水面に映る月   作:金づち水兵

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あ~、もう3月・・・・。


81話 MI/YB作戦、発動

「は、は・・・・・はっっくしゅん!!! うう~~~、寒い・・・・・・」

 

両手で体を(さす)る。摩擦熱で夏服より遥かに耐熱性と重厚さを増した冬服越しにほんのりと温もりが肌に伝わってくるが、なんという悪魔の所業か。海面を駆け抜ける寒風は多大なエネルギーを使用して生み出した希望を、一瞬で無に帰す。

 

艦娘用桟橋に打ち付ける波しぶきと曇天の空が、触覚だけに飽き足らず聴覚や視覚からも着実に体温を奪っていく。寒々しい光景は肉体ではなく精神を凍えさせてしまう絶大な効果をはらんでいた。

 

季節は巡り巡って12月。「読書の」、「食欲の」、「運動の」と言われるように何をするにも過ごしやすい秋は訓練と打ち合わせに追われている間に終了。深緑一色だった山々を幻想的な絵画に変えてくれた紅葉はすっかり消え、広葉樹の木々は丸坊主。

 

完全に冬本番のご時世。北海道や東北、北陸では既に自動車が天然の雪だるまと化してしまうほどの降雪に見舞われていたり、湖が天然のスケートリンクに変貌してしまうほどの寒波に襲われたところもある。そのような折にこんな所に来ている方が悪いのだが、手と耳の感覚を強奪した自然には恨み節の1つでも言いたくなるものだ。

 

強烈な速度によって気化熱殺しと化した海風がまた体を洗う。

 

「うぅぅぅぅ~~~~。寒いったらありゃしない」

 

それでもみずづきは動こうとしない。桟橋に根を生やしている理由は目の前の光景にあった。

 

「しっかし、何度見てもすごいな~~~。まさに圧巻。吉倉地区が軍艦でいっぱいに・・」

 

横須賀湾を挟んで横須賀鎮守府中央区画や工廠の対岸にある吉倉地区。そこは小海東岸壁と同様に艦娘ではなく通常艦艇の停泊場所。横須賀鎮守府に寄港した艦船が頻繁に船体を休める。第5艦隊が壊滅してしまって以降、横須賀を母港として活動する艦隊は花表秀長(とりい ひでなが)少将を指揮官とする海上護衛艦隊と鎮守府直轄の横須賀海防軍第1海防隊・第2海防隊の8隻、第二線部隊である「薄霧(うすぎり)」「秋霧(あきぎり)」「雨霧(あまぎり)」の海霧(うみぎり)型駆逐艦3隻で構成される第11戦隊のみ。書類上は高千穂(たかちほ)型軽空母一番艦「高千穂(たかちほ)」を旗艦とする第1統合艦隊も所属しているのだが、訓練に諸外国への表敬訪問でほとんど横須賀には停泊していなかった。そのため、かつて瑞穂一と言われた軍港の寂寥(せきりょう)感は否めなかった。

 

しかし、本日。その吉倉地区は久しぶりに軍艦たちでごった返していた。

 

「四・四艦隊計画」の申し子で房総半島沖海戦後に進水したばかりの第3統合艦隊がMI/YB作戦を控え横須賀に寄港していた。去る11月下旬。MI/YB作戦の前哨戦として大宮鎮守府所属の艦娘たちが主力となり決行されたパラオ諸島・ウルシー泊地の空襲作戦は無事に終了。パラオ泊地・ウルシー泊地それぞれに居座っていた泊地棲姫と飛行場姫に大打撃を与えたことが確認され、MI/YB作戦実施の土壌は整っていた。

 

みずづきが彼らの勇姿を拝見するのは10月上旬に硫黄島沖で偶然出会って以来である。洋上で航行する姿も圧巻だったが、港でひっそりと休憩中の姿も風情がある。

 

甲板上で上官の(げき)を受けながら走り回っている水兵たちには合掌だが・・・・・。新鋭艦は通常、進水してから就役するまでの約6か月間。各種艤装試験や乗員の育成訓練を行い、就役後すぐに戦力として勘定できるよう体制を整える。瑞穂海軍も大日本帝国海軍や海上自衛隊、海上国防軍と同様の運用思想を持っているのだが、第3統合艦隊は進水から4ヶ月弱で実戦投入。本来なら早すぎる。第1・2統合艦隊が本土防衛と定期点検に回されたための苦肉の策らしく、第3統合艦隊司令部の「渋り」を軍令部が「気合いだ」と言って突っぱねた話はみずづきの耳にも届いていた。ちなみに、第4統合艦隊も進水から3か月弱しか経っていないのだが、第3統合艦隊と同様に軍令部の根性主義で実戦投入が決まっていた。

(どこでもやることは変わらないな・・・・・)

強烈な既視感を覚え、そんな事を思っていると。

 

「あ! こんなところに・・・・・」

 

