とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

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★17ページ目 ナメック星5~壁という生き方

▼日Ё日続き

 

 

 

 ギニュー特戦隊との戦闘を終えて、いよいよフリーザ様との戦いである。

 私の原作知識などあって無いようなものだけど、ここまで来れば確実に色々とおかしい事になっていると気づいた。

 

・ネイルさん生存(え、ピッコロさんのパワーアップは?)

・ヤムチャと天津飯参戦(!?)※しかも知らないうちにドラゴンボール3つの願い全部使い終わってた。

・フリーザ様が悟空と戦う前に最終形態(!?!?)

 

 気分的に役満だよコノヤロウ! 字面を変えたら厄満だよ畜生!!

 ……上手いこと書いたとか一瞬思ってしまった自分を恥じた。あと、ネイルさん生存とヤムチャ天津飯コンビの復活は厄じゃないだろいい加減にしろ! けど最後の一つだけでもうお腹一杯だわ。どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

《VSフリーザ様》

 

 

 

 

 ギニュー特戦隊との戦いを終えた私たちは(といっても私はほぼ見ていただけ)次に巨大な気がぶつかり合っている場所へと向かった。私は体調がすぐれないことを理由に餃子師範たちの所へ避難したかったのだが、悟空に「よし、行くぞ姉ちゃん!」と言われて「お、おう」と逃げるタイミングを逃した。

 ベジータにはいくら傍若無人な振る舞いをしても気にならない私であるが、こちらの義弟に対して私は色々と弱い気がするのは何故だろう。あれか、私では到底持ちえない純粋さと真っすぐさがあるからか。考える間もなく完敗である。ひねくれ者には眩しいぜ(最長老様のお言葉が頭から離れなくてツライ)

 

 さて、流れとしてはこんな感じだった。

 

 ピッコロさんピンチ!(それでも最終形態フリーザ様相手に一人で持ちこたえていたピッコロさん凄ぇ)

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 悟空が間一髪で救出!

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 フリーザ様の出会いがしら最終形態にビビりつつも対峙。ピッコロさんはさりげなく合流した悟飯ちゃんとクリリンくんが安全な場所に連れて行ってくれた。

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 ベジータ、無謀なる特攻。腹パン(打ち抜きコース)からの泣きべそ、仙豆で復活、パワーアップの華麗なるトリプルアクセル。仙豆残り1。悟空が持ってきた3粒のうち2粒をこいつに使う羽目に。馬鹿な。

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 調子に乗ってまた突っ込みそうになるベジータを止める。フリーザ様からのまさかの勧誘。もうここまで来たら小細工も何もないので丁重にお断りしたところ、姉弟おそろいだよ☆ってことなのか私にまで腹パン(打ち抜きコース)の危機が迫る。悟空に助けられる。やはり義弟こそ真の弟である。

 ↓

 悟飯ちゃん、クリリンくん、ピッコロさん(多分デンデのベホマで回復)、ベジータのエネルギー波のカルテットコンビネーションがフリーザ様を襲う。正直「おお!」と拳を握ったけどあえなく避けられる。しかも外れたクリリンくんのキラー技である気円斬が山を切り裂いたところを見てフリーザ様が警戒してしまった可能性。ガッテム。

 フリーザ様が余裕すぎて「これ勝てるん?」ってお腹痛くなった。やだ、優雅に構えてて凄い大物感……泣ける。

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 この期に及んでビビりかけてるベジータのケツを蹴り上げる。私は悟空とお前に全賭けしているのだ。無様に諦めるなんて許さん。もうここまで原作知識ぶっ飛ぶ事態になってるんなら、どっちでもいいから超化はよ。オーバーキルはよ。

 妙にグダグダになったので仕切り直した。呆れながらも会話を許してくれてたフリーザ様ったらマジ大人。その余裕をベジータにも見習ってほしい。

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 ベジータが「覚悟しろフリーザ。誇り高きサイヤ人の力を見せてやる」とか、あたかも私と悟空と悟飯ちゃんを自分が率いてるみたいに偉そうなセリフをほざいたのでポカンとした。しかも渾身のドヤ顔である。悟空と悟飯ちゃんも「え?」って顔してたの見たからな私。いや、さっきまでべそかいてたお前がなんで仕切ってんだよ馬鹿か。実姉の私まで居たたまれなくなるだろやめろよ!

 ↓

 突っ込みの暇もなくなった。もう、ここからは混戦である。

 

 

 この混戦の中、私は今までになく頑張ったと思う。いやマジでマジで。

 

 何をしたかって?

 壁としての役割を全うしたんだよ!それしか生き延びる方法が無かったんや!! ちょっと間違えればすぐ誰か死にそうだから!!

