比企谷八幡が北斗神拳伝承者だったら   作:メガネコ

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あなたはこの作品を読むことで寿命の貴重な10分を浪費するだろう。

それでも構わぬ!敗走の二文字はない!!八幡だいて!

そんな方がお読みください。

カオス回です。


新しい友

「はっ……。」

目を覚ます。

見知らぬ天井だ。

「どうやら生きていたようね…。さすが北斗神拳伝承者。」

雪ノ下がいる。

 

「俺は何を……。」

まったく記憶がない。

 

「あなたは由比ヶ浜産クッキーを食べて気絶したのよ。」

 

そうだ。そうだった。

平塚先生はなぜ生きていたのか……。

あれほど強力なものだとは。

 

「そ、それであたしはどうすればいいかな…。」

由比ヶ浜がぽしょりと聞いてくる。

 

「料理をしなければいいのではないかしら?」

 

「そこまで!?」

 

「そこまでよ…。現に一般人なら死んでいるそうよ。」

 

雪ノ下が残念そうにつぶやく。

 

「いや待て。きっと料理の方法さえ教えればできるはずだ。伝承者の俺が言うんだから間違いない。」

 

 

「あ、あなたがそういうのなら手伝いはしてあげるけれど…。家庭科室の使用許可を平塚先生にもらってくるわ。」

そういって颯爽と保健室を出ていく。

 

由比ヶ浜にアミバ先生はどこにいるのかと聞くと、ショックで帰ってしまったそうだ。

きっと何かつらいことがあったんだろう。

 

実際は伝承者特製の汁を顔面から食らったからだからだが…。

 

「なぜそこまでして料理を…?」

八幡は疑問に思った。

お世辞にもうまいとは言えないあの物体。

料理を普段するほうではないのだろう。

 

「ムッチーが助けてくれた時にお礼言えなかったから…。」

 

ムッチー???なんだそれは…。

 

「すまん由比ヶ浜。ムッチーとは何だ?」

 

「無口でマッチョだからムッチー!かわいいでしょ!」

えへへと得意げに笑う。

 

うむ、まあいいか…。

さしもの伝承者でも食べ物に気絶し、変なあだ名をつけられといろいろパンクしている。

 

「そうだな、かわいらしいあだ名をありがとう。犬のことは気にするな、当然のことをしたまでだからな。」

困っている人を助けるのは当たり前。

人の嫌がることをしない。

これは当然のことなのだ。

 

 

「それでもお礼がしたいんだ。ムッチーがいやっていうならしないけど…。」

 

下を向きながら、そう答える。

優しい少女だ。八幡は素直にそう思った。

こういう人のために力にならねば、何が北斗神拳伝承者か。

 

「そんなことはない。由比ヶ浜の料理の腕は上達する。北斗神拳伝承者の俺が保証する。」

キリッとそういうと

 

「ありがとう、ムッチー!あたし頑張るよ!」

満面の笑みを浮かべる。

 

この後雪ノ下が来て家庭科室に行くことになった。

 

 

 

だがここで由比ヶ浜に秘めた才能があることが発覚する。

 

「なぜ………こうなるの…?」

雪ノ下が困惑したような声を出す。

 

由比ヶ浜の手には型抜きしたばかりの焼いていない生地があったはずだ。

オーブンにすら載せていないはずなのになぜか黒く焼けている。

 

 

由比ヶ浜はなぜかクッキーを作っているはずなのに炭ができる。

どういうことだと思う方もいるだろう。

 

 

これがわかれば苦労しない。

 

 

八幡もなぜかと不思議に思いずっと由比ヶ浜を見ていると、また生地が焦げる。

今度はより黒く。

 

「なんでだろう…?」

木炭の錬金術師(由比ヶ浜)もよくわかっていないそうだ。

ちなみに自宅ではここまでひどいことにはならず、お母さんと料理をしているそうだ。

 

「クッキーだからかしら?」

雪ノ下がそういう。

普段の料理ができるのにクッキーができないというのはどうなのか?と思うが、試してみる価値はある。

 

「今日の調理実習のあまりの物なら使っていいと言われているから…肉じゃがとか?」

由比ヶ浜がそう答える。

 

「よしならともにつくるか。」

 

由比ヶ浜装備:素手

八幡装備:素手

雪ノ下装備:包丁

 

 

「ちょっと待って!なんであなたたち包丁いらないの!?」

 

 