疲れ果てた声が聞こえた。

 

「みずづき発見デース!! ほら、榛名! やっぱり私が正しかったじゃないデスカ!」

 

同時に疲労困憊とは程遠い元気はつらつな声も聞こえてくる。

 

「ん?」

 

軍港らしい風景を惜しみつつ振り返る。あちこちに切れ目が入り冬のへ適応性が皆無な制服故に、お揃いのコートを着た2人の姿が見えた。

何の変哲もない、海軍士官が着用する黒いコート。なのに、なぜ彼女たちが着ると目が引き寄せられるのか。

 

「金剛さんに榛名さん・・・・」

「みずづき! そろそろ時間デース!! 講堂へ行きマショウ!」

 

金剛がにこやかに手招きをしてくる。「うう!」と寒風に完敗している榛名とは対照的だ。

 

「分かりました!!」

 

2人の好意に応えようと心の中で第3統合艦隊各艦に別れを告げ、素早く踵を返す。

 

今日は12月11日。これからMI/YB作戦のブリーフィングだ。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「・・・・・・・・・。全員、揃っているな」

 

所々に置かれた石油ストーブがなけなしの暖を放出している講堂に、百石の静かな一言が響き渡る。先ほどまで艦娘や百石たち横須賀鎮守府上層部の談笑で暖まっていた空間はすっかり凍え、石油ストーブの労働が需要に追い付かない。

 

だからこそ、そこまで大きくないにもかかわらず彼の声は不思議と明瞭に届いた。

 

みずづきたちが部隊別に整列している板張りの床より子供の背丈ほど高い位置にある演台。背面の壁を覆う、地図や文字で埋め尽くされた複数の黒板の脇に、百石はいた。彼はゆっくりと真剣な眼差しで艦娘たちを見回した後、壁脇に控えていた長門に合図を送る。彼女の隣には筆端を筆頭に、緒方をはじめとする各部長、五十殿(おむか)をはじめとする各部各課長。加えて、現在横須賀に寄港している第3統合艦隊の司令官安倍夏一(あべ なついち)少将と同参謀長左雨信夫(さう のぶお)少将も横須賀鎮守府首脳と共に直立不動で整列していた。第3統合艦隊は今次作戦において、MI攻撃部隊及び艦娘母艦大隅の護衛としてMI攻撃部隊に同行。艦娘航空部隊によってミッドウェー諸島が無力化されるなど、作戦が順調に進んだ場合、錬成の意味も込めて出穗航空隊によるミッドウェー諸島への空爆を行う予定だ。

 

ちょうどみずづきが並んでいる一機艦の列は講堂内で一番右端、お偉方の視線を一身に受けかねない位置取りである。彼らの一挙手一投足が拝める最高の位置取りだが、代わりにこちらの一挙手一投足までが彼らに監視される最悪の現状。外観からどう判断されるか分からないが、心拍数増大と冷や汗は明らかに場の空気よりも数多の濃い視線によるものだ。

 

そのような邪念を打ち消すように、長門が一歩前に進み出て声を張り上げた。自然に背筋が伸びる。

 

「これより、MI/YB作戦のブリーフィングを開始する」

 

それを合図に百石は黒板の足に背中を預けていた指示棒を手に取る。喉の耐久性が心配なほどの声量で「MI/YB作戦」の説明を開始した。

 

「本作戦はMI作戦と還4号作戦の二正面作戦であるが時間の関係上、この場では還4号作戦は省略する。なお、作戦規模が作戦規模だけに説明は長時間に及ぶ。今回、終了後に時間を設けるため、質問や疑問点はその際に聞いてくれ。既に各艦隊旗艦から伝達されている通り、MI作戦は我が横須賀鎮守府全艦娘部隊と大宮鎮守府蒼龍旗下第二機動艦隊、そして7月に進水したばかりの最新鋭艦隊、第3統合艦隊が担う、文字通り横須賀鎮守府の総力を挙げた一大作戦である! 達成目標は本土から遥か西方4000km、ミッドウェー諸島に存在する敵泊地と中間棲姫の撃破。及び布哇泊地から出撃してくると予測されている敵機動部隊の撃滅である。本作戦の発動日時は今日より一週間後の12月17日1000。我が横須賀鎮守府で構成されるMI攻撃部隊の出撃を持って発動される」

 

講堂内がどよめいた。還4号作戦に参加するYB攻略部隊のうちで最も早く出撃する部隊の出港日時は12月18日早朝。あの日、提督室に呼ばれていたメンバーは知っていたものの、みずづきたち以外の艦娘には自分たちが最先行部隊となることは伝えられていなかった。

 

「そう、我々が先陣を切る」

 

不敵な笑み。そのような表情をされれば否が応でも気合いが入ろうというものだ。

 

