とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

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★復活のF:その七 からの第六宇宙対抗試合5 フロストVSフリーザ

Σ月∵日

 

 

 私は現在正座させられている。

 

 何故って、わざとフロストの毒針くらったのバレたからじゃないですかーヤダー。

 

 

 …………足痺れてきた。日記書いてても気がまぎれない。

 

 

(日記は続いている)

 

 

 

 

 

 

 

+++++++++++

 

 

 

 

 

 

 

 空梨がフロスト戦の終盤にて気を失うようにして敗れたことに、一瞬会場はざわついたが空梨自身はほどなくして意識を取り戻した。そして対戦相手であるフロストを「土壇場で限界以上の力を発揮した勇敢な戦士」として称えたことで、第二試合は第一試合と同じく勝敗関係なく拍手の中で終了する。

 

 そしてフロストと再度握手を交わして選手側に戻ってきた空梨に対して、真っ先に口を開いたのはフリーザだった。紫色の唇をニヤリと釣り上げたフリーザは、わざとらしくゆっくりとした拍手を敗者に贈る。

 

「なかなか面白い茶番劇でしたよ? ハーベストさん」

「茶番だと?」

 

 それに反応したのはベジータで、フリーザを横目で見てから空梨に目で問うてきた。「どういうことだ」と。

 しかしそれに対して空梨は笑顔でもって「惑星爆発のような派手さがお好みのフリーザ様には、退屈でしたでしょうね」と答え、あくまでも白を切る様子である。

 

 そんな時だ。悟空が眉根をよせて、首をかしげながら問うてきたのは。

 

「なあ、姉ちゃん。前から気になってたんだけどよぉ。なんでフリーザに様付けなんだ?」

「今はそんな事どうでもいいだろうカカロット! ……いや、俺も気にはなるが」

「おっと、ここでその質問きちゃう? いいでしょ別に。癖なんだから」

「そっかぁ、なーんだ癖か!」

「それで納得していいのか!?」

「やれやれ、揃いも揃って騒がしいですねぇ。……まあ、いいでしょう。次は私の出番のようですし、ビルスがイライラしているようですから、お馬鹿さん達は放っておいてさっさと行くとしましょうか」

 

 現在まったく関係ない話題で雑談し始めたサイヤ人姉弟にため息をつくと、フリーザはすうっと浮き上がって武舞台へと降り立った。対するフロストは先ほど同様、笑顔で手を差し出す。フリーザはその手を見下ろすと、後ろで手を組んだ体勢のままフロストを赤い瞳で見つめた。

 

「次は貴方ですね。よろしくお願いします、フリーザさん」

 

 そんなフリーザに臆することなく、フロストはなおも笑顔で挨拶をする。手も差し出したままだ。

 

「おやおや。ずいぶんお疲れのようですが、握手をする元気はあるんですか?」

「ふふっ、手厳しい。ですが消耗してはいても、試合で勝ち抜いたら次の選手と戦うのがルール。ですから、遠慮はいりません。お互い最終形態で、存分に戦いましょう!」

 

 フロストの言葉にフリーザはおかしなことを聞いた、とばかりに笑う。その笑みはフロストのものとは性質が違い、あきらかに相手を見下すためのものだ。これには今のフリーザは味方側であるといえども、観客席からの評判は芳しくない。

 

「ホッホッホ。最終形態? あなたに? ……先ほどの戦いを見せていただきましたが、フロストさん。あなたにその資格があるとは思えませんね」

「…………資格とは?」

「私の最終形態を見る資格、ですよ。残念ながらあなたには今の姿のままで十分です」

「ですが先ほど、あなたは最初から最終形態で試合に臨むと言っていましたよね。あれは嘘だったんですか?」

「あの時は本心からそう思っていましたよ。…………でもねぇ。破壊神が選んだ戦士というからどんなものかと思えば、さっきのクマや貴方を見る限りとても期待外れでした。これなら最終形態を披露する必要もないと、判断したまでです」

 

 フリーザの物言いに、流石に人当たりの良かったフロストも眉をピクリと動かす。しかしあくまでも紳士的な態度を貫くつもりなのか、口調は丁寧なままだ。

 

「それは、期待に沿えなかった私の力不足ですね。仕方のない事です。…………でも、我が第六宇宙の他の皆さんまで見下すような発言は慎んでいただきたい。私のチームのメンバーは、みなさんとても素晴らしい選手なのですから」

