とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

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30ページ目6年よもやま日記その2~色々忙しすぎた(言い訳その2)

▲日◇日

 

 

 悟空とチチさんの間に第二子、悟天ちゃんが誕生!

 

 ちなみに悟空はチチさんが妊娠していると知ると、生まれる2か月くらい前にあの世からナメック星のドラゴンボールで生き返ってきた。改めて字面にすると凄いな生き返ってきたって。ちょっと遅い気もするが、帰ってきてからはちゃんとかいがいしくチチさんの世話を焼いていたのでよしとしよう。

 

 ちなみにカプセルコーポレーション製の宇宙船でナメック星まで行ってくれたのはなんとピッコロさんだった。どうやら、最長老様と同化したこともあって新ナメック星の事がずっと気になっていたらしい。ちなみに残り2つの願いはナメック星人達に託してきたそうだが、口笛を聞いても平気になるようにしてくださいって願えばよかったのにと思わなくもない。

 

 そして今回も産婆役は私である。

 

 あれ、出産間近なのにまた入院してないな? とか思っていたら、悟空とチチさんに「姉ちゃん、また頼むな!」「またお願いするべ、空姉さま! きっと姉さまにとりあげてもらったら、丈夫な子に育つだ!」と当然のように産婆を任された件。

 なんかこの夫婦から妙な信頼を寄せられているな私……いや、嬉しいけどね!? でもここは専門の人に任せようよ!? でも結局引き受けてしまったあたり、私は弟夫妻に弱い。

 だからめっちゃ勉強したわ。前回みたいに血まみれでアワアワするのは勘弁だ。

 そのお陰で今回は随分とスムーズに取り上げることが出来た。

 

 ちなみに悟飯ちゃんの時と違って尻尾が無かったのには驚いた。満月の晩にドキドキしなくていいのか……羨ましい。

 

 弟が出来たことに悟飯ちゃんは凄く喜び、空龍もトランクスに続き従兄弟が増えて大はしゃぎである。何気に空龍、トランクス、悟天ちゃんと年子みたいだな。トランクスと空龍には兄弟は居ないし、仲良く育ってほしい。

 

 

 

 

◎月×日

 

 

 

 ラディッツが居酒屋の店長になった。というのも、店長である親父さんの引退がきっかけである。

 

 なんでも年も年だし、前から考えていそうだ。

 店を継いでほしいと言われたラディッツは最初こそ戸惑って辞退しようとしていたが、親父さんに「あんたとあの娘っ子は、俺にとって息子と娘みたいなもんだ。そして、この店も俺の子だ。どうか、継いじゃあくれないか」と言われて、他の店員やアルバイトの大プッシュもあってついに店を継ぐことを決意。親父さんの言葉には思わず私までホロリときてしまった。厳しくも人情のある人だと思っていたが、まさかそんな風に考えていてくれたとは……。

 

 とまあ、こんなわけでラディッツ、まさかの置物からの大出世である。

 聞けば、いつの間にかアルバイトじゃなくて正社員扱い、というか副店長扱いだったのねラディッツ……最近妙に仕事が増えたと数年前から首をかしげてたけど、気づけよ。いや、給料が増えたことを疑問に思わなかった私も私だけど。

 

 

 ちなみに親父さんだが、隠居するのかと思えば老後の趣味を兼ねて喫茶店を始めた。厳選された自家焙煎の珈琲が売りの、ゆったりとしたジャズに心癒される大人の空間である。

 そしてそこには親父さんの他にパラガスが居る。パラガスは新惑星ベジータの一件以来居酒屋で働き始めたものの、(主に若い客のテンションにキレかけたりで)居酒屋には向かなくて悩んでいたのだ。そこに親父さんが一緒に店をやらんか、と声をかけた。何でも妻に先立たれ息子と疎遠だという境遇が親父さんと似ていたらしく、働き始めた当初からパラガスの事を気にかけていてくれたらしい。