「我々はMI攻略部隊として、12月17日1000に横須賀港を抜錨。総指揮は大隅と共に同行する私が受け持つ。ミッドウェー諸島への直接攻撃を行う攻撃部隊は第一機動艦隊と第五遊撃部隊、第3統合艦隊、そして“能登”を連れた第二機動艦隊である」

 

硫黄島で出会い、共に居酒屋ではしゃぎあった彼女たち。今回、みずづきは彼女たちとも肩を並べて戦うことになる。彼女たちはウルシー泊地と日本世界でいうところのウェーク島(瑞穂名オオトリ島)を攻撃後、同島の攻略を担う第2統合艦隊を基幹とするオオトリ島攻略部隊と分離。2人1班でローテーションを組み、大隅型艦娘母艦「能登」で休息を取りながら、ミッドウェー諸島海域に進出する。

(大日本帝国海軍の空母6隻が一堂に会する・・・・。真珠湾攻撃の再来じゃん)

日本が航空攻撃という奇策を持ってアメリカ太平洋艦隊を壊滅させ、アジア・太平洋戦争の戦端を開いた真珠湾攻撃。この攻撃に参加した正規空母と今回の作戦に参加する空母艦娘は全く同じメンバーだった。日本人として驚愕を通り越し、感慨深いの一言である。

 

「みずづきは第一機動艦隊所属として行動だ」

 

大きく頷く。この日のために事実上の一機艦所属として今日まで訓練に明け暮れてきたのだ。その甲斐もあり、連携も一機艦メンバーと遜色ないほど円滑に取れるようになった。

 

「第三水雷戦隊と第六水雷戦隊は攻撃部隊と大隅の護衛を行ってもらう。本部隊は横須賀抜錨後、対潜警戒を厳とし、無線封鎖を行いつつ約5日西進」

「5日・・・・・・」

 

誰かがうんざりと言った様子で呟く。当然、百石が噛みつく。

 

「おいおい、これでも主機が死なないぎりぎり速力を発揮し続けた最短時間だぞ。一度この工程を航行したことがある君たちなら分かると思うが、道中は霧中航行も予測される。気象庁によれば可能性は高くないとのことだが、太平洋の大部分は現在の人類にとって未踏破領域。仮にそうなった場合、みずづきの対水上・航海レーダーを艦隊行動の指標とする。他艦からの発光信号に留意すること」

 

複数の艦娘たちが冊子に鉛筆を走らせる。

 

「オオトリ島攻撃を終えた二機艦との会合地点はミッドウェー諸島サンド島北西300km地点。時刻は瑞穂時間22日正午を予定している。合流後、MI攻撃部隊はミッドウェー諸島サンド島西北西200km地点に進出。同諸島への攻撃は瑞穂時間23日0430、現地時間22日0730の夜明けと同時に開始する」

 

瑞穂から西方に4000km、しかも西経177度に位置しているため、ミッドウェー諸島は世界で最も遅い標準時で動いている。対照的に瑞穂は比較的早い標準時のため、瑞穂時間をミッドウェー諸島現地時間に換算する際は“現地時間に1日加えて、3時間引かなければ”ならない。その逆のミッドウェー諸島現地時間を瑞穂時間に換算する際は“瑞穂時間から1日引いて、3時間を加え”なければならない。

 

「この際、航空攻撃を担う空母艦娘に限らず、全員に絶対忘れてもらっては困ることがある。それは我々の敵は中間棲姫だけではないということだ」

 

百石と冊子を交互に見比べながら走り続けていた全ての鉛筆が、止まった。

 

「中間棲姫は飛行場姫とは比べものにならないほどの強敵だ。それはみずづきがいようと変わらない。だが、我々には本土空襲を防止する上で絶対に成し遂げなければならない機動部隊撃滅という使命がある。潜水艦娘による命がけの深部偵察、伊401の布哇泊地偵察によって・・・・・・・・・当泊地に空母6隻を擁する機動部隊の存在が確認された」

『っ!?』

 

吹雪が発言した、艦娘の間で共有されていた危機感。“また機動部隊の所在で翻弄されるのではないか”。ミッドウェー海戦惨敗の要因となった事象はこの世界ではそもそも発生すらしなかった。

 

「しかも、だ。布哇には敵本拠地と目されているだけあって、非常に強力な空母級がいる・・・・・・」

 

そこで言葉を切ると、百石は肩が触れそうなほど近くにあった何も書かれていない黒板の前に立つと、チョークを手に取り、白い文字を書き始めた。誰かが息を飲む。

 

「空母棲姫と空母棲鬼・・・・・・・」

 

赤城がそう呟いた。百石は相槌を打つ。

 

「ああ、そうだ。6隻の中に空母棲姫と空母棲鬼が含まれている」

 

「真剣」だった空気が、未来への不安を感じさせる「深刻」な空気に変わる。

 

