一部大幅な改編が為されており、投稿は不定期かつゆっくりとしたものとなりそうです。
目を開けるとそこは豪華な部屋でした。
……なんで?
いや、私は飛行機に乗ってたはず…。
貧乏ではなかったとはいえ、ここまでリッチな感じの部屋にいたこともない。
いろいろと不審、というか理解できないことが多く、自然と室内をきょろきょろと見回してしまう。
天蓋付の寝台に寝てること自体が信じられないが、それ以外にも何センチ厚みがあるのか分からない絨毯に、質の良さそうな優雅な照明、果ては見たこともないような巨大な鏡まである。
と、ふと鏡に映る部屋の光景に違和感を覚えた。
勿論部屋自体に違和感を感じてはいるのだが、そうではなく、ベッドに横たわる自分の姿に対して違和感を感じる。
有名な絵画の、背景や小物の絵はそのままに人物の部分だけ別の有名な絵画を入れているかのような…
そう、確か自分はこんな金髪ではなかった。
………
……
…
手をひらひらと振ってみる。
鏡の中の青年は同じように手を振っている。
頭をコテン、と傾ける。
かの青年も同じしぐさをした。
そろそろ年齢的に限界を感じるしぐさに見えた。
そろそろとベッドから降りてみる。
鏡の彼もそろりそろりとベッドから降りている。
………
……
…
気にしたら負けだ、そう訳も分からず呟くと、彼は別のものを見ることにした。
と、それまで何も映していなかった壁と一体化している画面に映像が映った。
左上には「A.M.6:00」と表示されているのでもしかしたらアラーム機能なのかもしれない。
「私たちはプラントに住むコーディネイターの意見を民主的に意思表明し、正当なる権利を確保するためにこの黄道同盟を設立した!」
中年、見ようによっては壮年ととれる男性が表面上は冷静に、だがどう見ても激情混じりな発言をしていた。
例えるならテロリストが犯行声明文を読み上げる感じだ。
コンコンッ
そんなことをつらつらと頭の中で考えていると、ドアのノックを受けた。
驚いたのと、結局自分がどうなっているのかが分からなかったので反応できないでいると外から声をかけられた。
「ムルタ様、よろしいでしょうか?」
どうやら自分は高木ではないらしい。
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