「新王国第一王女リーズシャルテ対、旧帝国第七皇子ルクスの機竜対抗試合を行う」
教官の声が演習場に響き渡り、観客が盛り上がる。その中にはライラ、アイリ、ノクトの3人の姿が一緒である。
「な〜んでこんなにもいるんだろうね〜」
「それは兄さんが変な騒ぎを起こしたからですよ」
「Yes、ですが、ただ単に男性の機竜の使い方を見たいという人もいるでしょう」
演習場の観客席は全体の7割を埋め尽くされている。アイリの意見が見に来た観客の9割を占めているだろう。あとは純粋にリーズシャルテ様の機竜の技術を盗もうとしている人だとライラは予想する。
そう考えていると、ルクスは飛翔型汎用機竜に接続をし、戦闘準備を完了する。また、リーズシャルテも機竜に接続する。
「神装機竜か…」
「えぇ、新王国の王族専用機竜、ティアマトです」
王族専用とはいえども、王族で神装機竜を扱えるのはそういないのだが、リーズシャルテの目の前にもいた。
(さすがに、この公の場でバハムートを使用するのはマズイか)
旧帝国を滅ぼしたのが王族であったなどと知られては厄介事を生み出すので、それを減らそうとしているのだろう。
程なくして試合開始の合図をした直後、リーズシャルテがルクスに射口を向け狙撃を開始する。ルクスはギリギリで躱しつつも危なげなく回避をする。
「わお、ルクス余裕だね」
「そうでしょうか?私にはそんな風には見えませんが」
「それは違いますノクト。兄さんはギリギリで躱すようにしているのです」
ルクスは相変わらず躱していく。しかしリーズシャルテは痺れを切らしたのか特殊武装である空挺要塞を4つ展開する。
「私のダンスは少々荒っぽいぞ!ルクス・アーカディア!」
そんな声が演習場に響く
「お姫様のダンスはお淑やかにするようなものじゃないのかな?」
「Yes、ですがリーシャ様はそんな余裕はないかと」
ライラとノクトが話しているうちにルクスは躱し続ける。リーズシャルテも負けず嫌いなのか空挺要塞を16に展開し、射撃を続ける。しかし表情を見ると焦っているような顔をしていた。
「空挺要塞を頼り切った攻撃パターンしかしてないから。そろそろ」
ライラが予想をしていると、リーズシャルテはその予想外なことをした
「神の名の下にひれ伏せ、天声!!!」
「この状況で神装を使っちゃったかぁ…」
「それほどリーズシャルテ様は全力で戦わないと兄さんには勝てないと思ったのでしょう」
「ところでアイリとノクトはリーズシャルテ様が暴走したのは見たことあるの?」
「いえ、見たことはありません」
「No、いつもはこんなに特殊武装などつかいませんので」
「なら、初めて見るんじゃないかな暴走しそうな姿」
そう言いつつ、視線を落とすと暴走寸前になっているリーズシャルテが焦っている。
(あ〜あ、これはやってしまったな、しかもこのタイミングで来ますか…)
そうライラはため息をつきつつ、空を見上げる。そこには
「「ギィィィィェェェェァァァァ!!!」」
人の天敵である幻獣神が咆哮していた。
「一匹なら、なんとかなるけど二匹もか…」
最悪なことに二匹同時に
字数が少なくなってきてるー