台風8号の瑞穂接近の隙をついて瑞穂本土へ接近し、石廊崎沖海戦で17式艦対艦誘導弾Ⅱ型(SSM-2B block2)とMk.45 mod4 単装砲の遠距離砲撃で打倒した空母ヲ級改flagship。それの上位に君臨するのが空母棲姫と空母棲鬼であった。

 

両者とも空母ヲ級や軽空母ヌ級など空母型深海棲艦の頂点と言って差し支えない。瑞穂、そして艦娘たちは多温諸島奪還作戦(還3号作戦)時に両者と砲火を交え、脅威を自らの肌で知っていた。特に艦娘たちの肝を冷やしているのが、空母棲姫である。空母であるにもかかわらず、純粋な火力が戦艦並み。その業火と強大かつ夜間でも運用可能な航空戦能力とのコンビネーションは、昼戦はおろか夜戦においても戦艦を一撃で大破させるほどの絶大な威力。

 

既に中間棲姫という敵がいる戦場に、それらが加わったのだ。しかも・・・・・・。

 

「他の空母4隻は通常個体だが、内訳は空母ヲ級改flagship2隻・・・・」

『はぁ!?』

 

腹の底から飛び出してきたような凄まじい驚嘆が複数の艦娘から発せられる。

 

「と、空母ヲ級flagship2隻だ」

 

そして、百石の言葉が終わり久しぶりの静寂が訪れた頃には歯ぎしり一歩手前まで歯を噛みしめていた。

 

「機動部隊である以上、我々の敵は空母だけではない。布哇泊地艦隊という性格上、我々は空母単体だけでも厄介な存在が強力な護衛を率いて、同時に出撃してくる事態を想定しなければならない。歴戦の正規空母6隻が勢揃いするとはいえ、相手も全くの同数。慢心は即刻海底への片道切符となる。私が今更言うことではないと思うが・・・・・・本作戦は決っっして! 甘くない」

 

強調から一転、聞き耳を立てなければ危うく聞き逃すほどの小声。そのギャップが聴衆に彼の心境を明確に教えてくれた。今回は日本で行われた「MI作戦」と名称は同一でも全く異なる「MI作戦」。「MI作戦」を知っているからと、教訓を洗い出したからと安心していては勝てない戦なのだ、と。

 

「既に我々は伊401たち潜水艦娘の決死の作戦行動で敵機動部隊の存在と陣容を把握した。日本におけるMI作戦の反省を生かし、ミッドウェー・布哇間には呉鎮守府潜水集団が総力を挙げて哨戒網を構築し、敵機動部隊の事前捕捉・発見に全力を挙げる。だが・・・・」

 

百石の口調が急に威勢をなくす。

 

「私よりも諸君の方が遥かに分かっていると思うが、海は広い。いくら実戦経験が豊富でもたかが数隻の潜水艦ではどうしても穴は発生する。いくらみずづきがいるとはいえ、航空機の高速性能上、発見からの対処時間は限られる。諸君には遭遇戦も・・・・・・覚悟してもらわなければならない。よって、赤城、翔鶴、加賀、瑞鶴は攻撃隊を爆装隊・雷装隊の2つに分け爆装隊のみでミッドウェー攻撃を行う。流星の雷装隊は常に待機だ。いいな? みずづきは最後の切り札として温存する。絶対に待機だぞ?」

「「「「了解!」」」」

 

念には念を入れた確認。それに対する答えは百石とみずづきたちの心配をかき消すのに十分過ぎる気概がある。

 

「この方針は既に蒼龍・飛龍にも伝えてある。一機艦・五游部航空隊はイースタン島の中間棲姫と泊地、二機艦航空隊はサンド島の対艦・対空陣地攻撃を受け持つ。第3統合艦隊はまだ部隊の練成が満足のいく水準まで達していないため、艦娘航空隊空爆後、掃討戦にて投入する。助太刀は期待するな。攻撃部隊をはじめとする艦娘部隊の現場指揮は・・・赤城?」

「はい!」

 

切れのある勇ましい声で、一機艦の先頭に立っている赤城は答えた。みずづきだけではない。誰もが憧れ、尊敬し、慕う赤城がそこにはいた。

 

「君に一任する。私は大隅で指揮をとるから、迅速な対処ができない。艦娘たちや航空隊を指揮し、勝利の糸を手繰り寄せてほしい」

「・・・・・・・・・・・・」

 

赤城は即答しない。久しぶりに講堂が静寂に包まれる。しかし、ざわついたり、浮足立ったりすることはなかった。みずづきも穏やかな心情でしばしの急速に身を預けていた。その安心感の理由は赤城自身が証明してくれた。

 

「・・・・・はい。この赤城、失敗と懺悔(ざんげ)を教訓と決意に変え、しかと務めさせていただきます!」

 

赤城は引き受ける。誰もが共有していたたった1つの可能性だ。

 