 

フロストが第六宇宙の選手を示しながら言うと、ボタモとキャベ、そしてロボットのような体躯を持つ選手は照れたように頭をかいた。

 

「そーだそーだー! 俺が選んだ選手が期待外れだぁ? 言ってくれんじゃねーか! フロストと似た顔のくせに、性格は最悪だな! ちょっとはフロストを見習ったらどうなんだ! フロストの耳の垢でも煎じて飲めってんだよぉ!」

「シャンパ様。それを言うなら爪の垢、ですよ」

「ちょ、ちょっと間違えただけだろ! 水差すなよ」

 

 第六宇宙の破壊神シャンパからも苦言が入るが、フリーザはといえばどこ吹く風だ。悠然とした態度を崩さず構えている。それを擁護するように……というよりも、シャンパを馬鹿にしたような態度で口を開いたのはビルスだ。

 

「フンッ、フリーザは事実を言ったまでじゃないのか? お前んとこの選手は大したこと無いって事実を、ね」

「なにをう!? おいビルス、分かってんのか? 今は一勝一敗だ! 一勝一敗! お前んとこの選手も負けてんじゃねーか! そのフリーザって奴もまだ戦ってもいないんだ。試合前から大口叩いて、恥かいても知らないぜー! わーっはははは!」

「言ってろ! …………あとハーベスト。あとで話あるから」

「えっ」

 

 試合を終えてもうすっかり観戦モードに入っていたハーベストこと空梨は、ちゃっかり持参した折りたたみ式の椅子を広げて腰かけ、呑気に「疲れたから糖分補給~」などと言いながらチョコレートを頬張っていた。そのわきにはせんべいの入った袋と、水筒までもが抱えられている。だがそんな緩み切った彼女に突如突きつけられた破壊神の言葉に、まるで職員室に呼び出しをくらった生徒のような顔をする空梨。

 しかし今は試合だと意識を切り替えたのか、ビルスは空梨から視線をはずして武舞台を注視した。いくらか余計な時間をくってしまったが、まだ試合は始まっても居ない。

 

 

 ビルスは指先から気弾を放つと、試合開始の銅鑼を鳴らした。

 

 

 

 

 

 

「さて……。どこからでも、好きな時にかかってきていただいて結構ですよ?」

「…………本当にその姿のままで戦うつもりですか?」

「何かご不満でも?」

「いいえ、むしろ好都合です。なにしろ情けない事に、私は先ほどの試合で消耗している。あなたが良いというのなら、私にとってこれ以上有利な条件は無い」

「ホホホッ、素直なのは結構ですねぇ。そういった利己的なところは、嫌いじゃありませんよ」

「それはそれは、ありがとうございます。…………では!」

 

 途中まで表面上はにこやかに会話していた両者だったが、先に攻撃を仕掛けたフロストの表情は鋭い。その動きにはフリーザが油断している今のうちに仕留めようという気迫が感じられたが、しかしそう簡単にはいかない。

 フロストがフリーザの直前まで迫ると、ふいにフロストの姿が掻き消えた。……超スピードでもって急な方向転換により、フリーザの背後へと回り込んだのだ。

 

 だが。

 

「ぐうッ!?」

 

 ダメージを先に受けたのはフロストの方だった。何が起こったのか分からなかったフロストがフリーザを見れば、人差し指を弾いたような体勢になっている以外は試合開始直後から変わらぬまま。

 しかしフロストはその様子を見て目を大きく見開く。

 

「まさか……! この私を、指一本で吹き飛ばしたとでも……!?」

「おや、見えませんでしたか? それは不親切な事をしてしまいましたね。では、今度は見えるように動いてあげましょうか」

 

 言うなり、次の瞬間には眼前に迫ったフリーザの顔。フロストはのけ反るようにして後ろへ飛ぼうとしたが、間に合わず腹に重い衝撃をくらってしまった。その衝撃の正体は、フリーザの拳である。

 

「が、はっ!!」

「ほらほら、もっと頑張らないと試合がすぐに終わってしまいますよ? 先ほど見せたあなたの土壇場の馬鹿力、私にも見せてください」

「そ、れも、そうですね……! ハァ!!」

 

 苦しみながらもフロストはフリーザと距離をとるために至近距離から指先のビームを放つ。それに対して一応引いたフリーザだが、あくまでそれはフロストにつきあってやった形であると周囲に知れた。

 

