ガンファイター簪   作:un

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 二ヶ月も更新が空いてすみませんでした。

 新しく考えている作品とか作成してたりしてたら、遅くなってしまいました...


三話 カノンと一夏の試合

 「かんちゃん、どこ行ってたの~~? とっても探してたんだから~~」

 

  魔物との戦いが終わり、学園の寮に戻ると幼馴染の本音が簪に寄り、簪は一言謝って二人で部屋に戻り簪だけ先にシャワーを浴びていた。

 

 「...疲れた」

 

 首にかけている宝石がついたペンダントからは声はなく、恐らく近くに本音がいるためだろうと考えながら寝巻きに着替え髪を乾かしていると、ふと本音がTVに夢中になっているのが気になり、簪も見てみると

 

 TVには青髪の女性と猿のような二本足で歩く生物が戦っている様子が映しだされていた。最初は特撮物でも放送されているのかと思ったが、TVのチャンネルはニュースになっており、しかも簪には謎の生物と二丁のグリップがついた銃を持って戦う女性にかなり見覚えがあった。(と言うよりもさっきその場にいたのだが)

 

 「「これは、偶然謎の生物に襲われていた男性のスマホに録画されていた物で、近頃奇妙な事件が多発しており、警察では事情を知っていると思われるこの女性の捜索と情報提供を呼びかけており...」」

 

 「すごい、まるでアニメのヒロイン見たい~~だね? ん? どうしたの?」

 

 「い、いや、なんでもない」

 

 簪は焦っているのを隠しながら本音に購買に行ってくると一言告げ部屋から慌てて出て、人気のない寮の屋上に行きペンダントのエルメスに話しかけた。

 

 「どうしよう...」

 

 「仕方ないさ、いずれはこうなる事は分かってたし。正体さえバレなければ大丈夫さ」

 

 「まぁ...そうだね」

 

 「元気だしなよ、TVにこうやって名も知らない正義のヒーロー...って簪は少女だからヒロインか。謎の戦うヒロインが世間に広まってこっちも鼻が高いよ」

 

 「ありがとう、エルメス」

 

 ペンダントの相棒に励まされ少しだけ元気になったのか、表情に笑を浮かべる。と、エルメスはさらに話しを続けた。

 

 「ちなみにさ、名前聞かれたりしたらなんて名乗ろうか? 何かないかな、正義のヒロインぽい名前?」

 

 エルメスは簪をおいてきぼりにし、「ガンガール・ガン少女...」 と次次と候補の名前を上げていく。

 

 「名前か...」

 

 昔からヒーローに憧れていた彼女もエルメスと同じように名前を考え始めてしまい、二人? とも考えこんでしまう。

 

 「そうだ」

 

 簪が何か思いついたのか、ペンダントから一丁のリボルバー銃を取り出した。その銃は簪が変身に使っている銃でエルメスから「カノン」と名付けられていた。

 

 「カノン」

 

 「ん?」

 

 「カノンなんてどうかな?」

 

 「え? その銃の名前を? ...カノンか、なんかいいね。じゃ、変身した時の名前はカノンで決定だね」

 

 「うん、カノン、私はカノン」

 

 変身時の名前が気に入ったのか、簪は何度もカノンと口にしながら屋上から去り部屋に戻り翌日。

 教室の中でもニュースの話題が広まり、その話を耳にするたびに簪は一人嬉しく思いながら時間が経ち、やがて昼休みになった時だった

 

 「ねぇ、知ってる? 今日、放課後なんでもイギリスの候補生とあの織斑君が試合するんだって?」

 

 「えぇ? それ負けるでしょ?」

 

 「だよね~~」

 

 食堂で本音と昼食を摂っていると、隣りの席にいる誰かがそんな事を話しだし簪は自分

には関係ないと思いながら食事を続けていたが、本音は

 

 「そうだ、今日アリーナでオリムーの試合があるんだけど、一緒に行こう!!」

 

 「え? 私は別に...」 

 

 簪は断るが、結局放課後になり本音に無理やり連れられアリーナの観客席に座りため息をつくのであった。

 

 一方で、ピット内では

 

 「武器は剣が一本か...よし」

 

 白いIS「白式」をまとう一夏。そして、背後には箒がおり、彼女は顔を赤くしながら

 

 「一夏...勝ってこい!!」

 

 箒の言葉に、一夏は黙って頷きピットから出撃した。

 

 「あら? よく逃げずにきましたわね?」

 

 既に蒼いISをまとった金髪の少女が一夏を見下しながら笑っていた。彼女は一夏と同じクラスのセシリア・オルコットだが、イギリスの候補生と言う身分のせいか先日クラスで行われたクラスの代表を決める際に自分が選ばれなかった事に怒り、日本や男性を侮辱した発言をし、そこに一夏が彼女をたしなめる事があったのだが