「よし。頼んだぞ」

「はいっ」

「中間棲姫の制空能力を奪ったのち、各部隊は艦砲射撃にて中間棲姫に止めをさす。なお、敵機動部隊発見のタイミングによってはミッドウェー攻撃の開始時間の変更・前後やみずづきを赤城たちと共にミッドウェー攻撃に投入する場合もあり得る。また・・・・・」

 

そこで一旦、百石は言葉を区切った。

 

「状況によっては作戦の中止もあり得る。各員、個々人の情報収集、各部署との連携に注意しろ。聞き逃していました、報告し忘れてましたと後から泣くことがないように」

 

作戦の中止。自部隊の名誉、自身の地位をどん底に落としかねない、人事の意味で首すらはねられるかもしれない決断も百石は1つの可能性として考えている。犠牲が少なく済むとはいえ、実現を託された祖国の意思を自ら否定する行為はとよほどの覚悟がなければできない。それが考えられる、決断できる人間だからこそ艦娘たちは百石を信頼しているのだ。

 

「これで、俺からは以上だ。何か質問はあるか?」

 

百石と艦娘たちはこれまで散々議論やすり合わせを行ってきた。まだまだ非常に細かい折衝は残っているが、大衆の面前で聞くことはもうない。質問がないことを確かめると百石はブリーフィングの締めくくりにこう言った。

 

「君たちにとってこの作戦は思い出したくない、克服した過去を想起させてしまう、極めて残忍なものであることは承知している。だが君たちはこの作戦に意味を見出し、瑞穂の安寧を継続させるために心血を注いでくれた。瑞穂人として是非ともお礼を言わせてほしい、ありがとう」

 

百石は頭を下げる。彼に続いて筆端たち横須賀上層部、そして安倍と左雨も頭を下げた。

 

「絶対に勝って、全員笑顔で横須賀に帰ってくるぞ!」

 

誰も声は発しない。それでも百石は笑った。声で聞かずともこの場にいる全員の気持ちは伝わってくる。艦娘と人間の垣根など存在しない。

 

帰ってくる。

 

その純粋な決心で行動は満たされていた。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

壮行会。かつて若さと非常識の象徴だった暴走族がやっていたような走行会ではない。出撃を前に参加する将兵たちを鼓舞し、作戦の成功と生還、特大の活躍を祈って挙行されるお祝いである。

 

通常なら参加将兵の中で最上位軍人の訓示に始まり、各部隊指揮官のあいさつ、決意表明。それが終わり、腹の虫を過労死させる豪勢な料理や酒にありつけるかと思ったら、他部隊のあいさつ回りに上官たちへのお酒注ぎにご機嫌取り。英気を養うどころではなく、消耗させられる残念な仕打ちを受けることも多いが、ここ横須賀鎮守府では全く趣が異なっていた。

 

MI作戦に際した横須賀部隊の抜錨を明日に控えた、今日。橙野の大広間では艦娘たちを盛大に送り出す壮行会が開かれていた。

 

日本と異なり、退屈で登壇者の素養を暴露してしまう訓示もなければ、反感を買うこともあるあいさつ回りもない。軍人たちは日本にいた頃のみずづきと同じように談笑の皮を被った社交辞令を行っているが、肩の力が抜けている。半強制的な交流ではなく、自分の意思に基づいた自由な交流なのだろう。

 

艦娘たちははしゃぎにはしゃぎ、爆笑が絶えない。士気の鼓舞と英気の養いというお祝いの目的は果たされている。

 

「俺らはお留守番ですか!? そうですか、そうですか! 散々上官に弄ばれ、踏ん張って来たっていうのに、うう・・・・・・・うあぁぁ!!!」

「ちょっと!? 隊長!! いきなり号泣って、飲み過ぎですよ・・・・いい年して・・」

「ところで西岡? お前ら、あの騒動の時に艦娘寮でいいことしてたらしいな?」

「へ・・・・・・・・・」

「奥手を装っていたお前は・・・・・・・どこに行った? こういう大人しそうな顔した奴が一番タチわりぃんだよな! 大きい方と小さい方どっちがそそる? 俺は・・」

「ひぁぁぁぁぁぁ!? 先輩! 副隊長!? どこですか!? どこですかぁ~~~。これは俺の手に負えませんよ~~~」

 

目的を超越してしまっている者も若干名、存在するが。

 

「というか、川合隊長、どんだけ飲んでんのよ・・・・・」

 

顔といい手といい衣服に覆われていない肌を真っ赤に染め、一升瓶片手に暴れまわっている川合が見える。お守を頼まれていた西岡は必死に援軍を乞うが、既にその援軍が撤退済みであることを知れば絶望に染まってしまうだろう。だから、あえて誰も言わなかった。決して面白いからといういかがわしい理由ではない。

 