「ユッキーは包丁いるの??」

「雪ノ下は包丁を使う派の人間か?」

 

雪ノ下は茫然としている。

 

「いくぞ、みんな。雪ノ下はニンジン。由比ヶ浜はジャガイモ。俺は玉ねぎだ。」

 

それぞれが作業にかかる。

八幡は玉ねぎをレンジでチンしている。

加熱することで玉ねぎを切ることで泣いてしまうことを防ぐためだ。

 

「ひょっう!」

由比ヶ浜がジャガイモをまな板の上に置き切り分けていく。

その姿を見る限り料理下手とは思えない。

 

皆さんに一つ言っておこう。

 

通信教育で習える南斗や北斗と、八幡やレイが使えるげんこつは違う。

想像してほしい。

もしこの世の全員が拳法の使い手だったら…そうリアル乱世である。

なので一般に普及しているものとは威力などが違う。

八幡が水鳥拳を使うと鉄も切れるが、由比ヶ浜では野菜などを切るのが限界だ。

 

 

玉ねぎを空中に投げる。

 

「北斗有情拳秘孔をのせて」

空中で玉ねぎが切れて、ボウルに落ちる。

 

「私がおかしいのかしら…?」

雪ノ下の疑問が口に出された。

 

 

結果からいうと、カレーはうまかった。

謎は深まるばかり…。

 

 

 

結果よくわからなかったので、また後日ということになった。

 

幼稚園の向かいに行くと、小町と京華ちゃんが何やら遊んでいる。

 

どうやら「心臓キャッチ早期硬化!」(ハートキャッチプリキュア)のキャラの真似をしているようだ。

悪役はサウザーさんかな?

 

「さ、さかなぁあああああああ」

サウザーの叫び声が上がる。

あれは北闘の拳(ほくとうのげんこつ)のシャユーザ将軍の叫び声だったはずだ。

 

「「あくはさった!!」」2人して楽しそうに笑っている。

 

「あんたも迎え?」

黒レ……川崎が話しかけてくる。

 

「ああ、毎日迎えに来てるのか?大変だな。」

 

「それはお互いさまでしょ?あんただって毎日来てんじゃん。」

 

なんだろう今までにない共感を覚える。

家族のために手伝う高校生は八幡の周りにはあまりいない。

クラスの人の話でも自分の部活や勉強が忙しいからとなかなか会話がないところもあるそうだ。

そんな中自分と同じように家族のために頑張る姿に共感してしまう。

 

「家族は大事だからな。苦にはならない。」

そう微笑んだ。

 

「……そ、そう。あたしも…。」

うっすらと頬を赤めながらそう答える。

 

 

「あ、八にいだ!!」そう言って聖帝十字陵から降りてくる。

 

サウザーさんが

「二人ともいつもお疲れだな。これをやろう。」

そういって俺と川崎にスポドリを渡してくる。

 

 

2人してお礼を言う。

今日はもう帰ってもよいはずなのに渡すために残っていたそうだ。

「さらばだ、二人とも!」

そういって聖帝2号に乗り込み帰って行った。

ちなみにこの聖帝2号とはママチャリである。

昔は大型のアメリカンに乗っていたのだが音で子供が怖がるので家に置いてあるそうだ。

 

 

この後川崎と京華ちゃんに別れを告げ帰宅する。

 

今日は珍しく羅王兄さんと冨喜兄さんとのそろっての食事である。

黒王はすでに食事を終えたらしく、羅王兄さんの膝の上で寝ている。

 

食事をしながら、今日の由比ヶ浜の出来事について二人に話してみた。

「それはもしかしたら知らず知らずのうちに気を練りこんでしまっているのではないか?」

羅王兄さんがそういう。

 

「感謝の気持ちを伝えたいという強い思いが生地に熱を与え、焦がしてしまうほどの気を練りこんでしまったのであろう。」

 

冨喜兄さんも「その可能性が高い。今度は意識しないでするように伝えてみたらどうだい。」

 

やはりこの二人は頼りになる。

 

 

食事が終わった後、小町は羅王兄さんと一緒にふろに入っている。

小町が久々に一緒に入りたいとねだったからだ。

 

「最近は皆が忙しくて世話をかけるな、八幡」

 

優しく冨喜兄さんが気にしてくれる。

謝義にいさんもアメリカと日本で時差がある中俺のことを気にかけこちらが起きているときに電話をくれている。

 

