Fate/Meltout -Epic:Last Twilight-   作:けっぺん

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出来れば三月中に二章を終わらせたいと思いつつ、執筆速度を上げていきます。


第十節『偽りの絆』

 

 

 それから、その真名を中心に対策が練られた。

 バーサーカー――羅刹王ラーヴァナの配下たる四騎のサーヴァント。そのうち二騎についても、同じくだ。

 静謐のハサン、及びアルジュナ。

 アサシン特有の気配遮断スキルを有する静謐のハサンについては、ローマ領のサーヴァントがある程度通用するらしい。

 と、言うのも、

「では静謐を捜索せよ。場合によっては、討伐しても構わん」

「はっ。一先ず、十人をバビロンに残し、残りを三つに分け各領土に分散いたします」

「定期連絡は怠るな。ああ、奸計・集貨・千里は私の下へ残しておけ。舌鋒・詐称・隣人は必ず街に配備。それと薬師・衛生は引き続き神祖へ――」

 多人数への指示を一人に告げるカエサル。

 彼の前にいるのは、静謐と同じ、髑髏の仮面を付けた女性だった。

 静謐よりも背は高く、大人びた雰囲気を持つ彼女――いや、正確には彼女たちか。

 己の肉体を分割させ、単一でありながら群体として活動できるサーヴァント。

 百貌のハサン。静謐と同じく、ハサン・サッバーハの名を冠したアサシンである。

 打倒バーサーカーという目的の下、強化された三国の共闘関係。幅広い対策を練ることが出来るようになったが、実質アサシンとして活動出来るのはこの百貌たちのみだ。

 他にはクレオパトラ、それからタマモ・オルタもアサシンに該当するが、どちらも隠密行動に特化したサーヴァントではない。

 ……そもそも、タマモ・オルタに至っては「オリジナルと同じというのもイヤなので」と宣っていたことから、本当にアサシンクラスかさえ怪しい。

 ともあれ、百貌は静謐と同じハサンの名を持つ、アサシンクラスの代名詞。静謐の発見、ないし牽制には持ってこいだろう。

 そして、最大級の問題であるのが、大英雄アルジュナの存在。

 ラーヴァナの側についたアルジュナを相手出来るのは、三国全体を見渡してもごく僅かだ。

 僕とメルトも、分が悪いだろう。

 決して勝てない、とは言わないが、やはり戦いは控えたいところだ。

 それに、アルジュナを誰が相手取るか――その問題には、率先して名乗りを上げる者がいた。

「大丈夫かしら、カルナ。貴方、伝説では負けていたじゃない?」

「確信は出来んがな。あの男と拮抗できる自負はある。百戦えば百の結果がある――そういう相手だ」

 クレオパトラと話すカルナの心境には、見える程の変化はない。

 だが、彼としては尋常ならざる状況だろう。

 生前の宿敵との同時召喚。以前、そういうことがあったが――あの時は、奇跡的にも味方同士だった。

 此度は敵同士だ。ほぼ間違いなく、彼らが戦う時はやってくるだろう。

 そして、敵の首魁たるラーヴァナ。

 本来、『あり得ざる三つの王、三つの国による戦争状態』であった特異点を狂わせた張本人。

 人を超越する羅刹の王たる彼女の討伐が、この共同戦線の最大目標である。

「ハクトにメルトリリス、達者だったか?」

「ああ。ラーマも……」

「見ての通り、体は健在だ。心穏やかという訳には行かぬがな」

 会議を終え、一先ずの解散となった現在。各々が行動を起こす中、ラーマが此方に歩いてきた。

「ラーヴァナ……出来ることならば、二度と見えたくはなかった相手よ。あ奴がいると分かっては、常に気を引き締めてなければならん」

「結局のところ、どうなのよ。アレに勝てるの?」

「勝てる……と言いたいが、正直……分からん。あの時だって、年経て技術を磨いた余が、運に助けられながら百度限界を超えてようやく討ち取れた相手だ。ラーヴァナを倒すために生まれた(ラーマ)が、な」