「ふ、フフフ……。これは、厳しい戦いになりそうだ……!」

 

 フロストの額から、一粒の汗が流れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 一方、観客席。

 

「な、なあ……。フリーザの奴、前より強くなってるのは知ってたけど……。あれ、ヤバくないか?」

「あ、ああ。なあピッコロ。さっきお前でもあのフロストって奴相手は、ちょっと危ないかもって言ってたよな? それくらい、あいつ強いんだよな……?」

 

 観客席で試合を見守っていた面々の中、クリリン、ヤムチャが生唾を飲む。そしてヤムチャがデンデ、ネイルと隣り合って試合を観戦していたピッコロに問いかけた。

 それに対してピッコロは眉根を寄せながらも答える。

 

「実際に戦ったわけではないから断言は出来んが、フロストはフロストで強い事は確かだ。……だが、それを軽くあしらっているフリーザに関してはまるで未知数だな。今の状態じゃ、フロストは様子見の試金石にもなっちゃあいないぜ」

「そうだな……。ナメック星の時だって悪夢のような奴だったのに、今はそれ以上だ。最早お前たちの実力は俺を遥かに凌駕しすぎていて目測での見当はつけられんが、フリーザが圧倒的だということくらいはわかる」

「そうなんですか? ネイルさん」

「ええ。……武天老師殿。あなたはどう見る?」

 

 デンデの問いに頷いたネイルは、今度は自分が問う側になる。その先は武道の神とも称される人間。単純な戦闘力ならば負けないが、老いの中で得た経験とは時にそれに勝る。よって彼がどのようにこの試合を評価するのか興味がわいたのだ。

 今もなおフリーザがフロストをあしらうように試合する光景を、武天老師……亀仙人は髭をしごきながら観察する。

 

「ふ~む。なんというかのぉ……。正直わしもピッコロやネイルと同意見じゃが、この試合あえて言うなら……」

「言うなら?」

「フロストが、ちと気になるの」

 

 やられている側のフロストが気になる。

 その発言にみな一様に意外そうな表情をする中、天津飯とピッコロは何か思い当たるふしがあったのか頷いていた。

 

「なるほど。もしかして、先ほどの空梨との戦いでのことですか?」

「ほっほ。流石は天津飯。察しが良いの」

「いえ。どう見てもあの気の失い方は、不自然でしたから」

「そういや、言われてみれば……。なんか負けた方の空梨さんがフロストを褒めてそのフロストも空梨さんを褒めて、いい感じに試合が終わったから、俺ちょっと忘れてたよ」

「それを踏まえて考えたんじゃがのぉ……。どうにも、フロストには余裕があるとは思えんか?」

「余裕?」

 

 亀仙人はひとつ頷くと、サングラスの奥の眼光を鋭くする。

 

「観客席で見ているだけでも明らかな実力差。相対する本人ならば、余計に実力の差を感じ取っておることじゃろう。だというのにあのフロスト、どこかで余裕を残している」

「そうですか? 俺には必死なように見えますが……」

「わしにもさっきまでは、そう見えておったよ。じゃがフロストも体力を削られて、知らぬうちにほころびが出てきているのじゃろう。どうにも、何かのタイミングを見計らっておるように見える」

「タイミング……」

「ほう、地球人でそれに気づく者がいたのか」

 

 そこで会話に割って入ってきたのは、銀河パトロール隊員だと名乗ったジャコだ。紹介はされたが、ほとんどのメンツがまだそんなに話したことのない相手である。

 

「気づいた、とは?」

「なに、少々気になることがあってな。このスーパーエリートの私が、ちょっと観察してやろうと思っていたところなんだ。では、私は選手席へ行ってくるぞ。あちらの方がよく見えるからな」

「待って! それならボクも行くよ。もし空梨の負けに何か理由があるなら、師匠として黙ってられないから」

「ほ、ほほうっ。あ、あなたはあの女傑の師匠なのか……なのですか。わかりました。一緒に行きましょう」

 

 先ほどの戦いを見て空梨という地球人は物凄く強いのだと分かっていたジャコは、その師匠だという餃子に若干遠慮しつつも同行を認め、餃子とジャコは選手席へと飛んでいった。

 

 しかし残されたメンバーの中、敗者空梨の夫であるラディッツはこう思っていた。

 

 

(いや、理由はどうあれあいつは負けて喜んでそうだが……。勝ったところで、なんの得にもならんしな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 荒く息をつくフロストを前に、フリーザは試合開始から変わらぬ佇まいで問いかけた。

