こっそり帰る。
ブランクの開きすぎでちょいちょい変なところがあるのと、戦闘描写が余り得意でないと言う事を念頭に読んでいただけると感謝の余り感謝します(錯乱)
ひゃっはぁ! ようやく時間が取れつつある(取れたとは言っていない)から、書きかけだったやつぶん投げるぜぇ! プロット? 知らんなぁ!!!(迫真)
※たくさんの誤字報告ありがとうございます。ひぃ、色々ガバいよぉ………(3/8 00:43 追記)
「あん?」
銃を持ち直し、リラックスしながらも引き金から指は離さない。
「だから、なんだってあんなことしたんだって聞いてんだよ」
戦闘によって乱れた死覇装の襟を直す。
「そらお前、親友が敵として表れるのはこう言う奴の王道だろうが」
「……はっ、やっぱり変わってねーな」
ついでに帯も締め直して気合いを入れる。
「人間は死んだってそう簡単には変わんねぇよ。死んだけどな」
「シャレんなんねえよ」
「それな」
懐かしい調子のやり取りをしながら、オレ達は肩を並べる。
「懐かしいねぇ、こう言うの」
「……そうだな」
オレが右で一護が左。今は武器を持ってるからそれを同時に前へと向ける。
「『漆』山善吾」
「『黒』崎一護」
高々と名乗りを上げる。こうやって名乗るのは昔は良くやったもんだ!
「二人合わせて『漆黒』、登場!」
その名乗りがその場に響き渡る。決めポーズと決め立ちをビシッと決めたオレ達は今、きっとスゲー格好いいのだろう。
その格好良さに奮えたせいか、辺りはシンと静まりかえる。
「……………恥ずかしい」
だというのにコンチクショウ。なに蹲ってんだあぁん!?
「おらぁ! シャキッとしろよ一護ぉ!」
「うっせぇ中二病が!」
「おおん!? 言ったなストロベリー! 昔はてめぇもノリノリだったじゃねぇか! あとオレ中学二年生になったことねぇよ!」
「ストロベリー言うな! あれは小学生の時の話だろうが! あとお前ちょくちょくこっちのトラウマ抉ってくんの止めろや!」
「なんだこれ」
うっさいよガンなんとか! 今それどころじゃねぇんだよ!
「こんなことしてる場合じゃねぇだろ善吾! ほら、そこの刺青が困った顔してんぞ!」
と、一護に言われて指された方へ視線を向ける。
するとそこには、静かに佇んでいる阿散井先輩の姿が。
「あ、眉g……阿散井パイセンちっす」
「……………善吾、これはどう言うことだ?」
「ああ、えっとですね、漆山の漆と、黒崎の黒で漆黒っていう子供の頃に考えた二つ名で………」
「ふざけんのか!! この状況で、お前は!」
おっと、怒られてしまった。
おーおー、激おこぷんぷん丸ですわ。
「はぁー!? ふざけた腑抜け眉毛に言われたくありませんー!!」
「なっ………てめぇ! 誰が腑抜けだと!?」
「腑抜け以外になんていうんすか? だって、幼馴染みが捕らわれて、処刑されそうになってるのに、こんなとこで油売ってるじゃないですか」
上から目線? 大いに結構! 原作知識と自前で調べた情報を元に、上からハッキリと言ってやろう! なんなら原作の時から思ってたんじゃい!
「バカか、あんたは! 好きなら救えよ! 助けろよ! ルキア先輩が好きなんだろ!?」
「なっ!? で、できるわけがねえだろうが! 四十六室の決定だぞ!」
「知ったことか! 漢なら貫けよ! あんたは何のために死神になったんだよ!」
きっと、こんな風に言えるのは、原作というか、このあとの流れを知っているから何だろうな。そうじゃなかったら、オレだってきっと足を止める。
だからこれは自分勝手なエゴだ。一方的に勝手にマウント取ってる、ネットとかならボロクソに叩かれる行為だ。
「オレは動きますよ。ルキア先輩にはそれなりに世話になったし、同じ隊の仲間だし、何より――――」
だが、これでいい。
漫画だけじゃない。
ふと、空を見上げる。漫画ではわからなかったけど、この瞬間の空は、突き抜けるような蒼さだ。
この世界は生きている。決められた道筋なんか無くて、オレが持ってる知識と似たような事が起きてるだけの、生きた世界だ。だから物事は動き続けるし、オレと言うイレギュラーが存在しても、世界は回る。
そして、だからこそ心配だった。漫画ではどうあれ、この世界に絶対なんて無い。だから、タツキや織姫が虚に襲われることを知っているからこそ、心配で夜も眠れなかった。
でも、一護が原作通り死神の力を持っているって事は、つまり、そう言うことなんだろう。
「あの人は、オレのダチの………命の恩人なんだから」
この世界が、オレの前世にとっての物語だとか、すべての道筋は決まってるだとか、そんな事は知ったもんか。
オレはそんなの抜きにして一護やタツキ達と友達になった。オレはそんなの抜きにして、ルキア先輩やたくさんの人と出会った。