 ラーヴァナ打倒には、ラーマが必須となる。

 彼女の性質も、彼女の戦い方も、誰よりも知っているのがこの少年だ。

 絶望的な強さのラーヴァナに対する、ほんの僅かな拮抗手段と言えよう。

「そも、奴は神と仏には決して負けぬ祝福がある。神性が高い程、奴に攻撃は通じん。もう一方の聖典には、神性なき者悉くを無に還す極限の弓兵がいると聞くが……その逆だな」

 ラーヴァナのメルトに対する発言。

 神性がある身には負けない。

 それは、自信ではなく、己の肉体に宿る特性から来たものだったのか。

 ラーヴァナは羅刹の世界に栄光を齎すべく、自身に元からあった十の首のうち、九つを落とした際、祖父ブラフマーにより神仏に対し不敗という祝福を得た。

 その祝福は即ち、対神性に対する特殊防御。

 故に、神霊では彼女に太刀打ちすることが出来ないのだ。

 しかし、ラーマもまた、ヴィシュヌの化身という性質から高い神性を有している。

 本来相性が悪い羅刹を、ラーマは打ち倒したのか。

「加えて、余はセイバー。最優のクラスとは言え、最適ではなくてな。生前とは比べるべくもない」

「やっぱり……最適なのはアーチャークラスなのか?」

「ああ。だが……余は弓兵では呼ばれぬよ。最も適したクラス、だからこそな」

 神話的な弓の技術を持つラーマが……アーチャークラスでは召喚されない?

 いや……違う。正確に言えば、それは――。

「そうか……アーチャークラスで召喚されるのは」

「……聞かされていたか。然り。弓兵のクラスは、余の妃シータに譲ったのだ」

 同じ英霊ラーマとして座を共有するシータ。

 彼女はアーチャークラス。ゆえに、ラーマはセイバークラスで召喚された、と。

 ……待て。聞かされていた――?

「ラーマ、まさか」

「――知っていたさ。この時代に召喚されたその時から、霊基が訴えていた。シータがいる、とな」

 気付いていた。ラーマは最初から、シータも召喚されていることを察知していたのだ。

「貴方……知っていたら何故、会いにいかないのよ。一将として戦っている場合なのかしら」

 予想だにしなかった状況だ。

 メルトもまた、普段は見せない感情を、ラーマに向けていた。

「そう、だな。シータに会うことは、余が全てを差し置いて優先すべき事態だ。そして、奇跡の起きた此度も機会が過ぎ去ろうとしているのも分かっている。シータが危機に瀕していることも、理解してしまうのだ」

 死に至る毒に侵され、刻一刻とその命を削っているシータ。

 それさえ知っていて、しかし最大の願望がために奔走しない。

 ……僕には、分からなかった。

 例えば、メルトと離れ離れになって、彼女が進退窮まる状況になっていたとしたら――

 何であろうと後回しにしてしまうだろう。全てを投げ捨ててでも、メルトを優先するだろう。

 ラーマが、それをしないのは……

「――だがな」

 そこには、確たる理由がある。

 それが、ラーマが大英雄たる所以――。

「戦いを終わらせること。ラーヴァナを倒すこと。それが、余が召喚された理由だ。それを無視して時間の少ないシータを看取ったとして――果たして、シータは喜ぶか?」

「あ――――」

「余はシータが好きだ。それこそ、世界を敵に回してでも優先する程にな。だが、だからこそ最大の手土産を持って会いに行きたい。分かるだろう、ハクト。男の見栄というものさ」