 そこで給料こそ少ないが、気持ちの整理がつくまでのんびり喫茶店で働いてみないかと誘いをかけてくれたのだ。もともと親父さんとは気が合うらしく、よく話していたパラガスはその申し出を受けて今は親父さんと2人で喫茶店を切り盛りしている。色々試行錯誤しているらしく、最近では気を使って珈琲を焙煎するすべを身に着けたと言っていた。命名「ブロリー珈琲」は飲むと元気が出る珈琲として、人気メニューである。

 

 

 

 

▽月◆日

 

 

 クリリンくんと18号がデートしてる場面を目撃。キタコレ。

 

 といっても、クリリンくんは荷物持ちなのか買い物袋をたくさん持たされていた。けど本人幸せそうな顔してるのでいいかなって思った。

 

 

 

 

 

 

ю月◎日

 

 

 餃子師範を通してランチさんに相談された。

 

 なんでも天津飯を追いかけに追いかけて一緒に暮らすまでこぎつけたはいいが、天津飯が修業の傍ら生活のためにしている畑作業が肌に合わなくて悩んでいるらしい。

 そこで天下一武道会以来ほぼ接点が無かったのだが、餃子師範に女性で誰か農業に詳しい人はいないかと相談したところ私に話が回ってきたようだ。

 

 ので、一回チチさんを交えて女子会した。聞けば、畑作業は苦手だが天津飯の事はランチさんの表さんも裏さんも大好きなようで……もうこれは私らの出番じゃね? と、私とチチさんは張り切って畑作業を指導した。といっても、女性でも負担になりにくい体の使い方やら畑作業での楽しみの見つけ方を教えたくらいなのであとはランチさん次第であるが。

 

 餃子師範は天津飯が結婚することになったら少し寂しいかもしれないけど、それくらいで彼らの固い絆は揺るぎはしないだろう。彼らの今後に注目である。

 

 

 ちなみに餃子師範の所には今でもしょっちゅう遊びに行っている。空龍もなついているのだが、背格好が近いからか師範の呼び方は「ちゃおにいちゃ」である。うん、師範、サイヤ人以上に見た目変わらないもんね……。

 そういえばずっと使う機会のなかった超能力を使った新技だが、餃子師範に相談したところ精度だけがぐんぐん高まっている。使うことが無い方がいいのだけど、ちょっとしたお守りが出来た気分で嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

◎月И日

 

 

 私とラディッツの間にも悟天ちゃんに続き1年遅れで子供が産まれた。

 

 第二子っつーか、第二子と第三子が同時に生まれた。つまりまさかの双子である。それも男女の。

 

 

 

 あっれ、なんか空龍の時とちょっと違うな? とか思ってたらこれだよ知った時ビビったわ。

 しかも空龍の時と違ってスーパーサイヤ人になるまでも無くスポンと生まれたと思ったら、2人とも最初ぐったりとして息してないわ心臓が今にも止まりそうだわで超焦った。「初めて栽培に成功した!」とカリン様のもとで修業中のラディッシュが妊娠祝いに贈ってくれた仙豆が無かったらと思うとぞっとする。

 

 名前は女の子の方がエシャロット。空龍の時は地球風の名前でいいよとラディッツが言ってくれたので、今回はサイヤ人風にしてみたのだ。フルネームが孫エシャロットになってしまうが、ラディッツだって戸籍上は孫ラディッツだ。それに今はファミリーネームを名乗らないのが普通のようだし、問題ないだろう。

 男の子の方が龍成、孫龍成(そん りゅうせい)だ。この子のがお兄ちゃんなのだが、エシャロットよりも生まれた時生命力が弱弱しかったので龍に成るくらい逞しく育てという意味を込めて名付けた。

 

 驚きはしたし冷や冷やしたが、まさか一気に2人の子宝に恵まれるとは思わなかったので凄く嬉しい。

 空龍も妹と弟が同時に出来たので大喜び。きっとこれで責任感が出て、甘えん坊な現状から変わってくれることだろう。ラディッツは言わずもがなで、生まれた時は泣きながら「ありがとう」と繰り返しながら喜んでくれた。

 

 もし未来空龍来たら驚くだろうなと、今からちょっと楽しみである。

 