なら、取るべき行動はただ一つ。
両の銃口を前に向ける。
「オレは死神である以前に、コイツらのダチです。だから、ここは通させて貰う! あんたはどうなんだ! 阿散井 恋次!」
そうだ。これはただの意地だ。
見返りなんか無いし、失うものの方がきっと多い。
他の隊長たちは、自身の正義の為のに戦うらしいけど、オレはただ、友のために、己の意地のために、
「……俺、は………俺が、守りたかった物は………! いや、それでも、それでも俺は!」
迷う。迷っている。
守りたいもの。護るべもの。背負ってしまったもの。
その狭間で、漢は迷う。
―――そして、
「それでも俺は、護廷十三隊、六番隊副隊長、阿散井 恋次なんだ! ――咆えろ!【蛇尾丸】!!」
瞬間、横凪ぎの蛇腹剣がオレと一護に飛来する。
一護はとっさに剣で防ぎ、オレは跳躍で敢えて前に躱す。
「ちっ、上手くいかないもんだな。一護! その剣の連続は3回だ! 合わせろ!」
「任せろ! おらぁ!」
一護が受け止めた剣を上に弾く。そのタイミングで、オレが前に出ながら、烈火を放つ。
「ちぃ!」
しかし、そこは腐っても副隊長。
蛇腹剣を戻すことなく、体捌きで躱しつつ距離を取りつつ、こちらに斬撃を放ってくる。
だがその斬撃はオレには届かない。
恋次パイセンが現状最も不利な条件は人数ではなく、連携の有無だ。
特に掛け声もなくオレと一護は入れ替わり、一護が再び剣を防ぎ、その影からオレの絶火が襲う。
「くっそが!」
そして三度目の斬撃は、自棄になったのか唐割りの一撃。難なく避けたオレたちは、そのまま一気に距離を詰め、隙だらけの腹に掌を押し付ける。
「…………俺はよ、副隊長だからさ」
恋次パイセンが、悔しげな言葉を洩らす。
「はい」
「だからさ、ルキアのこと、頼んだぜ、クソ後輩」
「はい、任されました、クソ眉毛先輩」
「てめ、眉毛は関係な――「破道の三十三【蒼火墜】!」――ぐほぉ!?」
容赦なく、死なない程度の威力の一撃を見舞う。
その一撃はキツかろう。オレだって良く仙太郎パイセンとバカやってルキア先輩に良くやられていたんだから。言わばこの【蒼火墜】は、ルキア先輩に教えられた一発なのだ。
「ふん、腑抜けた罰ですよ、先輩」
銃を剣に戻し鞘に仕舞う。
と、何やら一護が先輩をつついて、こっちを見上げてる。
「………なぁ善吾」
「あん? どしたよ」
「死んでね?」
「いやいやいや、威力大分押さえたからんな訳…………………………」
反応、無し。
損傷、中程度。
失血、同上。
呼吸、無し。
脈拍、微弱。
損耗箇所、鳩尾上部、心臓付近。
「………………………………………め、
「てめぇ! また加減間違えたな! 喧嘩の時よりひでぇじゃねーか!」
「うっせえ! こちとら虚討伐で確実に殺す癖がついちまってんだよ!」
「それで味方(仮)殺してどうする!? どうすんだよ!?」
「とりあえず花太郎が応急処置したら信号出してずらかるぞ!」
やっべ、これやっべ。
い、いやぁ、やっちゃったぜ! 殺っちゃったじゃないよ! 花太郎がいてまじ助かるワー、やり過ぎちゃったワー。視線が痛いワー。
「よし、処置終わったし行くぞ! ルキア先輩助けるぞ一護!」
「………締まらねぇなぁ」
「うるっせぇ岩鷲! 今度お前の姉ちゃん紹介してな!」
「やだよふざけんな」
『
「ぴい!?」
◆◇◆◇◆◇◆
騒がしくその場を離れる彼らを、離れた場所から見つめる影が合った。
「なかなかに面白そうじゃねぇか、銃ってのを使うガキ」
「でしょー? この前なんかお饅頭くれたんだよ!」
それは、まさに鬼だった。
背に可憐な幼子を背負った鬼。
「ほぅ? なら礼もしなきゃなぁ」
「剣ちゃん戦う? ゼンゼン強いよー!」
「お前がそう言うなら、ちったぁ楽しめそうだな」
――――その鬼が、嗤った。
そして、そんなことを知る由もない彼らは、
◆◇◆◇◆◇◆
「わー! 善吾さんが泡吹いて気絶してるー!」
「善吾!? 善吾ぉぉぉ!!」
「気絶しながら走るとかすげぇな」
まあ、いつも通りであった。
この稚作をお気に入りしてくださった皆さんお久しぶりです、フリムンです。
いやはや、今年度が研究やら部活やら卒論やら引っ越しやらFGOやらアズレンやらFGOとかですこぶる忙しかったので、もう一つの方も含めて大分滞っておりました。
これからはちょくちょく筆を執りたいと思いますので、これからも何とぞ宜しくお願いします。
ps. どうもこの作品が盗作されていたらしいと言う報告を感想欄より受けたので探してみたのですが、もしかしてもう消されてます?
通報する前に少し見てみたかったといいますかなんといいますか。
まあそんなことより、通報してくださった方には多大な感謝申し上げます。