とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

109 / 135
復活のF:その十六 からの第六宇宙対抗試合14 さらば第六宇宙の戦士達!また逢う日まで

 

 全王様が帰った後、第六宇宙との交流戦はお開きとなった。

 なんだかんだで第六宇宙の選手たちと仲良くなってしまったので、少々名残惜しくもある。祭りの後のなんとやらってね。

 

 特にキャベくんはスーパーサイヤ人になれたのはお二人のおかげ! と、悟空とベジータに凄く感謝していて(怒らせるために煽った私は?)、いつか惑星サダラに来てほしいとしきりに誘っていた。そのためには宇宙間移動する必要があるため神様連中の協力が必要なのだが、まあにゃんこ達は適当に勝負事を提案すれば乗ってくるだろう。ビルス様はどうか分からないけど、少なくともシャンパ様は。

 シャンパ様今回負けて悔しいだろうし、きっと近いうちに別の勝負事ふっかけにビルス様のもとへ来るはず。だからその勝負事に便乗して第六宇宙へ連れて行ってもらえば、多分サダラ来訪も不可能ではないんじゃないかなー。

 

 …………ただし、次の勝負は格闘以外だ。これは絶対。絶対だ。そうだな。大食いのサイヤ人同士ってことで、フードファイトチーム戦とか平和だしビルス様達も美味しいもの食べられるし、誰もが幸せになれていいんじゃないだろうか。…………よし。あとで提案しよう。そしてスイーツ調達係は私に任せてもらおうか。

 

 

 そういえばボタモくんが律儀にも試合中の私のお願いを覚えていてくれたのか、通常攻撃無効化ボディについてちょっと教えてくれた。といっても、その特性はボタモくんの種族限定で、しかも使いこなしているのは一部のみ。ボタモくんはその中でも戦闘力込みで群を抜いた天才だったらしい。だから私がボタモくんの能力を身に着ける事は出来なさそうだったけど、お願いを覚えていてくれたことがまず嬉しかった。だから心ばかりのお礼に、ブウ子にお願いして魔法でお弁当の一部を蜂蜜に変えてもらってからボタモくんにプレゼントした。

 うん。蜂蜜が入った茶色の瓶が黄色い熊似ボディと赤い服に実によく似合っている。

 最初は蜂蜜を不思議そうに見ていたけど、食べてみたら気に入ったらしい。うむ、私の見立てに間違いは無かったか。

 

 そして妙にフリーザ様になついて(?)しまったフロストであるが、別れを惜しむ態度が鬱陶しかったのかさっきフリーザ様に腹パンされて気絶していたので、回収して無言でヒットに渡しておいた。特に何も言わず受け取ってくれたヒットさんまじ寡黙かっこいい男前。ありがとう。

 でもってギニュー隊長にジースくんはそんな残念そうな顔しないでください。そもそもあいつ犯罪者バレしたんで、こっちの宇宙に引っ張って来て新生ギニュー特選隊に入れるとか無理ですから。

 

 そういやそのフロストを受け取ってくれたヒットは、今回は負けたけど次闘う時はオラ(俺)が勝つ! と張り切った悟空とベジータに絡まれてたな。そして悟空とベジータはどっちが先に再戦するかでもめていた。もういい加減そういうのどうでもいいわい。どっちでも好きに戦えや。私は二度とごめんだけどな!

 ……とか思っていたのに、まさか男二人にモテモテなヒットさんにお声をかけてもらっちゃったぜ。ひゅーう。「消耗していたとはいえ、俺の時とばしを妨害するほどの念力嵐を発生させるとは見事。よければ、お前ともまた戦いたいものだ」とかなんとか言ってもらった。内容が嬉しくない。

 

 

 ま、そんなわけで解散するまでにちょっと時間がかかった。

 そしてお昼休憩の時にいい食べっぷりだったシャンパ様が気に入ったのか、チチさんがお弁当の残りをタッパーに詰めてシャンパ様とヴァドス様に渡しているのを見て思う。…………チチさんつおい。ビルス様、シャンパ様、界王神様、ザマス、全王様と、だいたいのすげー神様にお弁当配布したぞ。つおい。

 シャンパ様はそれに「ふ、フン! まあ、もらっておいてやる」とそっぽを向いて素直じゃない態度をとりつつも、がっちりお弁当を受け取って、耳がピクピク動いて尻尾が左右に揺れているのを見たら喜んでいることが丸わかりだった。小憎たらしくもあるが、どうにも憎み切れない神様だなシャンパ様。