 ああ――そうか。そういうことならば、納得できる。

 なるほど、同じ男だ。そんな気持ちになることはある。

 シータが簡単に毒に負けないと信じているからこそ、シータの期待に応えたい。

 シータはラーマを信じている。時代の危機を払い新たな武勇伝を刻んだラーマが、最後にシータの元に訪れる――それこそが、シータが最も喜ぶ結末であると。

「だから、余は負けん。信ずる勇者も多くいる。シータも待っている以上、どれだけ負けても死なずに喰らいついてやるさ」

「……やっぱり、凄いな。ラーマが大英雄であると、改めて理解した」

「そうだろう。真似しても良いぞ。心配させるなと怒られることも多々あるが、男が武勇を持ってきて喜ばぬ女子はいないからな」

「ハク。程々になさい。キアラの時みたいな無茶、二度とさせないわよ」

「ふ――ふふ、はははははっ! 実践済みだったか! まあその辺りは各々の付き合い方があるだろうさ。お前たちはマスターとサーヴァント。余とシータとはまた違う」

 僕にとって極力思い出したくないことは、何よりの念押しになりうる。

 それをメルトは重々理解していた。

 その名詞だけで冷静になれる忠告に苦笑し――メルトが言うならば程々にしておこうと心に決める。

「ハクト! メルトリリス!」

「太陽王からのお呼びか。さあ、行くといい。遅れると後が恐ろしいぞ」

「そうだね。行ってくる」

 唐突なオジマンディアスの呼び出し。ラーマと別れ、彼のもとへ向かう。

「お前たちには新たに命を与える。我が国に点在する集落、その一つにサーヴァントが二騎存在する。連れてくるがいい」

「サーヴァント――あの二人か」

 最初に訪れた都市で出会った二騎。

 オジマンディアスは彼らの存在を知っていて、黙認していたのか。

「気にするべくもない者共であったが、状況は変わった。手駒は一騎でも多い方が良い」

 休戦状態の三国。今の問題は、この特異点最大の悪であるラーヴァナだ。

 であれば、彼ら――戦いを止めるべく召喚された二騎の目的とも合致する。

「白斗殿たちが向かうとあらば、私も――」

「ならん。ここよりは英霊一騎一騎に無駄な行動は許されぬ。ウシワカ、貴様はローマ領へ行け」

 同行しようとした牛若を制しオジマンディアスは別件の命令を与えた。

「スフィンクスのいる我がエジプト、英霊に肉薄する手練れの将軍共の守るマケドニアに比べ、ローマの戦力は薄い。貴様とカルナが赴き、補強せよ」

「しかし……」

「いや、頼む牛若。こっちは二人で大丈夫だ」

 彼らは友好的なサーヴァントだ。危険は少ないと言える。

 それよりも今はローマ領域の防衛を強化することが重要だ。

 聞くところには、ローマ領域に所属しているサーヴァントはカエサル、カリギュラ、クレオパトラ、百貌のハサン。

 そして、カリオストロと契約したキャスターと神祖ロムルス。

 強力なサーヴァントはいるが、他の二国に比べやや地力に劣る。

 オジマンディアスは、牛若とカルナを派遣して尚エジプト領域は盤石であると判断したのだろう。

「白斗殿が言うならば……どうぞご武運を。決して、油断はしませんよう」

「ああ。牛若も気を付けて」

「ファラオ・クレオパトラ! カルナ! 仕度は整っているか!」

 名を呼ばれたクレオパトラは走り寄り、オジマンディアスの前で膝を付く。

 歴代全てのファラオの頂点に位置するオジマンディアスを前にしては、他のあらゆるファラオは平伏する。

 全能者にして神王。それは、ファラオ誰もが認める事実なれば。

「はい。炎の蛇(ウラエウス)を二頭増やしましたが……カルナの他に、どなたが?」

「私です。サーヴァント・ライダー。真名牛若丸。暫しの縁ですが、どうぞよろしくお願いします」

「ええ――――随分と、奇抜な恰好ね。二ホンの英霊ってそうなの……?」

 ……やはり、クレオパトラから見ても、牛若の姿は異質なものであったらしい。

 何を言っているのか分からないと首を傾げる牛若。もしや、平安末期の日本はこれが普通だったのだろうか。

「お父さま、お母さま。また何処かへ?」

「ああ。カレンも、無茶しないように」

「よく言っておきなさい。その子、この数日の間どれだけの回数戦場に出ようとしたことか」

 出発を前に走り寄ってくるカレンと、その後ろを呆れた様子で付いてくる凛。

