「もう、兄さんは何をやっているんですか!」
そう言われてルクスは困っている。その二人を見て微笑ましそうに見るノクトとライラ。本当はノクトは退室した方がいいのではないかとライラが思ったのだが、アイリはルームメイトだからと言ってこの場にいることを許可した。
「色々とごめん、アイリ…それにライラも」
「あら?私にも謝るのですか?」
「だってしばらく家を空けるとか言って何年も帰ってこなかったから」
「そう、私の苦労も分かってくれたのですね。本当に大変だったのよ?」
「面目ない…」
ライラはしばらく家に帰らなかったルクスに弄ってやろうとは思ったのだが、そのことについて罪悪感があるっていうことで許そうとした。だが、
「覗き魔に痴漢、さらには下着ドロ、まったく私が学園に広めた兄さん像が台無しです。それに身内が犯罪者なんて私の立場がなくなってしまうじゃないですか、どうしてくれるんですか」
「あはは…」
そう曖昧に返事をするルクスに少し苛立ちを覚えた。
「そういえば君、座らないの?」
と言って、ルクスはノクトを座らせるように促せたのだが
「NO、私はこのままで良いです。変態とは適切な距離を取らないと息だけでスカートがめくれるって聞いたので」
「いつの間にか変態扱いされている!?」
「お姉ちゃん、兄さんこちらは私とルームメイトの」
「ノクトだよね。ファミリーネームは知らないけど」
「Yes、ライラには少し前に話しました。ノクト・リーフレットです」
「改めてよろしくね、ノクト。それでルクスはレリィさんに痴漢騒ぎの処分はどう言われたの?」
「それがライラ…新王国の姫であるリーズシャルテ・アティスマータと決闘することになったんだ」
「へ…へぇ…」
女王は確かに娘がいると言った。しかしライラには紹介をしてくれなかったため、外見は知らないが内面はすごくいい子だとは聞いている。その子と決闘ということは…と推測を始める。
「つまり、姫様の裸を見てしまい、そこでルクスがエロいとか発言をし姫を怒らせた。裸を見たっていうことで牢屋行きかここで雑用で働くかを決闘で決めるということかな」
「なんでわかるの!?」
「乙女の直感よ♪」
「もう…兄さんはデリカシーなさすぎです」
そう呆れてアイリはため息をつく。ノクトはライラの推測に驚いており、何も言えない。ルクスは面目ない表情を浮かべている。変な空気をライラが切り出す
「アイリ、姫様の情報ってある?」
「リーズシャルテさんは学園内では無敗を誇っています」
「でもそれはルクスも一緒でしょ?」
「「ある意味、無敗だから」」
そう声を重ねてライラとアイリは不思議な笑みをしていた。
「二人とも、他人事みたいに…」
「これでも兄さんを応援しているんですよ?借金を返すためにも兄さんには国中の雑用をしてもらわなければなりませんから」
「私はどっちかっていうと他人事だからね〜」
「はぁ…」
ライラは何しにここへ来たんだとそう思いながらため息をした。そう思いつつも雑用のために決闘に集中するために精神統一をしていたルクスだった。