 そんなほくほく顔で第六宇宙の選手たちの元へ戻ったシャンパ様は、負けた直後のぐぬぬ顔は何処へやら。「全王様主催の大会には、またお前たちに出てもらうからな! それまでもっと鍛えておけよ!」と厳しく言っていたけど、語気の強さとは裏腹に顔はニコニコ緩んでいた。しかも最後に「ま、まあ今回はお前らも頑張ってくれたしな。最初の約束通りとはいかんが、ちょっとくらい褒美をくれてやる」とデレまで出した。……そんなに嬉しかったのか、お弁当。まあ、選手たちの頑張りを認めていることが前提にあるんだろうけども。

 でもなんか可愛かったから、私もおやつの残りを分けてあげた。すると今度は素直に「第七宇宙の女はなかなか気が利くな!」と、チチさんと一緒に褒められた。やだこの神様チョロイん。食べ物貢ぐと、どんどんツンが消えていく。また今度会った時は何かあげてみよう。

 

 

 第六宇宙の面々と別れた後は、ブルマが作ったスーパードラゴンレーダーで名前のない星が最後のスーパードラゴンボールと判明。

 大迫力スペクタクルな、宇宙規模に壮大な超神龍召喚が行われた後、ビルス様が神の言語でなにか願いを叶えたことで今回の件は終わった。ちょっとフリーザ様の動向が心配だったけど、スーパードラゴンボールで願いを叶えるためには神の言語でなくてはならないというのを事前に聞いていたためか、この時は特に何もしなかった。ビルス様も居るしな。

 

 ちなみに超神龍の姿の全貌が明らかになった時、赤眼の金竜(レッドアイズゴールデンドラゴン)召☆喚! とか心の中で思ってしまったのは内緒だ。……とか思ってたら、トランクスが「わぁ! なんか青眼の白竜(ブルーアイズホワイトドラゴン)のライバルにいそう!」って言ってた。ああ、そういや最近この世界でも遊戯王発売されてたな……。ちょいちょい前の世界と共通点あるのは何なんだよ。嬉しいけど。

 でもトランクス。ブルーアイズさんにはレッドアイズでブラックな反対色ポジションがすでにいるからな。ら、ライバルかと言われるとよく分からんが。

 

 

 

 

 

 それにしても、まあ無事に終わってよかったよかった。

 

 終わってみれば第七宇宙大勝利! モナカが戦うことにならなくてビルス様も大満足だろう! いやー、いい仕事した。

 ……でも帰る途中でまた悟空が「モナカの実力見れなかったから」って勝負仕掛けようとしたら全力で止めよう。

 

 

 

 

 

「あー、疲れた。さ、帰って風呂入って寝るか」

「待て」

「待ちなさい」

 

 ですよねー。

 

 お疲れ、解散! ムードに持っていこうとした私だったが、両サイドの肩を掴まれた。セルとフリーザ様である。

 

「私とフリーザの戦いがまだなのだがね。ここまで来てお預けとは、ちょっといただけないな」

「ウッセー私に言うな殺すぞ」

「その緑のはともかく、私は孫悟空に復讐するためにわざわざ来たのですよ? くだらない茶番も終わった事ですし、さっさと緑のを片付けて孫悟空をぶっ殺したいのですが」

「だからなんで私に言うんですか」

 

 この場で一番上の立場はビルス様だろ!! そっちにお伺いを立てろよ!! 私はお前らの戦いのマネージメントするために居るんじゃねぇんだよ馬鹿か!!

 せっかくデンデに傷も治してもらってさっぱり爽快ときていたのに、なんで私の胃には常に追撃がかかってくんだ。納得いかない。

 

「そういやあんた達、フリーザ側につくのよね? どうすんの? 一緒に戦うの?」

 

 そして思い出したようにギニュー隊長達に問いかけるブルマ。現在私たちは再びキューブ型の移動船に乗って宇宙航行しているので、密室で距離が近いから、だいたい会話がみんな筒抜けなんだよね。そんな中でよく聞きにくい事聞いたなブルマ。いや、私も気になってたけど。

 

「もちろんそのつもりだ! お前たちには悪いが、我らにとってフリーザ様への忠誠心は別格の感情なのだ。友や仲間と戦うのは忍びないが、これもまた運命……! 全力をかけて戦おう!」

「隊長……! このジースもまた運命共同体! お供いたします!」

「あ、お気になさらず。私たちが責任を持って止めますので」

 

 うおおおお! と漢涙を流しつつがしっと抱き合ったギニュー隊長とジースくんだったが、ナッパくんがにこやかにそう言ってくれた。見ればナッパくんを筆頭に新生ギニュー特戦隊のサイバイマン達が、ギニュー隊長とジースくんを囲んでじりじりその包囲網を狭めている。