 二人は奪還したバビロンの防衛を担当する。

 三国の中心たるこの都市は重要な拠点となる。

 ここを守ることは、ラーヴァナとの戦いにおいて必要不可欠だろう。

「ほう。お前たちも、遠き未来より来たマスターか」

「ええ。遠坂 凛。それから――」

「カレン・ハクユウです」

 それぞれ短く名乗る。そういえば、彼女たちはオジマンディアスとは初対面か。

「ま、またどこか行くって言うなら気をつけなさい。一回死にかけたんだから」

「分かってる。寧ろあれで気も引き締まったよ」

 もう油断はすまい。静謐のハサンがラーヴァナに付いているならば尚更だ。

「さて、カレン。私たちも持ち場に行くわよ」

「はい。それでは、また」

 素っ気なく繕っているが、凛はやはりカルナを気にしている。

 カルナに、以前召喚された際の記憶はない。

 だが、凛にとってそれは忘れられない契約だっただろう。

 彼女が何も言わないとあらば、深く関わることはしないが……。

「行くわよハク。この程度、さっさと済ませてしまいましょう」

「よし――じゃあ行ってくる、オジマンディアス」

「うむ。最善の成果を持って帰還するがいい」

 その言葉は――期待を掛けてくれているということだろうか。

 であれば、それに出来る限り応えよう。

 新たなサーヴァントを味方に引き入れる。それが叶えば、大きな進展になる筈だ。

 

 

 ――それが淡い理想であったことだと、集落に着くと同時に理解した。

 

『……サーヴァント反応、七騎。うち三人は百貌さんの個体……そして、一騎は――』

 集落の中心部。広場にその惨状はあった。

 人であったもの。建造物であったもの。原型をほんの僅かに残した残骸の原。

 その中心に屹立する、強大なる白と対峙するサーヴァントたち。

「……君は、外道なのか」

「失礼な。私とて秩序に立つ英霊。これが道を外した悪行であることは分かっています。ですが――これは仕方なき犠牲。実行するも吝かではありません」

 片や、黒騎士ランサー。片や、アルジュナ。

 言い分からして、この惨状はあの大英雄によるものであることは、明らかだった。

「ッ、アルジュナ、様――」

 一方的な状況ではない。カエサルの策は上手く行っていた。

 アサシンの隠れ方は、アサシンが知っている。

 静謐のハサンは百貌の三人によって、組み伏せられていた。

 毒に耐性のある個体なのか。触れていても何ら体に異常が発生している様子はないが……。

「……ハク」

「――――」

 アルジュナたちが此方に気付いている様子はない。

 だが、距離は離れている。アーチャーを相手に先手を取ることは出来ないだろう。

 それに……まだ、様子を見た方がいい。見ておきたい。

 アルジュナはこんなことをするような存在ではないと、信じたい。

「……それが、暗殺者の限界。そういうことですね、静謐のハサン・サッバーハ」

「それ、は……!」

「未熟と孤独。人としての不完全が形成する毒の花。大した英霊殺しではありましたが、それもここまで。捕えられたアサシンの使いようなど、たった一つでしょう」

 何かを言おうとしていた。

 しかし、静謐の言葉を待たず、アルジュナは動く。

 アルジュナの味方である静謐を捕えていれば、アルジュナも下手には動けまい。百貌たちは、そう思っていたのだろう。

「ぎ――――!」

「なっ――!」

「ッ、が――――!」

「あ……ッ」

 暫し、呆然としていた。

 何が起きたのか。理解が及ばなかった。

 ラーヴァナの側にあって尚、彼は、彼なりに正義の英霊であると思っていた。

 そんな確信は、目の前で、たった一矢でもって否定される。

「……やはり。その行為を己で行って尚も外道でないと?」

 火炎を伴った凄まじい一撃は、百貌の三人を穿つことなく、しかし容易く吹き飛ばした。

 一人の英霊が分割されたその個体は、耐久においても一般的な英霊より劣る。

 消滅した三人。巻き込まれたのはそれだけではない。

 彼らに抑えられていた静謐もまた重傷を受けていた。

「ええ。役目を失った味方一人と、それを捕え動けぬ敵三人。益の方が大きいでしょう。捕虜となって情報を吐かないとも限らない。であれば、ここで終わらせる事が、味方としての慈悲なのですよ」

