ラブライブ! Day Day Day   作:文才皆無。

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クリスマスですよー
クリスマスなんですよー

皆様の枕元じゃなくても朝起きたら更新してたーみたいな感じなプレゼントです。
まあ、起きてて気づいちゃったっていうのでもいいですけどね!

私は文才の無いサンタですからー。
クリスマス、ほんのちょっぴりでも幸せをお届けできたら嬉しいな。

ではどうぞ。


12月25日 クリスマス 変わらぬ日常の中、幸せの紬

もう、これで三度目になるのか。

 

今までも、これからも続いていくであろうこの日の事を

毎年、毎年、回数を積み重ね…これからもずっと共に居たいと、そう思う

そんな日が今年もやってきた

 

 

 

 

空はどんよりとした雲が一面に広がり、太陽を覆い隠し高層ビルが乱立するこの街にビル風による寒さを運ぶ。

本来は気温の低さから季節を感じるべきなのだろうが、如何せんここは普段から風が強い。

寒さから手が悴むのは気温じゃなくこの風のせいだ。

故に季節感など狂ってしまうのは仕方ないのでは無いだろうか…。

 

…寒い。こんな寒空の下なんでこんなに待たなきゃならんのだ…。

 

ここに来るように言った張本人は一体何時来るのだろうか…

ここを離れてはいけないのだろうか。既に待ち合わせ時間から30分も経過しているのに今だに連絡が来ない。迎えに行きたいのだがすれ違いなど起こしたら目も当てられない…。遅刻癖は元々あったが流石に電話には出て欲しいのだが…。

彼女のお茶目程度であれば目を瞑るんだがな…

 

やるせない気持ちを込めたため息を吐く。流れる雲を目で追いながら待ち続け、それでもあと十分、あと十分とズルズルと待ち続けてしまうのもどうかだよな…

そうして一時間経ってから一通のメールが入った。

 

彼女の妹からだった。

そっと悴む手で開くと内容は

「あの…もしかしてなんですけど、さっきからお姉ちゃんのケータイなってるんですけどお兄さんですか?

お姉ちゃん未だに寝てるんですけど約束してたりしますか?」だとさ…。

 

呼んだ本人家でグースカ寝てると…

ふ、ふふ…ふふふ…

しっかし、良くできた妹さんだ。わざわざ気になって連絡までくれたのに比べて怠惰な事で、まあ。

 

妹さんにはメールでしっかりとお礼を言うと敢えて起こさなくてもいいと伝え、同時に今からそっちに迎えに行くのでお邪魔させて貰っても良いかな?という内容も伝えた。

その返信に「すみません、姉がご迷惑をおかけしたようで…」と来た。もうどっちが姉と妹なのか分かったもんじゃない。姉の面目丸潰れである。

高校生であればまだ大人になりきれてないで片付けるんだけどね…

既に大学も卒業を控えている訳で…

そろそろ一人立ちとまで行かなくても、寝坊位は治して欲しい所だ。

ハァーと温かい白い息を悴む手に吹き掛け手を擦りながら暖を取りつつ駅から橋を渡り彼女の家に向かう。

趣のある一軒家、少し見上げたところに看板がありそこに「穂むら」と書かれた和菓子屋が見えてくる。その家こそが彼女の家だ。穂むらの店主夫婦の娘の長女、高坂穂乃果こそが呼び出して寝坊しているという彼女だ。そして次女である彼女の妹、雪穂はどうやら玄関で待っていてくれたらしく此方を見つけるやいなや手を振りながら駆け寄ってきてくれた。

うむ、なんとも可愛らしい仕草だ。穂乃果とくらべるとまだ幾分か幼さの残るがその瞳には理知的な様子が見て取れた。

 

「おはよう、雪穂ちゃん。朝からごめんね?すごい助かったよ。」

「おはようございます。いえ、むしろお姉ちゃんが呼び出したのに随分お待たせしちゃったようで申し訳ない限りです…。」

 

まさか頭を撫でただけでそこまで見通されるとは思ってなかった。

そんなに冷えてたのかな?だとしたら冷たくなかったかな…

こちらこそ申し訳なくなる。只でさえ雪穂ちゃんは悪くないのに穂乃果が一方的に悪くて気を使ってくれたのだから。

 

「俺の手冷たくなかった?ごめんね、気が利かなくて」

「いえ、私もお兄さんに撫でられるの好きですから!気にしないでください‼私、兄に憧れてたんですよね。それでお兄さんは私の理想の兄さん像そのままですからね…なんなら私のことは本当の妹のように接してくれてもいいですからね!いつでも待ってます」

 

フンスッ!といった感じで息巻く雪穂ちゃんの顔には本気で言ってるというのがまじまじと見て取れた。俺としてもこんな出来のいい妹なら是非貰い受けたいと思う。

…が、彼女にそんなこと漏れようものなら嫉妬に狂ってロケットダイブ待ったなしだろう事は予想に固くない。故に大人のズルで言葉を濁し端的にありがとうとだけ雪穂ちゃんに伝えまたゆったりとした手付きで一撫でするのだった。