それにこの状況では1人や2人暴れていようとも目立たない。金剛は吹雪と榛名をおもちゃにしているし、深雪と黒潮は般若と化した曙に追いかけられているし、空母勢は食事に夢中。みずづきも先ほどまで陽炎たちと料理をつついていたが、背後からとある軽巡洋艦の不穏な気配を感じていたため、比較的将兵たちが固まっているエリアに退避してきていた。しかし、1人になるわけはなく・・・・。

 

「みずづきさん・・・」

「ぎゃぁぁぁ!!!!」

 

いきなり耳元で、しかも幽霊が発するような末恐ろしい口調でささやかれれば悲鳴を発しない人間などいないだろう。気配も一切なく本当に突然だった。声色から悪趣味ないたずらをしでかしてくれた人物の顔は思い浮かんでいたが、一応振り返る。

 

「・・・・・・・・」

「あははははは!!! みずづきさん・・・ぶっ! 最高・・あははは!!!!」

 

案の定、椿だった。気配を微塵もまき散らさず、軍人の後ろを取れる人物など彼女ぐらいのものだ。

 

「椿さん・・・・・」

 

少し、というかかなり頭に来たため、感情の赴くまま睨みつける。唐突な奇声に周囲から奇異な目で見られたんじゃないだろうか。それでも椿の爆笑は収まらなかった。

 

「ごめん・・・、ははっ。まさか、そんな典型的な反応をするとは思わなくて・・・てっきり、あの時みたいに気付いてくれるものと・・・ふっ」

「年がら年中、気を張っているわけないですよ。私だって人間です。少しは気を休めないとやってられないですよ」

「へぇ~~~」

 

ニヤ付いたまま目を見つめてくる。同性とはいえここまで凝視されると頬が赤くなる。

 

「・・・なんですか? 少し恥ずかしいんですけど・・」

「いえいえ、みずづきさんも人間だなと思いまして」

「心外でしょ、それ」

 

自分が人間ではなかったら、数々の偉業を成し遂げた椿はとんでもないことになる。

 

「褒め言葉ですよ。これ、どうですか?」

 

微笑みながら、座卓に置いてあったビール瓶を掲げる。みずづきは外見がどうであれ、年齢は23。瑞穂政府からも許可は出ていた。瑞穂に来てからも付き合いで飲むことはあったので持って来たコップを椿に差し出す。

 

出撃を前日に控えているからといってもさすがに飲酒は禁止されていなかった。但し、たしなむ程度という規制付きである。超えたと長門に判断された場合、阿修羅と化した長門のお説教タイムが待っている。そのため、現在酔っぱらっている者は川合にしかり総じて見送る側の将兵だ。・・・見送る側のはずだ。

 

「すみません、いただきます」

「どうぞ、どうぞ」

 

コップに独特の風味を持った黄金色の液体が泡を立てながら注がれていく。椿の分はみずづきが注ごうとしたが「いいですよ、みずづきさんは歓迎される側ですからね」と断られた。

 

「それでは・・」

「作戦の成功を願って・・」

「「乾杯!」」

 

滑らかなコップに口をつけ、半分ほどビールを流し込む。喉の奥ではじける炭酸と口の中で広がる苦みの不思議な調和が溜まらない。

 

「ぶはっぁぁ~~」

「こういう場のお酒はいいですね。なんだか、特別な感じがして」

 

みずづきと同じほどの量を口の中に消した椿は頬を高揚させながら、口元についた泡を白衣の袖で拭う。

 

「そうですね。私も好きですよ、こういうの」

「・・・・・・・・頑張ってきて下さいね」

「え?」

 

豹変した口調に驚き、コップで揺れているビールから彼女に視線を移す。ちょうど、残ったビールを仰いでいるところだった。空になると勢いよく座卓に叩きつける。

 

「負けることはないと思いますけど、念のため。これからみずづきさんたちは()()をしに行くんですから。・・・・・・・この作戦が終わったら2人で飲み明かしましょう! いいですか!? 約束ですよ?」

 

暑苦しささえ感じるほどの元気ぶりを見せる椿にしては、抑えた笑顔。あえてお淑やかに投げかけられた激励が想いの強さを示しているようだった。

 

「椿さぁ~ん」

 

彼女に圧倒されているとどこからともなく西岡のような声が聞こえた。見ると机に突っ伏してしまった漆原の背中をさすっている工廠の兵士だった。漆原は自分が陥っている状況を理解できていないのか左手に持った箸で何を掴もうとしている。だが、何度も試しても掴むものは空気。ちなみに彼は右利き。脳の発達を促すため左手で箸を持つトレーニングしているわけでもない。

 

「リーダー・・・。お酒に強い訳でもないのにあそこまで飲んで。あれは重傷ね」

 

要するに酔ってぼけているだけだ。頭を抱えると椿はコップを持って立ち上がる。

 

「ごねんなさいね。みずづきさん、ちょっと見てくる」

「いいですよ、どうぞどうぞ」

 

