とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

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32ページ目 天下一武道会開催!~ラッキースターは2人居る!

Ё月■日続き

 

 

 

 

《少年の部決勝戦》

 

 天下一武道会では現在は大人の部と子供の部で分けられている。そのため、本人たちはぶーたれていたがトランクスと悟天ちゃんは子供の部に出ることになった。

 

 結果は当然ながら2人の圧勝で進んだわけだが、2人の最後の試合がね……いや、試合自体はやんちゃが過ぎるけどいいんだよ。だけど試合を見てる親の反応っていうかベジータの奴の反応が私の腹筋に深刻なダメージを与えてきた。

 今回は全員スーパーサイヤ人は無しで、という縛りが仲間内で決定したわけだけど、負けそうになった悟天ちゃんがついスーパーサイヤ人化しちゃった時「汚いぞカカロット!」とか言ってるし、その前もトランクスが勝ちそうになってる時とか機嫌良さそうに笑ってるし……しっかり親馬鹿になってんじゃねーかお前。

 

 ちなみに空龍だが、楽しそうに試合を見ていたものの途中で悟天ちゃんのかめはめ波が建物にぶつかりそうになった時とっさに動いてそれを弾き飛ばしていた。その手慣れた様子に「あ、この子ちゃんとお兄ちゃんとしてあの子らの戦いの面倒見てるんだな」って思った。悟飯ちゃんが高校に通い始めたから、やっとチビの中での年長者って自覚が出てきたのかもしれない。思わぬところで息子の成長を見た。

 

 あと龍成はそんなお兄ちゃんに憧れのまなざしを向け、エシャロットは「やっぱりエシャも出たかった」とぶーたれていた。まあ、いずれな。とりあえずエシャロットは手加減覚えるまでは諦めろ。

 

 

 

 

 

 

《天下一武道会大人の部 第一試合》

【ミスターサタンVSマイティマスク】

 

 もしマイティマスクが本人だったらこのまま見ていようと思ったのだが、案の定胴長のキメラになっていたので無言ですっと指をさして空龍を見た。それだけで理解したのか、空龍は「オッケーお母さん!」と頷くと試合が始まろうとしていた会場に飛んでいくと、そのままマイティマスク(偽)に蹴りを入れて上半身と下半身を分離させた。否、肩車で背を稼ぐというせこいことしていた甥っ子2人の正体を露見させた。

 これには会場がざわついたがいちいち説明するのも面倒くさいので、念力で会場から無理やりイヤイヤと暴れるチビ2人を引き寄せるとそれぞれのオカンの前に着地させた。待っていたのは当然ながら母からの愛の拳骨である。……いつも思うけど、サイヤハーフ(時々サイヤ人)にたんこぶ作れるチチさんとブルマすげぇ。

 

 そんなわけで、ミスターサタンは「???」という表情のまま不戦勝。この男、運が悪いようでいて実にラッキースターである。

 

 

 

 

 

《天下一武道会大人の部 第二試合》

【シンVS孫悟空】

 

 試合前に何やら会話をしていたが、場所が遠いのと周りの歓声が煩くてよく聞こえなかった。

 

 けどその歓声の中に面白いものを聞き取る。「おい、あれって昔出てたチビじゃないか?」「お前何十年前の話してんだよ。あいつ大人になってからも一回出てんだぞ。しかもその時は優勝して結婚までしたんだからな!」「マジか! いや、でもその時の天下一武道会って会場吹っ飛んだりしてなかったか? つーかそれも結構前の話だろ。よく知ってんな」「司会の奴が友達なんだよ。俺も最後まで見れなかったけど、凄かったぜ!」とか。サングラスかけてお忍び全開オーラ出してる今どき珍しい獣人タイプのおじさんが「あ、あれはあの時の少年!? 間違いない! 大きくなって……そうか、さっきの少年の部のあの子はやはり彼の息子だったんだな」と言って何やらサングラスの下に涙を光らせていたりとか。「おい、よく見ろ! 対戦表に天津飯がいるぞ!」「パパ、てんしんはんって誰??」「あいつも過去の優勝者なんだ! パパが若い頃見た天下一武道会に出てた!」「本当だすげぇ! よく見たら、今回昔出てた連中多くね!? と、鳥肌立ってきた……! 少し考えるだけでも過去優勝者が3人!? じゃ、ジャッキー・チュンはどこだ!?」「落ち着けさすがにもうお年が厳しいだろ」「そういえばあの緑のって」「言うな」とか。

 

 なんつーか、ちらほらコアなファンが混じってるな。

 当時はテレビカメラも無かったし色々アクシデントも多かったからほとんど映像に残っていないはずだけど、よく覚えてるもんだ。けど当時の試合を見ていた者なら、その強烈なインパクトを忘れられない気持ちも分かる。私は一回しか見てなかったけど、面白かったよね天下一武道会。

 

 

 さて、当の試合だがいい意味で裏切られた。

 

 界王神様普通に善戦してるじゃないか!

 

 

 ここで仕事したのが今回のスーパーサイヤ人無し縛りである。ノーマル悟空となら界王神様はいい線いくどころか、普通に強いみたいだ。

 戦い方の印象は「姿勢がいいな」である。あと流麗というか優雅というか、動きの一つ一つに無駄が無い。戦い慣れはしていないようなのだが、先読みの力にたけているのか悟空の動作ひとつひとつに一瞬早い速度で反応して対処している。悟空もそれに対して楽しそうに応戦しており、その玄人じみた戦いの様子は会場を沸かせた。派手さは無いが、技巧面で言えばまず間違いなく最高峰の試合だっただろう。お互い様子見なのか観客に見える速度でやりあっていたのも大きい。

 

 しかし悟空に熱が入ってきたあたりで、まさかの界王神様の「まいった」宣言。これには会場大ブーイングである。

 スーパーサイヤ人になるのを促さなかったあたり、そちらの本命は悟飯ちゃんで悟空に対しては素の実力を計りたかったってところだろうか。見た感じ、界王神様もちょっと楽しそうだったし。

 悟空の「え~! そりゃねえよー!」という大きな声だけ聞こえたけど、係の人に次の試合が控えているからかさっさと武舞台からは追い出されていた。それをクスクス笑ってみていた界王神様が印象的である。

 

 

 

 

 

 う~ん、面白い。やっぱり面白いぞ天下一武道会! 現在進行形で打ち込んでいる実況日記もいいが、あとでちゃんとまとめよう。どこまで試合が見れるか分からないけど、出来れば全試合見たいものだ。

 

 さて、お次の試合はビーデルさんとピッコロさんである。実力的にはその差は明らかだが、内容からは目が離せない。期待!

 

 

 

 

 

(日記は続いている)

 

 

 




ラッキースター2人目は誰でしょうね(ヒント:スーパーサイヤ人縛り

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