とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

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★孫悟飯の冒険inナメック星(中)

 ボクたちがナメック星に着いてからしばらく経つけど、短い間に色んな事があった。

 

 そんな中でいつも一緒に行動してくれるクリリンさんと餃子さんはとってもたのもしい。もちろん宇宙船を使えるようにしてくれたブルマさんや、ちょっと過保護だけど空梨おばさんも! でも2人は今別の場所で待ってもらっていて、ボクたちは最長老様とデンデの所に向かっている。手に抱えたドラゴンボールの重みが、ここ4日ずっとそれ以上に重く感じているのは責任があるからだと思う。

 

 遠い道のりを敵に気づかれないようにゆっくり進んでいたボクたちだったけど、途中でクリリンさんがペースを上げようと言ってきた。いつまでもたどり着かない事に焦っていたのはボクも同じだから頷こうとしたら、それは餃子さんに止められた。餃子さんは地球で殺された天津飯さんを本当の兄弟のように慕っていて、以前サイヤ人のスカウターで計った戦闘力は僕たちの中で一番下だったけど、どうしても手伝いたいと言ってついてきてくれた人だ。

 そんな餃子さんは、本当に願いを叶えたいなら今焦ってはダメだとボクたちを諭してくれた。ボクより小さいけど、やっぱり年上なんだなぁって思う。

 クリリンさんも「ごめん、俺も焦ってたみたいだ。潜在能力を引き出してもらって強くなったからか、身の程をわきまえられなくなってる。ちょっと前に調子乗って痛い目見たばっかりだってのにな……サンキュー餃子!」と、とっても餃子さんを信頼しているみたいだった。それに対して餃子さんも「別に気にしてない。実力を追い越されたの悔しいけど、この中で今一番強いのクリリン。ボクは別の視点から注意するしかできないけど、頼りにしてる」と満足げに答えていて、その間にある信頼関係がちょっぴり羨ましかった。

 クリリンさんはボクの潜在能力っていうのに期待してくれてるみたいだけど、ボクに本当にそんな力があるのかいまいち自信が無い。でも、もし……もしそうだとしたら、強くなってあんなふうに頼られる人間になれたら嬉しいな。ボクを鍛えてくれたピッコロさんが生き返った時、恥かしくないように。

 

 

 そしてゆっくりだったけど、ついに最長老様のところまで戻って来た!

 

 もしベジータやフリーザっていう恐ろしいやつが襲撃していたらどうしようって思ったけど、無事みたいでほっとした。デンデはボクたちを見つけると外まで走って迎えに来てくれて、手を取り合って喜んだ。

 その後は餃子さんがテレポーテーションでブルマさんと空梨おばさんを迎えに行ってくれて、無事に合流。そしてさあ悪いやつらに使われる前にドラゴンボールを使うぞってなったんだけど、それにクリリンさんが待ったをかけた。

 

「なあ、願いを叶える前に最長老様に悟飯と餃子、空梨さんの潜在能力を引き出してもらわないか?」

「え~、どうしてよ! 早く願いを叶えちゃった方が安心するじゃない」

「だってブルマさん……神龍って、すごく目立つじゃないですか。それを見てベジータとか来たらどうするんです?」

「ああ、たしかに。それと言い忘れてたけど、今この星にフリーザ様の精鋭部隊であるギニュー特戦隊ってやつらも来てる。神龍が出たら最悪みんな集まってくるかもね……」

「いい!? そ、それを早く言ってくださいよ空梨さん! というか、いつそれを知ったんですか!?」

 

 驚くクリリンさんやボクから視線をそらして、空梨おばさんとブルマさんは変な笑い方をしていた。いったい何があったんだろう……?

 

「そ、それは置いておいて! じゃあ潜在能力を引き出してもらって、戦力を増強してから呼び出そうってことでいいんだよね?」

「はい、そういう感じです。贅沢言えば悟空もそろそろナメック星に到着するころだし、悟空と合流してからっていうのが理想的かな……。きっとあいつ、こっちに向かう途中でも修業してるだろうし強くなってますよ」

「それなら悪いやつらが集まってきても孫君たちでやっつけられるってことね! クリリンくんあったまいいじゃな~い。そしたら、願いを叶えた後はすぐにこの星を出ましょうよ! 生き残りが最長老様たちだけなら、あたしたちの宇宙船か孫君が乗ってくる宇宙船で一緒に逃げればいいんだわ!」

 

 ブルマさんの提案にそれは良いアイディアだ、と思った。ピッコロさんの故郷の人たちを、少しでも救えるなら嬉しい。

 けどそれを真っ先に否定したのは最長老様だった。

 

「いえ、地球のお方……わたしの命はあとわずかばかりも持ちません。わたしは我が子供たちを想い、この星で絶えましょう……。ですので、若いデンデとネイルを連れて行ってくだされ。2人とも素晴らしい龍族の天才と戦士です。ここで絶えさせるわけにはいきません」

「最長老様! いえ、ならば私もともに残ります。最長老様をおいて生き延びるなど、ナメックの戦士として生き恥をさらしたくありません!」

 

 それまで黙っていたネイルさんが焦ったように言うと、デンデも声をあげる。

 

「ぼ、僕も嫌です! 最長老様を置いていくだなんて……!」

「いうことを聞きなさい。いいか、お前たちよ。お前たちが生き残れば、龍族の血は絶えぬ……どうか、悪党どもが去ったあと、再びこの地に戻ってナメック星を生き返らせておくれ。デンデならば、わたしがいなくなっても再び願い玉を作ることも出来るでしょう。今願い玉で仲間を生き返らせてもまた殺されてしまう。なればその時、新たなる願い玉で龍族を蘇らせてくれればよいのですから」