「……よく言う。その表情、鏡で見てみると良い!」

 ――――――――笑っている。

 アルジュナの笑みは、知っている。

 慈悲と信頼。それがアルジュナが浮かべる笑みの原動力であった筈だ。

 それとは違う。どれだけ感情に関する知識が無いとしても、この表情は理解出来よう。

 ――悍ましく、

 ――混沌で、

 ――悪の、笑みだった。

「……しっかりなさい、ハク。あのアルジュナはあの時のアルジュナとは違うわ。英霊には別の側面があること、わかっているでしょう」

「だけ、ど……っ!」

 その眼が、此方に向けられる。

 視線を交わし、やはり、間違いないと実感した。実感して、しまった。

 彼が浮かべる邪悪な笑みは、正真正銘、心底からのものであると。

「――ああ。なんという……出来るならば、心優しい者でなければ、良かったのに」

「ハクト……!」

 笑みを浮かべたままに、残念そうに呟くアルジュナ。

 ランサーは此方に気付くも、大英雄を前に下手には動けない。

「……アルジュナ」

「残念だ。貴方は、私の笑いを見た――であれば、生かしてはおけません」

 メルトが前に立つ。

 今、彼の殺意は僕に向けられている。

 剥き出しの邪悪をそのままに……しかし、視線を交わし数秒。その殺意が、僅かに薄まる。

「……まだ迷うか。初対面である筈なのに、あまりに不自然。貴方はもしや、私を知っているのですか」

「――ああ、知っている。善に立ち、人を導くアルジュナを。決して悪に堕ちないアルジュナを」

 あれが偽りであるとは信じたくなかった。

 ジナコ=カリギリを救い導いたアルジュナは、決して否定し得る存在ではない――!

「…………なるほど。私が導いた弱き者がいた。その者を、私を信頼し切った――大した絆ですね」

「――」

 一瞬穏やかになったその表情に、少なからず安堵した。

 全てを察し、理解してくれた。

 そう思った瞬間。

「ッ」

 体が大きく揺れる。メルトによってその場を退避させられたことに、遅れて気付く。

 爆音は先程まで立っていた場所から。

 弓を構えているアルジュナが、凄まじい速度で放った矢は、獲物の居場所を軽く粉砕し、焼き払っていた。

「もうやめなさい、ハク! アレは敵よ!」

「――貴方がそこまで私を信頼するならば、告げてあげましょう。その時の私が正義を成すあまり隠匿していた、本当の私を」

「本当、の……アルジュナ……?」

「貴方の信じる輝かしい私など、表面を繕う虚栄に過ぎぬ。我が心を照らした物は、後にも先にも、我が友の澱んだ灯火のみ。暗き英雄に光を見たならば、それはあまりに甘いこと」

 その全てが本心であることを、内にある絆は告げていた。

 かつて出会った大英雄の絆。輝かしい金色のそれは、あくまでもメッキであるのだと。

 真実を知った僕に、絆は静かに別れを告げて――

「はっきり言いましょう。貴方の信頼はひどく不愉快だ。何も知らぬ身で――私に踏み入るな」

 金色の灯は、ゆっくりと消えていった。




ハクの価値観を大きく動かす、インド系主人公二名でお送りしました。
そして百貌さんの参戦です。早くも三人ほど脱落していますが、静謐はまだ退場はしていません。
アルジュナについては……まあ、マテリアルとか型月wikiとかを見ると分かるかもです。

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