 

「やれやれ。もう、ここまででよろしいでしょうか? 格下の相手を殺さないように勝負に付き合ってあげる、というのは、とても疲れるんですよ」

「格下……。ふふっ、言ってくれる」

「事実でしょう」

「まったくです。……私は自分が恥ずかしい。まさか別の宇宙の同族の方が、こんな素晴らしい実力の持ち主だなんて! 私は今までどこか慢心していたのでしょう。今回はそれを諫める良い機会を頂きました。フリーザさん……いえ、フリーザ先輩! ご指導ありがとうございます! このフロストは、今とても感激に震えています」

「指導したつもりはないんですけどねぇ……」

 

 敗北の瀬戸際まで追い詰められた側にしては、あまりにも謙虚で真摯な発言。これが本物なら虫唾が走ると思いつつ、あくまでフリーザは"観察"を続けていた。……かつて自分を一撃で倒した女を、どういった手段で気絶させたのか知るために。

 

 そんなフリーザに、フロストはひとつ提案をする。

 

「ところで……。もしよろしければ、先輩の最終形態を見せてはいただけませんか? 後学のために、是非!」

「おや、今の私にも勝てない事が分かったでしょうに、それ以上を望むと? 向上心を通り越して、それはお馬鹿さんの域ですよフロストさん」

「ははっ、そうでしょうか。ですが、またとない機会なのです。同族のよしみと思って! お願いします!」

 

 その言葉にフリーザはしばし考えるそぶりを見せたが、ややあってから頷いた。

 

「……いいでしょう。貴方の気概に免じて、私の最終形態をお見せします」

「! 本当ですか!」

「ええ。……では」

 

 フリーザはフロストの希望に了承の意を示すと、先ほどのフロストと同じく強大な気を放ち始める。そしてそれが解放された、その瞬間。

 

 

 

 

「悪く思わないでくださいね先輩! 私には、引けぬ理由があるのです!」

 

 

 

 

 フロストは変身後の一瞬の隙を狙って、フリーザを攻撃したのだ!

 しかしそれは一見無謀な行為! それは変身後のフリーザから発せられる強大な気を感じて、誰もが思った事だろう。だがフロストはひるまない。……何故なら。

 

(くらえ! 間抜けめ!!)

 

 振りぬく拳。そしてその手首から誰にも見えないほどの、小さな小さな針が射出される。それは気の放出が終わった瞬間を狙って放たれたため、何にも邪魔されずフリーザへとむけて飛ぶ。

 

 

 だが。

 

 

「おや、毒針かなにかですか? …………わざわざつきあってあげたのに、タネは単純で実に興ざめですねぇ」

「!?」

 

 針を飲み込むように、赤い閃光がフロストの太ももを貫いた。

 

「それと、すみません。あなたにはやはりもったいなくて、本当の最終形態を見せられないと思いまして。一つ前段階の変身で、失礼しますよ?」

 

 そう言ったフリーザの変身後の姿は、現在の最終形態である黄金の肌を持つものではなく……今のフロストとよく似た姿。

 

 

「あなた、部下にならしてあげても良かったかもしれませんね」

 

 

 身動き取れなくなったフロストの横に移動したフリーザから、フロストの首に手刀が振り下ろされた。それを受け、フロストは白目をむいて倒れ込む。

 しばしの沈黙の後、レフェリーが叫んだ。

 

 

 

『しょ、勝者、フリーザ選手ーーーー!』

 

 

 

 レフェリーがフリーザの勝利宣言をすると観客席の一部から歓声が上がった。当然、ギニュー達である。

 

「うおおぉぉ!! さすがはフリーザ様! 格の違いを見せつけたそのご雄姿、このギニューしかと見届けさせていただきました!!」

「ビデオばっちり撮っておきました!」

「き、キキーッ」

 

 賑やかし要員なのか、ギニューとジースの傍らではサイバイマンのラディッシュがボンボンを手に踊っている。他の新生ギニュー特戦隊のメンバーは、それぞれ応援幕を持ったりカメラを手にしていたりと、意外と忙しい様子だ。

 ちなみにサイバイマンの中で唯一言葉を話せるナッパは、ちょっと距離の離れた場所で悟天、トランクス、空龍と一緒に座ってそれを眺めていた。そのまなざしには慈愛のような生暖かさが宿っている。

 