呆れつつも心配な様子に思わずニヤ付いてしまった。相変わらず、だ。「そんなじゃないですからね!」と最後に毒づき、彼の元へ行ってしまった。十分脈ありと思うのは自分だけだろうか。

 

「相変わらず、元気な人ね」

「うわっ、酷い。それ皮肉? 看護しようと去った人にその言葉、人格疑われても仕方ないわよ」

「純粋な言葉を皮肉としか捉えられない方がよほど深刻だわ。深層心理まで冒されているんだもの」

「なんですって?」

 

漆原とは反対方向から聞きなれた声と感じ慣れた雰囲気がやって来た。彼女たち以外に冷静さを保っている艦娘がいることは分かっていたので2人にはツッコまず、残りの2人に声をかけた。

 

「赤城さん! 翔鶴さんも!」

「しっかり食べてるみずづきさん? 腹が減っては戦は出来ぬ。しっかり食べないと万全の力は発揮できませんよ」

 

(朝ごはん、あるんだけどな・・・・・)

お腹いっぱいで幸福感に包まれている赤城にこのツッコミは厳禁だろう。彼女の幸せを否定することはできない。心の中が見えているのか、翔鶴は赤城の背後で苦笑していた。

 

「ああ、もう! なんでこういつもいつもあんたは!!! ふん! それより、早く乾杯しましょうよ。乾杯!」

「乾杯ですか?」

 

加賀の面前から逃げ出してきた瑞鶴が目の前に新品のビール瓶を差し出してくる。先ほど椿が注いでいたビール瓶はそのまま置かれているので、どうやら瑞鶴の持参品らしい。「はぁ~」とため息をつきつつ、加賀が隣に座った。

 

「そうよ! このメンバーでやることに意味があるのよ!」

 

みずづきの周りには赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴。文字通り、作戦の成否を己の双肩(そうけん)に乗せている5人が集まっていた。重圧を与えないようそれを言葉にしない当たり、瑞鶴もそれなりに気を配っていた。

 

彼女の言葉に4人が苦笑を浮かべた。ビールの栓を栓抜きで取る。

 

「そうと決まれば・・・」

 

瑞鶴に最も近いコップは加賀のコップだった。正確にはみずづきが一番近いのだが、あいにくコップは座卓の上だ。視線を交錯させる両者。一騒動始まるかと思いきや、瑞鶴は素直にビールを注ぐ。コップの容量ぎりぎりまで入れるいたずらもしない。

 

「ありがとう・・」

 

短い加賀の一言に顔を俯けると「次は赤城さんのね!」とわざとらしい快活さでビールを注ぐ。耳が赤く染まっているあたり、内心が隠せていない。

 

「すいませんね、瑞鶴さん。私が瑞鶴さんの分入れましょうか?」

「ありがとう。でも、大丈夫」

 

みずづきのコップに注ぎ終えた後、そそくさと自分のコップを黄金色と白色に変えた。ビール瓶を座卓に置くと、瑞鶴は一同を見回す。瑞鶴も含めて全員、いい笑顔だ。

 

そして、それは心の底から生み出された本物の笑顔だった。彼女たちの過去を知っているが故に、彼女たちの葛藤と心労を垣間見たが故に目頭が熱くなった。

 

「では、MI作戦の成功と無事の帰還を祈って・・・・・・乾杯!」

「「「「乾杯!」」」」

 

瑞鶴の音頭に合わせ、ガラスコップの同士がぶつかり合う清涼感と透明感を併せ持った風流な音が鳴り響く。

 

数々の思い出と伝説を残した壮行会も夜更けと共に佳境へ突入する。これが終わり、夜が明ければ、もうすぐそこだ。

 

 

 

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昨日の真冬らしい曇天から一転、頭上には澄み切った青空と綿菓子のような柔らかさを自慢する雲。風も日光を受け寒風ほど刺々しくない、荒々しくない。その影響で、先ほど第3統合艦隊が出港していったにもかかわらず海面は凪いでいた。

 

絶好の出撃日和である。

 

艦娘専用桟橋が設けられている岸壁には課業時間にもかかわらず、みずづきたちを見送ろうとわずかな隙間もないほど将兵たちが詰めかけていた。艦娘専用桟橋を見通せる建物の窓にも将兵たちがぎっしり張り付いて、こちらを眺めている。いくら晴れているとはいえ外気は苦痛を与えるほど冷たいが、誰も嫌そうな顔1つしない。

 

「準備はできたか、長門? 第3統合艦隊は横須賀湾を離脱した。もう、頃合いだ」

 