「最長老様……」

 

 しんみりとした空気になって、それに耐えきれなかったのかブルマさんが新しく提案する。

 

「ね、ねえ。だったら、その悪いやつらをみんなやっつけるとか出来ないの? ほら、その潜在能力っていうのを引き出してもらえばみんなすっごく強くなるんでしょう!? ね、クリリンくん!」

「い、いやぁどうかなー……。他の奴らはともかく、あのフリーザってやつはヤバそうですよ?」

「参考までに言っておくとフリーザ様の戦闘力は53万だからね……」

「「「!!??」」」

 

 ぼそっと気まずそうに言った空梨おばさんの言葉にみんな絶句する。ご、53万!? そんな、桁が違うよ……!

 

「だから最善策としては、願いを叶える前に保険として戦力を増強、願いを叶えたら師範のテレポーテーションですぐに宇宙船に戻ってナメック星を脱出することだね。ナメックの人たちには本当に悪いと思うけど……」

「いえ、あなた方がいなければ全滅していたのです。わずかでも救っていただけるのでしたら、感謝すれど恨むことなどしますまい」

 

 すると空梨おばさんはますます気まずそうというか、悲しそうな顔になった。普段は明るい空梨おばさんだけど、結構顔に出やすいところがある。今の表情を見ると申し訳ないだけじゃなさそうだけど、いったいどうしたんだろう……?

 

「それでは、あなた方の潜在能力を引き出してさしあげましょう。ネイルにデンデや、お前たちも来なさい」

「くッ、最長老様……」

「最長老様……」

「ありがとうございます、本当に。俺たち、責任をもってデンデとネイルさんを地球に連れて行きます」

「ええ。ナメック星に帰りたくなったらまかせてちょうだい! 今よりもっと凄いとびっきりの宇宙船を作ってあげるから!」

 

 クリリンさんとブルマさんが力強く答えると、最長老様は安心したように微笑んでくれた。

 

 

 

 そして順番に潜在能力を引き出してもらい、(ブルマさんも「せっかくだしあたしも!」と言って引き出してもらったら、頭が冴えわたったらしい。人によって引き出される能力が違うのかな?)最後が空梨おばさんだった。

 空梨おばさんは「私は後でいいから」「いや、たいして凄いもん眠ってないし」「いやいやいや、やっぱり悪いよ私はいいよ」と何故か潜在能力を引き出されることを嫌がってるみたいだった。どうしてだろう? 餃子さんも潜在能力を引き出してもらって超能力がもっと使えるようになった気がする! と喜んでたし、同じように超能力が使えるおばさんなら戦う力が出なくても、きっと凄い超能力を覚えられるはずなのに。

 

 最終的にブルマさんに「早くしなさい!」と背中を押されて最長老様の前に立った空梨おばさんは、しぶしぶといった様子で最長老様に頭を差し出した。そして最長老様が空梨おばさんの頭に手を置くと、僕達みたいにすぐに能力を引き出さないみたいだった。しばらくすると、「まあいいでしょう」と言って引き出してくれたけど、その前に空梨おばさんに色々言っていたみたい。よく聞こえなかったけど、いったい何を言ったんだろう? 空梨おばさんは凄く疲れた顔をしていた。

 

 けど、大変なのはその後だった!

 

 空梨おばさんの潜在能力が引き出されると、おばさんから凄い勢いで気がふき出したんだ!

 

「ちょ!? く、空梨さん! 凄いのは分かったから抑えて抑えて!!」

「む、むむむむむ無理! え、なにこれ何で!? と、止められない!」

「これじゃ気づかれちゃいますよー!?」

「な、なんて力だ……! これがサイヤ人……」

「感心してないで止めるの手伝いなさいよー! あ、あいつらってたしかスカウターっていうの持ってるんでしょう!? 来ちゃうわよ!」

 

 そうこうしてわたわた慌てていると、各方面から凄まじい気が複数近づいてくるのが分かった。

 

 

 

「みんな、無事か!? すげー気を感じたぞ!」

「悟空!」

 

「チぃ! やっと見つかったと思えばカカロットまで居やがるだと!?」

「べ、ベジータ!」

 

「「「「「ギニュー特戦隊、参上!!」」」」」

「なんかいっぱい来た!?」

 

「ホッホッホ、こうもそろってくれているとは好都合です。まったく、さんざん私をコケにしてくれましたねぇ……」

「「「「「フリーザ様!」」」」」

「フリーザ様ぁぁ!?」

 

 

 

 

 えっと……。どうしよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




かんすけさんとつくねのみやさんから主人公のイメージイラストを頂きました!

おかしい。これほどの幸運が続くなんておかしい。あれ、作者明日あたり死ぬんじゃ・・・?いやマジでラック値が急上昇しているので下がった時が怖いです。幸せすぎで怖いなんて贅沢!



かんすけさんからは主人公と、なんとin地球バージョンのラディッツを頂きました!

【挿絵表示】
主人公。この本編では考えられないクールビューティーさである。そして注目すべきはおっぱいである(真面目

【挿絵表示】
ラディッツ。飲食店で働くための髪縛りバージョンがこうして見られるとは!


つくねのみやさんからはスーパーサイヤ人化主人公を頂きました!

【挿絵表示】
SS化主人公。めっさ可愛い・・・!これを見たら主人公がどんなに嫌がってもいつか超化させたくなります。

お二方とも、本当にありがとうございました!これを励みに頑張ります。

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