どこか手を抜こうかと考え始めてます
「学園長、学園内に侵入した少年を捕らえました」
そう言ったのは先ほどノックして入ってきた少女、ノクト達と一緒にいた蒼髪を持った子であった。
(とうとう捕まっちゃったのか…どう弄ってやろうかな〜♪)
「その少年の特徴を教えてくれる?」
学園長は落ち着いて犯人の情報を確認する。
「確か、白銀の髪でした」
「あの、学園長」
「どうしたの?ライラさん」
「ライラ?この人はセリスではないのですか?」
「騙していてすいません。私はセリスさんではありませんライラです」
「そうなのか、こちらも申し訳ない。私の名前はシャリス。私の友人にとても似ていたので…」
「世界で二人は同じ顔の人がいるっていいますからね」
「二人とも、話を戻すよ。それで、ライラ何か言いたいことは?」
「あの、その少年のことを知っているので、できれば寛大な処置を…」
(してもらって、私がずっといじり倒すんだ♪)
「私も知っている人だから。ひどい仕打ちはしないよ。とりあえず、シャリスとノクトはその少年をこちらに連れてきて」
「わかりました」
そういいシャリスとノクトは学園長室を出る。
「それで学園長、その少年…ルクスを知っているのですか?」
「ライラさん、学園長じゃなくてレリィと呼んでちょうだい?そんな堅苦しくしないで。そうねぇ、私は彼が幼い頃から知っているわ。ルクスくんがこの学園に来させたのも私が雑用の依頼を出したからよ」
「そうだったんですね」
ライラはルクスを犯罪者として扱われては困るので弁明しようとしたのだが、レリィさんが彼を知っている。それにルクスがこっちに来させたレリィさんなら罪を被せる気はないと判断し、安心した。
数分後またしてもノックが鳴り響く、まぁシャリスさんだろうと勝手に判断して扉が開かれるのを待つ。
「失礼します。学園長、兄さんが捕まってしまったのを聞いたのですが」
「あれ?アイリじゃん、やっほ〜」
ライラは久しぶりに会った妹ともいえるアイリの姿を見て呑気に言葉を交わす。
「お姉ちゃ…ライラさん、いつここに来たんですか?」
「あらら、もう姉ちゃんとは呼んでくれないのね…およよよ…」
悲しそうなフリをして人差し指で目をさする。
「はぁ…お姉ちゃんはなんでここに来たのですか?」
「それはもちろんアイリを見るために!」
急に立ち直り、親指を立ててグッと拳を出す。アイリはもう1つため息をついてから言った。
「それで学園長、兄さんは今どこに?」
「独房よ。もうすぐ連れてくると思うわよ」
「ならレリィさん、どこか部屋を貸してくれませんか?空いている教室でもいいので」
「いいわよ。隣に応接室があるから使ってちょうだい。でもなんで?」
「男が入ったって女子達が野次馬根性丸出しでここへ来ますし、こういうときのアイリはルクスに毒を吐きまくりますから」
「なっ!?」
ライラはレリィに笑みを見せながらそう言った。図星であるアイリはタジタジしている。
「まぁ、ここの女子達にその本性を見せないようにしたいからなので」
そう言い切り、アイリは少し頬を赤く染めた。レリィは笑顔を見せ
「本当に姉妹のようね」
「まぁ、私にもいろいろとありましたから。それでは応接室にいきますね。行こっかアイリ」
アイリはハイといい、学園長室からでて隣にある応接室へと入って行った。