高校生活はクラスでの付き合いが悪いとそれだけでいろいろ言われてしまう。

まあ八幡は円滑に進んでいるので特に問題はないのだが。

 

「気にしないでくれ、兄さん。俺は家族といれるのがうれしいのだから。」

八幡は心の底からそう思う。

 

「そうか…。まあ、八幡なら大丈夫か。何かあればいつでも頼るんだぞ。」

冨喜兄さんはそういって食器洗いに行く。

 

 

 

後日、放課後に由比ヶ浜にとある秘孔を試してみることにした。

北斗残悔積歩拳(ほくとざんかいせきほけん)

これは自分の意志とは関係なしに行動させることができるものである。

 

今は由比ヶ浜と家庭科室に二人っきりだし、雪ノ下が来る前にスタンバイさせておこう。

 

 

 

 

 

雪ノ下雪乃は今家庭科室に向かっている。

自分を友だと呼んだ男と依頼を持ってきた女由比ヶ浜と料理をするためである。

 

 

家庭科室の前につきドアを開けようとすると中から何やら声が聞こえてくる。

 

「いいのか?由比ヶ浜…。多少痛むぞ…。」

 

「いいの。ムッチーなら…。さして…。」

 

 

痛む。指す。ムッチーなら…。

 

何となく比企谷がそういうことをほかの女性とするのが気に食わなく思った。

急いで扉を開けて中の様子を見る。

 

「ちょっと何をしているのかしら?」

思ったよりもドスが利いた声が出たことに自分でも驚く。

・・・

・・・・・・

 

雪ノ下が突然ドスの利いた声で話しかけてくる。

 

自分の目の前には目から光を失った状態で立ち尽くしている由比ヶ浜がいる。

何を思ったのかいきなり

 

 

「ショォウッ!!」

雪ノ下が顔面に向かって蹴りを放ってきた。

 

「待て!!友よ!何か誤解している!!」

必死の説得もむなしく、雪ノ下は空中で一回転しかかと落としをしてくる。

 

「ホワタァッ!!」

やむなく八幡もその蹴りを受ける。

 

ここまでですでに伝承者の皆さんならお気づきになっただろう。

雪ノ下が使っているのは「南斗はくろ拳」

これは南斗六星拳のうち足技に特化したものである。

皆さんは女性の平均的なパンチ力というのをご存じだろうか?

基本的に男性に比べて筋力は劣っている。

そのため実際護身術等で本当に襲われたときに筋力で勝てていないから、少し護身術を習った程度の人間では返り討ちにされてしまう。

そんな中筋力がない女性でも蹴りなどは意外と威力がある。

また余談だが噛む力は男女差はそんなにないらしい。

 

 

雪ノ下はとある人物に影響されこの拳法を使うようになった。

実際に「全日本南斗星拳組手」(南斗108の拳法を用いた組手による大会)

において中学女子の部優勝という結果を残している。

つまり雪ノ下は強い。

 

 

ただ八幡には気が気でないのがあった。

それは決して先ほどから足技により蹴りを放つせいで見えている淡い水色で腰の横に小さなピンクのリボンがついている清純さを体現した布ではない。断じて。断じてだ。

 

 

由比ヶ浜に攻撃が当たらないかということだ。

だが雪ノ下は我を忘れて突貫してきている。

 

「ショッウ!!!」

裂ぱくの気合と共に空中に飛び上がり回し蹴りを放ってくる。

 

このままではらちが明かない。

 

蹴ってきた足をつかむ。

「にゃっ!?」

 

空中で足をつかまれたらどうなるか?

軸足も空中に浮いているので簡単に言えば逆さづりになる。

 

スカートは重力に逆らえない。

丸見えである。

 

急におとなしくなる雪ノ下。

八幡はなるべく見ないようにそっと下す。

 

「そのすまん………。」

 

「こちらこそ、ごめんなさい。」

 

2人して顔を赤らめながら謝る。

 

そんなラブコメ??な空気を壊す者がいた。

 

由比ヶ浜だ。

目が覚醒し、こちらに向き直る。

 

「貴様たちは何をしている?」

口調が変わっている。

というか由比ヶ浜の優しい雰囲気がない。

目がキリッとしている。

 

 

「えっと……由比ヶ浜さんよね…?」

雪ノ下がオズオズと聞いてみる。

 

「何を言っている、この貧乳は?俺はヒイロ結衣だ。」

 

 

