ゴーンゴーン
学園中に鐘が鳴り響いた。聞き慣れた鐘の音だったが、私が聞いた瞬間、周りの生徒たちを見ると落胆した表情をしていた。ルクス争奪戦がこの鐘の音で終わったのだ。
「はぁ…結局ルクス君を捕まえるどころか、見つけることすらできなかったよ…」
「そうだねぇ、ルクス君、転入してちょっとしか経っていないのに、学園内のっことを知り尽くしているっていうか…」
「雑用でいろいろなところに行くから穴場とか見つけてそう」
「あぁ…あのことを頼もうと思ったのにぃ」
そんな声が多く聞こえてくる。私はそんな話を聞き取る
まぁ、私の場合ルクスに脅迫すれば、ほぼほぼ何かしてくれるし…特別依頼書を使用しなくてもいいからね
これが私が争奪戦に参加しなかった理由。一週間どころか、一年間言うことを聞いてくれそう。いいよね?ルクスが私とアイリを置いて数年間雑用に明け暮れていたから、当然の報いだよね?
「さて、争奪戦が終わったから、アイリのところにいるのかな?」
そろそろ、アイリに争奪戦をしていたことをお説教されに行ってるだろう。ルクスのことだから誰にも渡されてないと思うけど…というか、学園内に巧妙な人がいるわけがない。そう思っていた…
アイリの部屋に入るまでは
「もう、兄さんは何をやってるんですか!」
アイリは椅子に座り、ルクスは正座していた。私からしてみれば、アイリがお説教するときにいつもこのような体勢になっている。
「まぁまぁ、アイリ、依頼書は誰にも渡されてないんでしょ?」
私がアイリを宥めようとすると、ルクスが申し訳なさそうに言ってきた。
「その…ライラ…実はね」
私には話したことが信じられなかったが、あのつかみどころがわからないクルルシファーさんに依頼書を取られたので納得。一体、どこで?と聞いたら、ルクスは歯切れ悪そうにしていた。この人…絶対に変なところ取られたな
「で、一週間何してほしいって?」
一回、何か飲み物を飲んで気分を落ち着けようとカップに入ったお茶を口にふくむ。
「その…クルルシファーさんの恋人…」
「!?!?…げっほげっほ」
えっ?恋人?
「まっじで!?」
「姉さん…残念ながら本当です」
私は額に手を当て、これからクルルシファーさんがルクスにどんな支障を与えるか考えたくもなかった。
「ち…違うよ!恋人って言ったけど、詳細は恋人のフリだよ!」
「兄さんはこう言ってるのと裏腹にやった!って絶対に思っているんですよ」
「本当に恋人のフリなんだから!」
クルルシファーさんが恋人のフリをどうしてもして欲しい…か、確かクルルシファーさんはユミル公国の貴族令嬢。ということは…
「まあまあ、アイリ、恋人のフリならいいんじゃないの?それに一週間だし」
「姉さんが言うなら」
「ほっ…」
「でも、ルクス?ちょっとでも変なことに巻き込まれそうになりそうだったら、私かアイリに言うこと。いいね?」
「わかった。それは約束する」
「これでいいよねアイリ」
「はい」
そう言い、この話を終わらせ解散するようにアイリの部屋から出て行った。
言い訳はしません。
更新を月1で月末にしようと思います。
その代わり、文字数を多くしようと。原作一巻を三分の一ぐらいに割って
今後もよろしくお願いします。
今月末にまた更新します