 

 

 

 

 

∴月Ё日

 

 

 双子が生まれて3年くらい経つ。

 

 双子とかまたある程度育つまで大変だろうなとか思っていたのだが、一般的な子育ての苦労はあるものの空龍に比べて超楽だった。

 何故って、この2人だが純正サイヤ人であるものの空龍と違って生まれながらの戦闘力が低く、いきなりスーパーサイヤ人になることもなかったからだ。つまり力の制御を覚えさせる必要も、どっかに飛んで行ってしまう心配もない。それがいかに楽であるか、私はしみじみと実感した。

 

 こうしてみると、空龍が例外中の例外だったんだな。

 

 

 

 ちなみに双子だが、見た目はまんまちっさい私とラディッツである。

 

 私似のエシャロットは3歳にして早くも偉そうでふんぞり返っているが、そのくせビビりである。兄である龍成の服をいつもひっつかんで離さない。

 龍成は気弱なところはあるものの、優しくて妹を守ろうとするときは根性見せる子だ。いつぞや吠える野良犬から妹を守った姿は格好良かった。

 

 

 奇しくも空龍6歳、トランクス5歳、悟天ちゃん4歳、龍成、エシャロット3歳と年子のような年齢順になってしまったため、年の近い彼らは仲が良い。よく元気にパオズ山の畑で遊びまわっている。それを見守る悟飯ちゃんはすっかりお兄さんの風格だ。やんわり注意して怒ったり、遊んであげたりと頼もしい。

 

 そういえば空龍だが、最近カプセルコーポレーションにもよく入り浸っている。

 どうやら機械やモノづくりに興味があるらしく、よくブルマやブルマのお父さんの後をついて回って見学しているんだとか。空龍は力が強いこともあって念入りにラディッツが修業をつけているが、どうやら戦いよりこういった方面に興味あるみたいだ。

 

 

 

 

 

 

Й月П日

 

 懐かしい人たちから手紙が来た。ギニュー隊長、ジースくん、ナッパからだ。

 筆を執ったのはナッパのようだが、流れるような美しい文体と礼儀正しい文にビビる。な、ナッパは順調に成長しているようだ。

 

 今までも時々近況の報告をしてくれたが、最近は連絡が無くて心配していたので安心した。なんでも未だにドラゴンボール探しは難航しているようで……どうやら、他にドラゴンボールを集めてる奴が居るらしい。好敵手と書いてライバルとルビがふってあったので、苦労しながらもなかなか楽しんでいるようだ。

 

 彼らの冒険譚は絵本代わりに息子と娘に大人気なので、これからも頑張ってもらいたい。

 

 

 

 

 

□月◆日

 

 

 やっとクリリンくんと18号がゴールインした。めでたい事である。

 

 結婚式ちゃんとやるんだな、とうきうきしながら出席したら、ご祝儀を18号さん自ら徴収されて大分搾り取られた。いや、もうね……「祝ってくれるんだろう?」と美しい笑みとウエディング姿で言われちゃ断れんわ。クリリンくんがちょっと申し訳なさそうにしていたが、まあよかろう。みんなで盛大に祝ってやった。

 

 

 ところで、今回結婚式に出席したことで私とチチさんとブルマで「ねえ、今度よかったら合同結婚式やらない?」「それは素晴らしい考えだ! 悟空さと結婚式さしたけど、その時はここの皆は居なかったものな。祝ってもらえたら嬉しいし、オラもまたウエディングドレス着てみたいだよ」「いいわね~! そしたら盛大にやっちゃうわよ! さいっこうのやつね!」という話題で盛り上がった。半分冗談なので実現するか分からないけど、こういうのは話すだけでも楽しい。特に私とブルマは式あげてないしね。

 

 ベジータとラディッツが何処か肩身狭そうにしていたのが面白かった。悟空だけ「へへっ、オラはちゃんとやったもんね~」と得意げにしてたけど、お前らの結婚式色々大変だったよな……たどり着くまでの過程が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして慌ただしく日々は過ぎる。

 

 そして、気づけば6年経っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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