二日酔いで顔が土色になっている川合を引き連れた筆端が艦娘専用桟橋から、長門と既に抜錨準備を終えた艦娘を見下ろす。その数、14名。赤城を旗艦とし、みずづきを加えた第一機動艦隊、川内を旗艦とする第三水雷戦隊だ。残りの第五遊撃部隊、第六水雷戦隊は大隅に乗艦し、既に横須賀湾沖で待機している。ミッドウェー諸島までの道のりは日本人の感覚では想像もできないほど遠い。そのため、船団護衛の際に行ったように一機艦・三水戦組と五游部・六水戦組で警戒と休息のローテーションを組むことになった。壮行会の場で執り行われた赤城と加賀のじゃんけんで一機艦・三水戦組が先に警戒を行うことが決まった。そのため彼女たちは大隅に乗り込んだ百石たち横須賀鎮守府同行組と共に、既に見送りを受けていた。

 

「了解しました。総員、機関始動!」

 

長門の命令を受け、14名の機関が一斉に唸り始めた。みずづき以外の艦娘は始動時特有の一際大きな煤煙を吐き出し、快走を実現できるように機関を温める。ここで何かしらの不調が見つかれば、抜錨どころではなくなる。故に若干筆端の表情が険しかったが、軽快な唸り声に目尻を緩めた。

 

「各員、機関に異常なし。抜錨可能です!」

 

百石の不在に伴い、MI/YB作戦中横須賀鎮守府を任された筆端は目尻を緩めたままゆっくりと頷く。そして、左手首にある腕時計を覗いた。現在時刻1000。その数字が透過ディスプレイに映し出されていた。

 

「・・・・・・・・・・・時間だ。お前ら、また会おうな」

 

そう優しく微笑みかける。「MI/YB作戦」の発動を告げる軍人らしい豪快な声を張り上げた。

 

「総員出港ぉ!!」

「前進微速! 進路そのまま!」

 

長門の命令と共に暖機運転で調子を上げていた主機の出力を拡大。速度を上げれば上げるほど攻撃性を高める厳冬の空気をかき分け、凪の海を乱していく。14名が生み出す海面の乱れは十分波の境地に達していた。

 

「帽振れ!!!」

 

筆端を合図に詰めかけていた無数の将兵たちが軍帽を頭上に突き上げて振る。真夜中で過酷な現実を前に懇願を宿した、悲痛な帽振りとは全く意味が違う。視界の端で流れていくその光景は胸を熱くし、戦意を確固たるものにするには絶大な威力を持っている。ただ・・・・。

 

「あれは・・・・・」

 

己の心に静かな火を灯したのは、彼らだけではなかった。視界に入る。海浜公園には出撃を見守る市民だけでなく、知った顔があった。

 

かつて艦娘を忌み嫌い、軽蔑の視線しか向けなかった海軍士官たち。そのリーダー格の男に従い、彼らは真剣な眼差しで敬礼を行っていた。脇をしめた、海軍式の敬礼。全員、微動だにしない。

 

「ほんっっと・・・・、海軍軍人っていうのは・・・・・・」

 

みずづきたちは苦笑した後、見事な陣形を維持したまま大隅・第3統合艦隊への合流に向けて横須賀湾を進む。合流後、艦娘26名と第3統合艦隊、大隅、給油艦2隻の通常艦艇9隻で構成されるMI攻撃部隊は瑞穂本土を背に一路西進するのみ。

 

 

日本世界で大日本帝国の命運を決した海戦の舞台となり、この世界で房総半島沖海戦を引き起こした深海棲艦の出撃拠点となった絶海の孤島。歴史の教科書や戦史関係の書籍で文字としてしか見たことがない島はどのようなものなのだろうか。

 

それをこの目に映すまであと5日。好奇心を警戒心で抑えつつ、決して気の抜けない5日間の航海が瑞穂史上最大規模の軍事行動となる「MI/YB作戦発動」と共に始まった。

 




次話から主な舞台は“横須賀以外”に移行し、本格的にMI/YB作戦に移行します!
そのため本作でも“時差”なんていうややっこしい自然現象がついに堂々登場です・・。一応、作者は把握していますが、何分時差が大きすぎるので表記ミスや勘違いがあるかもしれません。文中に記した通り、時差は21時間ですので、間違いなどに気付かれた際はご一報いただけると幸いです。

っと、細かいことですが、忠実のミッドウェー海戦や現在と異なる部分があるようなのでお知らせ致します。

・時差について
現在では世界時の規格?が変わったのか、ミッドウェー諸島と日本との時差は20時間と表示されます。しかし、戦前、戦中はwikiや戦記を見るとミッドウェー諸島と日本の時差が“21時間”になっています。本作ではミッドウェー海戦と同様の「21時間」の方を採用いたします。

・日の出の時刻について
ミッドウェー諸島においてミッドウェー海戦が行われた6月4日(現地時間)は午前5時ごろが日の出だったようですが、調べてみると12月後半はミッドウェー諸島も日本と同様に日の出が遅くなり、午前7時頃にお天道様が顔を覗かせるようです。ですのでMI作戦では日の出を午前7時ごろと想定して、作戦行動を行います

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