 

 

 今思い出しても痛い。

 

 まずベジータが何を思ったのか不意打ちで悟空の胸を貫いたから、目ん玉飛び出しそうになりながらもラストビーンズを悟空に与え復活させた。グッバイ仙豆。回復パワーアップが目的だろうけど敵の眼前で突然の暴挙に本当にこいつ馬鹿なんじゃないかと思った。

 その後は復活してパワーアップした悟空とベジータが接近戦を担当し、悟飯ちゃん、クリリンくん、ピッコロさんがタイミングを見計らって遠距離攻撃という図が出来上がった。しかしそれもすぐに崩れて、鬱陶しかったのかまずフリーザ様の光線が悟飯ちゃんを貫いた。ここから私のお仕事スタートである。

 フリーザ様の悟飯ちゃんへの止めの一撃を体を張って止めた。

 言葉にすれば簡単だが、さっきベジータの腹に風穴を開けた攻撃を防いだと書けばその凄さがわかるだろう。後で読み返している私へあえて言おう。この時の私、おばとして最高に輝いてたぜ!

 最長老様に言われた言葉が原因じゃなく、自分の良心が仕事した結果だと思っている。うん、そうだよ良心良心。何も私の全てが自己愛で形成されてるわけじゃないし。そ、そこまで自己中じゃないし!

 

 とっさの事だったので動いた後に「デンデがザオリクかけてくれますように」と完全に諦め思考になった私だったけど、超痛かったけど普通に防げていたことに驚いた。超痛かったけど。フリーザ様も驚いていた。

 いや、なんというか……最長老様に引き出してもらった力だけど気を解放しようとするとまったく制御できないので、体の中に止めるようにしたらめちゃめちゃ防御力上がってたというね。それを悟った瞬間、私は自分の役目を理解して目が死んだ。

 

 ああ、これは誰か一人でも欠けたら詰みそうな状況の中で最高の壁役ですわ。

 ゲームだったらこいつ前列に出して後方に下げたやつ回復させよって奴だわ。

 

 もうここまでくると私もアドレナリン出まくりで要するにやけになってたわけで、自分でもびっくりするくらい潔く腹をくくった。

 

 

 

 

 いいよ、来いよ!! 全部受け止めて守ってやるよぉ!!

 

 

 

 

 気分的にこんな感じだった。今思うと頭いかれてたんだと思う。フリーザ様の攻撃を全部身一つで受けきるとか何事。

 

 それからというもの、壁の役割は忙しい。仲間がピンチになるたびに仁王立ちして防御、幸いなことに来ていたらしいデンデのもとへ向かわせ回復させるを数度繰り返したのだ。私は来世パラディンにでもなるつもりか。仁王立ちの熟練度半端ないぞ。魔王戦でも大活躍間違いなしだろ。ドラクエやりたい。

 途中で「姉ちゃん、すまねぇ! でももう十分だ!」「くッ、こんな奴に守られるとは」「空梨おばさん死なないで!」「空梨さん、無茶だ! そろそろ下がってくれ!」「貴様に守られるまでもない! だからさっさと引けぇ!!」とかなんとか色々聞こえた気がするけど、「うるっせぇだったら早くフリーザ様倒せやボケェ!!」と怒鳴り返しておいた。いや、ホントにな! 壁役解任してくれるなら目の前の激オコなラスボス倒してくれよ! もうすでに間合いから抜け出せねぇよ!! 完全にロックオンされたよ!!

 ボロ雑巾になりながらも、生命力的にはまだまだ死なないぜ!って感じの私は相当鬱陶しかったに違いない。私はきっと生まれ変わったらメタルスライムとかメタルキングにもなれると踏んでいる。それもHP500くらいある感じの。何この防御力コワイ。いっそ気絶してあとは全部丸投げしたかった。

 

 

 

 しかし終わりは来るもので、ついに力尽きた私は神的なタイミングで助けに来てくれた餃子師範に救出されて戦線を離脱した。

 

 

 けど、この後あんなことになるとは本当に思っていなかった。

 私、超がんばった。痛いの我慢して頑張った。

 

 

 

 だから私は悪くないよね!?

 

 

 

 

(日記は続いている)

 

 

 

 




主人公にしては今までで一番頑張った。超化を期待してくださった方には誠に申し訳ないのですが、潜在能力は今のところ堅に全振りされたようです。


トライヤルさんから主人公のイメージイラストを頂きました!

【挿絵表示】
まるで少年漫画の主人公みたいなフレッシュな笑顔の主人公です。中身はくすみ切った三十路だというのに・・・!そして隣に描かれたベジータ先輩が私の腹筋にギャリック砲を撃ってくる。

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