 

 何故かクラスの代表を決める方法が決闘となり、今に至るのであった。

 

 

 「どうせこの戦いは私が勝つ運命、大人しく負けを認めたら許して差し上げてもよろしくてよ?」

 

 「セシリア...そうゆう事は言わない方がいいと俺は思うよ」

 

 「おだまりなさい、男の癖に私に指図するのですか!!」

 

 「そうゆう事じゃない、ただ。言葉は時に刃物になることだってある、気をつけて使わないと相手の心を傷つけてしまうってこの間俺は言ったろ?」

 

 一夏は先日のクラス代表を決める際も言葉は刃物だと同じ事を注意するが、セシリアは聞く耳を持たず、一夏がため息をついていると試合開始のブザーがなってしまう。

 

 「はぁ、落ちなさい!!」

 

 蒼いISブルーティアーズに装備されているスターライトーMKⅡからレーザーが出て、一夏は軽く機体を動かしレーザーをかわしてしまう。まさか回避するとは思わずセシリアは二、三度引き金を引くが、一夏は装備されていた雪片弐型(ゆきひらにがた)を出し、迫るレーザーを切ってしまった。

 

 「そ、そんなのまぐれですわ!! 行きなさい」

 

 機体の一部が分離し、BT兵器が一夏に襲いかかる。四つのBTから発射されたレーザーを回避し、剣でレーザーを切るなどして機体へのダメージをなくし、攻撃が当たらない事にセシリアが焦り始める。

 

 「ど、どうして当たらないのです!?」

 

 「残念だが、そんな単調な攻撃ばかりしてたらカップラーメンができてしまうぞ?」

 

 「おだまりなさい!!」

 

 一夏の挑発? に乗ってしまったのか、セシリアはなおもBTの攻撃を続け、やがて集中が切れてきたのか、動きが遅くなったBTを剣で切られて行く。

 

 「1、2...そして3と4!!」

 

 一夏は大声をあげながら、ブースターを初心者とは思えないぐらいの速度と操作で動きBTを全て破壊し雪片をセシリアに向ける一夏。

 これには、セシリアだけでなく観客で見ていた者全てが驚き、てっきり初心者である一夏が負けるであろうと予測していた生徒達が何故か一夏の顔を見て顔を赤くし、ピットにいる箒は一夏の戦いを見て唖然としていた。

 

 「これが、一夏の、力...なのか?」

 

 学園の道場で一夏と剣道をして負けた箒は今の一夏は剣の実力は自分より上だと認めてはいた。だが今ISを動かすのが始めてのはずの一夏が候補生相手に優勢な戦いをし、さらにクラスから嫌われているはずのセシリアを気遣ったりと、昔よりもとても強く優しくなった一夏の姿を見てとても嬉しく思っていた。

 

 

 「ま、まだ終わってはいませんわ!!」

 

 スターライトの引き金を引き一夏から距離をとるセシリア。一夏の武器は剣しかなく、とにかく距離をとって態勢を整えようとするが、一夏が奇妙な動きをし始めた。

 まるでバットを振る構えをし、一夏が力強く雪片を振るうと

 

 「どっせい!!」

 

 ザンッ!!

 

 

 風を切る音が通り過ぎると、セシリアの持っていたスターライトが二つに別れ次の瞬間爆発が起こる。

 

 「きゃぁぁ!!」

 

 いきなりセシリアのレーザー銃が爆発を起こし、何が起きたのか当のセシリアや観客達も分からなかったが

 

 「かまいたち」

 

 (とんでもない筋力で斬撃飛ばしたね。これは勝負ついたね)

 

 簪とエルメスだけが一夏の攻撃を理解していた。

 

 

 「ま、まだ...まだですわ...」

 

 接近用のショートブレードを取り出し、目に未だ闘士が消えておらずセシリアは何を思ったのか一夏に急接近していった。これには、周りも血迷ったか と思い。一夏は構えを解いて剣で受けてたとうとするも

 

 「引っかかりましたわね!!」

 

 と、新たなBTが出現しミサイルが発射される。

 

 「引っかかったな!!」

 

 と、一夏がセシリアと同じようなセリフを吐いて剣を軽く振って斬撃を飛ばしミサイルを真っ二つに切り、すかさず能力である零落白夜(れいらくびゃくや)を発動させてセシリアの機体のエネルギーを0にしてしまった。

 

 「そ、そんな...私が、まけ、た...」

 

 機体のエネルギーがなくなり、試合の続行が不能と判断されアリーナに試合終了のブザーがなり、一夏の勝利が告げられるのであったーー

 

   




 前にも書いたと思いますが、この作品の簪は候補生ではなく一般の生徒になってます。なので原作の専用のISはない代わりに、オリジナルのISを出す予定です。

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