我は竜王、誇り高き竜族の王   作:傾国の次郎

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第十四話

 

幕舎で待たされていたりゅうおうはいま、大臣の邸にいた。城が半壊してしまったため、落ち着いて話しができる場所が城内になかったためである。

大臣の家族は出払っており邸には大臣とりゅうおうの二人だけである。

 

「この世界について、ですか…?」

「はい。実は………。」

 

りゅうおうは大臣に対して報酬はこの世界についての知識を求めた。

 

 

 

細かい部分はぼかして気づいたらこの世界にいたこと、自分は人間ではないことを大臣に説明する。

最初は疑っていた大臣も、りゅうおうの必死さに次第に真実であると思い始めていた。

 

「にわかには信じられませんが……異世界から迷いこむという事例は過去にも確認されていますし、ありえないことではないのですが………、魔物…失礼しました。竜神族でしたな、そんな種族は聞いたことがありません。」

 

「本当なんです、人間とも魔物とも違うエルフのような存在なのですが……。」

 

大臣は暫くうむむと唸ったあと命の恩人の言葉ならと、この世界について語りだした。

その内容は概ねドラクエ8の知識と同じだったが、細かい所で知らないことがあったり、他作品の要素が見受けられた。

 

「固有スキル……ですか…?」

 

「はい。人間は産まれたときに教会で洗礼をうけます。洗礼をうけるとLvが1になり、この世界の仕組みに受け入れられます。洗礼を受けなかった場合は世界の仕組みに弾きだされ、生後間もなく死亡します。そして、洗礼をうけたときに神から授かるものが固有スキルとよばれるものです。」

 

大臣によるとこの世界の人間は誰しもが固有スキルを持っており、その種類は無限にあると言われているが、固有スキルが他人と被ることもあり、スキルのレア度という概念もあると説明された。

 

「レア度は三段階あり、下からブロンズ、シルバー、ゴールドとなります。それら以外にもユニークというレア度があるのですが、これは現在までに各一人しか発現が確認されていないスキルですので、特殊な扱いになります。」

 

固有スキルとは、所謂主人公のゆうきや、ヤンガスのにんじょうなどのことであり、大臣はりゅうおうの前にスキル辞典と書かれた分厚い本を差し出した。

 

「その本にはいままで存在が確認された全スキルがレア度の分類別に載っています。」

 

大臣はそう言って本を開きながら話しを続ける。

 

「この辞典は教会が出版しているもので、かなり正確なものですのでご安心を。りゅうおうどのはどんなスキルをお持ちですか?」

 

大臣に聞かれ答えに窮する。ステータスがみれないのだから自分のスキルなどわかるわけがない。

正直にスキルがわからないと伝えると、大臣に質問された。

 

「元いた世界では教会に行かれなかったのですかな?

この世界とは仕組みが違うのかもしれませんな。教会に行けば自分のステータスを確認できますので、いまから行きませんか?」

 

大臣の提案を受け入れると、さっそく教会に向かう。

教会なかは礼拝する人で溢れかえっていた。

それもそのはず最近は立て続けに凶事が起こり、サザンビークの領民は明日への不安を抱いていたのだ。

その凶事のほぼ全てに関与しているりゅうおうは礼拝する人々をみて、熱心な信者達だなと考えていた。暢気なものである。

シスターに連れられて大臣と共に教会の奥へと進むと、大きな水晶玉が中央に置かれた部屋へとたどり着いた。

シスターに促され水晶玉に触れると、空中に文字が浮かび上がった。

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

Lv 33

系統 ドラゴン

ちから 98

すばやさ 170

みのまもり 58

かしこさ 240

こうげき力 198

しゅび力 128

さいだいHP 320

さいだいMP 450

EX: 184052

次のLvまで 2406

 

 

 

そうび

E りゅうおうの杖

E りゅうおうのローブ

E りゅうおうのフード

E りゅうおうのネックレス

 

 

 

スキル

最強イオ&ギラ 60p

メラ&ドルマ 100p

覇王 0p

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

(これが俺のステータスかぁ………)

 

りゅうおうが空中に浮かび上がる自分のステータスをみて小さく感動する横で、大臣とシスターは眼を剥いていた。

 

(スキルが3つしかないし、武器スキルがない……しかもどれも聞いたことがないスキルばかり……、やはり人間よりも魔物に……。)

 

大臣に若干警戒の眼を向けられるも、それには気づかないりゅうおうであった。


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