 

雪穂ちゃんに案内されるがままに穂乃果の寝ている部屋に辿り着く。雪穂ちゃんはそこで自分の役目は果たしましたということかだらしのない姉ですがよろしくお願いしますと頼まれてしまった。

それに笑いながら「うん、頼まれました。」と返すと今度こそ雪穂ちゃんは下の階、きっと和菓子屋のご両親方のお手伝いをしにいったのだろうと当たりをつける。雪穂ちゃんにはホント頭が上がらない。

 

 

 

 

 

そして穂乃果の部屋へと足を踏み入れる。

別に初めてという訳でもないので初な反応が出てくるでもなく、ああ、彼女らしい部屋だという感想しか出てこない。と言っても片付けがなされてない汚い部屋という意味ではなく女の子らしくもあり、棚の上には写真立てに彼女たちの大切な思い出が飾られていたからであった。

μ's…彼女たちが起こした四年前の奇跡。廃校から救う一手、彼女たちの本気のスクールアイドル活動…それがμ’sだった。世にスクールアイドル革命を起こす第二波がμ’s。第一波は原点とも言われたARISEだ。μ’sとARISEは互いに競い合い凌ぎを削った。

それが世界にスクールアイドルという存在を大きくし根付くキッカケとなった…。

 

そう聞けば大層偉大な存在に見える。実際俺自身そう思っていた。けど、そうじゃないんだ。

彼女はただの少女で傷付く事もあるし、立ち止まることもあるし、迷うこともあった。普通の人間で不通の女の子だった。

 

だから…きっと俺は高坂穂乃果という女の子に恋をしたのだろう。

色眼鏡などなく、常に一生懸命で、明朗快活で、その人懐っこい笑顔と不意に見せる慈愛に満ちた表情にころっと落ちてしまったのだろう。

だから、あれだけ待たされても本気で怒ろうとは思ってないのだろう…。惚れた弱みってやつかねぇ。

 

寝ている彼女を起こさないように静かに近づき、彼女の寝ているベッドのすぐ横まで行き彼女の寝顔を見る。本当に幸せそうな顔で寝ていた。そっと髪を撫で、その場でと言ってもベッドの横の床にだがあぐらをかく。

 

「早く起きてくださいお姫様?じゃないと、いつまで立ってもまた羽ばたけませんよ?」

 

なんてね。

その言い回しに少しおかしくなってクスクスとひとりでに笑うとまた彼女を撫で離し幸せそうに眠る眠り姫の横でそっと起きてくるのを待つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__コンコン

「失礼しますよーって、ありゃ。お茶入れてきたんだけどいらなかったかー。

それにしても…ふふ。本当、お兄さんもお姉ちゃんもラブラブで羨ましいなぁ。私もお姉ちゃんたちみたいになれる彼氏さんが欲しいものだよ。…じゃ、お邪魔しましたーっと。」

 

雪穂が立ち去った先程まで視線があった先にはベッドの横に座り体を寄せ合い仲睦まじげに一つの毛布に包まる穂乃果と彼の姿があった。そのどちらにも幸せそうな表情があり、それはまるでこれからの全てが二人なら幸せであるというかのようであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜その少し前の事〜

 

「…ふぁあー。あれ?今何時…ち、遅刻だぁって…あ、あれ?

………。

ふふふ、やっぱり君は優しいんだね。穂乃果の横にいつでも歩幅を合わせて立っていてくれる。だから私は安心して羽ばたけるんだよ?

ありがとう、私の王子様。えへへ、君も寝てるしもうちょっとだけ私も寝坊しちゃってもいいよね?私の特等席、それは此処。君の隣なんだよ。いつまでもここに居させてください。」

なんてね。

 

そう小さく呟くとベッドに一人で包まっていた毛布を引張り二人で羽織るように被ると穂乃果は彼の肩にしなだれかかる。

 

 

そんなクリスマスの朝の出来事だった。




少し前にTwitterで誰と一緒に過ごしたいですかっていうアンケを学年別で取り2年生組が勝ち取り2年生からだと誰がいいですかーって聞いたら最初は海未ちゃん優勢でしたが怒涛の追い上げで穂乃果ちゃんが一位をとりましたのでこのお話が出来たのです。

ちょっとクリスマスっぽくないお話なのはわざとだったりします。ガッチガチのクリスマス読みたいなら私の作品のもう一つのラブライブ!作品の番外編行ってくださいな…
あれ以上の作品はきっと書けないから…あれは我が作品史上最上のクリスマス作品なので…

それにどうせ皆様きっと甘々なクリスマス作品飽きるほど読むことになるでしょ?ならね、ちょっと毛色の違うほんのり恋色程度の初々しい恋模様の方が逆に新鮮に映るでしょう。
みたいな気遣いでっせ。(言い訳)

大きな幸せよりも何気ない幸せにこそ私は大切な全てが詰まっていると思います。

では皆様メリークリスマスでした。

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