「「は?」」

片方は怒りを片方は純粋に謎に思い。

これにはさしもの北斗神拳伝承者八幡も驚く。

 

だがその驚きも一瞬、このついた秘孔について思い出す。

 

「そういえば聞いたことがある…。」

 

「本当なの?ライd…比企谷君。」

 

「ああ、北斗残悔積歩拳(ほくとざんかいせきほけん)

これは自分の意志とは関係なしに行動させることができるものだ。

つまり無意識で行動することができるということだ。」

 

「それでなんでこうなるの?」

 

「この秘孔には特徴があってな。

普段抑圧されている人格がまれに出ることがある。

あれはおそらく由比ヶ浜の隠された人格だ…。」

 

「あれが…?」

困惑しているようだ。

 

「おそらく…。」

 

 

「何をこそこそ話している?そこの漢こちらに来い。」

 

「あ、ああ分かった。」

 

由比ヶ浜に一歩近づく。

 

「貴様らは付き合っているのか?」

 

「いや、ライバルだ。」

八幡は即答する。

雪ノ下は少し複雑そうな顔をしていたが…。

 

「なら貴様は俺の物だ。」

 

「「は?」」

 

「ゼロがそういっている。」

そういって携帯を見せてくる。

八幡がよく見ようと近づいた瞬間、視界が変わり天井を見ていた。

 

 

「だまされるとは甘い男だ。」

このヒイロ結衣は一瞬のスキを突き、足払いをしたようだ。

伝承者が油断していたとしてもなかなかの腕である。

 

 

マウントポジションをとり、八幡の服を脱がしていく。

 

雪ノ下がそれを止めるために鋭い蹴りを放つ。

 

「ヒョウッ!」

 

だがそれを上体をそらすだけでかわす。

 

「下着はかわいらしいものをつけているな貧乳。」

 

「う、うるしゃいわ!!あなたみたいなビッチと同じにしないでくれるかしら?」

挑発に挑発を返す。

 

「俺のはそんなに過激ではない。」

そういってシャツのボタンをはずす。

 

白のフリルのついた清純そうな聖衣(クロス)を身に着けている。

「下もそろいの白だ。悪いな清純で。」

見たことないドヤ顔を雪ノ下に向けている。

 

「う、嘘だ!!」

 

 

 

そのもの白きクロスをまといし、筋肉の野に降り立つべし。

 

 

 

そうこれは神話の再現だったのだ。

旧約聖書第1129081(いいにくおっぱい)項にも描かれている。

 

「いい筋肉をしている……///」

服の上からなまめかしく指が動く。

 

 

八幡は貞操の危機を感じ反射的に秘孔をつく。

 

それは北斗残悔積歩拳の位置である。

もう一度意識を失わせたのだ。

 

 

自分にまたがっている由比ヶ浜またはヒイロ結衣をおろす。

 

「比企谷君……その大丈夫なのかしら…由比ヶ浜さんなのかヒイロ結衣なのかわからないけれど…。」

 

「最悪二人で止めるしかないな…。協力してくれるか友よ。」

 

「もちろんよ。友の頼みなら断れないわ。」

がっしりと手を握り合い漢の友情を確かめ合う。

 

 

「ムッチー達何してるの?」

由比ヶ浜がきょとんとしながら聞いてくる。

 

八幡はとっさに北斗神拳奥義「天破の構え」をしてしまう。

それほどに八幡を精神的に彼女は追い詰めてしまったのだ。

 

雪ノ下も決して美人の女性がしてはいけない顔で由比ヶ浜をにらんでいる。

 

 

「ふ、ふたりとも怖いよ………。」

 

その由比ヶ浜の様子を見て二人は構えを解く。

 

そののち作ったクッキーは普通においしかった。

 

 

こののちに由比ヶ浜が部員として入ることになる。

八幡にとって友が増えた日である。




書いてて不思議な気持ちになりました…。
ヒイロ結衣は単なる駄洒落です。
あまりのしょうもなさに自分で悲しくなりました(´・ω・`)
なんでこんなの書いたんだろう…(困惑)

彼女が宇宙の心だったんですね!(錯乱)

他サイト様でヒイロ結衣をネタで使っている方がすでにおられたみたいで、この作品はキリが良いのでここで完結にします!

5話を入れると中途半端になるので。

ハーメルンで被ってなかったので安心していたんですが……。


最後まで見てくださりありがとうございました!

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