 お、おう……。なんだお前たち、頼もしいな。あれか。フリーザ様の応援につきあってはいたけど、仲間が本当に道を踏み外しそうに(といってもギニュー隊長達の場合元の道に戻るというか元鞘に戻るというか)なった時はそれを止めるのもまた仲間の役目だ! 的な感じか。本当に年を追うごとに頼もしくなっていくなぁ、サイバイマン……。そしていい奴らである。こいつらの寿命とかよく分からんけど、長生きしてほしいものだ。

 

 まあそれなら、ギニュー隊長達はサイバイマン達に任せるとして。(最悪またブウ子にお菓子にしてもらおう)

 

 フリーザ様どうしよっかなー。結局今のフリーザ様の実力がまったく分からなかった。それに比べてこちらは手の内全部見せちゃってるという。…………う~ん……。

 

「おい、ハーベスト。フリーザが戦うとか言っているが、殺すなよ。もしかしたら全王様が格闘大会を開くかもしれないんだ。そのメンバーには、あいつも加えたいからな」

「え、何言ってるんですかビルス様。少なくとも私たちが生きてる間に全王様がそんな些末な事思い出す事ないですって☆ だから当然フリーザ様にはあの世にご帰還願いますけども」

「いやお前が何言ってるんだ。全王様がやると言っていたんだ。それに備えないわけにはいかんわ!」

「いやいやいや無い無い無い。あってたまるかってんですよ。はっはっは。だってまだ未定でしょ? 無いですよー」

「えー!? それは困るぞ! オラさっきの聞いて、すんげー楽しみにしてんのに!」

「知るかぁ!! 宇宙規模で選手集められたらどんだけ戦えばいいんだよ! もうこういうのしばらくいいよお腹一杯だから! っていうかもうなくていいわ! 疲れたっつの!!」

「チッ、軟弱者が」

「ウッセーウッセー! お前らと一緒にすんなよバーカバーカ!」

「お母さん、今さらだけど口悪いよ? 叶恵が真似したら困るから、もうちょっとおしとやかにしようよ」

「あ、スミマセン」

 

 龍成に怒られた。へこむ。

 

 と、とりあえず!!

 

「もし全王様主催の大会があるなら、その時はドラゴンボールで復活のFリターンズってことでいいじゃないですか。というか、無理にフリーザ様加えなくても地球の選手層かなり厚いんで大丈夫です。フリーザ様をハブっても問題ありません多分」

 

 ぼそっとビルス様に耳打ちしておいた。

 

「(復活のF?)あー……。それもそうだけど」

 

 あっさり納得された。提案しといてなんだが、フリーザ様がちょっと不憫である。命軽いなぁ……。

 

 まあ、これでビルス様に許可は取った(と思う)。となれば、あとはセミと悟空とベジータに丸投げしよう。もう私は疲れたんだ! 後はお前ら頑張っとけよな!! フリーザ様の真の実力がどれくらいのもんか分からないけど、どうせお前らなら勝つだろ!

 

「クックック。ようやく本当に私の出番か。待ちわびたぞ」

 

 けど始める前にひとつ言いたいことがある。

 私は心なしかウキウキしているセルの肩をがっちり掴むと、親指でクイっと外を示してこう言った。

 

 

「とりあえずお前ら宇宙でも平気組が戦う時は宇宙(そと)な。あと地球のそばでやるんじゃねーぞ。それと悟空とベジータが戦う時は界王神界貸してもらえ。間違っても地球でやるなよ」

「え」

 

 界王神様が「聞いてない!」って顔してたけど、知~らない。知ーらない! 界王神様が嫌がっても悟空とセルなら界王神界でも瞬間移動ですぐ行けるもんね!

 もうこれ以上地球さんに負担をかけさせるわけにはいかんのだ。可哀想だから。

 

 

 

 さ~て! じゃあ私は帰ってうちでゆっくりくつろいで……。

 

 

 そう思っていたら、再びガシっと肩を掴まれた。

 

「もちろんあなたも来ますよね? ハーベストさん。実のところ真っ先にぶっ殺したいのはあなたなんですよ、ホッホッホ」

「」

 

 

 

 

 はーべすと は まわり こまれて しまった

 

 

 

 何故だかそんなテロップが頭の中で流れた気がした。

 

 ぎゃふん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




もうちょっとで終わり!
当初の予定ではこの番外編、復活のFは神と神に同じく短編。第六宇宙編では主人公は試合には不参加。観戦しながら試合に感想という名のやじを飛ばす形で5~6話かなと思っていたら思いがけず長くなってしまいました。年内で済むと思いきや年越ししてしまいましたが、もう少しだけお付き合いいただけたら幸いです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。