔓だらけに……。けれど前よりましになったことは喜ばしい。その内きっと成功させてみせる。

 

 

 

 

 

●月○日

 

 

 家の前にラディッツが居た。

 

 

 

 

 


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