 フリーザはため息をつきながらもそれに片手をあげて応えてやると、フロストに背を向ける。

 

「早くそいつをどかしなさい。次の試合もありますからね」

 

 その言葉にレフェリーとその仲間がフロストを場外へと連れて行くべく抱え上げる。

 が、その時である。

 

 

「ちょっと待った! 運ぶ前に、そいつの体を確かめさせてほしい!」

 

 

 銀河パトロール隊員ジャコが、声をあげたのだった。

 

 

 

 

 

 

++++++++++++

 

 

 

 

 

 

Σ月∵日 続き。

 

 

 せっかくフリーザ様が華麗に勝負を決めたというのに、いらんことにジャコの奴がフロストの不正を暴きやがった。ああ、そういやあったなこんなシーン……。第六宇宙編は格闘試合と言っても生死が関わってこないから、あんま真剣に覚えようとしてなかったんだよな。

 それと同時に意識を取り戻したフロストが何故か自分でベラベラと色々経歴及び現在の活動を語り、その悪行も露見したので第六宇宙としては良かったのだろうが……。私としてはそれどころではない。フロストの毒針が私に使用されたことが分かったばかりに、ビルス様が私の試合復帰を主張し始めたのだ。

 

 おいフロストテメェ、なにフリーザ様に自分を売り込んでるんだよ。貴方の部下になりたい? 打ちどころでも悪かったのか。何で悪事がバレる事も構わずいきなり自分のビジネス方針を語り出したかと思えば、フリーザ様へのアピールだったんかい。ここは面接会場じゃねーぞ。ギニュー隊長達もフリーザ様似の新隊員を迎えられるかもって期待してそわそわしないでください。まず無いですから。

 最終的にフロストはシャンパ様に命令されたキャベとボタモくんに連れていかれたが、非常に名残惜しそうにフリーザ様を見ていた。え、マジ何なのお前。こちとらお前がちゃんと隠し通さないから試合に戻されそうなんだけど。

 

 

 だけど、私は何とか乗り切ってやったぜ!!

 

 

 ふふんっ。こっちには「モナカの正体を知っている」というアドバンテージがあるのだ。それを交渉材料に私はビルス様に試合復帰後の順番をモナカの前……すなわちベジータの後にしてもらった。本当は一番最後が良かったけど、それはビルス様が譲らなかったからな。仕方がない。

 でも悟空、ベジータが前に居るなら私まで順番など回ってこない!! 奇しくも当初の予定通りの順番を勝ち取れたと言える。

 もし私まで出番がまわってこなくても、すでに私は一勝済み。そうそう文句は言われまい。

 

 

 

 

 まあ誤算があるとすれば、フロストの毒針が露見した時に真っ先に私が毒針に気づきつつも、わざとそれをくらったのがバレた事なんだけど。

 

 

 

 マジか。私倒れる時笑ってたんか。「本気で気を失っていたようだけど、あれが引っかかっててね。あとで追及しようとは思っていたよ」とはビルス様の言。…………マジかー…………。

 これにはジャコと一緒に選手席まで来ていた餃子師範にも呆れられて、ちょっとショックである。「みんな真面目にやってるんだから、空梨もサボろうとしちゃ駄目」と怒られてしまった。不自然に気を失った私の事を心配までしてくれていたようだから、申し訳ない事この上ない。ごめんなさい。

 

 そして試合もあることだしと大した処罰こそ無かったものの、私には試合中ずっと正座しているようにと言い渡された。普段椅子で過ごして正座なんてほぼしないから地味にツライ。サイヤ人的体の頑丈さが正座にはきかないってのは何でだ。

 

 

 

 試合、早く終わるといいなぁ……。足しびれた……。

 

 

 

 

(日記は続いている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




86さんから主人公とブウ子のイメージイラストを頂きました!ふへへっ執筆の励みになります(n*´ω`*n)


【挿絵表示】

日常風景の中の主人公。かっわいいな!かっわいく描いてもらったな主人公!!そして可愛さの中にそこはかとなく香る人妻的な色気が好きです。具体的に言うとぴったりめの服に包まれた胸といい感じにむっちりした太もm(以降自主規制


【挿絵表示】

ウインクブウ子。かつてのラスボスがまるでマスコットキャラのような愛らしさを醸し出している件について。ウインクとポーズがあざと可愛すぎるだろぉぉぉぉ!!


この度は素敵なイラスト、本当にありがとうございました!

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